40代(男)アバターで無双する少女

かのよ

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24 もう一人の戦友

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 「良い店?」
 榎本に連れられ上野を巡ったガルドは、眼前のレトロな風合いのレストランを見つめる。女子受けのする店に関して詳しいはずの榎本だが、今日のチョイスに違和感を感じた。
 「おう。上野観光と言えばこれだろ?」
 「榎本が選ぶにしては、なんとも……」
 赤いレトロな文字体で掲示されている「じゅらく」の文字は、みずきの両親さえ生まれる前の時代を感じさせる。昭和、というやつだろうか。映像資料でしか見たことのない世界が、こうして現存していたことに驚かされる。
 「普通に飯を楽しむなら別のところにするさ。でもな、今日は観光しに来たんだろ。上野といえばじゅらく! これで決まりだ」
 「そうなのか」
 「そうなんだよ。ほんとは聚楽台なんだろうけどな」
 そう言って目を細める榎本は、今は真新しくなっている一本隣の道沿いのビルを見る。榎本が生まれるかどうかという年代に閉店してしまったその店は、榎本の祖父母の思い出の店だった。この姉妹店よりもさらにレトロで、何故か鮮やかにイメージできる。見たこともないはずで不思議な話だが、覚えているかのように思い出せた。
 「ノスタルジー」
 「上野ってそういう町だろ?」
 懐かしみ、切なさ、そして郷愁だろうか。横浜の新興住宅地で生まれ育ったガルドには、どうもフィクションの話に聞こえる。自動車の排気ガスがそこら中に充満していた時代があったらしい。
 その時代を思わせるそのレトロな店に、榎本がスタスタと入っていった。
 「……どこか懐かしい」
 確かにそう感じる。しかしガルドにはそれが、「作られた虚構の懐かしさ」だと思えた。


 「そろそろメンテも終わるころだ」
 「そうだな。俺としては、お前とデート出来て楽しかったけど」
 「……デート、だったのか?」
 この店の名物らしいオムライスを前に、ガルドは目から鱗だった。確かに男女で二人、観光地を巡った。デートの形は成している。しかしそのつもりが毛頭なかったガルドにとっては衝撃の単語だった。
 控えめな照明の明かりとシックな店内、どこかで嗅いだことのあるような香りが優しい雰囲気の店内。向かいに座る榎本も表情も、どこか優しさを感じさせる。向かい合う男はここしばらくで見慣れていて、目新しさは無い。
 上野の風景こそ初めてのものばかりだったが、こうして散策するのも食事を共にとるのもいつも通りであった。
 しかしこれがデートだという。普段と違う点の方が少ない今日の外出では、何をもって人々がデートと呼ぶのかさらに謎が深まる結果にしかならない。
 目の前の相棒の、飲み会の時とは少し違う顔を見た。
 ガルドの胸に、あるべき甘酸っぱさは無い。代わりに沸き上がるのは興味・関心だった。同僚のデート現場を目撃してしまったかのような出歯亀精神と、からかいたいイタズラ心がむくむくと育つ。
 女とデートしているとき、コイツこんな顔なのか。ガルドは冷静に、榎本の今の表情をそう解釈した。
 「なかなか興味深い」
 女性と居るときはいつもこうなのだと思い込む。榎本がガルド個人に向ける特別な慈しみの顔だと、彼女はその恋愛経験のなさ故に思い至らなかった。
 「ははっ、観光地を回るお嬢さんって感じだったな、お前」
 榎本はそう言って茶化した。デザイン的にはカジュアルな服装のはずが、ガルドはどことなくお嬢さんという単語が似合う。神奈川というより横浜、田園都市線沿線や武蔵小杉といった地名が似合うだろう。
 「ふむ」
 そう見えることに理解を示しつつ、軟派な態度をとることが多い榎本に「次に誘うオナゴはどんなレディなのか」聞こうとしたガルドの、座っていた目線上に新たな目線がぱちりとぶつかった。

 座っている客と歩いている客が目を合わせるというのは、どちらかが強く興味を示さなければあり得ない構図だ。
 ガルドはその違和感を目で追った。
 「あれー!?」
 目線の先から不意に大きな驚愕の声が聞こえ、予期せぬ反応にガルドはぎょっとする。声に背を向けていた榎本も弾かれたようにそちらを振り返った。
 声の主は、目が合ったガルドではなく後頭部だけの榎本を凝視していた。
 「やっぱり! 榎本さんじゃないっすか! あ、上野に住んでるんしたね~」
 そう言って近づいてくる男に、ガルドは見覚えがない。榎本の友人だろうと推測する。年齢も彼と同じ程度に見えた。
 彼はくたびれたスーツの上に、技術者が着るような襟と会社名ワッペン、ペンホルダー付き胸ポケットが目立つアイボリーの作業用ブルゾンをはおっていた。ボサボサの鳥の巣のような真っ黒の髪は、毛先のダメージがひどくガサついている。もっと切り揃えれば良くなるだろうが、忙しいのだろう。数ヵ月は切っていなさそうであった。
 顔色はお世辞にも健康的だとは言えないレベルに白く、目の下のくっきりと浮かんだ隈にも心配になる。鼻立ちはのっぺりとしており凹凸が少なく、目だけがキラキラと力ある輝きを称えていた。
 それが逆に不気味に見える。
 変なハイ状態なのだろう。徹夜か、栄養ドリンクブースターか。ガルドにも経験がある。あれは脳だけ強くさせるが体を無視するドーピング薬だ。心臓や免疫を置いてきぼりでダッシュするようなものである。
 ヤクは辞めてすぐに帰宅して、暖かくして寝た方がいい。栄養のある消化にいいもの、たとえば卵をのっけたうどんなんかを作ってあげたくなる。そんな男だった。


 声を掛けられた榎本は目にみえて慌て、作り笑顔で応対した。ちらりとガルドを見てから返事をする。
 「よぉ……ぼ、ボートウィグじゃねーか」
 まさか。
 その名にガルドが凍ったように固まる。
 「……は?」
 聞き覚えのある名前だ。
 そもそも、ガルド榎本に紹介した男の名前だったはずだ。
 目の前の、そう呼ばれた男は一瞬で顔を赤くして照れた。ガルドの疑問符を別の意味で受け取ったらしい。
 「よしてくださいよ~! リアルじゃ痛いっす、その名前」
 オンラインゲームの平均値で言うとそれほど痛くはないが、現実にはありえない名前である。それに少し長い。付き合いの長いガルドも、面倒なときは愛称の「ウィグ」で済ませてしまうことが多かった。
 彼はロンド・ベルベットのメンバーではない。「鈴音りんね舞踏ぶとう絢爛けんらんしゅう」というギルドに所属する男だ。
 優秀な単詠唱系魔法職プレイヤーで、レイドの時などはよく支援してもらっている。周囲と比較しても特にガルドと親交が長く、元々ソロ同士だったがガルドのロンド・ベルベット加入と同時に「鈴音」に加入した経緯があった。
 ガルドとしては、榎本とはまた違う大切な戦友の一人だと思っている。
 「っと、そちらは……あっ、ああ~、デートでしたか? すみませんお邪魔しちゃって」
 そこまで話した後、榎本にだけ聞こえる程度の小さな小さな小声で「チョー可愛いっすね、援交っすか?」と失礼極まりないことを呟いた。
 「おい! いや違うぞ……あーっと、えっとだな」
 ボートウィグのセクハラと冗談の境目のような発言をスルーしながら、榎本はガルドの方に一瞥をくれる。このアイコンタクトに、彼女も一つ頷きで答えた。
 前線メンバーにバレた以上、隠す理由は無い。女とバレてしまっても実害はないだろう。以前ほど「ネナベであること」への罪悪感は無い。それを綺麗に消してくれたのは榎本やギルドの仲間達だ。
 ガルドにとって自分の評価など二の次に変化し、むしろ「年の差が親子ほどもある少女とデートしていると榎本が噂される」方がダメージだと判断した。
 それに加え、鳥の巣頭の彼は戦友だ。
 自分を慕ってくれている彼は、フリーでやっていた頃からの付き合いが続いた数少ない戦場の友なのだ。
 オフ会の時同様、拒否されないかと不安がよぎる。だがガルドは、舎弟のような存在の彼の、暑苦しい忠誠心を信じることにした。

 「こっちじゃ、始めまして」
 握手を求める。こっち、というキーワードはオンとオフの両面を使うオンラインにしか通用しないワードだ。
 隈の酷い彼の、キラキラした大理石のような目が見開かれる。SNS等をしていればそちらの筋もあり得るものの、榎本と同席しているとなると答えは一つだった。
 「え、うそ……お嬢さん、フロキリで僕と会ってる?」
 「ああ」
 「榎本さんとご飯するくらい、仲良し?」
 「ああ」
 こくりと頷くみずきの動作は、オンラインでもよくする肯定のサインだ。
 「ぼ、僕、まさか知ってる?」
 「知ってる……戦闘で一緒したのは二ヶ月くらい前か」
 「え、え、戦闘!?」
 驚くボートウィグを傍目に、ガルドは頷くばかりだ。ヒントが少なすぎる。ボートウィグがガルドに気付くのにこれでは数時間かかる。
 少し早口で榎本が補足を入れることにした。無口なガルドでは埒が明かないだろう。
 「ああ、あの攻城戦だな。ほら、チートマイスターとかがいた、水晶洞窟エリアの百百100VS100のやつだよ。お前、こいつの背中追っかけて最前線まで出てきたじゃないか。んで一瞬で一乙いちおつして、号泣しながらまた追いかけて……」
 榎本がそうフォローする。ガルドもその攻城戦を思い出しながら話を聞いた。
 楽しかった。しかし彼の言う通り、目の前のボートウィグが後ろで鬱陶しくしていたのだった。それもまたガルドにとっては楽しさのエッセンスであった。
 攻城戦はガルドにとって完全な娯楽であり、楽しいか楽しくないかで行動するイベント行事である。ボートウィグとつるむのは、とにかく「友人同士といった雰囲気での楽しさに溢れている」からである。それを思い出し、ガルドは仄かに微笑んだ。

 「……あっ」
 その小さな笑顔で気付いたのだろう。
 彼が追いかけ慕っていた「大剣使いの男」は一人しかいない。蜂蜜色の髪をした、筋肉と黒い大剣が特徴の彼だ。
 ポーカーフェイスな上にぶっちょうずらで、強面なアバターはいつも悪人かヤクザモノのようなはずが、ボートウィグと共にいるときはよく表情をする。ふわりと笑い、眉間のシワを緩めるのだ。
 その自負が彼にはあった。
 瞬間。目の前の少女と、自分が慕うあの人がぴったり重なる。
 「か、か、か!」
 痙攣のようにカ行を繰り返し吐きながら彼の目が潤んでゆく。泣き上戸で女々しくなよなよしいのは、リアルでも変わらないらしい。ガルドは彼の名前を呼んだ。ガルドしか呼ばない略称で、小さく一言。
 「ウィグ」
 彼の視界の中で、少女の輪郭が水に溶けていく。
 「閣下かっかあぁっ!!」
 ポロポロと大粒の涙をこぼしながら、くたびれたサラリーマンが女子高生に勢いよく抱きついた。
 座っていたガルドの頭を、胸に抱き込むような形になる。
 「泣くな」
 ゲームでもよく泣く彼を、こうして好きにさせるのもガルドとボートウィグのお決まりだった。
 しかし見た目がよろしくない。
 「なっ! 待て待て待てっ、ガルドおいそうじゃねえ! 嫌がれ! つかテメー調子乗るなよボートウィグっ!」
 榎本が立ち上がったときの椅子の音が店に響き、周囲の客が何事かとチラリ見る。さらにおいおいと泣くボートウィグの嗚咽が、静まり返った店内の新たなBGMとなった。居たたまれない榎本が口早に注意するが、一向にボートウィグは動かない。
 「閣下、閣下ぁ~!」
 「ガルドを離せ! この犬野郎!」
 「うぅ、僕は、僕は何年もこの日を! うぅっ! ……ずっと、ずっと待ってたんですよっ!?」
 「もっと肉食べろ」
 「相変わらず突拍子もないこと言い出すぅ~!」
 「こんなに痩せてると思わなかった」
 「僕だって閣下がこんな可愛くてちっちゃいなんて、ちっちゃ、あれ閣下……デカイ?」
 「身長なら百七十は越えてる」
 「閣下かっこいい!」
 ひっつき虫のようにガルドにくっついているボートウィグを、榎本が引き剥がしにかかる。
 「は、な、せ!」
 「榎本さんばかりズルい! 閣下の相棒とはいえ、ズルいじゃないですか! いつの間にこんな感じになってたんすか!」
 「まだそんなに経ってねーよ!」
 「その言い方、ここ数日じゃないでしょ! 僕だって閣下の犬ですからぁ! 離れませんから! あんたの命令聞かないですから!」
 ブンブン頭を振り涙を辺りに散らしながら、ボートウィグは必死に抵抗した。口元がわなわなと震えている様子は、を持つアバターとは若干違っている。それが新鮮で、ガルドはじっとボートウィグを見つめる。
 「ハッ、閣下が僕に熱視線を! もっと栄養状態の良いときにお会いしたかった……」
 泣きながら照れるという器用な表情をしながら、ゆっくりガルドを抱える腕を解いた。すかさず榎本がボートウィグを後ろに思いきり引き倒し、椅子に座らせる。
 「なに照れてやがる、気持ち悪い……」
 「あ、写真撮っていいですか?」
 「自由だな! 断れガルド、こいつ変態だ!」
 「ん」
 鞄からスマホを取り出したボートウィグに、ガルドはピースのポーズで答えた。
 小首を傾げ上目使いしつつ、小さく頬のそばでピースする。学校の友人たちに教わったプリクラ用のかわいいポーズだ。
 「ふぉおお! か、かわいい!」
 「ガルド……お前なぁ……」
 榎本は保護者の面持ちで心配になった。ガルドの、自分自身に向けられる悪意への危機感の無さに言葉も出ない。将来ストーカー被害にでもあうのではないだろうか。家宅侵入の末の最悪の事態を想像して榎本はぶるりと震える。
 ボートウィグを筆頭に、フロキリでガルドを慕う者は多い。しかし男だと思っている者ばかりであり、それが逆に安心要素であった。まるで舎弟のような、ロックスターを慕うファンのような気の良いやつらばかりだ。
 しかし、ガルドが女だと知ればどうなるだろう。どいつもこいつもこうなるのではないだろうか。
 「閣下女の子だったんですね! つか僕より年下!? あの圧倒的な筋肉と溢れる漢気による包容力がリアルではこんな、まさに、まさに! これこそがバブみというやつですか!?」
 「やめろぉー!」
 これではヤンデレが現れるのも時間の問題だ。榎本は、新たに「ガルドに危機管理を学ばせる」ことと「とりあえずガルドが成人するまで俺が守る」ことを心に決めた。
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