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プロローグ

プロローグ 第2話 「異世界での目覚め」

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 少し時間を戻しこの異世界で初めて目覚めた時の事を記しておこう

 混乱はこの二週間ずっとだった。前世でお腹弱い無職ニートだった僕がそこらのキノコを食べても腹を下してない事への不思議、そして周りは見たこともない異様な風景、上空は月が二つもあり、その内の一つは青い。
 この世界で初めて目覚めた時に訳も分からず歩き回った後、遠くにヤギを見掛けた。いやヤギと言うには異形で2本の角は反り返り前方に攻撃出来るかのように鋭利に尖っていて顔は邪悪そのもの、まるでモンスターのような姿をしていた。
そして僕は目覚めたこの世界が異世界だと気付いた……
「まるでゲームの世界だな」
心の中でつぶやいた
しかし自分のステータスも見れなければ何の能力があるのかも全く分からない
少し山道を登っただけで息切れする
この世界に来る前の前世と大して身体能力は変わらないようだ。

「武器になりそうなものも何も無いし……この異世界でどうやって生きて行けばいいんだろう……」

それに今の所誰とも会ってない
山道を下り川を見付け僕はようやくこの異世界で初めて水を飲んだ
「この川の水は飲めそうだな」
こうして異世界での僕の1日が終わった……。
僕は疲労からか座ったままいつの間にか眠りについた そして朝が来る
「ん?……」
目を擦りながら起き上がると違和感を感じた……
髭が生えていない

僕は少し歩き見付けた水たまりで自分の顔を見た
少し若返っているのか?10代後半くらいにしか見えないけども

この異世界に来る前の僕は30代後半の無職になってなにも出来なかった弱者男性

「......とりあえずこんな所でボーッとしてたら野生動物とかに襲われるかもしれないからな。森を抜けた先に街とかがあるかもしれないしそこまで歩いてみるか」
この異世界に来てから丸一日何も食べてないから腹が減っていた
歩く途中に何かあればと周りをキョロキョロと見回しながら数キロ歩いた。 すると突然近くの草むらがガサゴソと音がした
僕は咄嗟に身構え足音を鳴らさないように後ずさりした。
すると出てきたのは体長15センチほどのリスみたいな生物だった。それは二本足で立ち上がると僕に近づいてきた 「ピギュ!ピギュ!」 何かを訴えかけてくる
よく見ると可愛い生き物である事がわかる 「うーん、何かコミュニケーション取りたいのだが...僕じゃどうにも出来なさそうだ」
「キュ?」 首を傾げる謎の生物、リスに似てるが黒い羽根みたいなのがある
その異世界リスは木の上を何度も顎でクィっと指していた
その先には二つ大きなキノコらしき物が生えていた
大きいキノコなので木に登れるリスでも取るの面倒なのだろうか
僕が少し木を登れば取れるか?異世界リスはそれを欲していたのだろう
足場になる太い枝もあるし取ってやろうかなと思い足を上げキノコに手を掛けた
バキッ!? 足場の枝を折れてしまったらしい。音がなった瞬間に異世界リスはこちらに飛び掛かってきた!
「うわぁ!?」 僕は突然の事で尻餅をついて倒れてしまい異世界リスはその隙を突き僕が手に持ってたキノコを奪って去って行った
「はは」僕はこの世界に来て初めて笑った
あんな小動物に物を奪われるとはこの異世界でやっていけるのか?平和ボケした自分に笑いがこみあげていた
僕は少しそのまま休み、立ち上がった。
あのリスが食べれるならあのキノコ食べてみるか?
二つ生えてたもう片方のキノコを棒で根本を押しやりキノコを採った
火にかけないと食中毒にならないか?だが火を熾すすべもない仕方ないので半ばヤケクソで口に入れ食べた。その瞬間体に電流が流れたような感覚があった。「あっあぁーー!!??なっなんだこれ!?口の中に入れた瞬間全身が麻痺したように震え足が地面についてる感覚がなくなり意識が遠退いていった...... 僕の意識が落ちるその感覚に血の気が引いた
だがその時身体の奥底でなにか”エネルギー”が働いたかのように身体を起こした

そのエネルギーが何だったかは、1か月後に自分には思いもよらない形で分かった

そして僕の1日がまた始まる……
この異世界に来てから一週間ほど、僕はこの山で生活をしていた 最初は水と食べ物を求めて彷徨っていたがこの山にはキノコも木の実も沢山あり、それに川もあるので飲み水に困らない事と食べ物はそこら辺に生えてる植物を食べれる事が分かった。
しかし一週間経った今、僕の前に「ピギュ!ピギュ!」
あの異世界リスが現れた。そして僕に小さなキノコを渡そうとしてくる 
僕をこの山で1週間も新たに生息し始めた二足歩行の獣と認識されたのだろうか?異世界リスからすると敵対関係を持ちたくないのだろう
僕はその小さなキノコを受け取り食べた。すると異世界リスは満足げにして木を登っていく そしてその一時間後またキノコを差し出してくるのだ。
その日から僕はこの山で生活する為の食料を異世界リスから少し分けて貰えるようになった……。
そこから一週間が経ったある日、ふと気になっていた事があった。僕は山から見渡す限りの広大な大地を見渡した そして街らしきものを探す。その内何日か見て回ったが人の住むような建物は見当たらない……しかし大きい川を見つけたので、まずそこを目指し歩き回りようやく辿り着いた頃には2週間近く経っていた。
だがそこにも人はいなかった 異世界転生して2週間は経ってるはずだしそろそろ誰か見掛けても良いんじゃないか?と疑問に思ったが、この異世界で他に住む生物がいるならそれは人間ではないのかもしれないと思い始めた。
孤独には耐性がある僕だがさすがに不安になっていた、このまま原人として暮らすなら家を建て生活の拠点を作るべきか?と悩んだ、しかしこの異世界ではモンスターなどもいるようなので家を建てても大丈夫なものなのか?その判断がつかない
もうすっかり夜が更けていた
「はぁー」僕は大きくため息をつきながら寝転び空を見上げた。
異世界の空は、前の世界で見てきたようなものとは比べ物にならない星空だった……。

次の日の事である、僕は日課である山菜と木の実取りをいつもと違う獣道に行き採取している最中にある事に気付いた。それは山から見渡せる草原地帯に”何か”が歩いて行くのが見えたのだ。しかも複数人、それを目視すると草むらをかき分け走り出した。
そしてようやくその集団を認識出来るまで追い付いた「子供か?」

小さな背丈の人間が数人いて何か騒いでる、その先には何か得体のしれない茶色の薄汚れたフードの付いたマントを被ったヒトが見えた
子供というか悪ガキたちはその薄汚れたフードのヒトに石をぶつけ始めた

それがこの世界に来て初めての人との遭遇だった…
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