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第3章

4話目

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結局、皆で相談してエルフがいる『ノアニール』の国へ向かう事にした。
ファンタジーな世界での定番、エルフにドワーフ。
一度会ってお話をしてみたいと、思っていた。
地球のラノベでは、様々な捉え方をされているが、この世界でも、森の民みたいだ。。
私の中のもらった記憶では、弓が得意で、木工品は芸術品!性格は陽気だが、ひとみりしが激しい事で有名。
ドワーフは、緘黙な職人気質で有るが、人当たりは良いらしい。
お互いが大酒飲みで、仲が良く一緒に宴会をすることも有るみたい。
会えるのが楽しみだ!
旅に出る準備をしていると、ルチルさんがやって来て、『さみしいから』と、時々ドラゴンの里に帰って来る事を約束させられた。
解るよ!あんなに可愛らしいピュアちゃんと、離れるのはきっとさみしいし、心配だということが!
エシャントさんからは、『里に来る時はいつでも呼んで下さい!お迎えに行きます!』と、期待を込めた眼差しで言われたので、『転移出来るから大丈夫』と、言えなかったよ・・・。
エシャントさんに乗っての空の旅は快適なので、すきだし、打ち明けるかは悩むよね・・・。
家の掃除をして、スィーツの作り貯めをしていよいよ明日出発だ!


その頃長の家では。
「ピュア、忘れ物は無いかぇ?
くれぐれもアヤノさんに、ご迷惑をかけるで無いぇ。
そして、少しでもお役に立ち、なんとしても、この里のご恩返しをするのじゃ!
改まって何かをすればきっとアヤノさんの事ゆえ気にされる。
本人にそれと気付かれる事無く、頑張るのじゃ。
何か有れば直ぐに知らせて参れ、ほんにアヤノさんは我らに頼る事が無い、それもまた美徳じゃが、歯がゆくも有る。
もうちと甘えてくれても良いのにと思わないでも無いが、それを良しとせんのであろう・・・。
とにかく、どの様な事でも良い、アヤノさんの役に立のじゃ!」

あの事件では、それほど多くない同胞が犠牲になった。
少しでも人族が困れば良いと思い、魔境での魔物狩りを止めた。
その事で、人族はかなりの被害を出したと聞く。
増長した人族に、『舐められる訳にはいかぬ』と思い、引き時も考えておったが、交渉の面倒さと、我欲が強く、自分勝手な者の多さに有る意味見切りを付けていたがゆえに、人族への対応に嫌気が差し悩んだ。
それゆえ、同族であるアヤノさんに任せてみる事を思い付き、大変申し訳無いと思ったが頼んでみる事にした。
快く引き受けてくれ同族同士ゆえ、直ぐに済むと思っていたのに、何故かかなりの時間がかかっておった。
心配したが、戻って来て詳細を聞いてビックリした。
首謀者の処罰だけではなく、『二度と同じ事が起きない様に』とまで心を砕いてくれておったとは・・・。
それを知った時、わらわは己を恥じたのだ。
わらわが逃げたゆえ、アヤノさんは同族を相手にしたのだ、嫌な思いも辛い思いもしたはず、しかし、アヤノさんはけっして我らに愚痴もいや事も話さなかった。
(馬鹿でクズがいるとは言っておったが・・・。)
魔物の増加で同族が犠牲になったのだ、それを身近で知り、どれ程心を痛めたのであろうか?
それすらも言わなかった。
あのレベルの上がり方をみれば解る。
アヤノさんはかなりの数の魔物を刈ったのだ、何も言わず少しでも同族の被害を減らすために・・・。
『何ということをさせたのだ』と悔やんだが、後の祭り・・・。
受けた恩返しと、償いをしようと悩んでおったおり、奥宮からピュアが出てきた。
アヤノさんに救われ時間が出来たので、活用しようと思い付き、今回の事をお願いしたのだ。
初め拒否された時は、『わらわの考えに気が付いたのか?』と、思ったが、そうでは無いらしいので、胸を撫で下ろした。

「承知致しましたわ。
お任せ下さいませ!先代。
いえ、お母様、わたくし、必ずやアヤノ様のお役にたってみせます。
我が同胞が受けたご恩、忘れる事無く、心に刻みました。
ウォルフ様にも教えを請い、お互いに協力して行きたいと思っております」

そう言った次代の、いや、わが子の笑顔が頼もしい!

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