167 / 179
撮影
#9
しおりを挟むマニアックというか何と言うか……。ちょっと理解するのは難しいが、彼としては重要なポイントらしい。
「ん!」
矢代は満足そうに汗で張りついた前髪をかき上げると、秋の性器を下着で拭いて綺麗にした。先端までぐりぐり拭くせいで、布に精液が染み込み、変色していく。
「う……先生、そんなことしたら洗うの大変じゃない?」
故意じゃないとはいえ、自分の精液が大量についた下着を見るのは忍びない。
旅館に着く前に互いに新しい下着は買っておいたが、ティッシュで拭き取ればいいのに。どういうつもりなのか不思議に思っていると、何とも爽やかな笑顔で言い放った。
「良いことを思いついた。これは洗って、明日お前が履いて帰れ」
「はい?」
やばい。久しぶりに大気圏突破できるレベルの、アタオカ発言だ。
一縷の望みで「冗談だよね?」と返すと、先生は立ち上がり、俺が脱ぎ捨てた下着を拾った。
「心配するな。お前だけにプレイを強いたりしないから。……俺はお前の下着を洗って履かせてもらう。交換こにしよう」
「はあぁ!?」
意味不明な提案に、夜中ということも忘れて叫んだ。
しかし矢代は落ち着き払った様子で、身につけてから浴衣を羽織った。
「頭大丈夫!? つうか、新しい下着買ってきたじゃん。互いにそれ履いて帰ればいいだろ!」
「それだとノーマル過ぎてつまらないじゃないか。お前が俺の下着が欲しい、って言うから貸したんだし。唾液と精液でぐちゃぐちゃにしといて、俺のささいなお願いは聴いてくれないのか?」
「い、いや……それは不可抗力というか。ってか全然ささいじゃないし……!」
嗜好がアブノーマル過ぎてついてけない。
狼狽する秋をさらに追い詰めるように、矢代は買ってきた新品の下着を自身の鞄の中に仕舞いこんだ。
この鬼畜……!
散々惚気けたけど、総合的に考えてやっぱりぶっ飛んでる。
涼しい顔をして事後処理をする彼を睨み、秋は深いため息をついた。初めての恋人との紅葉狩りは、別の意味でも忘れられない、非常に濃い思い出となった。
5
お気に入りに追加
111
あなたにおすすめの小説
少年ペット契約
眠りん
BL
※少年売買契約のスピンオフ作品です。
↑上記作品を知らなくても読めます。
小山内文和は貧乏な家庭に育ち、教育上よろしくない環境にいながらも、幸せな生活を送っていた。
趣味は布団でゴロゴロする事。
ある日学校から帰ってくると、部屋はもぬけの殻、両親はいなくなっており、借金取りにやってきたヤクザの組員に人身売買で売られる事になってしまった。
文和を購入したのは堂島雪夜。四十二歳の優しい雰囲気のおじさんだ。
文和は雪夜の養子となり、学校に通ったり、本当の子供のように愛された。
文和同様人身売買で買われて、堂島の元で育ったアラサー家政婦の金井栞も、サバサバした性格だが、文和に親切だ。
三年程を堂島の家で、呑気に雪夜や栞とゴロゴロした生活を送っていたのだが、ある日雪夜が人身売買の罪で逮捕されてしまった。
文和はゴロゴロ生活を守る為、雪夜が出所するまでの間、ペットにしてくれる人を探す事にした。
※前作と違い、エロは最初の頃少しだけで、あとはほぼないです。
※前作がシリアスで暗かったので、今回は明るめでやってます。
塾の先生を舐めてはいけません(性的な意味で)
ベータヴィレッジ 現実沈殿村落
BL
個別指導塾で講師のアルバイトを始めたが、妙にスキンシップ多めで懐いてくる生徒がいた。
そしてやがてその生徒の行為はエスカレートし、ついに一線を超えてくる――。
ある少年の体調不良について
雨水林檎
BL
皆に好かれるいつもにこやかな少年新島陽(にいじまはる)と幼馴染で親友の薬師寺優巳(やくしじまさみ)。高校に入学してしばらく陽は風邪をひいたことをきっかけにひどく体調を崩して行く……。
BLもしくはブロマンス小説。
体調不良描写があります。
俺の義兄弟が凄いんだが
kogyoku
BL
母親の再婚で俺に兄弟ができたんだがそれがどいつもこいつもハイスペックで、その上転校することになって俺の平凡な日常はいったいどこへ・・・
初投稿です。感想などお待ちしています。
鬼上司と秘密の同居
なの
BL
恋人に裏切られ弱っていた会社員の小沢 海斗(おざわ かいと)25歳
幼馴染の悠人に助けられ馴染みのBARへ…
そのまま酔い潰れて目が覚めたら鬼上司と呼ばれている浅井 透(あさい とおる)32歳の部屋にいた…
いったい?…どうして?…こうなった?
「お前は俺のそばに居ろ。黙って愛されてればいい」
スパダリ、イケメン鬼上司×裏切られた傷心海斗は幸せを掴むことができるのか…
性描写には※を付けております。
目覚ましに先輩の声を使ってたらバレた話
ベータヴィレッジ 現実沈殿村落
BL
サッカー部の先輩・ハヤトの声が密かに大好きなミノル。
彼を誘い家に泊まってもらった翌朝、目覚ましが鳴った。
……あ。
音声アラームを先輩の声にしているのがバレた。
しかもボイスレコーダーでこっそり録音していたことも白状することに。
やばい、どうしよう。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる