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活殺
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しおりを挟む『秋、また授業中寝てたろ!』
『あぁ……』
一年生の時、同じクラスによく話しかけてくる少年がいた。初めは一番つるむ親友。それから互いに互いを意識する様になった。
……男が平気ということも打ち明け、やがて恋人になった。
『ほら、俺のノート貸すから。もうすぐテストなんだから真面目にやれよ?』
『お~、助かる。サンキュー』
『ったく……。お前だけ留年とかになったらマジで困るからな。……二年になったら、二人で色んな所に行こう』
彼は机に両腕を乗せ、嬉しそうに笑った。俺もつられて笑い、「そうだな」と呟いた。
────辻村。
優しくて、頼りがいがあるクラスの人気者だった。
本音を言い合える数少ない相手で、大好きな恋人。
『秋はマイペースだもんなぁ。……そこが好きなんだけど』
彼と特別な関係で結ばれていることが、密かな自慢だった。困ってると助けてくれるから、俺の我儘で相当振り回したと思う。彼に甘えて、依存して。
フラれた。
ヤケになって不良達からAVを買い、担任教師に見つかって。
盗撮を強要されて、彼が他の男子とセックスしているところを体育館の更衣室で見てしまった。
でも、本当はそれだけじゃない。
誰にも言えない秘密が、辻村との間に存在した。
「秋? ほら、しっかりして。まだ一回イっただけだろ?」
目の前の彼は、本当にあの辻村なのか。
同じ顔をした、全くの別人なんじゃ。最後の現実逃避をして、心を守ろうとした。
「でもいいね。こんな秋を見れんの、夢みたい」
彼は脱力した秋を優しく抱き締める。
その温もりに絆されてしまいそうだったが……現実はやはり、そんな生易しいものではなかった。
「もっと見せてよ。秋のエッチなところ」
「ん……っ!?」
無理やり唇を重ねられ、舌を差し込まれる。
拒絶反応が強まって、思わずえづいてしまった。
「は……そんなに俺のこと嫌い? まあ当然か。会長に協力して、孤立する理由作っちゃったし」
「え……?」
「俺、須佐さんと仲良しだからさ。秋の話が飛び込んで来た時、結構ビックリしたんだよ」
辻村は秋の口元に流れる唾液を舐めとった。
「風間はゲイなのか、って訊かれたから教えてあげたんだ。今まで何人も男と付き合ってる。でも処女ですけど、ってね」
周りに響く嘲笑。
秋は少しずつだが、状況を理解できる様になっていた。
「生徒会長に感謝しないとね。あの人のおかげで今、こうしてお前を抱けるんだから」
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