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査察⑵
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しおりを挟む羞恥心のあまり気が狂いそうだ。モザイクや修整は一切ナシの、自身のヌード姿なんて。それに俺の目がおかしくなければ行為中だった……!!
彼のモノを受け入れて、快感に酔っていたような。
「ちょっと、それ渡せ!」
秋は強行に及んだが、矢代は難なくかわしてスマホをポケットに仕舞った。
あんなものを、いつでも好きな時に見られてると思ったら耐えられない。何とかしてスマホを奪い取ろうと、ソファの上で争った。
結果、矢代を押し倒して馬乗りになる体勢になったが、今度は両腕を押さえられて動けない。もどかしい状態が続き、焦りばかり募る。
「良かった、元気出たじゃないか」
「はぁ……!?」
上から全力で押してるのに、彼はそれを押し返しそうとしてくる。くそ、意外と鍛えてるな。勉強ばっかしてそうなくせに。
そういえば階段から落ちそうになった時も片手で支えられたっけ。でもそんなの、今はどうだっていい。
「本当往生際が悪いな……っ!」
「そりゃもちろん、大事な写真を消されたくないからな。これもお前がリスクを犯して買ったAVとそんな変わらない」
まさかここでそれを持ち出してこられるとは思わなくて、さらに頭に血が上る。
「うるさい! いいからよこせっ!」
「断る」
そのままどれくらいの攻防が繰り広げられたか分からないが、気付けば完全に勉強ができるような空間ではなくなっていた。
「……っもう、いい加減にしろよ…っ!」
秋は息を切らしながら呟いた。
彼と押し合ってる腕が痛いし、だんだん疲れてくる。
「こっちの台詞だよ。いい加減諦めろ」
矢代もまたやれやれといった感じで受け答えした。
腕が痺れて、少しだけ力が緩む。その一瞬の隙を彼は見逃さなかった。
「あっ!」
矢代が力任せに押したことで秋は後ろに倒れ、今度は矢代が彼に馬乗りになる。さっきと真逆の状況になった。
「ちょっと、何すんだよ! どけ!」
「うるさい。近所迷惑も考えろ」
しかし構わず秋は暴れるので、ソファは壊れそうな音を立てていた。
仕方無しに矢代は秋の両腕を押さえ付けると、彼の唇を強引に塞いだ。
「ん……っ!?」
そして、長いキスが交わされる。
ろくな抵抗もできないまま、秋の口腔内は矢代の熱い舌で簡単にとけてしまった。
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