シャッターを切るときは

七賀ごふん

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盗撮⑴

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最初……。

密かに交わした条件。盗撮のことだろう。秋は身を捩って矢代の顔を見返した。

「共犯者だもんな。ははっ……先生も、自分がいかに愚かで無謀なことを要求してたか今頃わかった?」

珍しくしおれた矢代の顔がもっと見たくなって、わざと責め立ててみた。可哀想だけど、これはこれで新鮮だ。
「盗撮もそうだけど同性の未成年をレイプなんて、しばらく全国のニュースを独占できるよ。教師の淫行って一番えげつないっていうか、地球の半周ぐらい引くもん。……そういや、俺は本気になれば先生を社会的に消すことができるんだって、今頃気付いたんだよね」
だがこれぐらいで、冷徹な彼に精神的ダメージを与えられる訳もなく。……むしろ逆効果になるのがお約束だと、気付くのが遅かった。
「あぁ、俺は本当に最低な人間だよ。お前と一緒で、ノーマルなセックスは好まないんだ。……なにかひとつ刺激がないと」
そう言って矢代が取り出したのはスマホだった。それを見た瞬間、嫌な想像が頭を過ぎる。

「な……何それ」
「カメラ。隠し撮りじゃないけど、興奮するだろ?」

突然のことに呆然としたが、これからしようとしてることは理解できる。……多分、本気だ。そう思ったら全身に鳥肌が立った。
「ちょっ……! 冗談じゃねぇ、やめ……」
秋は慌てて彼のスマホを奪おうとするが、矢代は構わず動いて秋の腰を突いた。

「あぁっ!」

今もずっと彼と繋がってるというのに、挑発なんてすべきじゃない。後悔しても後の祭りだが、その衝撃は凄まじかった。
スマホを奪えず空振りした手は、代わりに矢代に掴まれる。

「ふあっ……あっ、あぁ……待ってっ!」
「……っ」

激しい動きについていけない。しかし逃れる術もなくて、泣き叫ぶように喘ぐしかない。
「ぁっ!? せんせぇ……っ」
腰をかなり苦しい所まで折り曲げられて、秋は戸惑った。
「やだ……っ!」
「いや? どうして?」
グッ、と矢代は更に体重をかけて、秋の中を蹂躙していく。

「だって、すごいくる、……今までない、奥まで……!」

秋は激しく仰け反り、唾液を零しながら震えた。
「……だろうな」
不謹慎だが、とても侵しやすい体勢。矢代は喉を鳴らし、秋の太腿を押し上げる。
根元まで飲み込まれている。入れてるこっちが苦しいくらい。
理性なんて全部持ってかれそうなほど、しまりがいい。

「やっぱ最高だよ、お前は」

いつもの強気な態度から一転、女みたいに高い声で喘ぐ彼はとにかく可愛い。許されるならいつまでも見てたいし、独占したい。
彼が自分以外の誰かと寝る光景なんて、どんなに頑張っても想像できない。いや、したくない。矢代は、自分の強過ぎる独占欲に身震いした。



 

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