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洞察⑵
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しおりを挟む秋と小塚が立ち去った後───。
三年の廊下では、須佐と苅谷が未だに佇んでいた。
「うーん……やっぱ近くで見たらかなり良い顔してたな、あの風間って子。進もそう思うだろ?」
「……」
苅谷はため息混じりにヘッドホンを装着した。その片手間、繋がった端末を操作する。
しかし須佐は容赦なく、苅谷のヘッドホンを外してしまう。
「おい、返せよ!」
「やだ」
須佐は端末ごと持って奪い取ると、教室へ入って行った。
「お前都合悪くなるとすぐ聞いてないフリすんだもん」
「わ……わかったよ、真面目に聞くから返せ」
須佐は席に座ると、ヘッドホンを苅谷に返した。そして思いきり腕を伸ばす。
「ま、体育祭も無事終わったことだし、俺らも息抜きに遊ぼうか」
「……悪いけど、ライブの練習しなきゃならないんだ」
苅谷はヘッドホンを受け取ると、素っ気なく呟いた。
「だから、終わったらどっか行こう」
そして厚い楽譜を持って、教室を出て行った。
「また喧嘩? いい加減にしろよ、もう……」
そこへ、生徒会の新里がやってきた。大人しい彼はどこへ行っても無難にやってけそうだ、等と関係ないことを須佐は考えた。
無害。それは自分が誰かと付き合う最低条件だ。
温厚な進も、お人好しの新里も同じ。ただ、その優先順位の一番に位置しているのが進、というだけなんだと思う。
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