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観察⑵
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しおりを挟むこんな太いものをずっとくわえてるなんてそもそも拷問だ。全国の女性が気の毒に思う。いや、サイズは人によりけりだからそんな同情も無粋か……。
何にせよこのままは辛い。それに彼が動くもんだから、たまに喉の奥にまで入りそうになって怖かった。
少しして、やはり噎せ込んでしまった。
「っと、大丈夫か?」
矢代は何とも落ち着いた態度で秋に問い掛けた。
「大丈夫……だけど、動かないでくれる? たまに噛みそうになるし」
秋は口元を袖で拭って彼を睨んだ。矢代は苦笑しながら謝罪する
「あぁ、それは悪かったな」
「じゃあ……もういい? 終わりにしても」
彼はもう勃起しているし、一応目的は達成できたはずだ。ここまでなら、まだぎりぎり冷静さを保って帰れる。
「そうだな。……初めてにしてはよくできていた」
彼の褒め言葉を聞いてホッとしたのも束の間、屈んだ矢代は秋の唇を掠めとった。
「んんっ!?」
────それが彼との初めてのキスだった。
動揺している傍ら、よくフェラしていた口腔内を舐められるな、と冷え冷えした思考が頭を過ぎる。
彼といる時はいつだって、嫌悪感や不快感より混乱しかない。
頭がぼうっとして肩を掴んだ時、唇が離れた。
「ん、はぁ……っ」
ただでさえ息切れしていたのに、余計苦しくなった。
「いきなり何のつもりだよっ」
「何って、決まってるだろ。次のステップだよ」
矢代は秋の脚の間を、服の上から愛撫した。
「……っ!」
声にならない声を上げた。疼く場所を直接触られてしまった、その衝撃は言葉にできない。
「ほら、もう勃起してる。これが何よりの証拠だろ、秋。お前の感じやすさは特別だ」
「ち、ちが……っ」
全力で否定しても身体が揺れてしまう。内腿に電流が走り、身体の奥まで疼く。
やばい。このままは。
「ほんとに心配だよ。こんな無防備だと誘ってるようなもんだ」
秋の抵抗も虚しく、矢代にズボンと下着を下ろされてしまった。
「当然、あれから俺以外には触らせてないよな?」
矢代の瞳にはこれまでと違う、危険な色が揺らめいていた。
「ち、ちょっと待っ……」
秋は後ろの壁に手をついて立ち上がろうとしたが、熱の篭った部分を握られて崩れ落ちそうになる。
「やっ……!」
まずい状況だと分かりつつも、気持ちよくて抗えない。この冷たくて大きな手のひらに包み込まれてしまったら……。
どうしたらいい。
快感に流されてしまう。
「痛っ!?」
だが、後部に痛みを感じて前へ倒れかけた。
他人に触られたことのない部分。そこに感じる、違和感。困惑しつつも、現状を理解するのはさほど難しくなかった。
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