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虚勢と
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しおりを挟む「じゃあ、好きな人もいないの?」
念の為訊いてみる。けどやっぱり、彼の答えは一変わらずで。
「いないな」
爽やかな笑顔で、短か過ぎる回答。
あぁなるほど。やっぱそうなんだ。
確信した。この人は好きじゃない人間に簡単に手を出せる変態教師だったんだ。
俺は何を期待してたんだろう。ちょっとでもこの人が俺に特別な感情を持ってんじゃないか……なんて思ったりして。
「さ、それよりもう朝礼始まるぞ。早く教室に行こう」
「……わかってる。先に行くね」
何だか全部馬鹿馬鹿しく思えて、彼より先に図書室を飛び出した。
意味が分からない。というよりも、自分が分からない。
勝手に喜んで、勝手に傷ついて。勝手に八つ当たりしようとしている。
何で……。
そもそも何で“傷ついて”いるのかも分からなかった。継美さんには散々ひどいことをされてきた。あんな人だってことははるか昔から知ってたし、好きになる理由もない。
なのに今は、ここに来た時の百倍心が重かった。
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