Dress Circle

七賀ごふん

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少年の秘密

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でもこんな知り合いいただろうか。これほどの顔立ちなら覚えているはずだ。
頭が働かず沈黙が流れてしまう。気まずいあまり増々混乱していると、青年は屈み、一架の耳元で囁いた。
「初めて生で見たセックスは、誰だか覚えてる?」
「えっ!?」
今、なんて……。
慌てて顔を上げると、彼は優しい顔で笑った。
この笑顔。思い出した。嘘だろ……。

「つ……継美さん……?」
「良かった、ちゃーんと覚えてるじゃんか。あんなに子どもだったのになぁ」

驚きのあまり口が塞がらない一架に、彼は可笑しそうに笑い、腕を組んだ。
「でも中身は変わってないな。まだ懲りずに人のセックス見て興奮してんのか」
「あ、いやっ、そういうわけじゃ……!」
噛みまくったが、全身全霊否定した。と言っても挙動不審過ぎて怪しさ倍増だろう。
「ていうか何なんですか、何でここに……!」
「何でだと思う? 当たったらキスしてやる」
「結構です!!」
全力で拒絶すると、ちょうど朝礼を告げるチャイムが校内に流れた。
「おっと、いい加減遅刻になるぞ。頑張って教室まで走るんだな。俺は後から行くから」
それって……。
何か尋常じゃなく嫌な予感がする。外れてほしいけど、十中八九当たってる気がする、嫌な予感。
青ざめてる一架に彼はにっこり笑いかける。頭にぽんぽんと手を置き、切れ長の目を開いた。

「これからよろしく、一架。俺、今日からお前のクラスの担任になったから」




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