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少年の秘密
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しおりを挟む密室に立ち込める狂気の熱。気付けば二人ともあられもない姿で果てていた。
俺も全て出し切ったからどうでもよくなって、ソファの上で身体を放り出す。
「一架、イッたの?」
「あっ!?」
しかし後ろから手を回され、イッたばかりの性器をまた扱かれた。ここまでくるともはや苦しいだけで、倦怠感から掠れた悲鳴を上げた。
「ふふ、可愛い声」
「朝間さん……や、やだ……」
優しく抱き寄せてきたのは、朝間というまだ若い青年だった。彼は一架のファンとしてかなり長い。また、一番一架に執着しているかもしれず、そこは油断ならなかった。
「一架のここ、まだビクビクしてる。物足りないのかな」
「ふっ……て……」
先端のくぼみを指で押し潰され、居心地の悪さに身を捩る。
「朝間さん、待って………!」
抵抗するものの、朝間の手は止まることなく濡れたそこを虐める。クチュクチュと淫らな音を立て、白い蜜を搾り取ろうとする。
快感が、理性を上回る。
いや……駄目だ。
気持ちわるい。
自分のそんなところを他人に触られるなんて。
「やめろ、ホントに……っ!」
彼の手を払い除け、できる限り睨んだ。
「俺は触られんの嫌いだって言ったよね」
「そうだったね。ごめんごめん!」
決して冗談ではなく、怒りを込めて言った。しかし彼は悪びれることなく、明るい笑顔で両手を合わせる。
「一架があんまり可愛いから我慢できなかったんだ。……ね。何でもするから許して?」
物腰は穏やかだが、常に飄々としている彼は得体の知れない不気味さがある。
一架に強く執着しているが、かといって心酔しているわけでもない。食えない態度は昔から気に入らなかったが、「何でも」という言葉に弱かった。
「じゃあ誰か抱いてるところを見せてよ」
「うん。一架が見たいって言うなら、いくらでも席を用意するよ」
朝間は一架の頬に音の鳴るキスをした。
日中は同僚や後輩の前でできる社員を演じているだろうに。今は新たなパートナーを見つけて、行為に耽っている。
滑稽で、醜悪で、こんなに最高な催しはない。
見るのって何でこんなに楽しいんだろう。
彼らのセックスをいつまでも見ていたい。
醒めない夢として、永遠にこの特等席を陣取っていたい。
────なんて。自分がその輪に入るのは死んでもごめんだけど。
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