ファナティック・フレンド

七賀ごふん

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◇誕生日

#7

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「あっ……熱……っ」

准は念入りに解した成哉の後ろに、自身の性器を挿入した。互いに汗がはりついた服は脱ぎ捨ててしまった。今は本能のまま互いを求め、感じている。
  
「准さん、誕生日にこんなこと言うのも何ですけど……会社で、変な男性に付き纏われたりしてません?」
「してないよ。お前こそ、意外と警戒心ないから心配」
「俺は大丈夫ですって」

苦しい体勢で、全く関係ない会話を交わしている。確かに苦しくて、准は息を吸うと同時に動き出した。
「変な男に軽々しくついていくなよ? ……って、お前が昔俺に言ってたんだっけ」
「ふあっ……あ、あぁ……っ!」
笑いながら動く准に対し、成哉は涙を浮かべながらシーツを握り締める。繋がってる部分が熱すぎて、摩擦の度に火傷しそうだ。
このまま一緒にとけてしまいたい。そして、誰にも引き離せないぐらい繋がってしまいたい。
「成哉、ちゃんと気持ちいい?」
合間に尋ねると、彼は必死に頷いた。唇を強く噛み締めているから、何度もキスをして力を抜かせる。
入れられてる彼の負担は計り知れない。だからこそ、全身て受け止めてやりたかった。

「一緒にイこうな」
「あっ……!!」

強く奥まで突いたとき、互いに絶頂に達した。
この瞬間だけは全てを忘れ、世界で二人だけになった妄想に囚われる。
実際、この六畳半の空間なら二人だけなのに。

それだけで幸せか。

准はひそかに苦笑する。
今以上を望んだら、きっと罰が当たってしまう。こうして繋がっていられるだけで満たされるのだから、もう充分だろう。
准は徐ろに成哉から離れると、彼の開きっぱなしの脚を閉じた。

成哉はまだ快感の余韻に浸り、肩で呼吸をしている。無理をさせないように、と行為前は何度も頭の中で復唱しているのに、いざ始まるとタカが外れたように夢中になってしまう。これだけはいつまで経っても准の課題と言えた。

何せ可愛すぎて。彼こそ、普段と行為中のキャップが凄まじい。
いつもの減らず口がぴたりと止まって、小さな唇からは喘ぎ声しか聞こえなくなる。
そんなことを考えていたらまた熱くなってきたから、首を横に振って後始末を優先した。
シャワーは彼と一緒に浴びようなんて考えながら、散乱した服を片付ける。ふと壁にかかった時計を見ると、もう日付が変わりそうだった。





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