ファナティック・フレンド

七賀ごふん

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本音の寝室

#6

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涼はベッドに腰掛けて、准の顔を覗く。准もまた寝転んだまま、影がかかった涼の顔を見上げた。

「人に信じてもらうのってすごく大変です。ただでさえ俺と准さんは普通の出会い方してないし。……俺は准さんのことを知ってるけど、准さんは俺のこと知らないし」
「そうだな。だから早く教えろって。何で俺のことを知ってるのか」
「俺は准さんの恋愛をお手伝いしに来たんです。隠語を必要とする、清純な心を持った絶滅危惧種の准さんを」

ここでまたそれを蒸し返すとは。カチンときて、手加減無しにデコピンしてやった。
「そんな言うなら、お前はどうなんだよ。彼女いんの? お前のそういう話、全然聞いたことないぞ」
「えぇ~、話していいんですか? 准さん、ショックのあまり爆発しないかなぁ」
「しねーよ! いいから話せって」
「わかりました。それでは明日お話します! 今夜はどうぞ、ゆっくりお休みください」
何で?
どこまでも日本語が……いや、はぐらかす気満々の涼に、不満が爆発しそうだ。
「准さん、俺の話なんか何も面白くありませんよ」
彼は何食わぬ顔でそう言うけど。
そうじゃない。面白いとか面白くないとかの話じゃなくて。
「俺はただ……もっと、お前のことを知りたいんだよ。気になる奴のことを知りたいって思うのは、当然だろ」
「気になる?」
「そう。気になってんだよ……」
「…………」

欠伸しながら返すと、涼の顔は真っ赤に染まっていた。何なのか問い質そうとした直後、頭まで布団を被せられた。
「准さん、これ以上は明日の仕事に支障をきたします! 早く寝てください!」
「何だよ急に……」
確かに、そろそろ眠くてウトウトしてきたけど、まだ肝心なことを訊いていない。

まぁいいか。明日でも……涼は多分、急にいなくなったりしない。まだ、きっと……
手を伸ばして、彼の髪に触れた。
「涼。一緒に寝るか?」
「えっ!?」
静かに訊くと、彼は大声を出してまた頬を紅潮させた。恐らく、また良くない方の勘違いしてる。だからすぐに付け足して説明した。
「お前、最近いつもソファで寝てるだろ。からだ痛くなると思って」
「あ、あぁ! あはは、そうですか! 良かった、俺はてっきりセックス」
そのワードは容易に想像できたので、言い終わる前に彼の口を手で塞いだ。

「ばか言ってないで、寝るならここに来いよ」

ベッドの左半分に寄って、彼が眠れるようにスペースを作った。




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