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元不良少年の計画

#14

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瞼に当たる和巳さんの手が、段々汗ばむ。どうなってんだ。そんなにやらしい光景なのか? すごく見たい。

「でも、それなら何で……最近、俺とシてくれないんだよ。前は毎日シてくれたのに」

秋の悲痛な声が聞こえる。でも、……あれ、毎日? 前に俺と話した時は週二って言ってなかったっけ?

「あぁ。この前は本当に、疲れてやる気が出なかっただけだよ」
「じゃあ、今回は何で……」
「はは、そんなの決まってるだろ? 欲求不満に悶えるお前を観察するのが楽しくてしょうがないからさ」

矢代さんの、十二分に喜色を含んだ声が鼓膜に届いた。
……つまり今までわざとお預けにして、秋を焦らしていたのか。
軽く鳥肌が立つ。姿が見えないからこそ、ベッドの軋み具合と彼らの声を全身で感じてしまう。やばい……。

矢代さんからサディストの匂いがする。

こんな人を敵に回したことが間違いだ。絶対倍返しに合う。
後悔しても後の祭りだけど、案の定もう秋の喘ぎ声しか聞こえなかった。

「く、そっ……サイテーだよ、アンタ……っ!」
「ははは、否定はしないよ。でもお前も人のことは言えないだろ。さっきは本当に鈴鳴君と危ない空気になってたじゃないか。純直な和巳君に感謝するんだな」

状況がよく分からないけど、何かガンガン音が鳴ってる。秋が暴れてるんかな。
「いつまで経ってもお前は本当にどうしようもない……それでいて最高だよ。俺の為にこんな楽しい趣向を凝らしてくれるなんて」
「ち、違っ……あぁ!」
何かがビリッと破れる音がした。ちょっと、音声のみは怖くなってきた。
「和巳さん、手を離して……! さっきから何も見えないよ!」
「う~ん……どうしよっかな。今の光景は、ちょっと鈴には刺激が強いかも……」
「ずっとこのままでいる方が気まずくない!?」

尋常じゃなく情事の気配を察知している。和巳さんは二人をバッチリ見てるわけだし、俺も彼らと同じベッドに座っているし、この状況はやばい。彼らが本番に入る前に早くここから退散しないと!
そう思っていたら、矢代さんの弾んだ笑い声が聞こえてきた。

「せっかくだから和巳君と鈴鳴君もここですればいい。このベッドは大きいから、四人乗っても余裕があるよ?」






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