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元不良少年の計画

#11

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秋の掌が頬に触れる。演技……だよな。これ、もう演技始まってるんだよな?

言葉そのものを忘れ、妙に大人しい彼をじっと見返した。この状態をキープしたまま、矢代さんの帰りを待つのか……と絶望に陥っていたとき。

秋の手が俺の下着の中に潜り込んだ。

「こらこら!! 何やってんの!?」

演技とは思えない俊敏な手つきに絶叫する。
「あー、ついでだからまた後ろ解すの手伝ってやるよ。何事もギブアンドテイクだしな」
「いい!! 大丈夫、もう一人でできるから! 悪いけど余計なお世話だよ!」
「んん……っ」
全力で拒否るも、秋は俺の胸に顔を沈めて下着を脱がせようとする。何がここまで彼をやる気にさせるのか、全っ然分からん。

「鈴鳴、怖い?」
「怖いとか怖くないとかの問題じゃなくて……」
「俺は、怖い」

秋はゆっくり顔を上げる。酔ってるわけでもないのに真っ赤だ。 

「怖いよ……」
「……秋?」

迷子の子どものような、頼りない顔に狼狽える。
気付けば彼の背中に手を回して引き寄せていた。

「だ……大丈夫だよ。何があっても、俺は秋と一緒にいるから」

と、言った瞬間。
部屋のドアが勢いよく開いた。視線の先には、お待ちかね。……嘘、絶対このタイミングで来てほしくなかった矢代さんが立っていた。

「ただいま。……仲良く何してるんだい?」

全身の血の気が猛スピードで引いていく。もちろん計画通りなんだけど、予定よりもいくらか荒れていた。秋はシャツと下着だけで、俺に限っては下着も脱ぎかけ。で、秋と抱き合っている。
「矢代さん、ああああの、これは……っ」
分かっていた展開のはずなのに、声が震えた。
矢代さんの、感情の読めない表情もいくらか関係している。蛇に睨まれた蛙のように、 まともに動くことができなかった。

あ――――もう計画がどうこう言ってる場合じゃない。謝らなきゃ!!

死ぬ。殺される。できることならタイムスリップして逃げ出したいけど、動揺を隠せない俺とは正反対に、秋は矢代さんの方を振り返った。
「……あぁ、おかえり。今からいいところだったんだけどね。最近溜まりに溜まってるから、鈴鳴に相手してもらってたんだ」
「ち、ちょっと秋っ!!」
彼は俺を抱き寄せて、計画を続行しようとしている。もう勘弁してくれ。気まずくて死ねる。





秋の掌が頬に触れる。演技……だよな。これ、もう演技始まってるんだよな?

言葉そのものを忘れ、妙に大人しい彼をじっと見返した。この状態をキープしたまま、矢代さんの帰りを待つのか……と絶望に陥っていたとき。

秋の手が俺のベルトに掛かった。

「こらこら!! 何やってんの!?」

演技とは思えない俊敏な手つき。ベルトを外され、ズボンを強引に引き下げられる。さらに彼は下着を脱がそうとしていた。
「あー、ついでだからまた後ろ解すの手伝ってやるよ。何事もギブアンドテイクだしな」
「いい!! 大丈夫、もう一人でできるから! 悪いけど余計なお世話だよ!」
「んん……っ」
全力で拒否るも、秋は俺の胸に顔を沈めて下着を脱がせようとする。何がここまで彼をやる気にさせるのか、全っ然分からん。

「鈴鳴、怖い?」
「怖いとか怖くないとかの問題じゃなくて……」
「俺は、怖い」

秋はゆっくり顔を上げる。酔ってるわけでもないのに真っ赤だ。 

「怖いよ……」
「……秋?」

迷子の子どものような、頼りない顔に狼狽える。
気付けば彼の背中に手を回して引き寄せていた。

「だ……大丈夫だよ。何があっても、俺は秋と一緒にいるから」

と、言った瞬間。
部屋のドアが勢いよく開いた。視線の先には、お待ちかね。……嘘、絶対このタイミングで来てほしくなかった矢代さんが立っていた。

「ただいま。……仲良く何してるんだい?」

全身の血の気が猛スピードで引いていく。もちろん計画通りなんだけど、予定よりもいくらか荒れていた。秋はシャツと下着だけで、俺に限っては下着も脱ぎかけ。で、秋と抱き合っている。
「矢代さん、ああああの、これは……っ」
分かっていた展開のはずなのに、声が震えた。
矢代さんの、感情の読めない表情もいくらか関係している。蛇に睨まれた蛙のように、 まともに動くことができなかった。

あ――――もう計画がどうこう言ってる場合じゃない。謝らなきゃ!!

死ぬ。殺される。できることならタイムスリップして逃げ出したいけど、動揺を隠せない俺とは正反対に、秋は矢代さんの方を振り返った。
「……あぁ、おかえり。今からいいところだったんだけどね。最近溜まりに溜まってるから、鈴鳴に相手してもらってたんだ」
「ち、ちょっと秋っ!!」
彼は俺を抱き寄せて、計画を続行しようとしている。もう勘弁してくれ。気まずくて死ねる。





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