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新生活
#6
しおりを挟むスマホのアラームが枕元で鳴り出した。朝だ。
目を覚ましてアラーム音を止めると、和巳さんの寝顔が目の前にあった。
「ん~……。おはよう、鈴」
「おはようございます、和巳さん」
改めて思ったけど、本当に綺麗な人だ。彼ほどの美青年を寝起きから間近で見ると、童顔な自分が恥ずかしくなる。
それに、今日からはもう恋人だ。嫌でも気持ちが舞い上がるし、変に緊張する。
「鈴、おはようのチュー」
「んっ!」
朝から刺激が強い……いや、むしろ甘くて優しいと言うべきなのか。
早くもバカップルみたいだけど、とけてしまいそうだった。
着替えてからパンを焼いて、簡単なサラダとハムエッグを用意する。テーブルに朝食を並べると、和巳さんは嬉しそうに席についた。
「いいなぁ、これ。何かあれみたい。えーと」
「新婚ですか?」
「そう、ソレソレ!」
和巳さんはフーフーと息を吹きかけて、熱いコーヒーを飲む。それが何だか可愛らしくて、思わず笑ってしまった。
今日は日曜日で、お互い用事がない。せっかくなので和巳さんの生活用品を買うため、朝食後に買い物に行くことにした。
この辺で一番大きなショッピングモールで、彼と一緒に色々見て回った。寝具、食器、雑貨……選びながら買ってると、結構時間がかかる。気づけばもう昼過ぎだった。
一旦買ったものを車に乗せ、また建物内に入る。
「和巳さん、そろそろお腹空きません? せっかくだし何か食べてきましょう」
「おっ、いいね! さっき美味そうなハンバーガーの店があったんだ」
「和巳さん、ハンバーガーならアメリカで食べまくったんじゃないんですか?」
「あぁ。でも日本は日本でめちゃくちゃ美味いだろー。だからいつでも食べれる」
と言うので、彼の行きたい店に入って好きなメニューを頼んだ。彼はビーフで、俺はチキンバーガーにした。
「あー、美味しいな。もう一個食べれそう」
「すごいですね。俺は一個で足ります」
窓際の席で、外を眺める。雑多な建物が並んでいて、少し狭苦しいようにも思えた。
「話は変わるけど、俺、鈴が行ってる大学を見に行きたいな」
「えっ」
思わずジュースを落としそうになる。すると、彼は首を傾げた。
「日本の大学は一度も見に行ったことないし。……駄目かな?」
「いえ、どうぞどうぞ! 学食でも食べに来てください!」
和巳さんなら普通に生徒と思われそうだ。なんなら俺のサークルに呼んで、友達にも会わせたい。
「やった! ありがとな、都合の良いとき行かせてもらうよ」
「はい!」
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