人の恋路を邪魔しちゃいけません。

七賀ごふん

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一年生の目標(再考)

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真弘は深いため息をつき、嬉しそうに微笑む。
「うん、やっぱお前はそうでなくちゃな」
本気で泣いてるところ悪いけど、良かった。綿貫の涙でぬれた目元を指でなぞる。真弘はハンカチも取り出しながら、彼を宥めることに全力を尽くす。
「俺の知ってるお前は、バカがつくほど正直な奴だからな」
「バカは酷くないですか……」
ハンカチがどんどんぬれる。泣き止みそうにない……けど、彼もつられて笑ってくれた。たまっていた感情が爆発したみたいに流れて。
「でも……ありがとうございます。俺……」
その場に崩れ落ちてうずくまる綿貫を、真弘は優しく抱き寄せた。

「真弘先輩に話せて良かった……本当に」

触れた掌が熱い。
真弘は瞼を伏せる。冷えきった頭とは反対に、胸は熱くて仕方なかった。目の前で泣いている少年に自分を重ねている。いつかの、惨めで馬鹿な自分と。
何の根拠もないけど、何となく分かっていた。
どっちにしても、自分と彼は報われない。
間違いを犯した者同士、必ずどこかで罰を受ける。

仕方ないんだ。その代わりに、彼が辛い時は一緒にいてやろうって……ずっと決めていた。





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