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一年生の目標
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しおりを挟む「おい。おーい、夕夏。いつまで固まってんだ」
陽も沈み、静まり返った生徒会室。そこへ立ち寄った真弘は、固まったまま動かない夕夏を発見し、彼の頭を延々と叩いていた。
「お前の好きな抹茶ラテ買ってきてやろうか?」
「…………」
ダメだ、動かない。これで動かないなんて……何があったか知らないけど、相当ショックを受けてるみたいだ。よし、それなら。
「夕夏、新しいゲイのカップル見つけたぞ!」
「何、どこのクラスだ!?」
ビンゴだ。スイッチが入ったように、夕夏は勢いよく立ち上がって目を輝かせた。
「はは、うっそ~! やっと動いたな。何で放心してたんだ?」
「……」
「そういえば綿貫の件どうなった?」
「…………」
「また固まった! 何か喋れよ!」
真弘のツッコミも虚しく、夕夏はその日最後まで喋ることはなかった。
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