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生徒会長の奉仕(監視)
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しおりを挟む翌朝、二日目の登校。
「須賀君、おはよー!」
「おはよう!」
校門をくぐってすぐ、智紀はクラスメイトに声を掛けられた。顔を覚えててくれただけで有難いのに、声を掛けてくれるというのはかなり嬉しい。
やっぱり皆良い奴だぁ……!
朝から良い気分になって、ふわふわ考えながら空を見上げた。そんな時、目の前の校舎の屋上に人影があることに気が付いた。
結構見覚えのある、今俺の中で大問題の“彼”だ。
校内に入り、一階から四階へ階段を駆け上がる。朝から良い運動だった。軽い足取りで、屋上へ躍り出る。後この学校、屋上出れるんだ。そこにちょっと驚いたけど。
彼の後ろ姿を見たら、そんなことも一瞬で忘れてしまった。
「よっ! 何やってんの?」
声をかけると、彼は徐に振り向いた。
この学校の生徒会長、七瀬。何故か今は望遠鏡を持っている。
「何だ、アンタか」
とても素っ気ない態度で、彼はまた望遠鏡で下を眺め始めた。
「ここで毎朝、誰が誰と登校してるかチェックしてんだ。手を繋いで登校してる奴らがいたら、そのまま生徒会室にご案内コース」
「……」
朝から鳥肌が立った。
「つまり監視か。お前って実は暇で仕方ないの?」
「忙しいけどこの為なら睡眠時間も削れる」
つまりドMか。
今日は何回ドン引きさせてくれるんだろ。怖くなってきた。
「お前、俺なんかと喋ってる暇があんなら友達でもつくりに行けよ。屋上なんか来やがって、この不良が」
「それ言ったらお前も不良だろ! 絶対俺よりまともな青春送ってないし」
こいつの青春って、いかに数多くのカップルを別れさせるかで決まりそうだ。
そんなの誰も幸せにならない。勿論、こいつも。
「……ってワケで教室行くぞ!」
「わっ、離せよ!」
嫌がると思ったから、腕を掴んで強引に七瀬を引きずった。
「他人のことばっか考えてないで、自分が楽しむことを考えろよ。その方が絶対良いぜ?」
「別に楽しみたいとか思わないし、学校なんか」
彼はブツブツ文句を言ってる。でも、そこは俺も言い返したい。
「楽しまなきゃ! 高校なんか俺ら今年で最後なんだよ?」
「……はいはい、そうですね!」
呆れてるのか面倒くさくなったのか、七瀬はもう反抗はしなくなった。
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