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重たくも、暖かく
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しおりを挟む……っ。
そう言われると、困ったことに嬉しくもなる。求められてることは素直に有難いし、自分も同じ気持ちだからだ。
ただまるで快楽だけを求めてるように思われたくない。気持ちいいからしたいんじゃなくて。いやもちろん気持ちいいんだけど、……したいのは、彼のことが大好きだから。
ただそれだけのことを言語化できない。白希は前髪を掻きむしり、小さなため息をついた。
「俺も……宗一さんとするの大好きです」
「本当?」
「本当です」
小声になってしまったが、宗一さんは安心したように抱き締めてくれた。
「じゃあやっぱり、毎日しよう!」
「それは体がもたないです……」
極端な彼につっこみつつ、二人で横向きに倒れる。
「いいや。毎晩めいっぱいして、全部出しつくせばいい。でないと白希がまた外で勃ったとき、誰かに襲われないか心配なんだ」
「大丈夫ですよ。というか、むしろ俺が通報される側ですから……」
彼の心配するポイントは少々ずれている。笑って返すと、背中に回っていた手が下へ下りた。
「あっ!」
「こんな可愛い声で鳴いてくれる子、そうそういないから。私が心配するのも仕方ないだろう?」
尻の奥まった部分に彼の指が当たる。身体は顕著で、前は物欲しそうに跳ねた。
「こんな状態でいたら、食べてくれって言ってるようなものだよ」
「違……」
小さな入口に彼が入ってくる。痛みと恐怖に震えながら、大きな肩にしがみついた。
「全部……宗一さんが、エッチ過ぎるのがいけないんです」
「あはは、そう来たか」
宗一さんは可笑しそうに笑うと、身体を起こした。俺の脚を開き、自身のものを取り出す。
「でも君も、このエッチなものが大好きなんだろう?」
赤く脈打つ肉棒。それを目にした瞬間、胸が高鳴る。
でも認めたくない。
「……それも、無理やりそうなったんです」
顔を背けて不満を訴える。すると勢いよく両脚を抱え上げられた。突然のことに驚く間もなく、彼の熱い性器に貫かれる。
「ひああっ!」
「……そうか。じゃあいつも通り責任をとろう。……永久に」
激し過ぎるピストンが始まった。速さについてけないのに、腰を打ちつけられる度に息が止まる。
苦しい。苦しいほど気持ちいい。
正常位ではあるけど腰を抱えられている為、下半身は完全に宙に浮いている。安定感がないのに中を擦る力が強く、おかしくなりそうだった。
いや、もうおかしいのかもしれない。前はだらんと垂れているのに、ずっと射精しているような感覚だ。
「白希、ずっとイッてるね。可愛い」
「ん、あっ、やぁ!」
乳首をつままれ、いやいやと首を横に振る。宗一さんだってイッてるのに、全然やめる気配がない。
「せっかくだから教えて。私のどんなところがエッチなのか」
「あっ……ぜ、んぶ……」
「それは抽象的だな。具体的に頼むよ」
そう言ってる間も、中の弱い窪み目掛けて擦られる。もう早く解放されたいぐらいの快感だ。
「目、も……声も、大きな手も……ん、もう、服を脱ぐ前から……」
「ほう? それは光栄だね」
宗一は繋がったまま前に倒れ、白希の細い身体を包んだ。
「もしかして、何でもないときでもエッチってこと?」
「そう、かも……」
「じゃあエッチしてる時は二倍ってことだ」
「ん、ふ、そう……っ」
腹が擦り合わせられる度、前がびくんと震える。何度目かの愛撫で弾けてしまったが、白希が余韻に浸る前に宗一は動き出した。
「……私からすれば、感じてる白希は百倍可愛いけどね」
宗一は額から流れ落ちた汗をぬぐい、再び身体を起こして白希の中を突いた。
枕から落ちて仰け反るさまも、動きに対応できず両手を放り出すさまも、上下に激しく揺らすペニスも、全部が可愛い。
「天使だ」
むしろ、それ以外に例えようがない。
理性を打ち砕くほどの愛おしさと闘いながら、宗一は白希を抱くしかなかった。
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