184 / 196
重たくも、暖かく
#9
しおりを挟む「エンジンがかかってからは、すごく速いんでしょうね」
彼の隣に腰を下ろし、顔だけ向ける。
常に完璧な彼の細部を少しずつ知ることができて、今はとても嬉しい。
「ははっ。一応、有言実行ということにしてもらえるかな?」
「もちろん!」
元気よく返すと、首の後ろに彼の手が回った。優しく引き寄せられ、唇を塞がれる。
「ん……ん、ふ……っ」
シャツの下からも、大きな手が入ってきた。それだけで下半身がぞくぞくする。
身体は、彼から与えられる快感を期待している。
それに気付いた途端猛烈に恥ずかしくなったけど、ベッドに押し倒されたら何も考えられなくなった。
きっと、自分に覆い被さる彼の存在感が大き過ぎるんだ。綺麗で、かっこよくて、誰よりも優しい。
この人になら何されても良いなんて本気で思えるほど、俺は心を奪われている。
実際、酷いことなんて絶対しないのが宗一さんだ。
「……っ」
部屋の明かりが点いている為少し恥ずかしいけど、服は全て脱がされてしまった。
「白希……お風呂の前に一回だけ。良いかな?」
黙って頷く。彼は顔を綻ばせ、待ち侘びていたように俺を抱き締めた。
俺の口に指を含ませ、ぬれた状態で後孔に持っていく。すっかり慣れたそこは、馴染むのにそう時間はかからなかった。
「あ……っ!」
わずかだが口を開く。小さな空洞は彼の人差し指を従順に飲み込んだ。
「時々……仕事中でも、この瞬間を想像してしまうことがあってね。自分を律するのが大変なんだ」
仰向けのまま、あられもない姿で脚を開く。こんな姿の自分を想像されていると思うと、言葉にならないほど恥ずかしかった。
「宗一さん……ひ、昼間には考えないでください。お願いだから」
「あはは、本当にね。外で勃ったら大変だし?」
「ちょっ……!」
彼にしては随分と卑猥な話をしてくる。驚きと羞恥で上体を起こすと、さりげなく肩を押され、寝かしつけられた。
「瞼を閉じたら白希の可愛い姿なんて、すぐに思い出せるよ。息するより簡単だ」
「……っ!」
片脚を高く持ち上げられる。その間も中をいじる淫らな音が鳴り響いて、いたたまれなかった。
宗一さんのことだから、多分わざとやってる。手つきは優しいけど、行為のときは少し意地悪なんだから。
「宗一さん、もう……っ」
「まだ二本しか入ってないよ。私のものを入れるならもう少し慣らさないと」
「ふあっ!」
質量が大きくなって、腰が宙に浮いた。彼の長い指が中を激しく掻き回してくる。
お腹が熱い。自分の性器もすっかり反り返り、先っぽから透明なつゆをこぼし始めていた。
「はっ……あ、宗一さん……もう、欲しい……っ」
「何を?」
彼は嬉しそうに口角を上げた。
とても恥ずかしいことを言わせられようとしてる。……なんてことも、この時には分からなくなっていた。ただ、早く繋がりたい。どろどろにとけた自分の中を、いっぱい擦ってほしい。
「宗一さんの、……おちんちん……早くっ……おしりの中に欲しいです……」
身を捩って強請った。すぐに指を引き抜かれ、その衝撃でも腰を震わせてしまう。
「ふあ……っ」
涙でぬれた瞳で見ると、宗一さんが自身のズボンを引き下げているのが分かった。赤く、大きく猛った性器。それを見ただけで全身が脈打つ。
「いい子だ。……挿れるよ」
先端が、小さなくぼみに押し当てられる。ひゅっと喉が鳴った瞬間、強い衝撃が脳天まで突き抜けた。
「あああっ!」
「く……っ」
半分以上一気に入ったようだ。しかも宗一さんは余程余裕がなかったのか、すぐに律動を始め、中に射精した。
「ん、あ、あ、ああっ!」
出してる最中も動きを止めないから、いつもよりずっと恥ずかしい水音が鳴っていた。避妊具もつけてないし、お腹の奥まで彼の熱い飛沫が浸透していく気がする。
思わず後ろに下がってしまうと、腰を掴まれ、簡単に引き寄せられてしまった。
「白希は気持ちよくなると逃げちゃうくせがあるね……でもあんまり上にあがると頭ぶつけちゃうから」
両手を繋いだ状態で、激しく腰を突かれる。正直息するのもやっとだ。
「んうっ……んん、あああ!」
身体は利口で、何としても外からの侵入を阻もうとする。何とか押し出そうとするが、それが逆効果だ。宗一さんの性器をさらに締めつけてしまう。
「宗一さん、今日、何か……あっ、激しい……っ!」
一度果てているのに、彼のものはまだ硬い。
「ああ。まだ全然収まりそうにない。君が、どんどん変わっていくから……っ」
またひと際大きくなった。
俺は別に変わってないと思うけど、彼からしたら違って見えるんだろうか。彼を受け入れている部分が、もしかしたら少しずつ……。
「中がずっと痙攣して、搾り取られるみたいだ」
「す……すみませ……」
「謝るところじゃないよ。こんなエッチな身体になってくれて、むしろ嬉しい」
宗一さんは前に身体を倒す。深い口付けをし、とけながら見つめ合った。
「こんな身体に……したのは、旦那様ですよ」
「そうだった。じゃあ責任をとらないと」
彼は悪戯っぽく笑い、俺の手の甲に短いキスをした。
2
お気に入りに追加
176
あなたにおすすめの小説
サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由
フルーツパフェ
大衆娯楽
クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。
トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。
いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。
考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。
赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。
言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。
たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。
どうやら夫に疎まれているようなので、私はいなくなることにします
文野多咲
恋愛
秘めやかな空気が、寝台を囲う帳の内側に立ち込めていた。
夫であるゲルハルトがエレーヌを見下ろしている。
エレーヌの髪は乱れ、目はうるみ、体の奥は甘い熱で満ちている。エレーヌもまた、想いを込めて夫を見つめた。
「ゲルハルトさま、愛しています」
ゲルハルトはエレーヌをさも大切そうに撫でる。その手つきとは裏腹に、ぞっとするようなことを囁いてきた。
「エレーヌ、俺はあなたが憎い」
エレーヌは凍り付いた。

甘すぎるドクターへ。どうか手加減して下さい。
海咲雪
恋愛
その日、新幹線の隣の席に疲れて寝ている男性がいた。
ただそれだけのはずだったのに……その日、私の世界に甘さが加わった。
「案外、本当に君以外いないかも」
「いいの? こんな可愛いことされたら、本当にもう逃してあげられないけど」
「もう奏葉の許可なしに近づいたりしない。だから……近づく前に奏葉に聞くから、ちゃんと許可を出してね」
そのドクターの甘さは手加減を知らない。
【登場人物】
末永 奏葉[すえなが かなは]・・・25歳。普通の会社員。気を遣い過ぎてしまう性格。
恩田 時哉[おんだ ときや]・・・27歳。医者。奏葉をからかう時もあるのに、甘すぎる?
田代 有我[たしろ ゆうが]・・・25歳。奏葉の同期。テキトーな性格だが、奏葉の変化には鋭い?
【作者に医療知識はありません。恋愛小説として楽しんで頂ければ幸いです!】


【書籍化・取り下げ予定】あなたたちのことなんて知らない
gacchi
恋愛
母親と旅をしていたニナは精霊の愛し子だということが知られ、精霊教会に捕まってしまった。母親を人質にされ、この国にとどまることを国王に強要される。仕方なく侯爵家の養女ニネットとなったが、精霊の愛し子だとは知らない義母と義妹、そして婚約者の第三王子カミーユには愛人の子だと思われて嫌われていた。だが、ニネットに虐げられたと嘘をついた義妹のおかげで婚約は解消される。それでも精霊の愛し子を利用したい国王はニネットに新しい婚約者候補を用意した。そこで出会ったのは、ニネットの本当の姿が見える公爵令息ルシアンだった。書籍化予定です。取り下げになります。詳しい情報は決まり次第お知らせいたします。
Take On Me
マン太
BL
親父の借金を返済するため、ヤクザの若頭、岳(たける)の元でハウスキーパーとして働く事になった大和(やまと)。
初めは乗り気でなかったが、持ち前の前向きな性格により、次第に力を発揮していく。
岳とも次第に打ち解ける様になり…。
軽いノリのお話しを目指しています。
※BLに分類していますが軽めです。
※他サイトへも掲載しています。

極悪家庭教師の溺愛レッスン~悪魔な彼はお隣さん~
恵喜 どうこ
恋愛
「高校合格のお礼をくれない?」
そう言っておねだりしてきたのはお隣の家庭教師のお兄ちゃん。
私よりも10歳上のお兄ちゃんはずっと憧れの人だったんだけど、好きだという告白もないままに男女の関係に発展してしまった私は苦しくて、どうしようもなくて、彼の一挙手一投足にただ振り回されてしまっていた。
葵は私のことを本当はどう思ってるの?
私は葵のことをどう思ってるの?
意地悪なカテキョに翻弄されっぱなし。
こうなったら確かめなくちゃ!
葵の気持ちも、自分の気持ちも!
だけど甘い誘惑が多すぎて――
ちょっぴりスパイスをきかせた大人の男と女子高生のラブストーリーです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる