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重たくも、暖かく
#9
しおりを挟む「エンジンがかかってからは、すごく速いんでしょうね」
彼の隣に腰を下ろし、顔だけ向ける。
常に完璧な彼の細部を少しずつ知ることができて、今はとても嬉しい。
「ははっ。一応、有言実行ということにしてもらえるかな?」
「もちろん!」
元気よく返すと、首の後ろに彼の手が回った。優しく引き寄せられ、唇を塞がれる。
「ん……ん、ふ……っ」
シャツの下からも、大きな手が入ってきた。それだけで下半身がぞくぞくする。
身体は、彼から与えられる快感を期待している。
それに気付いた途端猛烈に恥ずかしくなったけど、ベッドに押し倒されたら何も考えられなくなった。
きっと、自分に覆い被さる彼の存在感が大き過ぎるんだ。綺麗で、かっこよくて、誰よりも優しい。
この人になら何されても良いなんて本気で思えるほど、俺は心を奪われている。
実際、酷いことなんて絶対しないのが宗一さんだ。
「……っ」
部屋の明かりが点いている為少し恥ずかしいけど、服は全て脱がされてしまった。
「白希……お風呂の前に一回だけ。良いかな?」
黙って頷く。彼は顔を綻ばせ、待ち侘びていたように俺を抱き締めた。
俺の口に指を含ませ、ぬれた状態で後孔に持っていく。すっかり慣れたそこは、馴染むのにそう時間はかからなかった。
「あ……っ!」
わずかだが口を開く。小さな空洞は彼の人差し指を従順に飲み込んだ。
「時々……仕事中でも、この瞬間を想像してしまうことがあってね。自分を律するのが大変なんだ」
仰向けのまま、あられもない姿で脚を開く。こんな姿の自分を想像されていると思うと、言葉にならないほど恥ずかしかった。
「宗一さん……ひ、昼間には考えないでください。お願いだから」
「あはは、本当にね。外で勃ったら大変だし?」
「ちょっ……!」
彼にしては随分と卑猥な話をしてくる。驚きと羞恥で上体を起こすと、さりげなく肩を押され、寝かしつけられた。
「瞼を閉じたら白希の可愛い姿なんて、すぐに思い出せるよ。息するより簡単だ」
「……っ!」
片脚を高く持ち上げられる。その間も中をいじる淫らな音が鳴り響いて、いたたまれなかった。
宗一さんのことだから、多分わざとやってる。手つきは優しいけど、行為のときは少し意地悪なんだから。
「宗一さん、もう……っ」
「まだ二本しか入ってないよ。私のものを入れるならもう少し慣らさないと」
「ふあっ!」
質量が大きくなって、腰が宙に浮いた。彼の長い指が中を激しく掻き回してくる。
お腹が熱い。自分の性器もすっかり反り返り、先っぽから透明なつゆをこぼし始めていた。
「はっ……あ、宗一さん……もう、欲しい……っ」
「何を?」
彼は嬉しそうに口角を上げた。
とても恥ずかしいことを言わせられようとしてる。……なんてことも、この時には分からなくなっていた。ただ、早く繋がりたい。どろどろにとけた自分の中を、いっぱい擦ってほしい。
「宗一さんの、……おちんちん……早くっ……おしりの中に欲しいです……」
身を捩って強請った。すぐに指を引き抜かれ、その衝撃でも腰を震わせてしまう。
「ふあ……っ」
涙でぬれた瞳で見ると、宗一さんが自身のズボンを引き下げているのが分かった。赤く、大きく猛った性器。それを見ただけで全身が脈打つ。
「いい子だ。……挿れるよ」
先端が、小さなくぼみに押し当てられる。ひゅっと喉が鳴った瞬間、強い衝撃が脳天まで突き抜けた。
「あああっ!」
「く……っ」
半分以上一気に入ったようだ。しかも宗一さんは余程余裕がなかったのか、すぐに律動を始め、中に射精した。
「ん、あ、あ、ああっ!」
出してる最中も動きを止めないから、いつもよりずっと恥ずかしい水音が鳴っていた。避妊具もつけてないし、お腹の奥まで彼の熱い飛沫が浸透していく気がする。
思わず後ろに下がってしまうと、腰を掴まれ、簡単に引き寄せられてしまった。
「白希は気持ちよくなると逃げちゃうくせがあるね……でもあんまり上にあがると頭ぶつけちゃうから」
両手を繋いだ状態で、激しく腰を突かれる。正直息するのもやっとだ。
「んうっ……んん、あああ!」
身体は利口で、何としても外からの侵入を阻もうとする。何とか押し出そうとするが、それが逆効果だ。宗一さんの性器をさらに締めつけてしまう。
「宗一さん、今日、何か……あっ、激しい……っ!」
一度果てているのに、彼のものはまだ硬い。
「ああ。まだ全然収まりそうにない。君が、どんどん変わっていくから……っ」
またひと際大きくなった。
俺は別に変わってないと思うけど、彼からしたら違って見えるんだろうか。彼を受け入れている部分が、もしかしたら少しずつ……。
「中がずっと痙攣して、搾り取られるみたいだ」
「す……すみませ……」
「謝るところじゃないよ。こんなエッチな身体になってくれて、むしろ嬉しい」
宗一さんは前に身体を倒す。深い口付けをし、とけながら見つめ合った。
「こんな身体に……したのは、旦那様ですよ」
「そうだった。じゃあ責任をとらないと」
彼は悪戯っぽく笑い、俺の手の甲に短いキスをした。
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