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二十歳の青年
#19
しおりを挟む初めて見た時って……いつのことだ?
限界まで熱に浮かされた頭で思料する。
何となく、とても遠い昔のことを言ってる気がした。ようやく手に入れたと言わんばかりに、宗一は強い力で白希を抱き留める。
本当に不思議な人だ。
俺以上に俺のことを知ってるみたいな……。
誰も知らない、二人だけの空間と、時間。これが夢ならむしろ残念に思ったかもしれない。そう思えるほどに、今は彼に集中している。
「……っ」
……こんな気持ち初めてだ。守らなきゃいけない倫理観とか常識とか。全てなげうってでも、彼と向き合わなきゃいけない気になる。
今夜は、水の音で全て掻き消して。
「……宗一さん。朝のルール、守ります」
自分も邪魔な前髪をかき上げ、腰を密着させた。
今朝決めたルールは……朝は彼から。夜は白希の方から宗一に触れる、というもの。
でも“手を使え”とは一言も言われてない。だから腰を擦り付け、淫らに動かした。互いの猛った熱棒を擦り合わせ、限界まで熱する。
自分からこんな恥ずかしいことをしてるなんて、なにかの冗談みたいだ。
「ごめんなさい……下は見ないで」
自分達のものは既にぐちゃぐちゃに溶け合って、正視に耐えない。だから彼の顔を両手ではさみ、お願いした。「それならこう言えばいい」
腰に手を添えられる。
お湯がたまりにたまって、床に薄い膜をつくっている。
「俺だけを見て。……とね」
脚の間に、また彼の膝が割り込む。バランスを崩して、後ろの壁に背中が当たった。宗一が咄嗟に支えたことで倒れはしなかったが、片膝に座るような形で上に押し上げられ、全てが視界に入る体勢になってしまう。
「私は既に君に落ちてるんだから、誘うには充分な台詞だ。それが言えたら満点をあげよう」
ぐっと片膝を持ち上げられる。反り返った性器がより彼の目に晒された。
「ほら、見られたくないんだろう?」
彼は自分のものと一緒に、白希の性器も握り締めた。
容赦なく上下に扱かれ、女性のような声で喘いでしまう。
「白希がイク方が先かな」
「う……っ」
宗一は目を細め、口角を上げる。
その挑発的な瞳にようやく対抗心が芽生えて、彼の顎に手を添えた。
「いいから……俺のことだけ、見ててください……っ!」
彼の親指が、鬼頭の先端を強く擦る。その刺激に仰け反り、前は派手に弾けてしまった。
「はっ……う……っ」
ここまで真っ赤に腫れたところを直視したのは初めてだ。快感の余韻から、まるで見せつけるように脚を開いてしまっている。宗一の膝に乗りながら、白希は彼の性器に手を伸ばした。
彼のものも、大きく膨らんでいる。
「はは……。今ので満点を貰えるなら、簡単です」
「言うようになったねぇ。……でも、新鮮だ」
宗一は白希を抱え込んだ。また体重を軽くされている。彼はいとも簡単に立ち上がり、前を激しく打ち付けてきた。
「せっかくだから最後まで付き合ってもらうよ」
脚の間に彼の性器が潜り込む。脚をしっかり閉じるように言われ、壁に手をつきながら何とか守った。
素股とか何とか言われたけど、ただ擦り付けているだけだ。……なのに、こちらまで感じてしまう。陰嚢が彼の性器に当たり、前を揺らした。
やばい、また……!
「ああぁっ!」
内腿に熱い線が伝う。前は弾けてないが、さっきと同じ快感が全身を駆け抜けた。
彼も無事イけたようだけど……。
正体不明の刺激に動揺してると、鼠径部を指でそっとなぞられた。
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