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第4章 白花の聖女

4.使者、来訪③

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リステアんとこから逃げるように連れ出された。
別に逃げなくても良かったのだが、まぁ、あの腹黒皇太子といつまでも顔合わせてたくはないので良しとする。

「屋敷、帰る?」
「いや……騎士の宿舎へ行く。キリアンとジディも戻っているだろうし、使者が来るなら、その警備の采配も2人に出さなきゃならない」
「采配って、、カイザーが警備すんじゃねぇの?」
「俺はやらん」

騎士隊長なら、使者の警備諸々、カイザーが指揮すんだと思ってた。
首をかしげる俺に、カイザーが呆れたような視線を寄越す。

「お前は……俺が今、何に対して何をしてるのか忘れたのか?」

何に対して何をする?
謎かけみたいだ。
本気で分からない。

「えっ、、、と??」
「……………………もう、いい。お前に期待した俺が阿保あほうだ」

何か盛大に溜め息つかれてしまった。
若干ムッとなるが、俺が何かやらかしてそれをさせてしまった感が否めない。
腹は立つが怒れない。

「ごめん、、、なさい?」
「何で疑問形なんだ?………ったく、もういいと言ったろ?」
「だっ、てさ……」

怒らせたいわけじゃない。呆れられんのも嫌だ。
対等でいたいから不安にもなる。
感情がおもてに出てたらしい。
カイザーが困ったような怒ったような複雑な顔をした後、ハァ~ッと深く嘆息し、若干、乱暴に俺の体を抱き竦める。

「お前……それは、卑怯ひきょうだろ。俺が……あぁ!もう!!所詮しょせん、先に惚れた者が負けか?…………」
「カイザー?」

何やら耳元でぶつぶつ言われるが、意味が分からない。

「あ、のさ、、怒って、る?」
「……………………怒ってない。あと、その顔やめろ」

顔?
益々もって意味分からん。
思わず自分の顔をペタペタ触ると、カイザーが呆れたように溜め息をつき、諦めたように微苦笑を浮かべた。

「本当に……随分な違いようだな」
「な、に?」

今度は胡乱な目を向けられるが、俺には意味不明としか思えない。
1人で勝手に完結しないで欲しい。

「カイ……」
「何の冗談だ?カイザー!」

問いかけ……た、俺の言葉が鋭い声により遮られた。









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