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第2章 聖獣妃
9.嗚呼…言ってしまったが撤回もできず☆
しおりを挟む体の上に乗り上げ見下ろす俺の視線の先で、カイザーが目を瞠る。
「最後まで……わっ⁉︎」
もう一度言う前に、腹筋使って起き上がったカイザーに正面から向き合わせられた。
近衛騎士隊長の名は伊達じゃないって事か…
あっさりと拘束を解かれてしまい、ちょっと面白くない。
「最後までって、できるのか?」
「は⁈」
問うように言われ、最初は言われた意味が分からずほけっとなり、ムッカーーーーっと怒りが湧いた。
「で、きるッ!何だよ!できないわけ……ッ」
した事、、はないが、やり方は知ってる。
正直、不安しかないが、世の中、それやってエッチしてる奴らもいるんだ。できないわけがない!
「やり方は知ってるんだな?」
「知っ、、てる……し!」
顔を覗き込まれる。
何回も言うが、イケメン威力、半端ないんだって!
この無駄にイイ男が俺をって、考えただけで心臓も頭も爆発しそうだ。
頬も目の奥も熱い。
うぅ、、まだ至ってもないのに、めちゃ恥ずい!
両肩にカイザーの手がかかり、ビクッと体が跳ねる。
ハァッと溜め息をつかれた。
「なっ、、違ッ、怖いとかじゃないからな⁉︎た、だ」
「体は正直、、だって言ったな?口や気持ちがどうあれ、体はそうなってない」
「な、んで……俺、違う」
「痛い思いはさせたくない。傷を負わせるなんて尚の事だ」
肩から手が離れていく。
嫌だ!!
正面から思いっきり抱きついた。
咄嗟でバランスを崩したカイザーが両手を後ろについて体を支える。
「やめ、るな!抱き、、たくな、ならいい…でも、このまま離れんなら、嫌いになるぞ…」
肩に顔を埋めてるから、カイザーの顔は見えない。
ぐだぐだ言ってばかりの俺に呆れ、体が離されたら、ショックで立ち直れなくなりそうだ。
怖い。
心臓ドキドキ激しくて痛い。
「ひにゃんッ⁉︎」
耳たぶに不意に温かいものが触れ、はむっと咥えられる感触に、思わず声が裏返る。
変な声出た!!
「抱きたくないなんて言ったか?むしろ、激情を抑えんのに必死なんだがな。無茶をすればお前を抱き潰しかねん。体の負担を考えて、後ろをほぐすのに良さそうなものを取ってこようと思ったんだが……」
耳に吹き込まれる内容に、言葉をなくす。
やめないならいいと思う一方、これから自分がされる事を言われるのは、羞恥以外の何物でもない。
固まる俺に、カイザーが小さく笑いながら更に囁く。
耳の中に唇を入れるように言われた内容に、慌てて離れて耳を手で覆う。
「なっ、に!やだ、からな⁉︎そんな事しやがったら、、怒るから!!」
「今更だな。お前は俺に対して怒ってばかりだろ?」
「カイザーが怒らせてんじゃん!最初会った時なんかひどかった!」
「ひどくした覚えはないが?」
俺をあの密猟者どもの仲間呼ばわりしたくせに!!
って、今はそんな話じゃなく!
耳に吹き込まれた内容が問題だ。
慌てて離れようとしたら、体を引き戻された。
「離れたら嫌いになるんじゃないのか?」
「それとこれとは別だろ⁈やだ!やだやだやだ!!」
男同士のエッチがどうやるのかは、まぁ、耳情報として知ってる。が、本来は知らなくても困らない。というか、知るべくもない情報で、興味もなかった俺は詳しくは知らない。だから、カイザーが俺に対してやろうとしてる事が信じられない。
男同士って、、、そんな???
「普通にやれよ!」
「普通だろう?」
「どこが⁈しないだろ、そんな事」
「普通にするだろ?」
しれっと返され絶句。
普通?普通なのか?俺がおかしいの??
「だって、、、そ、な……ぅ、しろ……な、舐め、、」
言ってる側から、顔がカァーッと熱くなる。
改めてカイザーを見る。
青銀色の髪に、涼やかな紺碧の瞳。このイケメンが俺の後ろ…………………………………………無理!!
考え、、ようとして、頭が途中で拒否。あまりの羞恥に考えるのを放棄した。
とにかく、舐め……………は無理だ!!
「別の何かあるんなら、それで!取って来ていいから!」
「そう思ったが、気が変わった」
「カイ……ッッ、、やっ!」
再び、ラグに押し倒された。
2人して押し倒し押し倒されと忙しない。
何回目かに見下ろしてくるカイザーの目が、今度は(今までもそうじゃなかったわけじゃねぇけど)本気で、まるで縫い止められたかのように、俺の体が動かなくなる。
「い、痛いのは……」
「分かってる。俺もお前を傷つけるつもりはない。だから、グズッグズのとろっとろに溶かす。それでも、まったくの痛みなしは無理だな」
「あっ、、んぅ!」
ヘソ周りの腹を指が撫で、ツッと上に上がった指がやんわりと尖りを撫で摩る。
再開された愛撫に、体が素直に快感を享受する。
俺の体、本当にチョロすぎる!
「う、あっ!!」
両足にかかったカイザーの手で足が開かされた。
隠す物がないから全部、カイザーの目に丸見え状態。
憤死レベルの恥ずかしさに、目眩を起こしそうだ。
慌てて敷布をひっ掴み引っ張り込むが、隠せても胸の辺りだけで意味がない。
「カイザー!足、はな、離せ!」
「離したら意味ないだろうが?」
「意味なくていい!!見、見るなってば!」
「見なきゃ何もできん」
何するつもりとは思っても聞けない。懇切丁寧に説明なんかされた日にゃ、マジで恥ずか死ぬ!
「ひ、やぁああっ!」
足の間に手が差し入れられた。やんわりと握り込まれ、途端に体を貫く快感に、腰がビクビクと戦慄き、抱えられた足が空を蹴る。
ゆっくりと手を上下され、先端を親指の腹で撫で擦られ、掴んだ敷布を思わず噛み締め声を堪えた。
腰の奥が重苦しくなっていく。
「溢れてきた…いいみたいだな?」
「んぅ!ぁ……ッッ、、ゃぁ」
抱え上げられた足に口付けられ、舌がやんわり這わされて、敷布を噛んだ口から掠れた喘ぎが思わず出た。
溢れ出した蜜でヌルヌルしだしたのか、カイザーの手の動きが滑らかになり、先端の窪みに指先が潜り込まされ、噛んでいた敷布を離し、俺の喉から甘苦しい悲鳴が上がった。
「やっ、あぁあんッッ!!」
無意識に迫り上がる腰を、カイザーが押さえつけてきた。弄くり回される窪みから湧き上がる快感と熱に、目の前にチカチカ星が飛んだ。
根元をやわやわ揉むのも加えられ、カァーっと熱くなる体に、目元に生理的な涙が滲み出す。
括れを擦り上げられ、あっと思った瞬間には溢れ出すものを堪えられず、カイザーの手を濡らす。
呆気なさすぎて、自分自身呆然となる。
人の手でされるって、凄すぎ!
あがる息のまま、ちらっと視線をやると、カイザーがつと後ろに這わせてきた。
まさかと思った時には、後ろのあらぬ場所にヌルつく指が這わされ、縁をやわやわと撫でられる。
舐めるの嫌だとは言ったが、まさかそれを使おうとは……
舐められるのと同じくらい恥ずい!
「カイザー!!」
「我慢しろ……最後までしろって言ったんだ。それに、ヤなんだろう?あれは」
「ッッっ!!」
確かに嫌だ。
でも、だからってそれをそんな風に使うなんて……譲歩がこんな形でなんて知ってたら、絶対、拒否した。
痛い方がマシ!
男同士って羞恥が激しすぎ!
受け身ってこんなになのかと動揺が治らない。
今更、「やっぱやめる!」とも言えず、必死に我慢するが、次々襲う快感と恥ずかしさに悶え死にそうだ。
「んあっ、、ぁふ!」
指がゆっくり潜り込む。ヌルみを帯びた指で痛みはさほどないが、違和感が半端ない。
体の中を探られ広げられる気持ち悪さに、体が震えだした。
「痛みはないはずだが……大丈夫か?」
「………ぶじゃ、な、、…気持ち、、わる」
「そうハッキリ言われると傷つくんだがな…」
苦笑しつつ言われるが、本当の事だから俺だって何とも言いようがない。
「ひ、うぅ、、!」
2本目の指が入り、圧迫感が増す。
思ったよりキツい。眉根を寄せて、体を強張らせる俺に、カイザーが溜め息をつく。
「だから無理だと言ったろ?これだけ固けりゃ痛みは相当だぞ?悪いが、俺は指二本どころではないんでな」
「や、だ!」
痛いのは嫌だ。だけど、やめられるのも嫌。
やめて欲しいのにやめたくない。
相反する感情に、自分でもわけが分からなくなり涙が止まらなくなる。
再度、溜め息をついたカイザーに抱き起こされ敷布に包まれて膝に座らされた。
「やめるのは…」
「やだ!!」
「……なんだな?」
問いかけるカイザーに、どきっぱりと返す。
後ろに受けた刺激に、体は萎縮してしまったが、その他に受けた快感は尾を引いてる。苦痛と疼きが半々で、このままじゃ治りそうにない。
「意地っ張り……どんな我が儘姫より手がかかる」
「うっさいな!自分でも分かってるっての!でも、、今やめたら……」
怖くて次を迎えるのができなくなりそうだ。それぐらい、行為が未知すぎる。
「ゆっくりする」
「??」
「最後までするかは、、まぁ、状況次第だな。まずは、不慣れで初心いお前の体をどうにかするしかないだろ」
「ッッ」
いかにも慣れた感じが、いろんな意味で腹立つ!
でも、俺も無知ゆえに急ぎすぎた感はあるから、ここはムカつくが、経験者の意見に従う。
「今から後ろ以外は、お前が泣いても喚いてもやめないからな?悪いが……」
耳に言葉が吹き込まれ、小さく、コクリと息を呑む俺に、カイザーが男の色気全開で不敵に笑んだ。
「了承なら、敷布を自分で開け…」
言われた言葉に、再度息を呑み、震える手でゆっくりと纏った敷布を体から滑り落とした。
フワリと、それでいて強い視線に体を射抜かれ、怖さと期待に目を閉じた。
*あぁ…どこまでもオチつかない(落ちつかない?)2人です。とりあえず、今回はここまで!消化不良起こしたらすみません!:(;゙゚'ω゚'):
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