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第二部1章 黒き鎖の呪痕 奪われつつある光の章

5.今、子づくり関係ない(汗)②

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あったかい。
ふと意識が浮上し、ゆるゆる目を開ける。ぼんやりした目に、白い湯気が映る。

「起きたか?」
「ん……こ、こ?」
「屋敷の裏手だ。湯が自然に湧き出してるって聞いてな。気分は?」
「だ……丈夫。あった、か……」

天然露天風呂か……すごい贅沢。湯温はちょうどいい。
石を積み上げた湯棚に、バルドが背を預け、俺はバルドの胸元に頭を預ける格好で抱かれ支えられていた。

「気分悪くなったら言えよ?」
「う、ん。分……ケホッ!……ッ!」
「無理して声出すな。あんだけ泣きゃ、な?」
「……………………」

ジトッと胡乱に見つめてやると、バルドが、ん?と
首をかしげる。

「どうした?」
「最近、エッチ……酷い…」
「酷い?何が?意地悪は確かにするが、痛いことはしてねぇだろ?」
「違……ヘンタ、イ臭い……ネチ、こい……普通、じゃな……」

最近のこれは確かに酷い。何か、初めて会った頃はもっと普通に触れあったような気がするが……
近頃、するって言や、「マンネリカップルが刺激を求めて、ちょっとハメ外しちゃいました♡」みたいなノリの、ちょっと普通から逸脱しつつある。

「愛し合ってるなら普通だろ?」

あそこに、ワイン入れたり葡萄ぶどう入れたりが普通?
……………………………………………………………………………普通じゃねぇよ!

「普通が……いい…」
「嫌いか?どうしても無理か?」
「ず、るい……そ、な言われ……ら」

あぁ、ヤバい。あったかいのと疲れたのとで、また本格的に眠くなってきた。
駄目だ。ちゃんと話さなきゃいけないのに、瞼が重くて開けてられない。

「バ……ルド……話…」
「次、ちゃんと起きたらな。今は寝てろよ……」

目を閉じ、意識が暗くなっていく。額に柔らかく温かいものが触れたのを微かに感じたところで、俺の記憶は途絶えた。







翌朝ーーーー

目が覚めると、バルドに抱きかかえられベッドで寝ていた。
はて?昨日の記憶が、ところどころ曖昧だ。
上掛けの布から出ているバルドの剥き出しの肩や腕。上半身は裸。下は………

「見たきゃ見ろよ」

固まったままどうしようと内心焦ってたら、クックッ
と肩を震わせてバルドが笑い出す。
寝てるかと思いきや、どうやら起きていたらしい。

「起きてるなら言えよ……」
「焦ってんのが面白くてな。見なくていいのか?」
「いいよ!見ないし!」
「遠慮せんでもいいぞ?」
「遠慮じゃない!馬鹿!あ!ちょっと、んぅう!!」

朝っぱらからかなり濃厚な口づけを受け、ペロッと舐めた後、ゆっくり離れる。

「さて、起きるとするか?」

先に起き上がり、ベッドを下りるバルドに、俺は気まずくて視線を逸らす。
やっぱ裸だ……

「少しは隠せよ!恥ずいなぁ~………」
「今更だろ?」

恥ずかしげもなく、堂々と裸体晒す皇太子って……普通、やんごとなき身分の方は、肌を簡単に晒さないものじゃ?
服は隣の部屋に脱ぎ散らかされてるから、俺も起きないと。でも………

「あっち向くか、先に行ってて」

シーツの下は俺も裸。バルドのような見るに耐える鍛えられた綺麗な筋肉のついた体とは違い、痩せぎすまでは言わないがやっぱ細いし、明るい場所では見られたくない。
体もだけど………
俺の視線がうっかり下に向いてしまい、見なきゃいいのに見てしまい無意識に喉が鳴る。
やっぱ……すごいよな。いつ見ても………
同じ男として、コンプレックス刺激されまくりなのもそうだが……
あれが、いつも俺ン中……

「アヤ?」
「わーーーーーーーーーーーーー!何、何でもない!何でもないから、あっち行ってろってば!」
「???よく分からんが……分かった」

訝しみながら、バルドはさっさと隣の部屋へ行ってくれる。
危ねぇ……朝から頭ん中、ピンクに染まるとこだった。
しっかりしろ、俺!

頭を軽く振り、それからちょい情けないが、肩からシーツを被り体を隠して俺は着替えるべく隣の部屋へと向かう為、ベッドを下りた。





*前回の答え。正解は 葡萄ぶどうでした(^◇^;)
※よい子は食べ物で遊んではいけませんm(_ _)m
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