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第4章 忍びよる闇の策略と失われし久遠の刻編
21.スケベ植物注意報!!①
しおりを挟む道すがら、現れる黒ローブを、バルドとカーティスはことごとく潰していく。キサとセレストが、二人の手の及ばない敵を始末。
基本、俺の彩色の力は超接近型。戦闘にはまるっきり不向きな為、せいぜい皆の邪魔にならないようにだけするしかない。
「アッディーン、ディオンの魔導はどう?まだ、遠いのか?」
「いや。遠くはないのだが…動いているな。移動している」
「動き回ってるって事?」
「魔導を捉える限りはな。感知はできても、細かい機微は分からん。だから、動いてることは分かるが、それ以上は……」
「場所をあちこち移動してるのか?」
「いえ……部屋の中を行ったり来たりしているだけのようです」
何かを追いかけてる?それとも……
「ディオンが誰かに追われてるとか?」
「そこまでは分からん。魔導を感知することはできても、姿を見ることはできないからな」
「そ、か…でも、アッディーン、すげぇな。俺なんて、人の魔導感じる事なんかできないし」
「別に………それに、少し鍛錬すれば、こんなの誰だってできる」
並走しながら俺が言うと、アッディーンが少し照れたように顔を逸らす。
「今度、やり方教えて」
「別に…構わんが。だが………」
「??何…っうわ?!」
「アヤ。頼む相手が違うだろ?魔導感知なら俺が教えてやる」
首根っこ軽く後ろに引っ張られ、バルドのとこまで下がらされる。
バルド。そっか、バルドもできるんだった。
「中々に心配事が絶えなさそうだな?グレインバルド」
「お陰様でな。勝手に一人で歩き出すから、おちおち目が離せれん」
「何?」
「なんでもねぇよ。階段だ。下に降りるぞ?」
クツクツ笑うカーティスに、バルドが顰めっ面で返す。問い返した俺には一言だけで、階下へ降りる事を促され、そのまま全員で一気に駆け下りた。
階段踊り場に着いた途端、シュルルッと音がし、正体を確かめる暇もなく、右足首に蔓のようなものが絡まり、あっという間に宙づりに釣り上げられる。
「うわっ!ちょ、やだ!!」
「アヤ!クソッ、油断した。この根っこも敵か!」
「今になって襲ってきたという事は、この先に我々を行かせたくないようだな」
カーティスの言葉に、ウネウネと次々触手のような蔓が湧き出し、周りを囲まれた。
うぅっ…んな、悠長にしてないで助けてほしい。頭、血登る。
宙づりになった俺の目の前に、バランスボールくらいに膨らんだ先端の蔓が伸びてきた。
え?と思った次の瞬間、ゴバッと開いたそれは、ギザギザの牙がビッシリ生えた花。見た目はまんま、ラフレシアだ。
「ぎゃあーーーーーーーー!!無理ーーーーーー!!
無理無理無理無理無理無理!!キモいキモいキモいキモいキモいキモいキモい!!」
怖すぎる!キモすぎる!無理すぎる!三拍子揃ってプチパニックだ。
ズズッと花が近づいてきて、情けないけど半泣きになる。
ベロリンチョ!
まさに擬音はそんな感じで、花から伸びたネトネトの舌(何で花にそんなもんが⁈)で、舐め上げられ、俺の涙腺は完全に崩壊した。
「ぎにゃあ~~~~~~~~~~~~~~~~~!!やだぁ~~~!バルド!助けて、早く!何とかして!」
「何とかっつっても、この蔓ども後から後からキリがねぇよ!」
「しかも、以外と硬い!力だけでは切れんぞ!」
五人の周りを蔓や枝やらが取り囲んでいるため、魔導を使う事もできないらしく、悪戦苦闘。
ブラブラなってる左足攣りそう。と、思ったら、シュルリと伸びた別の蔓が絡みつき、体が固定される。
「あ、助か……ってねぇよ!!うわーーん!益々捕まった!やだやだやだ!!」
相変わらず、ベロベロネトネト。ぎもぢわるいよ~~!
しばらくベロベロしてた花が、味見が終わったのか、俺から少し離れた。ホッとしたのも束の間、次の瞬間、突然に…ーーーーーー
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