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外伝2 触れる指先ーエリオー

*好きだから受け入れられない事もある⑧☆※微エロくらい?

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今の状態が理解できない。
いや、されている事は分かる。ただ、なんでどうしてそうなったのか、頭が追いつかない。
グッと体が更にくっつき、重なる唇が深くなる。

「んっ!ッ、、ぁ、」

抵抗しかけた手を軽く払われ、上から覆い被さる形で迫られる。

「ラキ……ッ、、あっ、」

名前を呼ぼうと軽く開いた唇を割り、舌がスルリと入り込む。感じた事のない感触に、体がビクリと大きく波打った。
思わずギュッとラキティスの上着を掴む。
体が震える。
恐怖や嫌悪からじゃない。
頭の中から溶けそう。
カクンと足の力が抜け、膝から崩れた。

「っと!大丈夫か?」

抱きかかえられ、寝台に寝かせられ言葉をかけられるが、ボーっとした頭では考えられない。
こんなの知らない。
今まで、こんな風になった事がない。

「な、、んで?こん、、の……」
「当たり前じゃないか?お前が相手してた貴族のお偉方とやらは………いや、いい。どうでもいい事だな」
「ラキティス………様?」
「キサだって言ったろう?」

上から覆い被さるよう言われたが、素直には頷けないし呼べもしない。

「見た目に反して、大概、強情だな」

呆れたような笑いを浮かべ顔を覗き込まれたが、視線を合わせたくなくて逸らした。

「薬は?」
「まだ………」

体の奥で炎が燃えるように、じゅくじゅくした疼きが起きている。
大抵のしつこい薬に耐性は持っているが、使われたのは覚えがないもの。
クリスティアンの口ぶりでは中々変わり種を使われたのは察した。

の薬は、治癒系魔導は効かん。もちろん、解毒薬もない。それは?」
「知っ、、、て、ます」

常識だ。学は浅くても、それくらいは知ってる。
手っ取り早く薬を抜く法も………

「じゃあ、大丈夫だな?」
「だ、大丈夫、じゃない、です!」

ラキティスが言わんとしてる事は分かった。が、それが受け入れられないと、何度も言ってるのに……

「俺が駄目で嫌ならそれは仕方がない。男相手が駄目という奴はいくらでもいる」
「そ、なわけ………………………ないでしょ」

僕が貴族の男たちを相手してきた事は知られてる。そんなわけないのは、ラキティスだって分かってるはずだ。
意地が悪い。
拒み続けている事への意趣返いしゅがえしだろうか?
軽く涙目で睨みつけるが、ラキティスはシレッとしたままだ。

「だっ、て……」
「また『だって』か?今度は何だ?」
「僕……じゃ、駄目、、、です」
「だから、何がだ?」

あぁ、うじうじうっとおしい!
自分でも嫌になる。でも、こればかりは何も考えず、ただ腕に飛び込む、、、というわけにはいかない。
見下ろしてくるラキティスに、ちらっと視線を向けてからフイと逸らす。
前の僕なら、ただ目の前の地位も容姿も整った男の腕に、喜々として飛び込んだだろう。
変われば変わるもんだよね……
知らず溜め息が漏れる。

「ふっ、、ゃん⁉︎」

自嘲じちょうし、考え事にふける僕の耳に擽ったい感触が走り、溜め息混じりの悲鳴が小さく漏れた。
あまり不用意に触れて欲しくない。
薬はずっと体をさいなんでいるし、それでなくても、常になく感じやすくなっている体を持て余し困惑しっぱなしなのだ。

「薬を早く抜くには、が1番だと思うが?」
「だ、、、めッ……だ、、って」

体の疼きが酷くなってきた。
正直言って、もう、辛い!
本音や理屈抜きで言えば、僕だってそうしてしまいたい。いや……のだ。
だけど、自分の中でどうしても躊躇ためらいが勝ってしまうのだ。
涙で潤む目に、ラキティスの端整な顔が映る。
いつの間に……こんなに。
アヤと居るとたまに見かける相手。
それが、城で度々見かける度に、目が追うようになり。やがて、無意識に探すようになり……
そんな自分に、住む世界が……一緒に同じものは見られないからと叱咤しったし、無理矢理納得させて……

「呆れ、る……僕、なんかじゃ、、…つまらない、って」
「……………………」

触れられて、つまらない・楽しくないって思われたら…
考えたら考えるだけ、全身の血が凍りつきそうなくらい怖い。
ふ~、、、と重く深い溜め息が降ってきた。
溜め息つかせてばっかり……涙が溢れそうになり、唇をグッと噛み締めた僕の体が、不意に力強く引っ張り起こされた。
突如で反応できない体が抱き竦められ、言葉を発せず固まった。

「悠長に口説くより、多少荒療治だろうが、捻じ込んで分からせた方がお前には効きそうだな……」
「ラキ………」
「黙ってろ」
「ぁ……………………」

強く有無を言わせない一言に、発しかけた言葉は封じられた。
鋭く射抜くような瞳にひたと見つめられ、ひゅっと息を呑んだ僕の唇が、再び、深くラキティスのそれで塞がれた。

            *
            *
            *
            *
            *

            *
            *
            *
            *
            *

「いっ、いやッ、、!」
「さっきも聞いた…と、いうか。お前はそれしか言ってねぇな」

深い口づけを施してからは怒涛どとう
服が脱がされ、全身に施される甘苦しい愛撫に、エリオの瞳の涙の堤はとうに決壊した。
ドロドロに溶けた熱と甘さに体の震えが止まらないようだ。
気持ちよくて気持ちよくて…でも、素直になれなくて……

「あ、!あ、、ぁふ!ンぅ」
「口より体は素直だな……」
「や、やめ……!あぁん!!」
「強情っぱり……限界はとっくにだろうが」
「ひ、ぅッ!んぅ、、、ぁ」

胸の尖りに舌に這わし、ジュッと強く吸う。ピンっと尖って固くなったそれは、俺の舌に小気味よい弾力をもたらした。根元から擦りたてるように舐め上げると、痛みと快感がない混ぜになったようなあえぎが、エリオの唇から溢れる。
ちらっと下へ視線を流すと、エリオの足の間のそれからとろっとした蜜が流れ出す様に、言い知れない充足感を感じた。

「ラ、、ラキ…ラキティ、、ス…ま……も、もぅ」
「『もう、いや』か?それとも…『もう、我慢できない』?」

エリオがかぶりを振る。
答えは分かっている……両方だ。
濃厚な愛撫で尖りきった両胸の尖端はジンジンと痺れているし、肌はどこもかしこも敏感になり、少し指が触れただけで、粟立つくらいに震える。
足の間のそれはもう見なくても分かるくらいに昂ぶりきっている。
言う通りだ。限界はとっくに越えている。
エリオが震える手を俺の体に伸ばしかけ、寸ででギュッと握りしめパタリと寝台に倒した。

「ご、め……なさ、い……許し、て……ごめん、ぃ」
「何に謝る?」
「欲し……がっ、、…て、身、身の程、、らずで」

一度せきを切った涙は止まらず、自分でもどうしようもないのか、ひくっひっくと、子供が泣くような鳴咽おえつがエリオの喉から漏れるが止めようがないらしい。
泣かせたいとは思ったが、これでは意味が違う。
涙に濡れた頬に手をやると、潤む目が見つめてきた。

「欲しがればいい。やらない、なんて、そもそも俺は言ったか?」
「で、、、も…………」

躊躇いに揺れるいとけなさに、甘やかしたい優しさと、強引に傲慢に奪いたい凶悪さがせめぎ合う。
アヤの側で見かける存在。
最初は気にもしてなかった。
アヤと居るから目に入るようになり、いつからか、アヤより目に入れる回数、時間が長くなり……
城で見かければ、自然と目を向けていた。

「僕………は、綺麗…じゃな」
「お前を包むそのろくでもねぇ殻は、どうやったら剥がれんだろうな?……」
「ごめん…なさ……」

はらはらと流れ落ちる涙を、唇で吸い取る。
こんなやり方が間違っているのは自分でも分かる。が、こうでもしなきゃ、こいつは………

「愛してる………って言やぁ、少しは………………」
「ラキ?…………な、に?」

呟いた言葉は小さすぎて耳に届かなかったらしい。
不安げに揺れる瞳に自嘲じちょうが漏れた。
言ったところで、これは信じないし、簡単には殻は破れない。完全に俺のものにするには、相当な時間と労力、根気もいる。
それより何より、俺をそういう相手として、これは見ていないだろう。
だったら……
少しくらい強引にでも、俺の存在を覚えこませる。

「ラキティス……様?」
「何でもねぇよ…お前は、今は黙って俺だけ見てろ…」

薬に侵された泣き濡れた瞳に見つめられ、ギリと一度強く歯噛みしてから、無言でその唇を深く少し乱暴に塞いだ。








*更新、大幅遅れ!
お待たせして、申し訳ありません(>人<;)次はあんまり遅れないようがんばります(大汗)


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