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番外編③ 恋に戯れる side.花

*うっかり◯◯しちゃったら⁈①☆

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何故にこうなった?

ギュッと体を抱きしめ、口を手で押さえる。
出るに出られない。

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「馬鹿、バルド!アリッサとローレン知ってるからって、構わずベタベタしやがって!」

いつもの如くおやつの時間に、アリッサたちが用意してくれた、お菓子とお茶をしていた俺に、バルドがちょっかいかけてきた。
それだけなら別に怒りはしない。
今日はバルドの機嫌が良く、いつにも増してベタベタ、ベタベタ……(以下略)
挙句、膝に俺を抱き上げ、かなり濃いめに……

「うがぁーーーーーーッ!!俺は人に見られる趣味はなーーーーーーーーい!!」

アリッサとローレンの嬉しそうな悲鳴が耳に残る。

バルドと触れ合うのは嫌いじゃない。むしろ……
でも、そういう事するんなら…二人だけの時に……

は⁉︎

「って!そうじゃなくて!」

ソファのクッションをガスガス殴り考えを散らす。
ギュムっと抱きしめ、顔を埋める。
俺も一緒だ。バルドと同じくらい、俺も気持ちを引きずってる。
理由は簡単。多分………

「だって……昨日、あんな…」

は!!いかん!考えがまたいかがわしい方向に!!
今は部屋に俺一人。怒ってお茶してた部屋を飛び出し、バルドの公的な部屋にいる。
う~…っと唸る俺の耳に、扉の外からの足音が入る。
バルドだったら気まずい。
クッションを投げ出し、荷物などが入れられている小部屋に入り込む。

「失礼します。あぁ、今はお茶の時間か?セレスト、誰もいないみたいだ」
「書類を置くだけだ。殿下の印章がいるわけじゃないから、構わない」

聞きなれた声。小部屋の扉をうっすら開けてみる。
入ってきたのは、セレストとイアン。どちらも近衛護衛でバルドの側近。
バルドじゃなかった……

「って!べ、別に、俺は…ッ」

内心がっかりしてる自分を自覚して、自分で自分に言い訳する。

「………………………………」

俺、何やってんだろ?構われたら怒るくせに、放っておかれたら寂しがるなんて……

「戻ろ……ん?」

ハァ…っと、小さく溜息をつき、小部屋を出ようとしたが、目に映った光景に固まる。

「、んぅ……よ、せ!イアッ」
「セレスト!」

イアンがセレストを抱き竦め、抗いを退け口づけていた。
逃げを打つセレストの顎をイアンの手が掴む。舌を深く差し込むように、イアンの顔が斜めに傾く。
ピチャピチャと舌が絡まる生々しい音が響く。

うわ!や、やばい!
なんか知らんが、始まった!

「馬鹿!イアン、ここどこだと…」
「分かってる!けど、止まんねぇ!だって、昨日結局…」
「今、そんな話するな!とにかく、ど……あっ!!」

怒るセレストの声が途中で途切れた。
ここからだとあまりよく分からないけど、イアンの手…セレストの服の中に入ってる。
ドサッと、執務机の上にセレストの体が強引に倒された。
ひえ⁉︎イアン、普段と違って大胆!!

「イアン!よせ!やめろ、馬鹿ッ!!」
「セレスト!文句はあとで聞く。今は、抱きてぇ」
「や、め!馬……ぁっ!んあぁっ!」

怒鳴るセレストの声が途中で甘いものに変わった。
隙間から覗く俺の顔がどんどん熱くなっていく。これじゃ、人の情事を……
駄目だ!止めろと警告の声はしてるのに、意思に反して体が目が言う事聞かない。

「あ、ぁっ!あ、い、やぁ、やめ…イア、、ンぅ」

性急に、セレストの足からズボンを剥ぎ取ったイアンの顔が、セレストの下の方で蠢く。ピチャピチャ、ズチュッ、クチュッ、っと、聞くのも恥ずかしくなるくらいの水音が響き、セレストの声も益々甘ったるく溶けていく。
見なくても分かる。セレストがイアンに何されてるか。

「あっ………⁈」

急に、ズクンと疼いた体に、声が漏れかけ、慌てて口を押さえた。
うそ⁈俺……

「セレスト、セレスト!可愛い…綺麗だ、ここ!蜜がどんどん出てくる」
「イ、、こ、の!はっ、、あぁんっ!」

ぢゅるるっと、吸い上げる音がして、肩に担ぎ上げられ浮いたセレストの足が空を蹴る。
甘いイアンの睦言に、溶け崩れたセレストの喘ぎが混ざり、俺はギュッと更に口を押さえる

『アヤ。ここ、好きだろう?もっとやってやるから、可愛いくてやらしいところ、俺に見せろよ?』

耳の奥に、バルドの声と言葉が蘇る。
セレストがイアンにされている事、俺がバルドにされた事が重なる。
バルドの口は舌は、熱くて……
ねっとりと絡みつく熱を思い出し、足の間がツキンと疼く。

「はっ……ぅ、、くっ!」

声を殺し、懸命に堪える。
見つかるのはマズい。こんなの見つかったら、恥ずかしいどころの話じゃない。

「イ、イア…ン!も、もぅ」
「うん?イクか?出る?」
「ん、んぅ、う、ん……あ、ぁ、出ちゃ」
「いいぜ、出せよ?お前の、飲ませろ」
「ひっ!!ぁぁぁあああッ!」

チュルっと吸い上げる音がして、セレストが思い切り体を仰け反らせた。

「ぅ!ん、んぅ…やめ、も、出な…吸う、な!」

尚も吸うイアンに、セレストが泣き声交じりに詰る。

どうしよう……そろそろ、限界かも。
思い出すな。そう、考えれば考えるほど、昨日の事、思い出してしまう。

「セレスト……部屋、行きたい」
「好きに、しろ……ここじゃ、なきゃ、い」

グッタリしたセレストを、イアンが自分の上着に包んで抱き上げ、足早に出て行った。
扉が閉まるのを確認し、小部屋から出る。
のろのろとソファに歩み寄り、体を投げ出した。
ズクンと疼く体の奥の痺れに泣きたくなる。
最悪だ!
セレストとイアンがじゃない。自分が最低すぎて泣きたくなる。
二人のエッチな時間を……不可抗力とはいえ、よりによって出歯亀……
しかも、自分とバルドに重ね合わせて催しちゃうなんて…
俺、どんだけ……?
しばらく、治んないな……
格好悪ぃし………

「みっともない……」
「誰が?」
「!!!!!」

ボソッと呟いた声に返され、驚愕に目を見開いた。








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