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女神選抜試験
第21話 身の危険
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「ルーカス様!?」
驚きと怒りを込めてクリスが叫ぶ。
しかしその中で、ルーカスは悠々と階段を降りてきた。
「どういうことですの? わたくしを今すぐレイフ様のところへ戻してください」
きっとレイフは急に姿を消したクリスを心配していることだろう。
いったんは引いた振りをして、こんなことをするなんて卑怯だ。
「わたしは君を帰さない。もちろんレイフに渡すつもりもない」
「困ります」
クリスがそう抗議した途端、ルーカスに抱きしめられてしまった。
「やめてください……!」
クリスはルーカスの腕の中で懸命に抗うが、彼は気にしたふうもなかった。それどころか、クリスはルーカスに唇を奪われてしまった。
「や、め……っ」
ふいにハーヴェイの顔がクリスの脳裏に浮かぶ。クリスの頬に涙が流れた。
それでも、ルーカスのキスはやまなかった。
「いや……!」
クリスは首を振って彼のキスを避けようとしたが無駄だった。
それどころか、逆に彼に火をつけてしまったようだった。
ルーカスはふっと笑うと言った。
「そそるね。このまま君をわたしのものにしてしまおうか」
その言葉にクリスは驚愕を隠せなかった。
「ご冗談はおやめください! わたくしは女神候補ですのよ?」
「しかし、女神が夫を迎えたことは過去にもある」
確かに過去の例にもそのような記述はある。
だが、こんなふうに無理矢理女神候補を襲うようなことはなかったはずだ。
「あっ」
ルーカスにいきなり横抱きにされて、クリスは愕然とする。
ルーカスは本気だ。
「お願いです。おやめください……!」
クリスのその懇願にルーカスが得も言われぬ程優しい笑顔を向けた。だが、クリスにとっては恐怖でしかなかったのだが。
「いくら君の願いでも聞けないね。これは君を手に入れられるせっかくの大きな機会なのだから」
そしてルーカスは魔術の詠唱を始めた。
「あ……っ?」
その途端、切ないような感覚が体を走り、クリスは戸惑った。
──ルーカス様はいったいなんの詠唱をしているの? それに、わたくしはどうなってしまうの?
ルーカスは詠唱をしつつ、クリスを抱いたまま階段を昇っていく。
すると、階段の踊り場のところに一つの人影が現れた。
「レイフ様……?」
レイフはルーカスに対抗するかのように詠唱をし出した。すると、徐々にクリスの中の切ない気持ちが薄れていく。
「レイフ、邪魔をしないでくれるかな。それに厳重にシールドしていたというのに」
ルーカスが舌打ちをしながら言うと、レイフは珍しく厳しい表情になった。
「確かにあのシールドには手こずったけどね。でもこれを邪魔しないでどうするっていうんだい。みすみすクリスティアナを君の餌食にする気はないね」
そしてレイフが詠唱をすると、クリスは彼の腕の中に収まった。
「レイフ、クリスティアナを返せ……!」
「嫌だよ。しばらく君は反省することだね」
すげなく言うと、レイフは短い詠唱を唱えた。
すると、クリス達は女神候補寮の前に出てきた。
レイフは素早くクリスを地におろすと言った。
「早く寮に入って。ルーカスが追いかけてくる」
その言葉に恐怖を感じたクリスは素直に頷く。
「は、はい。レイフ様、本日は誠にありがとうございました」
「うん、またね。後で手紙書くよ」
「はい」
その時、ルーカスが二人の前に現れた。
「──クリスティアナ」
そしてクリスは慌てて自分の部屋に逃げ込んだのである。
どうやら女神候補寮までにはルーカスの力は及ばないようだった。
クリスは部屋の内側から鍵をかけると、へなへなとその場に座り込んだ。
「まあ、お嬢様!? どうなされたんですか?」
ノーラが慌てたようにクリスを立たせようとする。しかしクリスはすっかり腰が抜けてしまっていた。
結局、ノーラは寮母を連れてきてクリスを応接セットのソファまで運んだ。
クリスは二人に礼を言うと、安堵の息をついた。
「お嬢様、いったいなにがあったというのです」
ミルクティーを出しながら、ノーラがクリスを窺ってきた。
けれど、腹心の侍女の彼女にも本当のことは言えそうもない。魔術師の一人に襲われそうになったなどと言ったら、彼女は泡を吹いて倒れるだろう。
「少し、街巡りを頑張りすぎたみたい。心配をかけてごめんなさいね」
クリスがすまなそうに言うと、ノーラは少しほっとしたような顔になった。
「そう……なのですか? ですが、くれぐれも羽目を外さないでくださいませ。お嬢様は女神候補なのですから」
「ええ、留意するわ」
クリスが頷くと、ノーラも安心したように頷いて控えに引っ込んでいった。
それからしばらくして、ルーカスから手紙が届いた。
『クリスティアナ
今日のことを謝る気はない。
だが、わたしが君のことを愛しているということは忘れないでほしい。
ルーカス』
その文面を読んで、実際に腰を抜かす程驚かされたクリスはだんだん怒りが沸いてきた。
そうして、ルーカスに返した文面は自然と厳しいものになった。
『ルーカス様
あなた様は勝手で酷いお方です。
あなた様が今回したことで、今まで培ってきた信頼関係を一気に壊してしまいました。
これからどうやってあなた様に対していいかわたくしには分かりかねます。
クリスティアナ』
──本当に困ったわ。これからも魔物討伐があるというのに。でも彼に会うのは危険だし……。ああ、どうしたらいいの?
そこへまたルーカスの手紙が来た。
『クリスティアナ
君の怒りももっともだと理解しているよ。
だが、君はわたしのこの狂おしいまでの君への想いを分かっていない。
本当に君だけを愛している。
ルーカス』
クリスはそれ以上ルーカスに返信するのをやめた。
彼にあなたのことを愛していない、と書いても無駄なような気がしたのだ。
そのかわりにレイフからの手紙が舞い込んできた。
『クリスティアナ
今日は大変だったね。今の君が心安らかであるといいんだけど。
でも僕は、君と街巡りが出来て楽しかったよ。君ともよく知り合えたしね。
ルーカスの件だけど、クライドに話を通しておくから明日の朝一番に僕のところへおいで。
僕とクライドでなんとかするから、君はあまり気に病まないようにね。
レイフ』
──レイフ様、お優しい。
今後の魔物討伐に影響が出ると考えて、クライド様に相談に行ってくださるなんて。
『レイフ様
いろいろとお気遣いいただいてありがとうございます。
それから今日は誠にありがとうございました。本当に助かりました。
ありがたく明日の朝一番にレイフ様のところへ伺わせていただきます。
クリスティアナ』
レイフに手紙を送ると安心したためか、涙が出てきた。
──ハーヴェイ様にお会いしたい。会ってお話がしたい。
だが、今回のことは話すことは出来ないだろうが。
クリスは自然にハーヴェイ宛に『お会いしたいです』と手紙をしたためている自分に気がつき、慌ててそれを破棄するのであった。
驚きと怒りを込めてクリスが叫ぶ。
しかしその中で、ルーカスは悠々と階段を降りてきた。
「どういうことですの? わたくしを今すぐレイフ様のところへ戻してください」
きっとレイフは急に姿を消したクリスを心配していることだろう。
いったんは引いた振りをして、こんなことをするなんて卑怯だ。
「わたしは君を帰さない。もちろんレイフに渡すつもりもない」
「困ります」
クリスがそう抗議した途端、ルーカスに抱きしめられてしまった。
「やめてください……!」
クリスはルーカスの腕の中で懸命に抗うが、彼は気にしたふうもなかった。それどころか、クリスはルーカスに唇を奪われてしまった。
「や、め……っ」
ふいにハーヴェイの顔がクリスの脳裏に浮かぶ。クリスの頬に涙が流れた。
それでも、ルーカスのキスはやまなかった。
「いや……!」
クリスは首を振って彼のキスを避けようとしたが無駄だった。
それどころか、逆に彼に火をつけてしまったようだった。
ルーカスはふっと笑うと言った。
「そそるね。このまま君をわたしのものにしてしまおうか」
その言葉にクリスは驚愕を隠せなかった。
「ご冗談はおやめください! わたくしは女神候補ですのよ?」
「しかし、女神が夫を迎えたことは過去にもある」
確かに過去の例にもそのような記述はある。
だが、こんなふうに無理矢理女神候補を襲うようなことはなかったはずだ。
「あっ」
ルーカスにいきなり横抱きにされて、クリスは愕然とする。
ルーカスは本気だ。
「お願いです。おやめください……!」
クリスのその懇願にルーカスが得も言われぬ程優しい笑顔を向けた。だが、クリスにとっては恐怖でしかなかったのだが。
「いくら君の願いでも聞けないね。これは君を手に入れられるせっかくの大きな機会なのだから」
そしてルーカスは魔術の詠唱を始めた。
「あ……っ?」
その途端、切ないような感覚が体を走り、クリスは戸惑った。
──ルーカス様はいったいなんの詠唱をしているの? それに、わたくしはどうなってしまうの?
ルーカスは詠唱をしつつ、クリスを抱いたまま階段を昇っていく。
すると、階段の踊り場のところに一つの人影が現れた。
「レイフ様……?」
レイフはルーカスに対抗するかのように詠唱をし出した。すると、徐々にクリスの中の切ない気持ちが薄れていく。
「レイフ、邪魔をしないでくれるかな。それに厳重にシールドしていたというのに」
ルーカスが舌打ちをしながら言うと、レイフは珍しく厳しい表情になった。
「確かにあのシールドには手こずったけどね。でもこれを邪魔しないでどうするっていうんだい。みすみすクリスティアナを君の餌食にする気はないね」
そしてレイフが詠唱をすると、クリスは彼の腕の中に収まった。
「レイフ、クリスティアナを返せ……!」
「嫌だよ。しばらく君は反省することだね」
すげなく言うと、レイフは短い詠唱を唱えた。
すると、クリス達は女神候補寮の前に出てきた。
レイフは素早くクリスを地におろすと言った。
「早く寮に入って。ルーカスが追いかけてくる」
その言葉に恐怖を感じたクリスは素直に頷く。
「は、はい。レイフ様、本日は誠にありがとうございました」
「うん、またね。後で手紙書くよ」
「はい」
その時、ルーカスが二人の前に現れた。
「──クリスティアナ」
そしてクリスは慌てて自分の部屋に逃げ込んだのである。
どうやら女神候補寮までにはルーカスの力は及ばないようだった。
クリスは部屋の内側から鍵をかけると、へなへなとその場に座り込んだ。
「まあ、お嬢様!? どうなされたんですか?」
ノーラが慌てたようにクリスを立たせようとする。しかしクリスはすっかり腰が抜けてしまっていた。
結局、ノーラは寮母を連れてきてクリスを応接セットのソファまで運んだ。
クリスは二人に礼を言うと、安堵の息をついた。
「お嬢様、いったいなにがあったというのです」
ミルクティーを出しながら、ノーラがクリスを窺ってきた。
けれど、腹心の侍女の彼女にも本当のことは言えそうもない。魔術師の一人に襲われそうになったなどと言ったら、彼女は泡を吹いて倒れるだろう。
「少し、街巡りを頑張りすぎたみたい。心配をかけてごめんなさいね」
クリスがすまなそうに言うと、ノーラは少しほっとしたような顔になった。
「そう……なのですか? ですが、くれぐれも羽目を外さないでくださいませ。お嬢様は女神候補なのですから」
「ええ、留意するわ」
クリスが頷くと、ノーラも安心したように頷いて控えに引っ込んでいった。
それからしばらくして、ルーカスから手紙が届いた。
『クリスティアナ
今日のことを謝る気はない。
だが、わたしが君のことを愛しているということは忘れないでほしい。
ルーカス』
その文面を読んで、実際に腰を抜かす程驚かされたクリスはだんだん怒りが沸いてきた。
そうして、ルーカスに返した文面は自然と厳しいものになった。
『ルーカス様
あなた様は勝手で酷いお方です。
あなた様が今回したことで、今まで培ってきた信頼関係を一気に壊してしまいました。
これからどうやってあなた様に対していいかわたくしには分かりかねます。
クリスティアナ』
──本当に困ったわ。これからも魔物討伐があるというのに。でも彼に会うのは危険だし……。ああ、どうしたらいいの?
そこへまたルーカスの手紙が来た。
『クリスティアナ
君の怒りももっともだと理解しているよ。
だが、君はわたしのこの狂おしいまでの君への想いを分かっていない。
本当に君だけを愛している。
ルーカス』
クリスはそれ以上ルーカスに返信するのをやめた。
彼にあなたのことを愛していない、と書いても無駄なような気がしたのだ。
そのかわりにレイフからの手紙が舞い込んできた。
『クリスティアナ
今日は大変だったね。今の君が心安らかであるといいんだけど。
でも僕は、君と街巡りが出来て楽しかったよ。君ともよく知り合えたしね。
ルーカスの件だけど、クライドに話を通しておくから明日の朝一番に僕のところへおいで。
僕とクライドでなんとかするから、君はあまり気に病まないようにね。
レイフ』
──レイフ様、お優しい。
今後の魔物討伐に影響が出ると考えて、クライド様に相談に行ってくださるなんて。
『レイフ様
いろいろとお気遣いいただいてありがとうございます。
それから今日は誠にありがとうございました。本当に助かりました。
ありがたく明日の朝一番にレイフ様のところへ伺わせていただきます。
クリスティアナ』
レイフに手紙を送ると安心したためか、涙が出てきた。
──ハーヴェイ様にお会いしたい。会ってお話がしたい。
だが、今回のことは話すことは出来ないだろうが。
クリスは自然にハーヴェイ宛に『お会いしたいです』と手紙をしたためている自分に気がつき、慌ててそれを破棄するのであった。
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