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31.こどもかよ!
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「そ、それではっ、マグノリアがビッチを無視したというのはどうなのです!? そして、ディアナ・ハウアーもビッチを無視しました!!」
うわぁ、サバス様スッポンか! そんなこどもみたいないじめの内容に食い下がるって、しつこすぎるだろ。
陛下が凍りそうな目で見ていらっしゃるのも気がつかないで、頭の中万年春なの、ある意味うらやましい。
「……上位の令嬢にあれだけ無礼な言動を繰り返していたら、無視されるのも当然と思われるが。むしろ、無視ですんでいるだけでも幸運だ。そなたもここでビッチ・スタインがマグノリア嬢とディアナ嬢を汚い言葉で罵倒しているのを聞いておるだろうに、あれを目にして百年の恋も冷めないとは、ずいぶんとそなたは盲目なのだな」
うん、確かに不思議。
ディアナなんて、クソ女とまで言われてたよね? ディアナが上位貴族でなくても無礼だし、下品すぎる発言だ。あれで冷めないサバス様すごいなあ。
「……っ! し、しかしっ、あれはビッチがいじめられた末の言動で……っ! それに、罪人にどのような言葉をかけようとかまわないでしょう!!」
「……マグノリア嬢とディアナ嬢は罪人ではないが? それに、ビッチ・スタインは既に不敬罪と偽証罪が確定している。いったいどちらが罪人なのかは傍目にも明らかだ」
「そんなことをしてしてしまうほど、ビッチは追いつめられていたのです!」
サバス様、アホなの?
偽証罪はともかく、不敬罪は関係ないじゃん。
わたしとディアナにいじめられたからって、直接関わったわけでもない王族を侮辱する必要はないよね?
「──国王、埒があかないから、あれを見せてやったらどうだ。あれほどの証拠はあるまい」
それまで静観していたシダースさんが、陛下に声をかける。
すると、陛下は納得されたように頷いた。
「それでは、マグノリア嬢から提出された魔導記録を表示する。……サバス・パーカーは心して見るように」
あー、あれを証拠として表示するのか。確かにあれ見たら一発で愛が冷めるだろうな。
そんなことを思いながらわたしが見つめていると、やがて大審議会場の中央に画像が表示された。
『マグノリア! なんで悪役らしくいじめてこないのよ!』
悪鬼のごとく顔を歪めたビッチちゃんが迫ってくる。……うん、これはわたしが魔導記録用の石を持っているから当然だけど、わたし目線だ。
けれどこれ、しょっぱなからわたしがビッチちゃんをいじめてない証拠になってるよね。だって、本人がいじめてないって言ってるんだもん。
これを目にしたサバス様も「な……」と目を白黒させている。
『あんたがいじめてこないと、他の攻略対象を落とせないじゃないの!』
『……わたしがあなたをいじめる意味もありませんし、そもそもあなたはサバス・パーカー様の恋人ではなかったのですか? なぜ、他の方を落とす必要があるんです? それって浮気ですよね?』
『堅いこと言ってんじゃないわよ! そんなんだから、あんたはもてない悪役令嬢なんだっていうのよ!』
……ごく当たり前のことを指摘しただけなのに、なんでそれがもてないことにつながるのか。
自慢するわけじゃないけど、わたしはある程度外見整ってて、地位も名誉も金もあるから、異性からもそこそこ声はかけられるぞ。
『浮気? 浮気じゃないわよ! ヒロインのわたしは、たくさんのイケメンに愛される必要があるの! サバス様はたいしてイケメンじゃないけど地位だけはあるから、それを利用して逆ハーレムを築くのよ!!』
「ちっ、地位だけ……っ!?」
ビッチちゃんのまぎれもない本音を知って、サバス様が信じられないと言うように、こぼれんばかりに目を見開いている。
わははー、これだけはっきり言われたら、今までビッチちゃんにいいように利用されてたって分かるよね。
……しかしビッチちゃん、お馬鹿すぎる。
敵認定している人間の前でべらべらしゃべったら駄目だろ。それに、どこで誰が聞いているのかも分からないんだし。
『でも、他の攻略対象は見つかったんだけど、王太子様のアーヴィン様とエディル様が見つからないのよ! マグノリア、あんたまさか彼らを隠してるわけじゃないわよね!?』
『わたしが隠せるわけもないですけれど、王太子殿下をあなたの攻略対象と呼ぶのは不敬ではないでしょうか』
『このわたしに愛されるのよ? 不敬なんかじゃないわよ! なによ、断罪されてみっともなく退場する悪役令嬢のくせして、ヒロインのわたしに口答えする気!?』
ちらりとアーヴィン様を窺うと、「うげっ」とでも言いそうな実に嫌そうな表情を浮かべている。……うん、こんな電波な子に愛されたくはないですよね。
『その悪役令嬢というのが分からないですが、少なくともわたしの家はあなたよりも高位です。それを無視して、このような罵詈雑言を繰り返すなど許されることではありません』
『なによ、えっらそうに!』
『……先頃抗議状をあなたのおうちに届けましたが、あなたのお父上は青いお顔をされて、すぐさま謝罪に訪れてくださいました。お気の毒に、床に頭をつけてまであなたのしたことを謝罪されていたというのに、あなたは、そんなお父上に申し訳ないと思わないのですか?』
『そんなの思うわけないでしょ! あんなうだつがあがらない貧乏男爵、なんの足しにもなりゃしないわよ! 謝罪とかよけいなことしやがって、まるでわたしに非があるみたいじゃない!』
そこで会場中の同情の視線がスタイン男爵にそそがれた。
こんな娘のせいで頭を下げてまわらなきゃいけないって、気の毒すぎるよなあ。ビッチちゃんはスタイン男爵のこと完全にみくびってるみたいだし、こんな鬼娘を持ってしまった彼については、ほんとに同情しかない。
『……それから、兄を攻略しようとしても無駄ですよ。兄は婚約者のディアナ嬢を溺愛していますし、あなたが入り込む隙はないかと思います』
『ちょっと、嘘言ってんじゃないわよ! エディル様がディアナみたいな胸しか特徴がないような女、好きになるわけないじゃない! ディアナなんて、そこらへんのモブにでも与えときゃいいのよ! それでも、ディアナみたいなクソ女にはもったいないけどね!』
そこで映像のビッチちゃんは、得意げにない胸をそらした。
……ディアナ大好きなわたしは、ここなんど聞いてもかちんとくるなあ。
隣にいるお兄様は、きゃんきゃんと吠えるビッチちゃんの画像を凍らせんばかりの形相で見つめている。……こわあ……っ、ビッチちゃんこのあと生きて帰れるかな?
『……ディアナ嬢はあなたが言うような胸だけの方ではありませんが? 美貌や教養もあわせ持っていますし、人柄も優れています。筆頭侯爵家の令嬢をそこまで貶めるなんて、あなたの品格が疑われてしまいますよ?』
大事な友人を貶なされて怒気を隠せずに言ったわたしに、映像のビッチちゃんは嘲笑うように見てきた。
『なあにぃ、お仲間を貶されて怒っちゃったぁ? なんだったら、わたしをいじめてもいいんだよぉ?』
完全に馬鹿にした口調で映像のビッチちゃんが歪んだ笑いを浮かべる。けれど、映像のわたしはそれをスルーした。
『……それから、あなたは兄の好みからは外れすぎています。あなたが兄を攻略しようとしても、無駄に終わりますよ』
お兄様、おっぱい星人だしな。たとえ、ビッチちゃんがヒロインっぽい心優しい子だったとしても、そのおこさま体形じゃ目にも止まらないだろう。
第一婚約者がいるのに、規律にうるさいお兄様が不貞なんかするわけもない。ビッチちゃんが言っているのは、全部彼女の夢物語だ。
『そんなの会ってみなきゃわかんないでしょ! なんなの、せっかくわたしがここまで言ってやっているのに、楯突いてくるとか何様なのよ!』
……いや、あんたこそ何様だよ。
ビッチちゃん、なんの後ろ盾もない男爵家の娘でしかないよね?
サバス様という恋人がいるから図に乗ってるんだろうけど、他の上位貴族が不敬ということで動いたら、ビッチちゃんなんてひとたまりもないぞ。
……と当時は思っていたけど、ビッチちゃん、とうとう王族まで敵に回しちゃったしなあ。庇護下にあるサバス様よりも上位の存在に喧嘩を売るって、自殺願望があるとしか思えない。
『……そうですか。そこまで不快に思われるなら、もうわたしに関わらないでください。わたしもあなたからこのような侮辱を受け続けるのも嫌ですし』
『あはははは、残念でしたぁ! これからも嫌がらせしてやるわよ! あんた、やたら周囲の評価が高すぎて目障りなのよ。せいぜい覚悟することね!』
はい、ビッチちゃんから、わたしに嫌がらせしていたという言質とりましたー! ……まあ、今までのやりとり見てたら、どっちが悪役か丸分かりだけど。
『とりあえず、サバス様にマグノリアに無視されたって言っておこうかな? サバス様ってチョロいから、すぐにわたしの言うこと信じちゃうんだよねー』
『はあ、そうですか……』
『なによ、その気のない声は! せっかくわたしがいびってやってるのに、張り合いがないったらありゃしない! ……まあいいわ、いじめの内容なんて、いくらでもでっち上げられるし、あんたが破滅するのが今から楽しみだわ! ざまぁないわね! バーカバーカ』
そう言うと、画像のビッチちゃんは舌を出しながら器用にも両目を上下に剥き、鼻の穴に両手の親指を突っ込みつつ、残りの指をピラピラさせた。
うわぁ、サバス様スッポンか! そんなこどもみたいないじめの内容に食い下がるって、しつこすぎるだろ。
陛下が凍りそうな目で見ていらっしゃるのも気がつかないで、頭の中万年春なの、ある意味うらやましい。
「……上位の令嬢にあれだけ無礼な言動を繰り返していたら、無視されるのも当然と思われるが。むしろ、無視ですんでいるだけでも幸運だ。そなたもここでビッチ・スタインがマグノリア嬢とディアナ嬢を汚い言葉で罵倒しているのを聞いておるだろうに、あれを目にして百年の恋も冷めないとは、ずいぶんとそなたは盲目なのだな」
うん、確かに不思議。
ディアナなんて、クソ女とまで言われてたよね? ディアナが上位貴族でなくても無礼だし、下品すぎる発言だ。あれで冷めないサバス様すごいなあ。
「……っ! し、しかしっ、あれはビッチがいじめられた末の言動で……っ! それに、罪人にどのような言葉をかけようとかまわないでしょう!!」
「……マグノリア嬢とディアナ嬢は罪人ではないが? それに、ビッチ・スタインは既に不敬罪と偽証罪が確定している。いったいどちらが罪人なのかは傍目にも明らかだ」
「そんなことをしてしてしまうほど、ビッチは追いつめられていたのです!」
サバス様、アホなの?
偽証罪はともかく、不敬罪は関係ないじゃん。
わたしとディアナにいじめられたからって、直接関わったわけでもない王族を侮辱する必要はないよね?
「──国王、埒があかないから、あれを見せてやったらどうだ。あれほどの証拠はあるまい」
それまで静観していたシダースさんが、陛下に声をかける。
すると、陛下は納得されたように頷いた。
「それでは、マグノリア嬢から提出された魔導記録を表示する。……サバス・パーカーは心して見るように」
あー、あれを証拠として表示するのか。確かにあれ見たら一発で愛が冷めるだろうな。
そんなことを思いながらわたしが見つめていると、やがて大審議会場の中央に画像が表示された。
『マグノリア! なんで悪役らしくいじめてこないのよ!』
悪鬼のごとく顔を歪めたビッチちゃんが迫ってくる。……うん、これはわたしが魔導記録用の石を持っているから当然だけど、わたし目線だ。
けれどこれ、しょっぱなからわたしがビッチちゃんをいじめてない証拠になってるよね。だって、本人がいじめてないって言ってるんだもん。
これを目にしたサバス様も「な……」と目を白黒させている。
『あんたがいじめてこないと、他の攻略対象を落とせないじゃないの!』
『……わたしがあなたをいじめる意味もありませんし、そもそもあなたはサバス・パーカー様の恋人ではなかったのですか? なぜ、他の方を落とす必要があるんです? それって浮気ですよね?』
『堅いこと言ってんじゃないわよ! そんなんだから、あんたはもてない悪役令嬢なんだっていうのよ!』
……ごく当たり前のことを指摘しただけなのに、なんでそれがもてないことにつながるのか。
自慢するわけじゃないけど、わたしはある程度外見整ってて、地位も名誉も金もあるから、異性からもそこそこ声はかけられるぞ。
『浮気? 浮気じゃないわよ! ヒロインのわたしは、たくさんのイケメンに愛される必要があるの! サバス様はたいしてイケメンじゃないけど地位だけはあるから、それを利用して逆ハーレムを築くのよ!!』
「ちっ、地位だけ……っ!?」
ビッチちゃんのまぎれもない本音を知って、サバス様が信じられないと言うように、こぼれんばかりに目を見開いている。
わははー、これだけはっきり言われたら、今までビッチちゃんにいいように利用されてたって分かるよね。
……しかしビッチちゃん、お馬鹿すぎる。
敵認定している人間の前でべらべらしゃべったら駄目だろ。それに、どこで誰が聞いているのかも分からないんだし。
『でも、他の攻略対象は見つかったんだけど、王太子様のアーヴィン様とエディル様が見つからないのよ! マグノリア、あんたまさか彼らを隠してるわけじゃないわよね!?』
『わたしが隠せるわけもないですけれど、王太子殿下をあなたの攻略対象と呼ぶのは不敬ではないでしょうか』
『このわたしに愛されるのよ? 不敬なんかじゃないわよ! なによ、断罪されてみっともなく退場する悪役令嬢のくせして、ヒロインのわたしに口答えする気!?』
ちらりとアーヴィン様を窺うと、「うげっ」とでも言いそうな実に嫌そうな表情を浮かべている。……うん、こんな電波な子に愛されたくはないですよね。
『その悪役令嬢というのが分からないですが、少なくともわたしの家はあなたよりも高位です。それを無視して、このような罵詈雑言を繰り返すなど許されることではありません』
『なによ、えっらそうに!』
『……先頃抗議状をあなたのおうちに届けましたが、あなたのお父上は青いお顔をされて、すぐさま謝罪に訪れてくださいました。お気の毒に、床に頭をつけてまであなたのしたことを謝罪されていたというのに、あなたは、そんなお父上に申し訳ないと思わないのですか?』
『そんなの思うわけないでしょ! あんなうだつがあがらない貧乏男爵、なんの足しにもなりゃしないわよ! 謝罪とかよけいなことしやがって、まるでわたしに非があるみたいじゃない!』
そこで会場中の同情の視線がスタイン男爵にそそがれた。
こんな娘のせいで頭を下げてまわらなきゃいけないって、気の毒すぎるよなあ。ビッチちゃんはスタイン男爵のこと完全にみくびってるみたいだし、こんな鬼娘を持ってしまった彼については、ほんとに同情しかない。
『……それから、兄を攻略しようとしても無駄ですよ。兄は婚約者のディアナ嬢を溺愛していますし、あなたが入り込む隙はないかと思います』
『ちょっと、嘘言ってんじゃないわよ! エディル様がディアナみたいな胸しか特徴がないような女、好きになるわけないじゃない! ディアナなんて、そこらへんのモブにでも与えときゃいいのよ! それでも、ディアナみたいなクソ女にはもったいないけどね!』
そこで映像のビッチちゃんは、得意げにない胸をそらした。
……ディアナ大好きなわたしは、ここなんど聞いてもかちんとくるなあ。
隣にいるお兄様は、きゃんきゃんと吠えるビッチちゃんの画像を凍らせんばかりの形相で見つめている。……こわあ……っ、ビッチちゃんこのあと生きて帰れるかな?
『……ディアナ嬢はあなたが言うような胸だけの方ではありませんが? 美貌や教養もあわせ持っていますし、人柄も優れています。筆頭侯爵家の令嬢をそこまで貶めるなんて、あなたの品格が疑われてしまいますよ?』
大事な友人を貶なされて怒気を隠せずに言ったわたしに、映像のビッチちゃんは嘲笑うように見てきた。
『なあにぃ、お仲間を貶されて怒っちゃったぁ? なんだったら、わたしをいじめてもいいんだよぉ?』
完全に馬鹿にした口調で映像のビッチちゃんが歪んだ笑いを浮かべる。けれど、映像のわたしはそれをスルーした。
『……それから、あなたは兄の好みからは外れすぎています。あなたが兄を攻略しようとしても、無駄に終わりますよ』
お兄様、おっぱい星人だしな。たとえ、ビッチちゃんがヒロインっぽい心優しい子だったとしても、そのおこさま体形じゃ目にも止まらないだろう。
第一婚約者がいるのに、規律にうるさいお兄様が不貞なんかするわけもない。ビッチちゃんが言っているのは、全部彼女の夢物語だ。
『そんなの会ってみなきゃわかんないでしょ! なんなの、せっかくわたしがここまで言ってやっているのに、楯突いてくるとか何様なのよ!』
……いや、あんたこそ何様だよ。
ビッチちゃん、なんの後ろ盾もない男爵家の娘でしかないよね?
サバス様という恋人がいるから図に乗ってるんだろうけど、他の上位貴族が不敬ということで動いたら、ビッチちゃんなんてひとたまりもないぞ。
……と当時は思っていたけど、ビッチちゃん、とうとう王族まで敵に回しちゃったしなあ。庇護下にあるサバス様よりも上位の存在に喧嘩を売るって、自殺願望があるとしか思えない。
『……そうですか。そこまで不快に思われるなら、もうわたしに関わらないでください。わたしもあなたからこのような侮辱を受け続けるのも嫌ですし』
『あはははは、残念でしたぁ! これからも嫌がらせしてやるわよ! あんた、やたら周囲の評価が高すぎて目障りなのよ。せいぜい覚悟することね!』
はい、ビッチちゃんから、わたしに嫌がらせしていたという言質とりましたー! ……まあ、今までのやりとり見てたら、どっちが悪役か丸分かりだけど。
『とりあえず、サバス様にマグノリアに無視されたって言っておこうかな? サバス様ってチョロいから、すぐにわたしの言うこと信じちゃうんだよねー』
『はあ、そうですか……』
『なによ、その気のない声は! せっかくわたしがいびってやってるのに、張り合いがないったらありゃしない! ……まあいいわ、いじめの内容なんて、いくらでもでっち上げられるし、あんたが破滅するのが今から楽しみだわ! ざまぁないわね! バーカバーカ』
そう言うと、画像のビッチちゃんは舌を出しながら器用にも両目を上下に剥き、鼻の穴に両手の親指を突っ込みつつ、残りの指をピラピラさせた。
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