王様と喪女

舘野寧依

文字の大きさ
上 下
132 / 148
第十一章:障害に囲まれて

第132話 突然の言葉

しおりを挟む
「誰に、いつ、どんな経緯で入れられたんですか」

「えっと……高1の時、仲が良かったβの男友達と、俺ん家で一緒にゲームして遊んでて、告白されて…………1回だけ」

ぷくっと頬を膨らませる。

「悪かったって……」

「いいですよ。過去のことは変えられないし……でも、これからは私だけですよね?」

「ああ、約束する」


嬉しいです、と唇を合わせ、啄む。


「…………そろそろいいですか?」

「……ああ」


了承を得たので、ポーチから避妊具の箱を取り出した。

見るのも触るのも初めてなのでワタワタしていると、先輩が代わりに付けてくれた。


2人で笑いあって、布団になだれ込んだ。


唇を重ね、舌を歯列に這わせる。
先輩もおずおずと舌を出したので、吸い上げ、もっと深く絡ませた。

最後にちゅ、とリップ音をわざと立てて唇を離した。



体を起こし、菊口に杭の先端を合わせる。

「んっ……」

穴の周りをつーっと先端でなぞってみる。


先輩が物欲しそうな目で見てくるので、弄るのを断念して、ターゲットを絞った。


つぷり、と先端が中に入る。

「あっ…………いっ……」

「すみません、大丈夫ですか?」

「ああ、気にするな」

汗を流しながらこちらに微笑みかける先輩の頬を撫ぜ、ゆっくり押し入った。


「~~~んぁぁあっ!」

最後の数ミリをぐっと突き入れた。

「は、入った……先輩、全部入りましたよ!」

「そうか……良かった」

先輩の首を引き寄せ、私も精一杯伸びて唇を重ねる。

「先輩……好きです」

「悠」

「えっと……」

「ゆーう」

「……悠……くん、好きです」

「ふっ……まぁいいか、俺も好きだ」


先輩……改め悠くんは、両手で私の頬を包み、舌を出して私の唇を舐め、キスを強請った。

御要望通り舌を絡めて貪り、ゆっくり腰を動かし始めた。


「む、ぅん…………ん……ん、ん、」


だんだん私の欲望がエスカレートし、腰の速度が上がっていく。


「ぅ、ぅ、……あっ!ぁっ、んぁ、あっあっ……」


唇を離すと、悠くんの喘ぎ声が明確に聞こえる。

「だめ、声を聞かせてください」

手の甲で口を覆おうとしたので、指を絡めて布団に縫いつけた。

「だって……んあっ、はずかしっ」


「恥ずかしくないです、かわいいです」


「……んっ、か、わいい、とか……ぅんっ、ゆーなっ!」


(そういうところが、かわいいんですよ)


ちゅ…………ちゅ、と悠くんの体に華を咲かせていく。


「んっ、んっ!みや、び……きもちぃっ……」

「私も、気持ち良いですっ……あっ……」




パンパンパンパンパンパン

強く速く、肉が叩きつけられる音が部屋に響く。


じゅぶじゅぶ、パンパンパンパン……


「あっあっあっ……みやび、も、」

「一緒に、イきましょう……?」


私が悠くんの腰を両手で押さえ、奥にグッと穿った瞬間、

「ああああああああぁぁぁっ!!!」


ビクビクッ!と悠くんの体は跳ね、白濁が自身の腹に放たれる。

私も、ぶるり、と震えて避妊具越しに悠くんの体内へ精を放った。


「……ぅんんっ!……」

ハァ、ハァ……と荒い息をしながら、ずるりと杭を抜く。

避妊具を一旦外して、結んでゴミ箱に捨てた。



ビクッ……ビクッ……と痙攣する悠くんの逸物に避妊具を付ける。

「ごめんなさい、悠くん……やっぱり悔しいから、悠くんの、私にもください」

「え、どういうこと……っ!!」


悠くんの腰に跨って竿を支え、ゆっくりと腰を落とした。


「んっ……い、たい……」

「お、おい!全然慣らしてないのに入れるから……!」


「ひゃあ!」

ずん、と最奥まで届いた悠くんのもの。

下腹部をさすってみる。

「処女は貰えませんでしたけど……童貞は貰ってしまいました」

「だからって……無理はするなよ」

「だって……悠くんのこと、大好きなんです……」


「~~~あーもう!上手く出来なくても知らないからな!」

くるりと体勢を反転させ、今度は悠くんが私を見下ろしている。

「こっちの方が、キスはしやすいな」

ちゅ、と啄み、悠くんはゆっくりと腰を動かし始めた。


「悠くん、私にも、付けてください……んっ」

「付ける?……ああ、キスマークか。任せろ」


悠くんは私の首筋に舌を這わせ、鎖骨から耳の下までくまなくキスを落とした。

「ふーん、孕ませるのって、こんな気分なんだな」


やや強く腰を振る悠くんに男らしさを感じ、下腹部がきゅ、と締まった。

「んっ!……おい、あまり締め付けるな……」

「そ、そんなこと言われても、ぅん!」


私は枕を握りしめ、ひたすら与えられる甘い快感に身を委ねた。

悠くんは、私の腰を両手で掴み、ぎこちない動きで腰を振った。


ぶるっと悠くんが震えた時、避妊具越しに何かが膣内に放たれたのを感じた。

ずるっと悠くんは自身のものを引き抜いたが、どうも何かが足りない。


「……雅、俺、下がいい」

「ええ、私も……上がいいです」



悠くんの避妊具を奪い取り、再び組み伏せた。
しおりを挟む
感想 4

あなたにおすすめの小説

今日結婚した夫から2年経ったら出ていけと言われました

四折 柊
恋愛
 子爵令嬢であるコーデリアは高位貴族である公爵家から是非にと望まれ結婚した。美しくもなく身分の低い自分が何故? 理由は分からないが自分にひどい扱いをする実家を出て幸せになれるかもしれないと淡い期待を抱く。ところがそこには思惑があり……。公爵は本当に愛する女性を妻にするためにコーデリアを利用したのだ。夫となった男は言った。「お前と本当の夫婦になるつもりはない。2年後には公爵邸から国外へ出ていってもらう。そして二度と戻ってくるな」と。(いいんですか? それは私にとって……ご褒美です!)

どうやら夫に疎まれているようなので、私はいなくなることにします

文野多咲
恋愛
秘めやかな空気が、寝台を囲う帳の内側に立ち込めていた。 夫であるゲルハルトがエレーヌを見下ろしている。 エレーヌの髪は乱れ、目はうるみ、体の奥は甘い熱で満ちている。エレーヌもまた、想いを込めて夫を見つめた。 「ゲルハルトさま、愛しています」 ゲルハルトはエレーヌをさも大切そうに撫でる。その手つきとは裏腹に、ぞっとするようなことを囁いてきた。 「エレーヌ、俺はあなたが憎い」 エレーヌは凍り付いた。

(完結)貴方から解放してくださいー私はもう疲れました(全4話)

青空一夏
恋愛
私はローワン伯爵家の一人娘クララ。私には大好きな男性がいるの。それはイーサン・ドミニク。侯爵家の子息である彼と私は相思相愛だと信じていた。 だって、私のお誕生日には私の瞳色のジャボ(今のネクタイのようなもの)をして参加してくれて、別れ際にキスまでしてくれたから。 けれど、翌日「僕の手紙を君の親友ダーシィに渡してくれないか?」と、唐突に言われた。意味がわからない。愛されていると信じていたからだ。 「なぜですか?」 「うん、実のところ私が本当に愛しているのはダーシィなんだ」 イーサン様は私の心をかき乱す。なぜ、私はこれほどにふりまわすの? これは大好きな男性に心をかき乱された女性が悩んで・・・・・・結果、幸せになったお話しです。(元さやではない) 因果応報的ざまぁ。主人公がなにかを仕掛けるわけではありません。中世ヨーロッパ風世界で、現代的表現や機器がでてくるかもしれない異世界のお話しです。ご都合主義です。タグ修正、追加の可能性あり。

【完結】仰る通り、貴方の子ではありません

ユユ
恋愛
辛い悪阻と難産を経て産まれたのは 私に似た待望の男児だった。 なのに認められず、 不貞の濡れ衣を着せられ、 追い出されてしまった。 実家からも勘当され 息子と2人で生きていくことにした。 * 作り話です * 暇つぶしにどうぞ * 4万文字未満 * 完結保証付き * 少し大人表現あり

今日は私の結婚式

豆狸
恋愛
ベッドの上には、幼いころからの婚約者だったレーナと同じ色の髪をした女性の腐り爛れた死体があった。 彼女が着ているドレスも、二日前僕とレーナの父が結婚を拒むレーナを屋根裏部屋へ放り込んだときに着ていたものと同じである。

「君の為の時間は取れない」と告げた旦那様の意図を私はちゃんと理解しています。

あおくん
恋愛
憧れの人であった旦那様は初夜が終わったあと私にこう告げた。 「君の為の時間は取れない」と。 それでも私は幸せだった。だから、旦那様を支えられるような妻になりたいと願った。 そして騎士団長でもある旦那様は次の日から家を空け、旦那様と入れ違いにやって来たのは旦那様の母親と見知らぬ女性。 旦那様の告げた「君の為の時間は取れない」という言葉はお二人には別の意味で伝わったようだ。 あなたは愛されていない。愛してもらうためには必要なことだと過度な労働を強いた結果、過労で倒れた私は記憶喪失になる。 そして帰ってきた旦那様は、全てを忘れていた私に困惑する。 ※35〜37話くらいで終わります。

美しい公爵様の、凄まじい独占欲と溺れるほどの愛

らがまふぃん
恋愛
 こちらは以前投稿いたしました、 美しく残酷な公爵令息様の、一途で不器用な愛 の続編となっております。前作よりマイルドな作品に仕上がっておりますが、内面のダークさが前作よりはあるのではなかろうかと。こちらのみでも楽しめるとは思いますが、わかりづらいかもしれません。よろしかったら前作をお読みいただいた方が、より楽しんでいただけるかと思いますので、お時間の都合のつく方は、是非。時々予告なく残酷な表現が入りますので、苦手な方はお控えください。 *早速のお気に入り登録、しおり、エールをありがとうございます。とても励みになります。前作もお読みくださっている方々にも、多大なる感謝を! ※R5.7/23本編完結いたしました。たくさんの方々に支えられ、ここまで続けることが出来ました。本当にありがとうございます。ばんがいへんを数話投稿いたしますので、引き続きお付き合いくださるとありがたいです。この作品の前作が、お気に入り登録をしてくださった方が、ありがたいことに200を超えておりました。感謝を込めて、前作の方に一話、近日中にお届けいたします。よろしかったらお付き合いください。 ※R5.8/6ばんがいへん終了いたしました。長い間お付き合いくださり、また、たくさんのお気に入り登録、しおり、エールを、本当にありがとうございました。 ※R5.9/3お気に入り登録200になっていました。本当にありがとうございます(泣)。嬉しかったので、一話書いてみました。 ※R5.10/30らがまふぃん活動一周年記念として、一話お届けいたします。 ※R6.1/27美しく残酷な公爵令息様の、一途で不器用な愛(前作) と、こちらの作品の間のお話し 美しく冷酷な公爵令息様の、狂おしい熱情に彩られた愛 始めました。お時間の都合のつく方は、是非ご一読くださると嬉しいです。※R6.5/18お気に入り登録300超に感謝!一話書いてみましたので是非是非! *らがまふぃん活動二周年記念として、R6.11/4に一話お届けいたします。少しでも楽しんでいただけますように。 ※R7.2/22お気に入り登録500を超えておりましたことに感謝を込めて、一話お届けいたします。本当にありがとうございます。

子持ちの私は、夫に駆け落ちされました

月山 歩
恋愛
産まれたばかりの赤子を抱いた私は、砦に働きに行ったきり、帰って来ない夫を心配して、鍛錬場を訪れた。すると、夫の上司は夫が仕事中に駆け落ちしていなくなったことを教えてくれた。食べる物がなく、フラフラだった私は、その場で意識を失った。赤子を抱いた私を気の毒に思った公爵家でお世話になることに。

処理中です...