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第九章:これからの展望
第105話 詮無いこと
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「だからそれは駄目だと言っているじゃないですか」
苛ついた顔でシルヴィが言ってくる。
「ハルカ、わたしは君に熟考を頼んだはずだよ」
アーネスも顔は笑ってるけど、目が笑っていない。
「ハルカさんまで盲目になってはいけませんよ」
イアスもわたしに釘を刺してくる。
なにこれ、みんなでお説教?
「もちろん今すぐ再婚約って訳じゃないよ。そんなに簡単にはいかないってわたしも分かってる」
「いえ、分かってませんね。兄王と結ばれるという妄想はもうやめてほしいです」
シ、シルヴィ、妄想って言いきったよ!
「酷い、妄想なんかじゃないよ。わたしにとっては真剣に──」
「どこが真剣なんです。あれだけあなたと兄王が結ばれれば国が傾くと言っているのに」
シルヴィのこの決めつけには、わたしもかちんときた。
「うまくいく可能性だってあるんだから、勝手に決めつけないで。そのために向こうに戻ってから様子をみるつもりでいたんだから」
「ハルカ、君はカレヴィの事ばかり見ていて、我々の言ったことを無視する気かい? なんのためにわたし達がああまで言ったのか、君はまったく考えていない」
「それは……」
アーネスの言葉はさすがに胸に刺さった。確かにわたしはカレヴィとうまくいくことばかりを考えていたから。
どう答えようか迷っていたら、イアスが間に入ってくれた。
「まあ、兄上。ハルカさんは陛下の婚約者となった経緯が経緯ですから、この対応も仕方のないことですよ。あまりいじめないでください」
そこでほっとしたわたしは、すかさずイアスに言われた。
「けれど、誰でも選ぶことができる状況下で、未だにハルカさんが陛下の方ばかり見ていて、苦痛なのは確かです」
苦痛って……そんなにわたしの彼らに対する態度は酷いのか。
「ああ、確かに苦痛だな」
シルヴィがイアスに同調すると、すかさずアーネスもそれに乗ってきた。
「あれだけ言って一顧だにされないのは正直堪えるね」
「で、でも今までさんざんお世話になっておきながら、そんなカレヴィを裏切るような真似無理だよ」
「それはザクトアリア自体で支えるから、ハルカは気にすることなどないです。むしろハルカは兄王に振り回されていた方ではないですか」
確かに夜のこととかでは振り回されてたけれど……。
「世話になったから裏切れない、というのもおかしな話だな。ハルカ、君は本当にカレヴィの事が好きなのかい?」
「その事ですが、兄上。ハルカさんの陛下に対する気持ちは、どうやら仮初めのものらしいです」
「それはどういうことだ、イアス」
アーネスだけじゃなくて、シルヴィまでもが興味を示してイアスを見る。
「イアス、違うっ。あれから、きちんとカレヴィのところに確認しにいったもの」
「あれからあなたが陛下のところへ行かれたのは一度きりでしょう。それでどうやって恋だと確信するんです。まさか、一度会っただけで判断したんですか?」
う、そのまさか、なんだけど……。
「そ、それは、キ、キスしたけど、発作も出なかったし、カレヴィ自身にどきどきしたし……」
弱々しい反論はアーネス達に看破された。
「悪いが、君は恋愛経験が豊富でない。そんな状態のところに一時期深い仲だったカレヴィが潜り込めば、自分は恋愛していると勘違いするのもありうる」
確かにわたしは恋愛経験が乏しい元喪女だよ。でもあれが勘違いだなんて思いたくない。
「兄王と口づけとはなんですか。あなたは発作持ちなんですよ。もし、万が一のことが起こったらどうするんですか」
「万が一って、対処を間違わなければ死ぬような病気じゃないし……」
一般に知られている紙袋とかの応急措置は実は危険らしいけど、それだったらやらなければいいだけだ。発作は苦しいけど。
「発作を起こして苦しんでいるあなたを俺は見たくないんですよ。兄王も分かっているはずなのに軽率すぎますよ」
「う……、ごめんね」
確かにわたしもカレヴィも軽率だ。いくら軽度とはいえ、ひとたび発作を起こせば、人を騒がせることになる。
「それに今回発作が起こらなかったのは、ティカさんの作った薬のおかげとも言えます。ハルカさんがそれに安心し過ぎて、一つのところに結論を持って行くのは早計かと思います」
「う……」
みんなの言うことがまったくその通りだったので、わたしはなにも言えなくなってしまった。
「だから、ハルカにはまったくの新たな気持ちで我々に望んでほしいね。偽物の愛などではなくね」
「……」
偽物なんかじゃないよ!
アーネスにそう叫びたいけれど、みんなの言葉が正論すぎていて、反論できない。
「まあハルカさんがザクトアリアに戻ってくれば、真偽ははっきりするかと思います。そうしたら僕達のことも考えに入れておいてください」
「甘いぞ、イアス。今すぐにでもハルカは俺達のことをきちんと異性で、れっきとした求婚者であることを認識するべきだ」
「ハルカ、今更言っても詮無いが、婚約早々夜の習いをしてしまったのはこうして見ると間違いだったね。きちんと二月期間をおけば良かった」
そうすれば、カレヴィはわたしに溺れず、婚約解消にも至らなかっただろうか……?
でも、そうしていたらカレヴィがわたしを好きになっていたかは疑問が残る。
そして、わたしもカレヴィのことをなんとも思わない日々を過ごして──
それでも、それは他人から見れば贅沢でうらやましい生活だろう。
けれど、それのなんと寂しくてむなしいことか。
「でも、そうしていたら、少なくともシルヴィはわたしに求婚することはなかったでしょう?」
すると、シルヴィは真顔になって答えた。
「それは……分かりません。でも、早い段階であなたに惹かれていたでしょう」
「もしそうだったとしても、わたしとイアスは遅かれ早かれ君に求婚していたと思うね。まあ、そうは言っても、今もこうして君に求婚していることだしね」
そうだ。もし、なんてことはありえないのだ。
時をさかのぼることなんて、最強の女魔術師である千花でさえも、きっと不可能だ。
だから、わたしはこの結果に対してきちんと対処しなければいけないんだ。
「ハルカ様、お茶のおかわりをお持ちしました」
悶々としていたわたしはイヴェンヌのその声ではっとした。
彼女が持って来たのは優しい香りのカモミールティー。
「ありがとう」
なんとなくほっとしてカモミールティーに口をつける。……おいしい。
「皆様、ハルカ様をそのように責められるのはおやめください。それでは、ハルカ様が癒されませんし、ここにいらっしゃる意味がなくなってしまいます」
すると、三人は一斉にばつの悪そうな顔になった。
他の二人はともかくとして、飄々としたアーネスのこの顔は珍しいものと言える。
だからついつい、わたしは言ってしまった。
「あ、アーネスもそういう顔するんだ」
すると、アーネスは苦笑した。
「君はわたしをなんだと思ってるんだい。わたしも反省することくらいはあるよ」
「え、そうなの?」
アーネスって、反省って言葉からはもっとも遠そうなイメージなんだけど。
そう言ったら、アーネスの唇の片方がひきつった。
「君には、わたしという人間をとことん教えこむ必要がありそうだね」
その言葉が終わるか終わらないかのうちに、わたしにアーネスの手が迫る。
それを「いちゃつき禁止ですよ」と、イアスが言った途端、アーネスの手は見えない壁に阻まれた。……わたしとしてはとても助かったけれど。
だけど、断固としてこのやりとりはいちゃつきなんかじゃない、と声を大にして言いたい。
苛ついた顔でシルヴィが言ってくる。
「ハルカ、わたしは君に熟考を頼んだはずだよ」
アーネスも顔は笑ってるけど、目が笑っていない。
「ハルカさんまで盲目になってはいけませんよ」
イアスもわたしに釘を刺してくる。
なにこれ、みんなでお説教?
「もちろん今すぐ再婚約って訳じゃないよ。そんなに簡単にはいかないってわたしも分かってる」
「いえ、分かってませんね。兄王と結ばれるという妄想はもうやめてほしいです」
シ、シルヴィ、妄想って言いきったよ!
「酷い、妄想なんかじゃないよ。わたしにとっては真剣に──」
「どこが真剣なんです。あれだけあなたと兄王が結ばれれば国が傾くと言っているのに」
シルヴィのこの決めつけには、わたしもかちんときた。
「うまくいく可能性だってあるんだから、勝手に決めつけないで。そのために向こうに戻ってから様子をみるつもりでいたんだから」
「ハルカ、君はカレヴィの事ばかり見ていて、我々の言ったことを無視する気かい? なんのためにわたし達がああまで言ったのか、君はまったく考えていない」
「それは……」
アーネスの言葉はさすがに胸に刺さった。確かにわたしはカレヴィとうまくいくことばかりを考えていたから。
どう答えようか迷っていたら、イアスが間に入ってくれた。
「まあ、兄上。ハルカさんは陛下の婚約者となった経緯が経緯ですから、この対応も仕方のないことですよ。あまりいじめないでください」
そこでほっとしたわたしは、すかさずイアスに言われた。
「けれど、誰でも選ぶことができる状況下で、未だにハルカさんが陛下の方ばかり見ていて、苦痛なのは確かです」
苦痛って……そんなにわたしの彼らに対する態度は酷いのか。
「ああ、確かに苦痛だな」
シルヴィがイアスに同調すると、すかさずアーネスもそれに乗ってきた。
「あれだけ言って一顧だにされないのは正直堪えるね」
「で、でも今までさんざんお世話になっておきながら、そんなカレヴィを裏切るような真似無理だよ」
「それはザクトアリア自体で支えるから、ハルカは気にすることなどないです。むしろハルカは兄王に振り回されていた方ではないですか」
確かに夜のこととかでは振り回されてたけれど……。
「世話になったから裏切れない、というのもおかしな話だな。ハルカ、君は本当にカレヴィの事が好きなのかい?」
「その事ですが、兄上。ハルカさんの陛下に対する気持ちは、どうやら仮初めのものらしいです」
「それはどういうことだ、イアス」
アーネスだけじゃなくて、シルヴィまでもが興味を示してイアスを見る。
「イアス、違うっ。あれから、きちんとカレヴィのところに確認しにいったもの」
「あれからあなたが陛下のところへ行かれたのは一度きりでしょう。それでどうやって恋だと確信するんです。まさか、一度会っただけで判断したんですか?」
う、そのまさか、なんだけど……。
「そ、それは、キ、キスしたけど、発作も出なかったし、カレヴィ自身にどきどきしたし……」
弱々しい反論はアーネス達に看破された。
「悪いが、君は恋愛経験が豊富でない。そんな状態のところに一時期深い仲だったカレヴィが潜り込めば、自分は恋愛していると勘違いするのもありうる」
確かにわたしは恋愛経験が乏しい元喪女だよ。でもあれが勘違いだなんて思いたくない。
「兄王と口づけとはなんですか。あなたは発作持ちなんですよ。もし、万が一のことが起こったらどうするんですか」
「万が一って、対処を間違わなければ死ぬような病気じゃないし……」
一般に知られている紙袋とかの応急措置は実は危険らしいけど、それだったらやらなければいいだけだ。発作は苦しいけど。
「発作を起こして苦しんでいるあなたを俺は見たくないんですよ。兄王も分かっているはずなのに軽率すぎますよ」
「う……、ごめんね」
確かにわたしもカレヴィも軽率だ。いくら軽度とはいえ、ひとたび発作を起こせば、人を騒がせることになる。
「それに今回発作が起こらなかったのは、ティカさんの作った薬のおかげとも言えます。ハルカさんがそれに安心し過ぎて、一つのところに結論を持って行くのは早計かと思います」
「う……」
みんなの言うことがまったくその通りだったので、わたしはなにも言えなくなってしまった。
「だから、ハルカにはまったくの新たな気持ちで我々に望んでほしいね。偽物の愛などではなくね」
「……」
偽物なんかじゃないよ!
アーネスにそう叫びたいけれど、みんなの言葉が正論すぎていて、反論できない。
「まあハルカさんがザクトアリアに戻ってくれば、真偽ははっきりするかと思います。そうしたら僕達のことも考えに入れておいてください」
「甘いぞ、イアス。今すぐにでもハルカは俺達のことをきちんと異性で、れっきとした求婚者であることを認識するべきだ」
「ハルカ、今更言っても詮無いが、婚約早々夜の習いをしてしまったのはこうして見ると間違いだったね。きちんと二月期間をおけば良かった」
そうすれば、カレヴィはわたしに溺れず、婚約解消にも至らなかっただろうか……?
でも、そうしていたらカレヴィがわたしを好きになっていたかは疑問が残る。
そして、わたしもカレヴィのことをなんとも思わない日々を過ごして──
それでも、それは他人から見れば贅沢でうらやましい生活だろう。
けれど、それのなんと寂しくてむなしいことか。
「でも、そうしていたら、少なくともシルヴィはわたしに求婚することはなかったでしょう?」
すると、シルヴィは真顔になって答えた。
「それは……分かりません。でも、早い段階であなたに惹かれていたでしょう」
「もしそうだったとしても、わたしとイアスは遅かれ早かれ君に求婚していたと思うね。まあ、そうは言っても、今もこうして君に求婚していることだしね」
そうだ。もし、なんてことはありえないのだ。
時をさかのぼることなんて、最強の女魔術師である千花でさえも、きっと不可能だ。
だから、わたしはこの結果に対してきちんと対処しなければいけないんだ。
「ハルカ様、お茶のおかわりをお持ちしました」
悶々としていたわたしはイヴェンヌのその声ではっとした。
彼女が持って来たのは優しい香りのカモミールティー。
「ありがとう」
なんとなくほっとしてカモミールティーに口をつける。……おいしい。
「皆様、ハルカ様をそのように責められるのはおやめください。それでは、ハルカ様が癒されませんし、ここにいらっしゃる意味がなくなってしまいます」
すると、三人は一斉にばつの悪そうな顔になった。
他の二人はともかくとして、飄々としたアーネスのこの顔は珍しいものと言える。
だからついつい、わたしは言ってしまった。
「あ、アーネスもそういう顔するんだ」
すると、アーネスは苦笑した。
「君はわたしをなんだと思ってるんだい。わたしも反省することくらいはあるよ」
「え、そうなの?」
アーネスって、反省って言葉からはもっとも遠そうなイメージなんだけど。
そう言ったら、アーネスの唇の片方がひきつった。
「君には、わたしという人間をとことん教えこむ必要がありそうだね」
その言葉が終わるか終わらないかのうちに、わたしにアーネスの手が迫る。
それを「いちゃつき禁止ですよ」と、イアスが言った途端、アーネスの手は見えない壁に阻まれた。……わたしとしてはとても助かったけれど。
だけど、断固としてこのやりとりはいちゃつきなんかじゃない、と声を大にして言いたい。
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