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第八章:怒濤のモテ期
第88話 事後承諾
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「あっ、しまった!」
しばらく天蓋付きのベッドの上でぼーっとしてから、わたしは重大なことに気が付いた。
わたし、向こうで朝の散歩にしに行って、ゆうき君やまなちゃんに焼いたマドレーヌあげなくちゃいけなかったんだ。
でも、呼び鈴で呼び出したソフィアに時間を聞いてみたら、もうあっちの時間で九時を過ぎていた。
うわああ、もうあの子達いないだろうなあ。明日でもいいけど、手作りだから出来れば早くあげたかったんだけど。
「どうしてもっと早く起こしてくれなかったの?」
八つ当たりで悪いけど、あの子達の約束を破ってしまったことを思うと、ソフィアについ恨み言を言いたくもなってくる。
けれど、ソフィアは気にしたふうもなく、むしろ楽しそうに言ってきた。
「いえ、ティカ様がハルカ様をゆっくり寝かせて差し上げるようにと仰せでしたので」
「……千花が?」
なんで千花がそんなこと……と思っていたら、当の本人が現れた。
「あっ、千花!」
「あ、はるか起きたんだ。おはよう。二日酔いとか大丈夫? 昨日は随分お酒飲んじゃったみたいだけど……」
千花はわたしの顔を見てにっこりと微笑んだ。わたしもそれにつられて、ややぎこちなくだけど、彼女に挨拶を返す。
「あ、おはよう。それは大丈夫だよ。でもわたし今日大失敗しちゃった……」
わたしが両手で頬を押さえながら呻くと、千花は形の良い眉をちょっとあげて言った。
「ああ、あの子達のこと? はるかのお菓子はちゃんとわたしが渡しておいたから大丈夫だよ。……それにしても、はるかあの子達にすごく懐かれてたんだね。今日はるかが来れないって知って凄くがっかりしてた」
「あ……、そうなんだ。千花、ありがとう、助かったよ」
とにかく、あの子達に直接ではないけれどマドレーヌは渡せたんだし、約束を反故にすることにならなくてよかった。
……直接渡せなくてがっかりしてたってのは、ちょっと気が咎めるけれど。
わたしがそれでちょっと息を付いていると、千花がぽんとわたしの肩に手を置いてきて言った。
「それじゃ、はるかの求婚者達も待ってることだし、朝食にしようか。はるか、悪いけどすぐ支度してきて」
あ、それじゃ、わたし、みんなを待たせてたってことになるのかな。
「うん、分かった」
それでわたしはソフィアに手伝ってもらって朝の支度を速攻でした。
わたしが朝食が用意されている部屋に行ったら、もうそこにはみんなが着席していた。
「ごめんね、待たせちゃって」
「いや、それほどではない。俺達はあちらに行っていたからな」
「俺達って……」
カレヴィのその言葉に嫌な予感を覚え、わたしは求婚者達を見回す。
まさかと思うけど、南條さんに喧嘩売ったりとかしてないだろうな。
わたしのその心配を感じ取ったのか、アーネスが肩を竦めて言ってきた。
「ハルカが心配するようなことはなにもないよ。わたし達は姿を消してティカ殿が対応するのを見ていただけだしね」
……それでも、しっかり四人とも敵情視察はしてたんだよね?
わたしは冷や汗が出るような気分で求婚者達の顔を見回すと、彼らはそれに対して頷いてきた。
「確かにあの男は上流階級の人間らしかったな」
そうシルヴィが言うと、それを引き取ってイアスが言った。
「おまけに浮ついたところもなさそうですしね」
「それに、確かにハルカの言う通り、子供達も愛らしかったな。ハルカが来れないと分かって泣きそうな顔をしていたがね」
アーネスにそう言われて、わたしは予想以上にあの子達がわたしを慕ってくれているのを知り、なんだか胸が痛くなってしまった。
「だからハルカ、そこでほだされるな。おまえがあの子供達の母になることはザクトアリア側からしたら到底認められないことなのだからな」
「あ、うん……」
ちょっと厳しくカレヴィに言われて、わたしは改めて自分の立場を思い出す。
確かにあの子達にほだされてちゃ駄目だ。それにわたしはゆうき君やまなちゃんの期待に応えられるわけはないのだから。
「はるか、食事が冷めるから早く食べちゃおうよ」
千花の指摘で自分の手が止まっていたの気が付き、わたしは食事を再開する。
「でも、カレヴィが南條さんに怒鳴りこまなかったみたいで安心したよ。……さすがに婚約者じゃなくなったからそこまではしなかったみたいだね」
わたしがそう言うと、当のカレヴィは苦虫を噛み潰したような顔になり、千花や他の求婚者達は笑いを噛み殺していた。
え、え、なに? カレヴィ、本当にしそうになったんだ?
「こちらは姿を消していたとはいえ、カレヴィを取り押さえるのが大変だったよ」
「最終的には拘束魔法を使わせて頂きましたけれどね」
アーネスとイアスの言葉に、わたしは思わず溜息を付いてしまった。
……なんだかなあ。婚約解消してもカレヴィの嫉妬深さは全然変わってない。
「出来れば、もうちょっと大人な対応をしてほしかったけど」
わたしがカレヴィにそう言うと彼はうっと詰まった。ちょっとこっちの呆れも伝わってしまったかもしれない。
「そうですよね。既に兄王はハルカの婚約者ではないのですし。ハルカが兄王に冷静な対応を求めるのは分かりますよ」
遥かに年下の弟にそう言われるってどうなんだ、カレヴィ。ちょっと、いやかなり情けない。
「本当に、いい大人なんだから、そういうのはやめてよね。おまけに王様なんだから、少しは余裕を持ってほしいよ」
わたしがコーヒーを飲みながらそう言うと、カレヴィがかなり不満そうに言ってきた。
「ハルカも悪いんだぞ。昨夜は酔っていたとはいえ、俺達の中で男の品定めをしていたんだからな」
カレヴィのその言葉で、それまで笑っていた求婚者達も一斉に微妙な顔になった。いや、アーネスは相変わらず笑ってたけど。
「ハルカは酔うと、人が変わったようになるね。少々驚いたよ」
「え、嘘っ、わたし本当にそんなことしてたの!?」
確かにかなり強いお酒を飲んでからの記憶が飛んでいる。
それで凄く不安になってわたしはみんなの顔を見渡した。
「覚えてないんですか? 誰が結婚相手には一番まともそうかとか、いろいろ講釈してましたよ」
シルヴィが驚いたようにわたしのことを見返してきた。
「ええ、うそっ!」
そんなにわたし酒癖悪かったっけ?
こんな美形四人にそんな偉そうな講釈垂れるほどわたしは美人じゃないし、穴があったら今すぐ入りたい。
「嘘ではないよ。カレヴィは大人げないし、わたしはタラシで信用ならないし、シルヴィは弟にしか見れないし、イアスは一番まともそうだけれど、やはりかなり年下だしと言っていたしね」
あああ、わたしが普段ひた隠しにしていた本音ダダ漏れにするなんて昨夜のわたしの馬鹿ーっ!
「『でも、この中から選ばなきゃいけないんだよね、誰が一番まともそうだろ?』とか誘うような目で俺達を見ていたぞ」
「誘うような目でって、なにそれ!?」
わたしが悲鳴のような声をあげて叫ぶと、フォローするようにイアスが言ってきた。
「いえ、ハルカ様はかなり酔っておられましたから。それは、陛下の主観だと思われますよ」
「だが、最終的に俺達の顔を舐め回すように見てきて、『誰と子供作ったら一番可愛いかなあ』とか言っていたのは誘っていると勘違いされても仕方ないと思うぞ」
珍しく少し疲れたようにカレヴィが言ってきて、イアスが「それは……」とわたしから目を逸らしたので、信じがたいことにもそれが真実であることをわたしは知ってしまった。
「おまえ、酒は少し控えた方がいいぞ」
千花とアーネス以外の三人が溜息を付くのを目にして、わたしは知らなかった自分の酒癖の悪さに思わず頭を抱えた。
……ああ、でも、その結論はどうなったんだろう。ちょっと気になる。
しばらく天蓋付きのベッドの上でぼーっとしてから、わたしは重大なことに気が付いた。
わたし、向こうで朝の散歩にしに行って、ゆうき君やまなちゃんに焼いたマドレーヌあげなくちゃいけなかったんだ。
でも、呼び鈴で呼び出したソフィアに時間を聞いてみたら、もうあっちの時間で九時を過ぎていた。
うわああ、もうあの子達いないだろうなあ。明日でもいいけど、手作りだから出来れば早くあげたかったんだけど。
「どうしてもっと早く起こしてくれなかったの?」
八つ当たりで悪いけど、あの子達の約束を破ってしまったことを思うと、ソフィアについ恨み言を言いたくもなってくる。
けれど、ソフィアは気にしたふうもなく、むしろ楽しそうに言ってきた。
「いえ、ティカ様がハルカ様をゆっくり寝かせて差し上げるようにと仰せでしたので」
「……千花が?」
なんで千花がそんなこと……と思っていたら、当の本人が現れた。
「あっ、千花!」
「あ、はるか起きたんだ。おはよう。二日酔いとか大丈夫? 昨日は随分お酒飲んじゃったみたいだけど……」
千花はわたしの顔を見てにっこりと微笑んだ。わたしもそれにつられて、ややぎこちなくだけど、彼女に挨拶を返す。
「あ、おはよう。それは大丈夫だよ。でもわたし今日大失敗しちゃった……」
わたしが両手で頬を押さえながら呻くと、千花は形の良い眉をちょっとあげて言った。
「ああ、あの子達のこと? はるかのお菓子はちゃんとわたしが渡しておいたから大丈夫だよ。……それにしても、はるかあの子達にすごく懐かれてたんだね。今日はるかが来れないって知って凄くがっかりしてた」
「あ……、そうなんだ。千花、ありがとう、助かったよ」
とにかく、あの子達に直接ではないけれどマドレーヌは渡せたんだし、約束を反故にすることにならなくてよかった。
……直接渡せなくてがっかりしてたってのは、ちょっと気が咎めるけれど。
わたしがそれでちょっと息を付いていると、千花がぽんとわたしの肩に手を置いてきて言った。
「それじゃ、はるかの求婚者達も待ってることだし、朝食にしようか。はるか、悪いけどすぐ支度してきて」
あ、それじゃ、わたし、みんなを待たせてたってことになるのかな。
「うん、分かった」
それでわたしはソフィアに手伝ってもらって朝の支度を速攻でした。
わたしが朝食が用意されている部屋に行ったら、もうそこにはみんなが着席していた。
「ごめんね、待たせちゃって」
「いや、それほどではない。俺達はあちらに行っていたからな」
「俺達って……」
カレヴィのその言葉に嫌な予感を覚え、わたしは求婚者達を見回す。
まさかと思うけど、南條さんに喧嘩売ったりとかしてないだろうな。
わたしのその心配を感じ取ったのか、アーネスが肩を竦めて言ってきた。
「ハルカが心配するようなことはなにもないよ。わたし達は姿を消してティカ殿が対応するのを見ていただけだしね」
……それでも、しっかり四人とも敵情視察はしてたんだよね?
わたしは冷や汗が出るような気分で求婚者達の顔を見回すと、彼らはそれに対して頷いてきた。
「確かにあの男は上流階級の人間らしかったな」
そうシルヴィが言うと、それを引き取ってイアスが言った。
「おまけに浮ついたところもなさそうですしね」
「それに、確かにハルカの言う通り、子供達も愛らしかったな。ハルカが来れないと分かって泣きそうな顔をしていたがね」
アーネスにそう言われて、わたしは予想以上にあの子達がわたしを慕ってくれているのを知り、なんだか胸が痛くなってしまった。
「だからハルカ、そこでほだされるな。おまえがあの子供達の母になることはザクトアリア側からしたら到底認められないことなのだからな」
「あ、うん……」
ちょっと厳しくカレヴィに言われて、わたしは改めて自分の立場を思い出す。
確かにあの子達にほだされてちゃ駄目だ。それにわたしはゆうき君やまなちゃんの期待に応えられるわけはないのだから。
「はるか、食事が冷めるから早く食べちゃおうよ」
千花の指摘で自分の手が止まっていたの気が付き、わたしは食事を再開する。
「でも、カレヴィが南條さんに怒鳴りこまなかったみたいで安心したよ。……さすがに婚約者じゃなくなったからそこまではしなかったみたいだね」
わたしがそう言うと、当のカレヴィは苦虫を噛み潰したような顔になり、千花や他の求婚者達は笑いを噛み殺していた。
え、え、なに? カレヴィ、本当にしそうになったんだ?
「こちらは姿を消していたとはいえ、カレヴィを取り押さえるのが大変だったよ」
「最終的には拘束魔法を使わせて頂きましたけれどね」
アーネスとイアスの言葉に、わたしは思わず溜息を付いてしまった。
……なんだかなあ。婚約解消してもカレヴィの嫉妬深さは全然変わってない。
「出来れば、もうちょっと大人な対応をしてほしかったけど」
わたしがカレヴィにそう言うと彼はうっと詰まった。ちょっとこっちの呆れも伝わってしまったかもしれない。
「そうですよね。既に兄王はハルカの婚約者ではないのですし。ハルカが兄王に冷静な対応を求めるのは分かりますよ」
遥かに年下の弟にそう言われるってどうなんだ、カレヴィ。ちょっと、いやかなり情けない。
「本当に、いい大人なんだから、そういうのはやめてよね。おまけに王様なんだから、少しは余裕を持ってほしいよ」
わたしがコーヒーを飲みながらそう言うと、カレヴィがかなり不満そうに言ってきた。
「ハルカも悪いんだぞ。昨夜は酔っていたとはいえ、俺達の中で男の品定めをしていたんだからな」
カレヴィのその言葉で、それまで笑っていた求婚者達も一斉に微妙な顔になった。いや、アーネスは相変わらず笑ってたけど。
「ハルカは酔うと、人が変わったようになるね。少々驚いたよ」
「え、嘘っ、わたし本当にそんなことしてたの!?」
確かにかなり強いお酒を飲んでからの記憶が飛んでいる。
それで凄く不安になってわたしはみんなの顔を見渡した。
「覚えてないんですか? 誰が結婚相手には一番まともそうかとか、いろいろ講釈してましたよ」
シルヴィが驚いたようにわたしのことを見返してきた。
「ええ、うそっ!」
そんなにわたし酒癖悪かったっけ?
こんな美形四人にそんな偉そうな講釈垂れるほどわたしは美人じゃないし、穴があったら今すぐ入りたい。
「嘘ではないよ。カレヴィは大人げないし、わたしはタラシで信用ならないし、シルヴィは弟にしか見れないし、イアスは一番まともそうだけれど、やはりかなり年下だしと言っていたしね」
あああ、わたしが普段ひた隠しにしていた本音ダダ漏れにするなんて昨夜のわたしの馬鹿ーっ!
「『でも、この中から選ばなきゃいけないんだよね、誰が一番まともそうだろ?』とか誘うような目で俺達を見ていたぞ」
「誘うような目でって、なにそれ!?」
わたしが悲鳴のような声をあげて叫ぶと、フォローするようにイアスが言ってきた。
「いえ、ハルカ様はかなり酔っておられましたから。それは、陛下の主観だと思われますよ」
「だが、最終的に俺達の顔を舐め回すように見てきて、『誰と子供作ったら一番可愛いかなあ』とか言っていたのは誘っていると勘違いされても仕方ないと思うぞ」
珍しく少し疲れたようにカレヴィが言ってきて、イアスが「それは……」とわたしから目を逸らしたので、信じがたいことにもそれが真実であることをわたしは知ってしまった。
「おまえ、酒は少し控えた方がいいぞ」
千花とアーネス以外の三人が溜息を付くのを目にして、わたしは知らなかった自分の酒癖の悪さに思わず頭を抱えた。
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