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第四章:対抗手段
第42話 一番良い方法
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「は、はい……」
そう言うイアスの顔は、わたしが俯いてるため見えないけど、たぶん赤くなってるんだろうなあと予想。
なんだかお見合いのような空気の中、アーネスはくすくす笑って、意味ありげにわたしを見た。
「ハルカ嬢は本当に可愛らしい。……カレヴィやわたしと三つも歳が上とはとても思えないな」
……だから、可愛いなんて言われ慣れてないんだからやめてほしい。
そう言おうとして、わたしははた、と気がついた。
今、アーネスわたしの歳をさりげなくばらしたよね?
それって、わたしを好きだって言ってたイアスにはショックじゃないんだろうか。
と思ってイアスを見たら、特に驚いている様子はない。
あれ……?
「ひょっとして、わたしの本当の年齢を知ってたの?」
恥ずかしかったのも忘れてした問いに、イアスは真面目な顔で頷いた。
「はい、兄から聞きました。ティカ様と同い年だそうですね」
それでわたしのこと好きって、イアスって物好きって言うよりも変人……?
いくらでも可愛い女の子が選り取りみどりなのに、歳が十は離れた元は冴えないわたしを好きになるって、どう考えても普通じゃない。
わたしがイアスに対して失礼なことを考えていると、アーネスがたしなめるように言った。
「イアス、あまり女性の歳のことを言うものじゃないよ」
いや、事の発端はアーネス、あなただから。
「アーネスが最初に言い出したんだろうが」
当然のごとく、呆れたように腰に手を当ててシルヴィが言う。
「ああ、そうだったね」
のほほんとそんなことを言っている彼にわたしも呆れ返ってしまう。
「絶対わざとでしょ、アーネス」
「そんなことはないよ。ハルカ嬢が実年齢を忘れるほど可愛らしいから、ついね」
眩しい笑顔でそう言ってくるアーネスは、はっきり言ってかなり胡散臭い。わたしはそんな笑顔で騙されないぞ。
「アーネス、ひょっとしてわたしの歳のこと周りに言って回ってるの? いろいろと都合が悪いから、できればやめてほしいんだけど」
本当の歳が知れたら、夜の習いの前に身が清らかだったか周りに疑われかねないし、ちょっとまずい。
「カレヴィのごく周辺しか知らせてないから大丈夫だよ。ハルカ嬢は安心してほしい」
……まあ、その範囲だったらまずくはないだろうけど、これはちょっと心臓に悪いよ。
「一応、二十歳ってことになってるから、その辺りは本当に気をつけてね。カレヴィにもそんな歳の女を王妃にするのかって追及が行くかも知れないし」
わたしが真剣に言うと、アーネスはその眉を上げた。
「そんなことは、カレヴィには痛くも痒くもないよ。君の年齢については、一応対外的にそういうことにしてあるだけだ。……それに、習いを受けて君の身の清らかさは既に証明されているはずだしね」
「あ、そういえばそうだね」
あの時のことを思い出して、わたしは赤くなる。
恥ずかしいけど、一応その点はしっかり侍女に検分されたし、カレヴィもその事実を知っている。
年齢詐称は確かにいけないけれど、当のカレヴィがそんなに気にしている訳じゃなかったから、わたしもそのことはあまり気にならなかったんだよね。
元々、この婚約は政略的な要素が強かったし。
でも、清らかさが証明されてればいいなら、多少はばれても大丈夫かな。
あ、あの煩そうな貴族のおじさん達は騒ぐだろうけど。
「けれど、当のカレヴィが君に溺れすぎているのが少々まずいな。このままの調子で行くと、元老院から女に溺れて政務を疎かにした無能な王という烙印を押されてしまう可能性が高い」
「元老院……、ああ今朝の」
あの、なんか偉そうな貴族の代表の人達だよね。
「頭が固くて、いろいろと難癖をつけたがる年寄り集団だ。……奴らの地位が無駄に高いのが厄介だな」
それまで黙っていたシルヴィが鼻の頭に皺を寄せて言った。
うわ、本当に嫌そう。よっぽどその元老院ての嫌ってるんだな。
「その厄介な集団に早くも目を付けられてしまったのが、まずかったかな。今日辺り、カレヴィのところに元老院からその抗議書が早速行くと思う」
「抗議書どころか、直接抗議に来たけど」
わたしがちょっと憮然として言うと、楽しそうにアーネスが笑った。
……人の不幸で面白がるな。
「いや、もちろん知ってはいるよ。でも真面目なグリード殿らしいと思ってね」
むっとしているわたしに宥めるようにそう言ったけど、アーネスはそれでもまだ楽しそうな顔をしている。
「婚約期間中の執務の滞りはある程度目を瞑られるけれど、今回の場合はその期間中に離宮建築の為に巨額が動いてしまったのが痛かったな」
……うん、それはカレヴィをきちんと止めなかったわたしも悪かったよ。
「グリード財政大臣は、元老院がわたしとカレヴィの婚礼を反対するって言ってた。これってやっぱりまずいよね」
すると、これはやっぱりカレヴィと別れなくちゃいけないことになるんだろうか。
そう思うと、なんだか急に落ち込んできた。
やることやって、こんなのってないよ……。
それに、せっかく仲良くなったみんなともお別れになるかもしれないし。
すると、イアスが心配そうに「ハルカ様」と声をかけてきた。
わたしはそれに微笑んで安心させようとしたけれど、どうやら失敗したみたいだ。
相変わらず、イアスはわたしを心配そうに見てきてる。
「あのカレヴィが黙って抗議書を受けるはずはないだろうね。ましてや、愛している相手を反対されたからって、そうそう諦めるわけはない。……けれど、下手したら彼は元老院に王座から引きずり降ろされる可能性があるね」
「う、うそ……」
わたしと婚約したせいで、カレヴィがそんなことになるだなんて、信じられない。
そんなに元老院の意見は王の地位も危うくさせるほど強力なんだろうか。
「嘘じゃありません。あなたが現れたせいで兄王の立場が悪くなったんです」
呆然とするわたしをシルヴィが睨んで責めてくる。
「シルヴィッ」
イアスが諫めるように彼の名を呼んだけど、シルヴィはそれに反応しなかった。
確かに彼の言葉は真っ当だ。わたしは彼に詰られても文句は言えない。
いくらでもわたしはカレヴィを説得できる立場にいたのに、それをほとんどしてこなかったんだから。
でも、シルヴィにこんなふうに言われると、かなり堪えるな。
「……まあ、彼が今までこれ以上ないくらいに政務に励んでいたのを知っているだけに、わたしはそんなことには絶対させないけれどね」
アーネスが言うように、確かにカレヴィは今まで良い王様だったんだろう。
わたしに会うまでは執務に明け暮れてたっていうし、自分の結婚は政略でいいって割り切ってたくらいなんだから。
「……わたし、どうしたらいいかな? わたし、カレヴィの邪魔になりたくないよ」
今までの破格的な待遇を考えると、本当にわたしの存在自体がカレヴィに悪いとしか思えない。
縋るような気持ちでアーネスを見ると、彼は少し溜息をついた。
「君には欲なんてないのに、本当に君は人がいいね。……カレヴィが君にそこまで入れ込むのも少し分かる気がする」
「……そんなことないよ」
そんなにいい人だったら、きっともっと彼の立場を考えてた。
カレヴィに申し訳なくて、泣きそうになるのを心の中で叱咤しながら、わたしはアーネスの次の言葉を待つ。
……多分、彼がこのことに対して一番いい解決方法を持っていると思うから。
皆の視線を受けたアーネスは顎に手を当てて少し考え込むと、やがて言った。
「さっきも少し触れたけれど、一番良い解決策はある。……君がカレヴィの婚約者を辞退することだ」
そう言うイアスの顔は、わたしが俯いてるため見えないけど、たぶん赤くなってるんだろうなあと予想。
なんだかお見合いのような空気の中、アーネスはくすくす笑って、意味ありげにわたしを見た。
「ハルカ嬢は本当に可愛らしい。……カレヴィやわたしと三つも歳が上とはとても思えないな」
……だから、可愛いなんて言われ慣れてないんだからやめてほしい。
そう言おうとして、わたしははた、と気がついた。
今、アーネスわたしの歳をさりげなくばらしたよね?
それって、わたしを好きだって言ってたイアスにはショックじゃないんだろうか。
と思ってイアスを見たら、特に驚いている様子はない。
あれ……?
「ひょっとして、わたしの本当の年齢を知ってたの?」
恥ずかしかったのも忘れてした問いに、イアスは真面目な顔で頷いた。
「はい、兄から聞きました。ティカ様と同い年だそうですね」
それでわたしのこと好きって、イアスって物好きって言うよりも変人……?
いくらでも可愛い女の子が選り取りみどりなのに、歳が十は離れた元は冴えないわたしを好きになるって、どう考えても普通じゃない。
わたしがイアスに対して失礼なことを考えていると、アーネスがたしなめるように言った。
「イアス、あまり女性の歳のことを言うものじゃないよ」
いや、事の発端はアーネス、あなただから。
「アーネスが最初に言い出したんだろうが」
当然のごとく、呆れたように腰に手を当ててシルヴィが言う。
「ああ、そうだったね」
のほほんとそんなことを言っている彼にわたしも呆れ返ってしまう。
「絶対わざとでしょ、アーネス」
「そんなことはないよ。ハルカ嬢が実年齢を忘れるほど可愛らしいから、ついね」
眩しい笑顔でそう言ってくるアーネスは、はっきり言ってかなり胡散臭い。わたしはそんな笑顔で騙されないぞ。
「アーネス、ひょっとしてわたしの歳のこと周りに言って回ってるの? いろいろと都合が悪いから、できればやめてほしいんだけど」
本当の歳が知れたら、夜の習いの前に身が清らかだったか周りに疑われかねないし、ちょっとまずい。
「カレヴィのごく周辺しか知らせてないから大丈夫だよ。ハルカ嬢は安心してほしい」
……まあ、その範囲だったらまずくはないだろうけど、これはちょっと心臓に悪いよ。
「一応、二十歳ってことになってるから、その辺りは本当に気をつけてね。カレヴィにもそんな歳の女を王妃にするのかって追及が行くかも知れないし」
わたしが真剣に言うと、アーネスはその眉を上げた。
「そんなことは、カレヴィには痛くも痒くもないよ。君の年齢については、一応対外的にそういうことにしてあるだけだ。……それに、習いを受けて君の身の清らかさは既に証明されているはずだしね」
「あ、そういえばそうだね」
あの時のことを思い出して、わたしは赤くなる。
恥ずかしいけど、一応その点はしっかり侍女に検分されたし、カレヴィもその事実を知っている。
年齢詐称は確かにいけないけれど、当のカレヴィがそんなに気にしている訳じゃなかったから、わたしもそのことはあまり気にならなかったんだよね。
元々、この婚約は政略的な要素が強かったし。
でも、清らかさが証明されてればいいなら、多少はばれても大丈夫かな。
あ、あの煩そうな貴族のおじさん達は騒ぐだろうけど。
「けれど、当のカレヴィが君に溺れすぎているのが少々まずいな。このままの調子で行くと、元老院から女に溺れて政務を疎かにした無能な王という烙印を押されてしまう可能性が高い」
「元老院……、ああ今朝の」
あの、なんか偉そうな貴族の代表の人達だよね。
「頭が固くて、いろいろと難癖をつけたがる年寄り集団だ。……奴らの地位が無駄に高いのが厄介だな」
それまで黙っていたシルヴィが鼻の頭に皺を寄せて言った。
うわ、本当に嫌そう。よっぽどその元老院ての嫌ってるんだな。
「その厄介な集団に早くも目を付けられてしまったのが、まずかったかな。今日辺り、カレヴィのところに元老院からその抗議書が早速行くと思う」
「抗議書どころか、直接抗議に来たけど」
わたしがちょっと憮然として言うと、楽しそうにアーネスが笑った。
……人の不幸で面白がるな。
「いや、もちろん知ってはいるよ。でも真面目なグリード殿らしいと思ってね」
むっとしているわたしに宥めるようにそう言ったけど、アーネスはそれでもまだ楽しそうな顔をしている。
「婚約期間中の執務の滞りはある程度目を瞑られるけれど、今回の場合はその期間中に離宮建築の為に巨額が動いてしまったのが痛かったな」
……うん、それはカレヴィをきちんと止めなかったわたしも悪かったよ。
「グリード財政大臣は、元老院がわたしとカレヴィの婚礼を反対するって言ってた。これってやっぱりまずいよね」
すると、これはやっぱりカレヴィと別れなくちゃいけないことになるんだろうか。
そう思うと、なんだか急に落ち込んできた。
やることやって、こんなのってないよ……。
それに、せっかく仲良くなったみんなともお別れになるかもしれないし。
すると、イアスが心配そうに「ハルカ様」と声をかけてきた。
わたしはそれに微笑んで安心させようとしたけれど、どうやら失敗したみたいだ。
相変わらず、イアスはわたしを心配そうに見てきてる。
「あのカレヴィが黙って抗議書を受けるはずはないだろうね。ましてや、愛している相手を反対されたからって、そうそう諦めるわけはない。……けれど、下手したら彼は元老院に王座から引きずり降ろされる可能性があるね」
「う、うそ……」
わたしと婚約したせいで、カレヴィがそんなことになるだなんて、信じられない。
そんなに元老院の意見は王の地位も危うくさせるほど強力なんだろうか。
「嘘じゃありません。あなたが現れたせいで兄王の立場が悪くなったんです」
呆然とするわたしをシルヴィが睨んで責めてくる。
「シルヴィッ」
イアスが諫めるように彼の名を呼んだけど、シルヴィはそれに反応しなかった。
確かに彼の言葉は真っ当だ。わたしは彼に詰られても文句は言えない。
いくらでもわたしはカレヴィを説得できる立場にいたのに、それをほとんどしてこなかったんだから。
でも、シルヴィにこんなふうに言われると、かなり堪えるな。
「……まあ、彼が今までこれ以上ないくらいに政務に励んでいたのを知っているだけに、わたしはそんなことには絶対させないけれどね」
アーネスが言うように、確かにカレヴィは今まで良い王様だったんだろう。
わたしに会うまでは執務に明け暮れてたっていうし、自分の結婚は政略でいいって割り切ってたくらいなんだから。
「……わたし、どうしたらいいかな? わたし、カレヴィの邪魔になりたくないよ」
今までの破格的な待遇を考えると、本当にわたしの存在自体がカレヴィに悪いとしか思えない。
縋るような気持ちでアーネスを見ると、彼は少し溜息をついた。
「君には欲なんてないのに、本当に君は人がいいね。……カレヴィが君にそこまで入れ込むのも少し分かる気がする」
「……そんなことないよ」
そんなにいい人だったら、きっともっと彼の立場を考えてた。
カレヴィに申し訳なくて、泣きそうになるのを心の中で叱咤しながら、わたしはアーネスの次の言葉を待つ。
……多分、彼がこのことに対して一番いい解決方法を持っていると思うから。
皆の視線を受けたアーネスは顎に手を当てて少し考え込むと、やがて言った。
「さっきも少し触れたけれど、一番良い解決策はある。……君がカレヴィの婚約者を辞退することだ」
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