38 / 148
第四章:対抗手段
第38話 有効手段
しおりを挟む
しばらくわたしはカレヴィに抱きしめられたりキスされたりしていたけれど、宰相のマウリスがカレヴィを呼びに来たことで、この恥ずかしいお茶の時間はお開きになった。
わたしの趣味の時間も少なくなっていたけれど、カレヴィの気持ちを考えたら文句は言えない。
とりあえず、お昼までの時間、趣味にひた走ろう。
「それにしても、素敵でしたわー」
「本当に陛下はハルカ様のことを愛していらっしゃるのですね」
「陛下があれほどハルカ様に執着しておられるのなら、ザクトアリアの将来は安泰ですわね」
ベタ塗りの練習をしてもらいながらの侍女三人のおしゃべりに、わたしは原稿のペン入れをしつつ曖昧な笑みを浮かべていた。
ちなみに、わたしの侍女アシスタント養成計画はいい感じで進んでいる。
さすがに背景とかモブとか描いてもらうことは無理だろうけど、この調子でトーン貼りまで覚えてもらえたらすごく助かるな。
「……うーん、でもわたしがカレヴィのことを好きにならないと、なんとなく悪いような気がするんだよね……」
もやもやしながらわたしがそう答えると三人はいきなりトーンダウンした。
「ま、まあ、それはいきなりはどうしようもないことですし」
「あれだけ陛下に愛されておられるのですもの、そのうち陛下のことをお好きになられますわ」
「そうです、そうです」
「……そうかなあ……」
カレヴィのことはもちろん嫌いじゃないけど、彼に好きとか言ってる自分が想像できない。
まあ、カレヴィには悪いけど、この点は我慢してもらうしかないかな。自分でもすごく残酷だと思うけど、今すぐどうこう出来るものでもないし。
「それにしても、ハルカ様が今まで描かれた原稿は本になされないのですか? せっかくのハルカ様の力作を他の方がご覧になられないのはもったいないですわ」
モニーカにそう言われて、わたしは一瞬ペンを止める。
「うーん、まあ、いずれ本にしたいなあとは思ってたんだけどね」
だいぶ枚数も溜まってきたし、ここらでまとめとくのもいいかもしれない。
「まあ、そうなのですか? ではぜひ、そうしてくださいませ。わたくし絶対に購入しますわ」
「え、ええっ!?」
イヴェンヌの言葉にわたしは驚いて、思わず大声を上げてしまった。
「そんなことしなくても、ただであげるよ」
いずれアシになってもらうんだし、お金取るなんてとんでもない。
「ハルカ様、ただなんていけませんわ。このお話にはハルカ様の技術と努力と情熱がこもっているのです。そんなことは絶対に駄目です」
ソフィアの反対に他の二人も頷いた。
うーん、悪いような気もするけど、せっかくこう言ってくれてるんだし、仕方ない、譲歩するか。
「そうだね、そうする」
わたしが頷くと、三人は笑顔になって他の侍女達にも宣伝しますと力強く宣言してくれた。頼もしいなあ。
……けど、本作るとなったら、コピー本は労力的にたぶん無理だから、オフセットでサイト通販分併せてとりあえず百部くらい刷ればいいかなあ。
もし、売れ残ってもそれも記念として取っておいてもいいし。
とりあえず、千花にも相談して印刷所とか決めよう。それと、装丁とかも懲りたいなあ。
実際に作ると決めると現金なもので、ああしたいこうしたいと次々欲が出てくる。
でも、本頼んでる時間あるかなあ。通販も手間がかかるし、向こうにちょくちょく行かなくちゃいけないかもしれない。
今は礼儀作法とかあるから、時間的に無理かもしれないなあ。
そうすると、本を作るのは結婚後しばらくしてからになるかもしれない。
その辺りはカレヴィや千花によく相談しよう。
そんなことを考えているうちに、昼食の時間になって趣味の時間はとりあえずお開きとなった。
今日はカレヴィと一緒に食事を取る約束があるから、その時に本のことをちょっと聞いてみようかな。
「ハルカ」
共同の間に行くと、わたしが来るのを待ちわびたように、カレヴィはわたしの手を引くと抱きしめてキスしてきた。
まだ侍女達の前だから恥ずかしいのも我慢しているけど、これがシルヴィとか他の貴族の人の前だったら、わたしもちゃんと拒否しないといけないな。
……そういえば、そう思ってたこと、まだカレヴィに告げてないや。
まだいちゃいちゃしそうなカレヴィをゼシリアが止めてくれて、ようやく昼食の段となり、わたしはほっとした。
「カレヴィ、貴族の人達の前とかではこういうことはやめてね。恥ずかしいから」
わたしがそう言うと、カレヴィはちょっと肩を竦めた。……ちょっと、本当に分かってるのか?
カレヴィの態度にわたしはむっとする。
すると、カレヴィはわたしの顔色を見て焦ったのか、慌てて言ってきた。
「まあ、おまえの頼みだ。一応努力はする」
……一応ってなんだ、一応って。
なんだか、約束してもすぐに破られそうな気がするのはわたしの気のせい?
「ほんっとうに、お願いね。頼むからね!」
それでわたしが必死になって言うと、カレヴィはようやくわたしが本気でそう思っていると気づいたらしく、「ああ」と神妙に頷いてた。
……よし、これで人前で恥ずかしい思いをすることは、一応食い止めたぞ。
さすがに侍女や、近衛、宮廷魔術師のイアス達の前では無理だろうけど。
カレヴィには前に彼らのことを空気と思えって言われたもの。
そのくらい割り切らないと王族やっていけないってのも、なかなか厳しいなあ。
まあ、それはともかくとして、早速わたしは昼食の席で、カレヴィに本作りたい、そのために時間取りたいけど、大丈夫かなあと一応確認を取ってみた。
「今は駄目だ。……せめて婚礼後、落ち着いてからにしろ」
ちえっ、やっぱり駄目か。
「……でも本は作っていいんだよね?」
ちらりと窺いながら聞くと、カレヴィは渋い顔をして頷いた。
「……ああ。だが、おまえには本よりも優先して作るものがあるだろう」
う、子作りのことだね。
わたしはひきつり笑いをしながら頷いた。……ここで了承しておかないと、本は作るなと言われかねない。
「もちろん、それは分かってるよ。自分の責務は果たすから」
わたしが真面目な顔をしてそう言うと、カレヴィはちょっと苦笑した。
「……俺はそんなに早々と子は作らなくてもいいと思っているがな。楽しみは長い方がいい」
「ええ?」
カレヴィ、それじゃさっき言ったことと違うじゃない。子はそんなに早くいらないってなにごとだ。
「それじゃわたし、いつまでも本作れないじゃない」
楽しみにしていた分、わたしはかなりむっとしてしまった。
けれど、カレヴィは肩を竦めてこともなげに更に言ってきた。
「時間を取るなら、無理に本にしなくてもいいだろう。別に今のままでもいいじゃないか」
「カレヴィ、ひどいよ。子を成すなら趣味に没頭してもいいって言ったじゃない」
……正しくは、「趣味に没頭する前に子を成してもらわなければ困る」だったけれど。
わたしが立ち上がって抗議すると、カレヴィはちょっと動揺した。
「なんでわたしの楽しみを邪魔するような意地悪言うの。そんなこと言うなら、カレヴィなんて嫌いになるからね!」
わたしが年甲斐もなく涙目になりながらそう訴えると、カレヴィは明らかにうろたえた。
「……いや、ただ俺は、おまえといる時間が減るのが嫌なだけで、意地悪をしたいわけじゃないんだ」
とかなんとかカレヴィがいろいろ言い訳してたけど、約束はきちんと守ってもらわなくちゃ困るよ。
……ただ「嫌いになるから」攻撃はかなり有効なことを確認できたのは、今回唯一の収穫だったかもしれない。
わたしの趣味の時間も少なくなっていたけれど、カレヴィの気持ちを考えたら文句は言えない。
とりあえず、お昼までの時間、趣味にひた走ろう。
「それにしても、素敵でしたわー」
「本当に陛下はハルカ様のことを愛していらっしゃるのですね」
「陛下があれほどハルカ様に執着しておられるのなら、ザクトアリアの将来は安泰ですわね」
ベタ塗りの練習をしてもらいながらの侍女三人のおしゃべりに、わたしは原稿のペン入れをしつつ曖昧な笑みを浮かべていた。
ちなみに、わたしの侍女アシスタント養成計画はいい感じで進んでいる。
さすがに背景とかモブとか描いてもらうことは無理だろうけど、この調子でトーン貼りまで覚えてもらえたらすごく助かるな。
「……うーん、でもわたしがカレヴィのことを好きにならないと、なんとなく悪いような気がするんだよね……」
もやもやしながらわたしがそう答えると三人はいきなりトーンダウンした。
「ま、まあ、それはいきなりはどうしようもないことですし」
「あれだけ陛下に愛されておられるのですもの、そのうち陛下のことをお好きになられますわ」
「そうです、そうです」
「……そうかなあ……」
カレヴィのことはもちろん嫌いじゃないけど、彼に好きとか言ってる自分が想像できない。
まあ、カレヴィには悪いけど、この点は我慢してもらうしかないかな。自分でもすごく残酷だと思うけど、今すぐどうこう出来るものでもないし。
「それにしても、ハルカ様が今まで描かれた原稿は本になされないのですか? せっかくのハルカ様の力作を他の方がご覧になられないのはもったいないですわ」
モニーカにそう言われて、わたしは一瞬ペンを止める。
「うーん、まあ、いずれ本にしたいなあとは思ってたんだけどね」
だいぶ枚数も溜まってきたし、ここらでまとめとくのもいいかもしれない。
「まあ、そうなのですか? ではぜひ、そうしてくださいませ。わたくし絶対に購入しますわ」
「え、ええっ!?」
イヴェンヌの言葉にわたしは驚いて、思わず大声を上げてしまった。
「そんなことしなくても、ただであげるよ」
いずれアシになってもらうんだし、お金取るなんてとんでもない。
「ハルカ様、ただなんていけませんわ。このお話にはハルカ様の技術と努力と情熱がこもっているのです。そんなことは絶対に駄目です」
ソフィアの反対に他の二人も頷いた。
うーん、悪いような気もするけど、せっかくこう言ってくれてるんだし、仕方ない、譲歩するか。
「そうだね、そうする」
わたしが頷くと、三人は笑顔になって他の侍女達にも宣伝しますと力強く宣言してくれた。頼もしいなあ。
……けど、本作るとなったら、コピー本は労力的にたぶん無理だから、オフセットでサイト通販分併せてとりあえず百部くらい刷ればいいかなあ。
もし、売れ残ってもそれも記念として取っておいてもいいし。
とりあえず、千花にも相談して印刷所とか決めよう。それと、装丁とかも懲りたいなあ。
実際に作ると決めると現金なもので、ああしたいこうしたいと次々欲が出てくる。
でも、本頼んでる時間あるかなあ。通販も手間がかかるし、向こうにちょくちょく行かなくちゃいけないかもしれない。
今は礼儀作法とかあるから、時間的に無理かもしれないなあ。
そうすると、本を作るのは結婚後しばらくしてからになるかもしれない。
その辺りはカレヴィや千花によく相談しよう。
そんなことを考えているうちに、昼食の時間になって趣味の時間はとりあえずお開きとなった。
今日はカレヴィと一緒に食事を取る約束があるから、その時に本のことをちょっと聞いてみようかな。
「ハルカ」
共同の間に行くと、わたしが来るのを待ちわびたように、カレヴィはわたしの手を引くと抱きしめてキスしてきた。
まだ侍女達の前だから恥ずかしいのも我慢しているけど、これがシルヴィとか他の貴族の人の前だったら、わたしもちゃんと拒否しないといけないな。
……そういえば、そう思ってたこと、まだカレヴィに告げてないや。
まだいちゃいちゃしそうなカレヴィをゼシリアが止めてくれて、ようやく昼食の段となり、わたしはほっとした。
「カレヴィ、貴族の人達の前とかではこういうことはやめてね。恥ずかしいから」
わたしがそう言うと、カレヴィはちょっと肩を竦めた。……ちょっと、本当に分かってるのか?
カレヴィの態度にわたしはむっとする。
すると、カレヴィはわたしの顔色を見て焦ったのか、慌てて言ってきた。
「まあ、おまえの頼みだ。一応努力はする」
……一応ってなんだ、一応って。
なんだか、約束してもすぐに破られそうな気がするのはわたしの気のせい?
「ほんっとうに、お願いね。頼むからね!」
それでわたしが必死になって言うと、カレヴィはようやくわたしが本気でそう思っていると気づいたらしく、「ああ」と神妙に頷いてた。
……よし、これで人前で恥ずかしい思いをすることは、一応食い止めたぞ。
さすがに侍女や、近衛、宮廷魔術師のイアス達の前では無理だろうけど。
カレヴィには前に彼らのことを空気と思えって言われたもの。
そのくらい割り切らないと王族やっていけないってのも、なかなか厳しいなあ。
まあ、それはともかくとして、早速わたしは昼食の席で、カレヴィに本作りたい、そのために時間取りたいけど、大丈夫かなあと一応確認を取ってみた。
「今は駄目だ。……せめて婚礼後、落ち着いてからにしろ」
ちえっ、やっぱり駄目か。
「……でも本は作っていいんだよね?」
ちらりと窺いながら聞くと、カレヴィは渋い顔をして頷いた。
「……ああ。だが、おまえには本よりも優先して作るものがあるだろう」
う、子作りのことだね。
わたしはひきつり笑いをしながら頷いた。……ここで了承しておかないと、本は作るなと言われかねない。
「もちろん、それは分かってるよ。自分の責務は果たすから」
わたしが真面目な顔をしてそう言うと、カレヴィはちょっと苦笑した。
「……俺はそんなに早々と子は作らなくてもいいと思っているがな。楽しみは長い方がいい」
「ええ?」
カレヴィ、それじゃさっき言ったことと違うじゃない。子はそんなに早くいらないってなにごとだ。
「それじゃわたし、いつまでも本作れないじゃない」
楽しみにしていた分、わたしはかなりむっとしてしまった。
けれど、カレヴィは肩を竦めてこともなげに更に言ってきた。
「時間を取るなら、無理に本にしなくてもいいだろう。別に今のままでもいいじゃないか」
「カレヴィ、ひどいよ。子を成すなら趣味に没頭してもいいって言ったじゃない」
……正しくは、「趣味に没頭する前に子を成してもらわなければ困る」だったけれど。
わたしが立ち上がって抗議すると、カレヴィはちょっと動揺した。
「なんでわたしの楽しみを邪魔するような意地悪言うの。そんなこと言うなら、カレヴィなんて嫌いになるからね!」
わたしが年甲斐もなく涙目になりながらそう訴えると、カレヴィは明らかにうろたえた。
「……いや、ただ俺は、おまえといる時間が減るのが嫌なだけで、意地悪をしたいわけじゃないんだ」
とかなんとかカレヴィがいろいろ言い訳してたけど、約束はきちんと守ってもらわなくちゃ困るよ。
……ただ「嫌いになるから」攻撃はかなり有効なことを確認できたのは、今回唯一の収穫だったかもしれない。
0
お気に入りに追加
937
あなたにおすすめの小説
小さなことから〜露出〜えみ〜
サイコロ
恋愛
私の露出…
毎日更新していこうと思います
よろしくおねがいします
感想等お待ちしております
取り入れて欲しい内容なども
書いてくださいね
よりみなさんにお近く
考えやすく
ちょっと大人な体験談はこちらです
神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない
ちょっと大人な体験談です。
日常に突然訪れる刺激的な体験。
少し非日常を覗いてみませんか?
あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ?
※本作品ではPixai.artで作成した生成AI画像ならびに
Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。
※不定期更新です。
※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
娼館で元夫と再会しました
無味無臭(不定期更新)
恋愛
公爵家に嫁いですぐ、寡黙な夫と厳格な義父母との関係に悩みホームシックにもなった私は、ついに耐えきれず離縁状を机に置いて嫁ぎ先から逃げ出した。
しかし実家に帰っても、そこに私の居場所はない。
連れ戻されてしまうと危惧した私は、自らの体を売って生計を立てることにした。
「シーク様…」
どうして貴方がここに?
元夫と娼館で再会してしまうなんて、なんという不運なの!
どうやら夫に疎まれているようなので、私はいなくなることにします
文野多咲
恋愛
秘めやかな空気が、寝台を囲う帳の内側に立ち込めていた。
夫であるゲルハルトがエレーヌを見下ろしている。
エレーヌの髪は乱れ、目はうるみ、体の奥は甘い熱で満ちている。エレーヌもまた、想いを込めて夫を見つめた。
「ゲルハルトさま、愛しています」
ゲルハルトはエレーヌをさも大切そうに撫でる。その手つきとは裏腹に、ぞっとするようなことを囁いてきた。
「エレーヌ、俺はあなたが憎い」
エレーヌは凍り付いた。
王妃の仕事なんて知りません、今から逃げます!
gacchi
恋愛
側妃を迎えるって、え?聞いてないよ?
王妃の仕事が大変でも頑張ってたのは、レオルドが好きだから。
国への責任感?そんなの無いよ。もういい。私、逃げるから!
12/16加筆修正したものをカクヨムに投稿しました。
断る――――前にもそう言ったはずだ
鈴宮(すずみや)
恋愛
「寝室を分けませんか?」
結婚して三年。王太子エルネストと妃モニカの間にはまだ子供が居ない。
周囲からは『そろそろ側妃を』という声が上がっているものの、彼はモニカと寝室を分けることを拒んでいる。
けれど、エルネストはいつだって、モニカにだけ冷たかった。
他の人々に向けられる優しい言葉、笑顔が彼女に向けられることない。
(わたくし以外の女性が妃ならば、エルネスト様はもっと幸せだろうに……)
そんな時、侍女のコゼットが『エルネストから想いを寄せられている』ことをモニカに打ち明ける。
ようやく側妃を娶る気になったのか――――エルネストがコゼットと過ごせるよう、私室で休むことにしたモニカ。
そんな彼女の元に、護衛騎士であるヴィクトルがやってきて――――?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる