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第七章:記憶の狭間に漂う姫君
第88話 決意の言葉
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無事に婚約成立させたわたしとキースは、その後、国王の執務室にいるカディスに報告しに行った。
「……なんだと!? それは本当か?」
カディスは血相を変えると、椅子を蹴倒して立ち上がった。
その勢いでまとめてあった書類が舞い上がり、それを見たイザトが小さく溜息をつく。……たぶん、彼があの書類をまとめたのだろう。
「本当よ、カディス。わたし達婚約したの」
ことの真偽を確かめるかのように凝視してくる彼にわたしは頷いた。
「……っ」
すると、カディスは一瞬顔を歪ませると、弾かれたようにキースに掴みかかった。
「キース、貴様! 記憶がないことをいいことにイルーシャをたぶらかしたな!」
「……カディス!」
やめて、と止める間もなく、カディスはキースの頬を殴りつけ、彼は後ろに吹き飛んだ。
「……キース!!」
──あなたなら防げたはずなのに、どうして。
わたしはそんな疑問を抱えながらも、キースに駆け寄ろうとする。
「イルーシャ!」
そんなわたしの腕をカディスが掴もうとしたけれど、それは見えない壁で遮られた。
……たぶん、キースがこのことを予想してわたしに魔術を施していたのかもしれない。
わたしはカディスを振り返らずに、尻餅をついているキースへと駆け寄った。カディスは手加減をしなかったらしく、その頬は痛々しく赤くなっていて、口の中を切ったらしく唇の端から血を流していた。
「キース、大丈夫?」
わたしがハンカチを出してキースの口の端に流れている血を拭うと、痛むらしく彼は少し顔を歪めた。
「ああ、大丈夫だよ。それに、これくらいは覚悟していたから」
それでも、キースはわたしに心配をかけまいと、殴られた痛々しい顔で微笑んだ。
「……これくらいだと?」
「陛下、お気持ちはお察ししますが、どうか落ち着かれてください」
剣呑な雰囲気に、イザトがカディスを諌めにかかる。
「キース、イルーシャをたぶらかしておいて、これくらいで済むと思うなよ。ひとまずおまえを独房に──」
「カディス!! 酷いわ、わたしはたぶらかされてなんていない。わたしはキースを愛しているの!」
このままではキースが罪人扱いにされてしまうと思ったわたしは、とっさに叫ぶ。
「イルーシャ、やめろ! おまえの口からそんなことを聞きたくない!」
わたしに触れられないのに苛立ってか、カディスが大きな音を立てて執務机を叩いた。けれど、わたしはそれに臆するつもりはなかった。
「いいえ、やめないわ。あなたはキースを罰するつもりでしょう? そんなことにはさせないわ。それにもう、キースはわたしの婚約者なのよ」
「それがおかしいというのだ! 記憶を失う前のおまえはキースと恋仲になった様子など見せなかった。そもそも、おまえが記憶を失ったことからしておかしい。キースがおまえの記憶を操作して、無理矢理おまえを婚約者にしたとも考えられるだろう!」
激昂したカディスの言い分は酷いものだった。でもキースはそんなことしないわ。
「……そんなことをしてイルーシャを得ても虚しいだけだよ、カディス」
苦い笑いを浮かべて、キースが立ち上がろうとする。けれど、カディスの拳の威力はことの外あったらしく、その足取りはおぼつかない。
わたしはそんなキースの体を支えると、カディスをきっと睨んだ。すると彼は少し怯んだようで、その瞳に浮かぶ怒りがわずかに弱まった。
「──カディス。キースはアークリッドの生まれ変わりよ。それをわたしが認めたの。だから、キースをわたしの夫とすることになんの問題もないはずだわ」
すると、カディスは雷に打たれたかのようにその身を震わせた。イザトもわたしの発言に驚いたようにその瞳を見開いている。
「なんだと……っ、そんな馬鹿な。それでは、キースは過去の自分の命を自ら縮めたとでも言うのか?」
それを指摘されると、わたしも心が痛む。
けれど、間違いなくキースはアークなのだ。
「僕にはその記憶は全くないけれど、イルーシャによればそうらしいね。かなり皮肉な話だけれど」
そう言いながら、キース自身も皮肉な笑みを浮かべる。……このことについては、まだ彼もかなり引っかかりを覚えているようだ。
それは少し哀しかったけれど、けれどわたしにとってはまぎれもない事実。だから、このことで主張を曲げるつもりはなかった。
「しかし、記憶を失う前はそんな素振りはおまえは見せなかったぞ。……やはり、キースがおまえの記憶操作をしたと考えるのが自然だろう」
「そんなはずはないわ。以前にもわたしはキースを好きだったはずよ」
きっぱりと言い切ったわたしを男性三人がまじまじと見つめてくる。……そんなに見られると、少し気恥ずかしいのだけれど。
「……聞くが、どうやっておまえはキースがアークリッド王の生まれ変わりだと確信したのだ」
カディスの質問に、わたしは思わず赤くなる。
そ、それはどうしても言わなくては駄目かしら? できれば言いたくないのだけれど。
「彼女によると、結ばれたことでそれと確信したらしいよ」
「キ、キースッ」
彼の爆弾発言にわたしは大いに慌てた。
ああ、この後のカディスの反応がとても恐ろしい。
「……なんだと?」
案の定、カディスがみるみる鬼のような形相になっていく。
「キース、おまえはイルーシャを抱いたのか」
カディスの握った拳がぶるぶると震えているのが、見ているだけでも恐怖を煽る。
それでもキースは堂々として言ってのけた。
「ああ、僕は彼女を抱いたよ」
「キース!!」
もう一度カディスが彼を殴ろうとしたけれど、それはキースにあっさりとかわされる。
けれど、カディスは諦めずに二度三度と彼に殴りかかる。
キースはそれを皮一枚の差でかわしていくけれど、防御魔法を使わない限り、またその身に打撃を受けるのは必至だと思われた。
「カディス、やめて!」
無理矢理二人の間に割り込むと、彼らは咄嗟に動きを止めてわたしを凝視した。
「イルーシャ! きみはなんてことを……」
「危ないだろう! 驚かすな!」
カディスの言うとおり、わたしはあと少しで彼に殴られる直前の体制で留まっていた。
けれど、わたしにカディスは触れられない。それをわたしは利用したのだ。
ただ、それを分かっていても、迫り来るカディスの拳はやはり怖かった。
「ごめんなさい……」
震えながらそう言うと、キースが宥めるようにわたしの背中を撫でてくれた。
彼にそうされると、恐怖心が瞬く間になくなっていくから不思議だった。
「イルーシャに、触れるな……っ」
再びカディスがキースに飛びかかって来そうだったけれど、今度はキースは足止めの魔法を使ったようだった。
動けないカディスをわたしが見つめると、彼の顔が歪んだ。それは彼が怒りに燃えているとも、今にも泣きそうにも見えた。
確かにカディスにはあれだけ世話になっておきながら、わたしのしていることは酷く残酷だ。
けれど、わたしの愛している人は一人だけ。それだけは曲げられない真実だった。
「……カディス、あなたの気持ちに応えられなくてごめんなさい。けれど、わたしが愛しているのはキースだと気づいたの。……だから、これは合意の上の行為よ」
そう言うと、カディスの顔に絶望の色が広がっていく。
──ごめんなさい。本当にごめんなさい。
わたしは心の中で彼に謝りながらも、心に秘めていたことを高らかに宣言する。
「だから、わたしはキース・ルグランの妻になり、この時代でこの生を終えるわ」
──それは、転生を繰り返しながらも再び半身と巡り会えたわたしの決意の言葉だった。
「……なんだと!? それは本当か?」
カディスは血相を変えると、椅子を蹴倒して立ち上がった。
その勢いでまとめてあった書類が舞い上がり、それを見たイザトが小さく溜息をつく。……たぶん、彼があの書類をまとめたのだろう。
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「……っ」
すると、カディスは一瞬顔を歪ませると、弾かれたようにキースに掴みかかった。
「キース、貴様! 記憶がないことをいいことにイルーシャをたぶらかしたな!」
「……カディス!」
やめて、と止める間もなく、カディスはキースの頬を殴りつけ、彼は後ろに吹き飛んだ。
「……キース!!」
──あなたなら防げたはずなのに、どうして。
わたしはそんな疑問を抱えながらも、キースに駆け寄ろうとする。
「イルーシャ!」
そんなわたしの腕をカディスが掴もうとしたけれど、それは見えない壁で遮られた。
……たぶん、キースがこのことを予想してわたしに魔術を施していたのかもしれない。
わたしはカディスを振り返らずに、尻餅をついているキースへと駆け寄った。カディスは手加減をしなかったらしく、その頬は痛々しく赤くなっていて、口の中を切ったらしく唇の端から血を流していた。
「キース、大丈夫?」
わたしがハンカチを出してキースの口の端に流れている血を拭うと、痛むらしく彼は少し顔を歪めた。
「ああ、大丈夫だよ。それに、これくらいは覚悟していたから」
それでも、キースはわたしに心配をかけまいと、殴られた痛々しい顔で微笑んだ。
「……これくらいだと?」
「陛下、お気持ちはお察ししますが、どうか落ち着かれてください」
剣呑な雰囲気に、イザトがカディスを諌めにかかる。
「キース、イルーシャをたぶらかしておいて、これくらいで済むと思うなよ。ひとまずおまえを独房に──」
「カディス!! 酷いわ、わたしはたぶらかされてなんていない。わたしはキースを愛しているの!」
このままではキースが罪人扱いにされてしまうと思ったわたしは、とっさに叫ぶ。
「イルーシャ、やめろ! おまえの口からそんなことを聞きたくない!」
わたしに触れられないのに苛立ってか、カディスが大きな音を立てて執務机を叩いた。けれど、わたしはそれに臆するつもりはなかった。
「いいえ、やめないわ。あなたはキースを罰するつもりでしょう? そんなことにはさせないわ。それにもう、キースはわたしの婚約者なのよ」
「それがおかしいというのだ! 記憶を失う前のおまえはキースと恋仲になった様子など見せなかった。そもそも、おまえが記憶を失ったことからしておかしい。キースがおまえの記憶を操作して、無理矢理おまえを婚約者にしたとも考えられるだろう!」
激昂したカディスの言い分は酷いものだった。でもキースはそんなことしないわ。
「……そんなことをしてイルーシャを得ても虚しいだけだよ、カディス」
苦い笑いを浮かべて、キースが立ち上がろうとする。けれど、カディスの拳の威力はことの外あったらしく、その足取りはおぼつかない。
わたしはそんなキースの体を支えると、カディスをきっと睨んだ。すると彼は少し怯んだようで、その瞳に浮かぶ怒りがわずかに弱まった。
「──カディス。キースはアークリッドの生まれ変わりよ。それをわたしが認めたの。だから、キースをわたしの夫とすることになんの問題もないはずだわ」
すると、カディスは雷に打たれたかのようにその身を震わせた。イザトもわたしの発言に驚いたようにその瞳を見開いている。
「なんだと……っ、そんな馬鹿な。それでは、キースは過去の自分の命を自ら縮めたとでも言うのか?」
それを指摘されると、わたしも心が痛む。
けれど、間違いなくキースはアークなのだ。
「僕にはその記憶は全くないけれど、イルーシャによればそうらしいね。かなり皮肉な話だけれど」
そう言いながら、キース自身も皮肉な笑みを浮かべる。……このことについては、まだ彼もかなり引っかかりを覚えているようだ。
それは少し哀しかったけれど、けれどわたしにとってはまぎれもない事実。だから、このことで主張を曲げるつもりはなかった。
「しかし、記憶を失う前はそんな素振りはおまえは見せなかったぞ。……やはり、キースがおまえの記憶操作をしたと考えるのが自然だろう」
「そんなはずはないわ。以前にもわたしはキースを好きだったはずよ」
きっぱりと言い切ったわたしを男性三人がまじまじと見つめてくる。……そんなに見られると、少し気恥ずかしいのだけれど。
「……聞くが、どうやっておまえはキースがアークリッド王の生まれ変わりだと確信したのだ」
カディスの質問に、わたしは思わず赤くなる。
そ、それはどうしても言わなくては駄目かしら? できれば言いたくないのだけれど。
「彼女によると、結ばれたことでそれと確信したらしいよ」
「キ、キースッ」
彼の爆弾発言にわたしは大いに慌てた。
ああ、この後のカディスの反応がとても恐ろしい。
「……なんだと?」
案の定、カディスがみるみる鬼のような形相になっていく。
「キース、おまえはイルーシャを抱いたのか」
カディスの握った拳がぶるぶると震えているのが、見ているだけでも恐怖を煽る。
それでもキースは堂々として言ってのけた。
「ああ、僕は彼女を抱いたよ」
「キース!!」
もう一度カディスが彼を殴ろうとしたけれど、それはキースにあっさりとかわされる。
けれど、カディスは諦めずに二度三度と彼に殴りかかる。
キースはそれを皮一枚の差でかわしていくけれど、防御魔法を使わない限り、またその身に打撃を受けるのは必至だと思われた。
「カディス、やめて!」
無理矢理二人の間に割り込むと、彼らは咄嗟に動きを止めてわたしを凝視した。
「イルーシャ! きみはなんてことを……」
「危ないだろう! 驚かすな!」
カディスの言うとおり、わたしはあと少しで彼に殴られる直前の体制で留まっていた。
けれど、わたしにカディスは触れられない。それをわたしは利用したのだ。
ただ、それを分かっていても、迫り来るカディスの拳はやはり怖かった。
「ごめんなさい……」
震えながらそう言うと、キースが宥めるようにわたしの背中を撫でてくれた。
彼にそうされると、恐怖心が瞬く間になくなっていくから不思議だった。
「イルーシャに、触れるな……っ」
再びカディスがキースに飛びかかって来そうだったけれど、今度はキースは足止めの魔法を使ったようだった。
動けないカディスをわたしが見つめると、彼の顔が歪んだ。それは彼が怒りに燃えているとも、今にも泣きそうにも見えた。
確かにカディスにはあれだけ世話になっておきながら、わたしのしていることは酷く残酷だ。
けれど、わたしの愛している人は一人だけ。それだけは曲げられない真実だった。
「……カディス、あなたの気持ちに応えられなくてごめんなさい。けれど、わたしが愛しているのはキースだと気づいたの。……だから、これは合意の上の行為よ」
そう言うと、カディスの顔に絶望の色が広がっていく。
──ごめんなさい。本当にごめんなさい。
わたしは心の中で彼に謝りながらも、心に秘めていたことを高らかに宣言する。
「だから、わたしはキース・ルグランの妻になり、この時代でこの生を終えるわ」
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