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第五章:銀の王と月読の塔の姫君
第55話 赦しを乞う
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優しい日差しが差し込んでくる。
わたしはアークの腕に抱かれながら、とても幸せな気分で目覚めた。
「イルーシャ」
既に目覚めていたらしいアークに抱きしめられると、わたしは彼から優しい口づけを受けた。
「アーク、愛してる」
わたしは彼への溢れそうな想いでいっぱいになりながら、愛の言葉を紡いだ。
「イルーシャ、愛している」
何度もアークの口づけを受けながら、わたしはうっとりとそれに酔っていた。
いつまでもそうしていたかったけれど、アークはそういうわけにはいかなかったようで、「すまない」といって先に起きだして支度をしだした。
彼と結ばれたばかりのわたしは少し残念だったけれど、いつまでもこうしているわけにもいかないのだろう。
アークは支度を終えると、わたしの頬を愛しげに撫でてもう一度キスをしてから寝室から出ていった。
それからしばらくしてメルアリータがやってきた。
「イルーシャ様、おめでとうございます」
「ありがとう」
彼女の祝いの言葉に、またアークと結ばれた嬉しさがこみ上げてきて、わたしは頬を染めて微笑んだ。
わたしはメルアリータに支度をしてもらい、ついでにベッドメイキングもしてもらった。
破瓜の跡の残るシーツにわたしは赤面したけれど、メルアリータは心底安堵した笑顔を浮かべた。……どうやら、彼女にはわたしが睡蓮の呪いを受けていたことが伝わっていたらしい。
──あ、そう言えば、彼女に聞かなければいけないことがあるんだったわ。
「メルアリータ、あの……、わたし避妊薬が欲しいのだけど、あるかしら?」
こんなことは本当は言いたくないけれど、これからのガルディア王家のことを考えたら、わたしは嫌でも言わなければならなかった。
案の定、それを聞いたメルアリータの顔が厳しくなった。
「わたくしの権限ではお渡しできません。なにゆえ、そのようなものが必要なのです」
「えっと……、まだ子を作るには早いかと思って……。メルアリータ、駄目かしら?」
みるみる鬼のような形相になっていく彼女に、わたしは内心駄目だろうなとびくびくしながらも一応聞いてみる。
「そのような大事、わたくしの一存では決められません。陛下にお伺いをたてませんと」
「え……、お願い、アークには知らせないで!」
そこまで言われて、わたしはアークに知られる可能性についてまったく考えていなかったことに気がついた。
「いけません。イルーシャ様、あなたはガルディア王妃なのですよ? それですのに、その務めを初めから放棄してどうするのです。……申し訳ありませんが、このことは陛下にご報告しなければなりません」
「ま、待って、メルアリータ!」
そんなことになったら、下手したらアークに嫌われてしまう。
そう感じたわたしは必死で彼女の腕にすがりついた。
「申し訳ございません。シンシア、こちらに参りなさい!」
メルアリータはわたしの居室に控えていたシンシアを大声で呼び出した。
「ど、どうなさったのです。イルーシャ様」
メルアリータにすがりつく形になっていたわたしを目にして、シンシアが戸惑いを露わにする。
「イルーシャ様は少々動揺されているのです。わたくしは陛下にご報告することがありますから、シンシアはイルーシャ様をお願いします」
わたしはシンシアによって、すがりついていたメルアリータから引きはがされた。
すぐさまメリアリータは身を翻すと、寝室から出ていった。もしかしなくても、アークに報告に行ったのだろう。
わたしは絶望的な気分に陥りながら、ふらふらとベッドに腰掛けていた。
きっと、メルアリータから報告を受けたアークは怒るだろう。……もしかしたら、彼への愛情を疑われるかもしれない。
わたしは自分のしたことの浅はかさを呪いながら、溢れる涙を顔を覆うことで隠していた。
「……いったい、どうなさったのです。イルーシャ様。陛下と結ばれためでたい朝ですのに……」
シンシアが戸惑いを隠せずにわたしに問いかけてくる。……けれど、わたしはそれには答えられなかった。いきなり、寝室のドアが勢いよく開け放れたからだ。
そちらに目をやると、アークが見たこともないような怒りの表情でわたしを見つめている。
わたしはアークの視線に、底冷えのするような気分を味わった。
「──侍女、下がれ」
「は、はいっ!」
ひどく冷たい声で告げられて、シンシアは飛び上がるようにして、そそくさと出ていった。……最後にわたしの方を心配そうに見ていたけれど。
アークはベッドに腰掛けたわたしにツカツカと近寄ってくると、わたしの肩を押してベッドに倒した。
「きゃあ……っ!」
普段のアークからは考えられない乱暴な行動に、わたしは恐怖する。
……間違いなく、アークはこれ以上ない程に怒っている。それが、わたしのせいだと思うと、体の震えが止まらなかった。
「ア、アーク……」
彼にのしかかられてわたしは怯えた瞳で彼を見返す。
「──メルアリータに避妊薬を求めたそうだな。どういうつもりだ、イルーシャ」
ひどく冷たい尋問にわたしは泣きそうになりながら、なんとか返す。
「……そ、それは、まだアークと一緒にゆっくりと過ごしたいから……っ」
……これはだいぶ苦しい言い訳かもしれなかった。
現に、アークの表情は怒りを含んだままだ。
「……本当にそれだけか? いきなり避妊薬の話題を出すなどおかしいだろう。なにを隠している、イルーシャ」
「そ、それは……っ」
今後のガルディア王家の系譜の為にも、わたしとアークの子は作ってはならないとは、とても言えなかった。
そうしたら、わたし達はいずれ離れ離れになる可能性まで話さなくてはいけなくなる。
「──言えないのか、イルーシャ」
アークに両手首を痛いほどに固定されて、わたしはベッドに縫いつけられる。
「ご、ごめんなさい。それだけはどうしても言えないの」
わたしは瞳に涙を浮かべながら、アークに謝罪する。けれど、彼の怒りは収まらなかった。
「おまえが子をいつまでも作らねば、重臣達はわたしに妾妃を娶れと言ってくるぞ。……おまえはそれでもいいのか」
思ってもいなかったアークの言葉に、わたしは愕然とした。……確かにアークとの間に子がいつまでも出来なければ、そういう可能性は充分あるのだ。
「そんなの、いや……っ」
アークが他の姫を抱くところなんて考えたくもない。
わたしは首を何度も振りながら、流れてくる涙もそのままに彼に訴えた。
「だったら、なぜこんな愚かな真似をする。……おまえはわたしを愛しているのではないのか」
「愛してる、愛してるわ。けど……っ」
わたしのその言葉は、アークを落ち着かせるどころか、更に怒りに火をつけてしまったようだった。
「けど、なんだ。言ってみろ」
「ごめんなさい、言えない、言えないの……っ」
わたしのその返答にかっとしたようにアークがわたしのドレスに手をかける。
絹が裂ける高い音がして、わたしのドレスが派手に破られた。
「い、や……っ」
「──おまえにはどうあってもわたしの子を成してもらう。どんなにおまえが嫌がってもだ」
愛しいアークの子を成すのが嫌なはずはなかった。……ただ、未来の制約がわたしを縛っているだけで──
結局なにも言えずにいたわたしは、アークに無理矢理抱かれた。
まだ彼を受け入れたばかりで行為に慣れない体が悲鳴を上げる。
既にわたしの中では、ガルディアの系譜のことなどどうでもよくなっていた。
彼にどう思われるか。ただ、それだけが怖かった。
アーク、お願い。
もうこんな馬鹿なことは言わないから、どうかわたしのことを嫌わないで──
「アーク……ッ、おねが……、ゆる、して……っ」
わたしは彼に赦しを乞うたけれど、アークは止まらなかった。
──そして、それはわたしが気を失うまで続けられた。
わたしはアークの腕に抱かれながら、とても幸せな気分で目覚めた。
「イルーシャ」
既に目覚めていたらしいアークに抱きしめられると、わたしは彼から優しい口づけを受けた。
「アーク、愛してる」
わたしは彼への溢れそうな想いでいっぱいになりながら、愛の言葉を紡いだ。
「イルーシャ、愛している」
何度もアークの口づけを受けながら、わたしはうっとりとそれに酔っていた。
いつまでもそうしていたかったけれど、アークはそういうわけにはいかなかったようで、「すまない」といって先に起きだして支度をしだした。
彼と結ばれたばかりのわたしは少し残念だったけれど、いつまでもこうしているわけにもいかないのだろう。
アークは支度を終えると、わたしの頬を愛しげに撫でてもう一度キスをしてから寝室から出ていった。
それからしばらくしてメルアリータがやってきた。
「イルーシャ様、おめでとうございます」
「ありがとう」
彼女の祝いの言葉に、またアークと結ばれた嬉しさがこみ上げてきて、わたしは頬を染めて微笑んだ。
わたしはメルアリータに支度をしてもらい、ついでにベッドメイキングもしてもらった。
破瓜の跡の残るシーツにわたしは赤面したけれど、メルアリータは心底安堵した笑顔を浮かべた。……どうやら、彼女にはわたしが睡蓮の呪いを受けていたことが伝わっていたらしい。
──あ、そう言えば、彼女に聞かなければいけないことがあるんだったわ。
「メルアリータ、あの……、わたし避妊薬が欲しいのだけど、あるかしら?」
こんなことは本当は言いたくないけれど、これからのガルディア王家のことを考えたら、わたしは嫌でも言わなければならなかった。
案の定、それを聞いたメルアリータの顔が厳しくなった。
「わたくしの権限ではお渡しできません。なにゆえ、そのようなものが必要なのです」
「えっと……、まだ子を作るには早いかと思って……。メルアリータ、駄目かしら?」
みるみる鬼のような形相になっていく彼女に、わたしは内心駄目だろうなとびくびくしながらも一応聞いてみる。
「そのような大事、わたくしの一存では決められません。陛下にお伺いをたてませんと」
「え……、お願い、アークには知らせないで!」
そこまで言われて、わたしはアークに知られる可能性についてまったく考えていなかったことに気がついた。
「いけません。イルーシャ様、あなたはガルディア王妃なのですよ? それですのに、その務めを初めから放棄してどうするのです。……申し訳ありませんが、このことは陛下にご報告しなければなりません」
「ま、待って、メルアリータ!」
そんなことになったら、下手したらアークに嫌われてしまう。
そう感じたわたしは必死で彼女の腕にすがりついた。
「申し訳ございません。シンシア、こちらに参りなさい!」
メルアリータはわたしの居室に控えていたシンシアを大声で呼び出した。
「ど、どうなさったのです。イルーシャ様」
メルアリータにすがりつく形になっていたわたしを目にして、シンシアが戸惑いを露わにする。
「イルーシャ様は少々動揺されているのです。わたくしは陛下にご報告することがありますから、シンシアはイルーシャ様をお願いします」
わたしはシンシアによって、すがりついていたメルアリータから引きはがされた。
すぐさまメリアリータは身を翻すと、寝室から出ていった。もしかしなくても、アークに報告に行ったのだろう。
わたしは絶望的な気分に陥りながら、ふらふらとベッドに腰掛けていた。
きっと、メルアリータから報告を受けたアークは怒るだろう。……もしかしたら、彼への愛情を疑われるかもしれない。
わたしは自分のしたことの浅はかさを呪いながら、溢れる涙を顔を覆うことで隠していた。
「……いったい、どうなさったのです。イルーシャ様。陛下と結ばれためでたい朝ですのに……」
シンシアが戸惑いを隠せずにわたしに問いかけてくる。……けれど、わたしはそれには答えられなかった。いきなり、寝室のドアが勢いよく開け放れたからだ。
そちらに目をやると、アークが見たこともないような怒りの表情でわたしを見つめている。
わたしはアークの視線に、底冷えのするような気分を味わった。
「──侍女、下がれ」
「は、はいっ!」
ひどく冷たい声で告げられて、シンシアは飛び上がるようにして、そそくさと出ていった。……最後にわたしの方を心配そうに見ていたけれど。
アークはベッドに腰掛けたわたしにツカツカと近寄ってくると、わたしの肩を押してベッドに倒した。
「きゃあ……っ!」
普段のアークからは考えられない乱暴な行動に、わたしは恐怖する。
……間違いなく、アークはこれ以上ない程に怒っている。それが、わたしのせいだと思うと、体の震えが止まらなかった。
「ア、アーク……」
彼にのしかかられてわたしは怯えた瞳で彼を見返す。
「──メルアリータに避妊薬を求めたそうだな。どういうつもりだ、イルーシャ」
ひどく冷たい尋問にわたしは泣きそうになりながら、なんとか返す。
「……そ、それは、まだアークと一緒にゆっくりと過ごしたいから……っ」
……これはだいぶ苦しい言い訳かもしれなかった。
現に、アークの表情は怒りを含んだままだ。
「……本当にそれだけか? いきなり避妊薬の話題を出すなどおかしいだろう。なにを隠している、イルーシャ」
「そ、それは……っ」
今後のガルディア王家の系譜の為にも、わたしとアークの子は作ってはならないとは、とても言えなかった。
そうしたら、わたし達はいずれ離れ離れになる可能性まで話さなくてはいけなくなる。
「──言えないのか、イルーシャ」
アークに両手首を痛いほどに固定されて、わたしはベッドに縫いつけられる。
「ご、ごめんなさい。それだけはどうしても言えないの」
わたしは瞳に涙を浮かべながら、アークに謝罪する。けれど、彼の怒りは収まらなかった。
「おまえが子をいつまでも作らねば、重臣達はわたしに妾妃を娶れと言ってくるぞ。……おまえはそれでもいいのか」
思ってもいなかったアークの言葉に、わたしは愕然とした。……確かにアークとの間に子がいつまでも出来なければ、そういう可能性は充分あるのだ。
「そんなの、いや……っ」
アークが他の姫を抱くところなんて考えたくもない。
わたしは首を何度も振りながら、流れてくる涙もそのままに彼に訴えた。
「だったら、なぜこんな愚かな真似をする。……おまえはわたしを愛しているのではないのか」
「愛してる、愛してるわ。けど……っ」
わたしのその言葉は、アークを落ち着かせるどころか、更に怒りに火をつけてしまったようだった。
「けど、なんだ。言ってみろ」
「ごめんなさい、言えない、言えないの……っ」
わたしのその返答にかっとしたようにアークがわたしのドレスに手をかける。
絹が裂ける高い音がして、わたしのドレスが派手に破られた。
「い、や……っ」
「──おまえにはどうあってもわたしの子を成してもらう。どんなにおまえが嫌がってもだ」
愛しいアークの子を成すのが嫌なはずはなかった。……ただ、未来の制約がわたしを縛っているだけで──
結局なにも言えずにいたわたしは、アークに無理矢理抱かれた。
まだ彼を受け入れたばかりで行為に慣れない体が悲鳴を上げる。
既にわたしの中では、ガルディアの系譜のことなどどうでもよくなっていた。
彼にどう思われるか。ただ、それだけが怖かった。
アーク、お願い。
もうこんな馬鹿なことは言わないから、どうかわたしのことを嫌わないで──
「アーク……ッ、おねが……、ゆる、して……っ」
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