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第二章:伝説の姫君と舞踏会
第21話 式典の終了
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──外が明るい。
ああ、もう朝かあ、とわたしは寝返りを打つ。……えーと、朝?
「嘘お!?」
うわあ、やってしまった!
予想外の現実に、わたしは焦って飛び起きる。
披露パーティの途中で眠ってしまってからの記憶がない。きっとあれから眠ったままだったんだ。
慌ててリイナさんを呼び出したら、すぐに来てくれた。
「イルーシャ様、本日は顔色もよろしいようで良かったですわ。昨夜お倒れになられた時は驚きました」
う……、きっと大騒ぎだったんだろうなあ。本当に申し訳ない。
「心配かけてごめんなさい。もう大丈夫だから」
「ですが、ご無理はなさらないでくださいね。昨日の今日ですから」
「はい。でもちょっとだけ用事があるから、それをすませてからゆっくりします」
もう、これだけはしておかないとわたしの気がすまない。
リイナさんはかしこまりましたと頷くと、わたしをお風呂に連れていってくれた。
わたしはお風呂と朝の支度をすませると、速攻でカディスの部屋へ向かった。
「ほんっとうに、ごめんなさい!」
一応ノックしてから勢いよくカディスの寝室のドアを開けたわたしは、土下座したい気分で彼の元に駆け寄った。
ベッドから身を起こしかけていたカディスが呆気にとられた顔をしてわたしを見ている。
「……おまえが本当に悪いと思ってるのは理解できたが、俺の寝室にまで入ってくるな」
「あ! ごめんっ、寝てたのに起こしちゃって」
気が動転してつい押しかけちゃったけど、カディスはわたしの披露パーティのせいで寝たの遅かったんだ。返す返す、本当に申し訳ない。
カディスは溜息をつくと、ベッドから身を起こした。
「そういうことじゃない。……おまえが鈍いのは分かっているが、男の寝室に簡単に入るんじゃない」
あ、姫としての慎みがないって言ってるのかな。この時間帯ならいいかと思ったんだけど。
「ごめんね、朝なら大丈夫かと思ったんだけど、駄目だった?」
「駄目に決まっている。……それとも、おまえは俺に襲われたいのか。それなら歓迎するが」
「いやいや、滅相もない!」
そんなつもりは毛頭ないから!
ぶんぶん首を振って否定していると、カディスの枕元に見慣れた物を発見した。
「あれ、わたしの絵」
一瞬カディスは赤くなると、焦ったようにわたしの絵姿を枕の下に隠した。
なにをそんなに慌ててるんだろ、変なの。
わたしが首を傾げてると、カディスが真っ赤な顔で唸るように言った。
「……話なら後で聞いてやるから、おまえはとっととここから出ろっ」
「なに怒ってるの。変なカディス」
なんでか急に怒りだしたカディスが理解できなくて、まじまじと彼の顔を見る。
「……おまえ、本当に襲うぞ!」
「ごごご、ごめん! わたし隣の部屋にいるから!」
本当にベッドに引きずりこまれそうな気迫をカディスから感じて、慌ててわたしは寝室から逃げ出した。
しばらくして支度を済ませたカディスが寝室から出てきた。
とりあえずカディスがもう怒ってないみたいなので、わたしはほっとした。
「おまえ、朝食はすんだのか?」
「あ……、まだ」
急いでたから食事はまだいいってリイナさんに断ってたんだよね。
カディスにそう言われたことで、わたしは急におなかが空いてきた。昨夜もそんな暇なくてなにも食べられなかったし。
「そうか。では、おまえの分も持って来させる」
「うん、お願い。本当にいろいろとごめんね」
今更だ、とカディスは少し笑うと、侍女さんを呼び出す。カディスが二人分の食事を持ってくるように言うと、既に準備が整っていたようで食事がすぐに運ばれてきた。
「わあ、おいしそう」
焼きたてのパンに、ふわふわのオムレツ、カリカリに焼いたベーコン。ハムとチーズの入ったサラダに濃いめのミルクティー。
わたしはカディスの部屋に押しかけた理由も忘れて、にこにこしながらおいしい朝食を堪能した。
「おまえは本当に旨そうに食べるな」
「うん、本当においしいもの」
食事を終えたわたしは、侍女さんにおかわりのミルクティーを持ってきてもらって一息つく。
「……さて昨日の夜会のことだが」
カディスにそう切り出されて、わたしは当初の目的を思い出した。
「あっ、本当にごめんね。わたし、途中で具合悪くなっちゃったんだけど、まさか気がついたら朝になってるとは思わなくて」
本当にすごい失態だ。カディスには何度謝っても足りないくらいだ。
「気にするな。あらかたの重要人物には引き合わせたし、おまえはよくやっていたぞ。……むしろ、あれはおまえの様子に気がつかなかった俺が悪い」
「そんなこと……。カディス、気を遣ってくれてるのかもしれないけれど、こういうときは怒ってくれた方がよっぽどいいよ」
とんでもない失態をした上に気を遣われたら、申し訳なくて仕方がない。
「いや、本当に大丈夫だ。おまえにあの時退場させてもなんの問題もなかったんだ」
「……それならいいんだけど……」
「それよりも、俺が問題だと思っているのはハーメイ国王のことだが」
「あ……」
わたしは昨夜ギリング王にされたことを思い出して身をすくめた。
「ヒューイから報告を受けたが、無礼な振る舞いをされた上に、妾妃になってくれと言われたそうだな」
「うん、あの時ヒューが来てくれなきゃ、どうなってたか分からなかったよ」
本当にヒューが来てくれてよかった。
後でヒューに助けてもらったお礼言わなくちゃね。
「……そうか。ならば、ハーメイ国王になんらかの抗議はしなければな」
本当は今すぐにも城から叩き出したいが、とカディスが憮然として言う。
その時、キースの訪れが告げられて、彼がカディスの部屋に入ってきた。
「イルーシャ、気がついたんだね。昨日意識を失った君を見た時は本当に驚いたよ。僕を呼びだしてくれればよかったのに」
う、あれだけ言われたのに腕輪使わなかったんだもの、やっぱり言われるよね。
「本当にごめんね。言い訳になっちゃうけど、腕輪を使う間がなくて。……そういえば、わたしが意識を失った後、どうなったの?」
「ウィルローが僕の前に現れて、君が大変なことになってるってわざわざ教えに来たよ」
「ええ? ウィルローが近衛の人を魔法で飛ばしてくれたおかげで、わたしはあんな目にあったわけだけど」
なんというか、ものすごい嫌味なやり方だ。それって挑発じゃないの?
「うん、あれは挑発、もしくは嫌がらせだね。ウィルローがハーメイに仕官してることも驚きだったけれど」
「仕官……。そうだったんだ」
それなら彼がギリング王と一緒にいた理由も分かる。
「詳細はヒューイに聞いたよ。イルーシャ、嫌な思いをしただろう?」
「うん、でももう二度と会わないだろうから平気」
わたしは笑って言ったけど、キースの表情は硬いままだ。
「それで意識のない君を部屋に送って、後はリイナ達に任せたんだけど、本当に具合悪そうだったから心配したよ」
「本当にごめんね。もう大丈夫だから」
今回の件ではいろいろな人に心配かけちゃたなあ。本当に申し訳ない気持ちでいっぱいだ。
「……これまでの疲れが出たんだろうな。おまえの大丈夫は信用ならないから、おまえはもう少し休んでいたほうがいい」
……信用ならないって、カディスひどい。
「そうだね、イルーシャは無理しないで、ゆっくりした方がいいよ」
「あ、庭園とか桜並木を散歩するくらいはいいよね」
「禁止」「駄目だ」
「なんで? もう元気だから大丈夫だよ」
思わずむぅっとしてわたしは聞き返す。
「念の為だよ。また君に倒れられたら困るからね」
それを言われると弱いけど、でも。
「……夜の庭園とか見てみたかったのに」
庭園や桜並木に設置されたあのライトもどき、いつまであるんだろう。
心配してくれるのは嬉しいけど、ここまで強堅に反対されると、夜の花見は諦めるしかないか。
「あの魔法球はしばらく設置しておく。あと二、三日は我慢しろ」
本当に仕方なさそうにカディスが言う。隣でキースも苦笑いしている。
「お花見できるの? カディスありがとう」
披露式典の準備中も結構楽しみにしてたから、嬉しくてわたしはにこにこしてしまった。
「おまえが楽しみにしていたからな。そのくらいはする」
「心配だから、花見には僕が付いていくよ」
キースがそう言うと、カディスが張り合うように言った。
「俺も付いていくぞ」
「カディスは執務があるだろう?」
「夜なら大丈夫だ。意地でも付いていくぞ」
「カディス、子供みたい」
一国の王らしくないことを言うカディスに、わたしは噴き出した。
思えばこの披露式典、準備期間からいろいろあったけれど、とても充実していたな。
ただ、舞踏会が最後まで参加できなかったことと、そのことでみんなに迷惑かけちゃったのがちょっと心残りだけど。
忙しかった一月もようやく終了して、これからは少しゆっくりできるかな。……あ、そういえば、わたしの能力の訓練があったっけ。うん、それはそれで、また頑張ろう。
「……この式典で、ガルディアの経済効果上がったかな?」
「ああ、景気は上々だぞ。おまえのおかげだ、イルーシャ」
「イルーシャ、頑張ったね」
二人が褒めてくれるのを、照れくさい気持ちと、誇らしい気持ちの両方でわたしは聞く。
──うん、それならよかった。
伝説の姫君としての初仕事が一応成功したことにわたしは安堵して、二人に微笑んだ。
ああ、もう朝かあ、とわたしは寝返りを打つ。……えーと、朝?
「嘘お!?」
うわあ、やってしまった!
予想外の現実に、わたしは焦って飛び起きる。
披露パーティの途中で眠ってしまってからの記憶がない。きっとあれから眠ったままだったんだ。
慌ててリイナさんを呼び出したら、すぐに来てくれた。
「イルーシャ様、本日は顔色もよろしいようで良かったですわ。昨夜お倒れになられた時は驚きました」
う……、きっと大騒ぎだったんだろうなあ。本当に申し訳ない。
「心配かけてごめんなさい。もう大丈夫だから」
「ですが、ご無理はなさらないでくださいね。昨日の今日ですから」
「はい。でもちょっとだけ用事があるから、それをすませてからゆっくりします」
もう、これだけはしておかないとわたしの気がすまない。
リイナさんはかしこまりましたと頷くと、わたしをお風呂に連れていってくれた。
わたしはお風呂と朝の支度をすませると、速攻でカディスの部屋へ向かった。
「ほんっとうに、ごめんなさい!」
一応ノックしてから勢いよくカディスの寝室のドアを開けたわたしは、土下座したい気分で彼の元に駆け寄った。
ベッドから身を起こしかけていたカディスが呆気にとられた顔をしてわたしを見ている。
「……おまえが本当に悪いと思ってるのは理解できたが、俺の寝室にまで入ってくるな」
「あ! ごめんっ、寝てたのに起こしちゃって」
気が動転してつい押しかけちゃったけど、カディスはわたしの披露パーティのせいで寝たの遅かったんだ。返す返す、本当に申し訳ない。
カディスは溜息をつくと、ベッドから身を起こした。
「そういうことじゃない。……おまえが鈍いのは分かっているが、男の寝室に簡単に入るんじゃない」
あ、姫としての慎みがないって言ってるのかな。この時間帯ならいいかと思ったんだけど。
「ごめんね、朝なら大丈夫かと思ったんだけど、駄目だった?」
「駄目に決まっている。……それとも、おまえは俺に襲われたいのか。それなら歓迎するが」
「いやいや、滅相もない!」
そんなつもりは毛頭ないから!
ぶんぶん首を振って否定していると、カディスの枕元に見慣れた物を発見した。
「あれ、わたしの絵」
一瞬カディスは赤くなると、焦ったようにわたしの絵姿を枕の下に隠した。
なにをそんなに慌ててるんだろ、変なの。
わたしが首を傾げてると、カディスが真っ赤な顔で唸るように言った。
「……話なら後で聞いてやるから、おまえはとっととここから出ろっ」
「なに怒ってるの。変なカディス」
なんでか急に怒りだしたカディスが理解できなくて、まじまじと彼の顔を見る。
「……おまえ、本当に襲うぞ!」
「ごごご、ごめん! わたし隣の部屋にいるから!」
本当にベッドに引きずりこまれそうな気迫をカディスから感じて、慌ててわたしは寝室から逃げ出した。
しばらくして支度を済ませたカディスが寝室から出てきた。
とりあえずカディスがもう怒ってないみたいなので、わたしはほっとした。
「おまえ、朝食はすんだのか?」
「あ……、まだ」
急いでたから食事はまだいいってリイナさんに断ってたんだよね。
カディスにそう言われたことで、わたしは急におなかが空いてきた。昨夜もそんな暇なくてなにも食べられなかったし。
「そうか。では、おまえの分も持って来させる」
「うん、お願い。本当にいろいろとごめんね」
今更だ、とカディスは少し笑うと、侍女さんを呼び出す。カディスが二人分の食事を持ってくるように言うと、既に準備が整っていたようで食事がすぐに運ばれてきた。
「わあ、おいしそう」
焼きたてのパンに、ふわふわのオムレツ、カリカリに焼いたベーコン。ハムとチーズの入ったサラダに濃いめのミルクティー。
わたしはカディスの部屋に押しかけた理由も忘れて、にこにこしながらおいしい朝食を堪能した。
「おまえは本当に旨そうに食べるな」
「うん、本当においしいもの」
食事を終えたわたしは、侍女さんにおかわりのミルクティーを持ってきてもらって一息つく。
「……さて昨日の夜会のことだが」
カディスにそう切り出されて、わたしは当初の目的を思い出した。
「あっ、本当にごめんね。わたし、途中で具合悪くなっちゃったんだけど、まさか気がついたら朝になってるとは思わなくて」
本当にすごい失態だ。カディスには何度謝っても足りないくらいだ。
「気にするな。あらかたの重要人物には引き合わせたし、おまえはよくやっていたぞ。……むしろ、あれはおまえの様子に気がつかなかった俺が悪い」
「そんなこと……。カディス、気を遣ってくれてるのかもしれないけれど、こういうときは怒ってくれた方がよっぽどいいよ」
とんでもない失態をした上に気を遣われたら、申し訳なくて仕方がない。
「いや、本当に大丈夫だ。おまえにあの時退場させてもなんの問題もなかったんだ」
「……それならいいんだけど……」
「それよりも、俺が問題だと思っているのはハーメイ国王のことだが」
「あ……」
わたしは昨夜ギリング王にされたことを思い出して身をすくめた。
「ヒューイから報告を受けたが、無礼な振る舞いをされた上に、妾妃になってくれと言われたそうだな」
「うん、あの時ヒューが来てくれなきゃ、どうなってたか分からなかったよ」
本当にヒューが来てくれてよかった。
後でヒューに助けてもらったお礼言わなくちゃね。
「……そうか。ならば、ハーメイ国王になんらかの抗議はしなければな」
本当は今すぐにも城から叩き出したいが、とカディスが憮然として言う。
その時、キースの訪れが告げられて、彼がカディスの部屋に入ってきた。
「イルーシャ、気がついたんだね。昨日意識を失った君を見た時は本当に驚いたよ。僕を呼びだしてくれればよかったのに」
う、あれだけ言われたのに腕輪使わなかったんだもの、やっぱり言われるよね。
「本当にごめんね。言い訳になっちゃうけど、腕輪を使う間がなくて。……そういえば、わたしが意識を失った後、どうなったの?」
「ウィルローが僕の前に現れて、君が大変なことになってるってわざわざ教えに来たよ」
「ええ? ウィルローが近衛の人を魔法で飛ばしてくれたおかげで、わたしはあんな目にあったわけだけど」
なんというか、ものすごい嫌味なやり方だ。それって挑発じゃないの?
「うん、あれは挑発、もしくは嫌がらせだね。ウィルローがハーメイに仕官してることも驚きだったけれど」
「仕官……。そうだったんだ」
それなら彼がギリング王と一緒にいた理由も分かる。
「詳細はヒューイに聞いたよ。イルーシャ、嫌な思いをしただろう?」
「うん、でももう二度と会わないだろうから平気」
わたしは笑って言ったけど、キースの表情は硬いままだ。
「それで意識のない君を部屋に送って、後はリイナ達に任せたんだけど、本当に具合悪そうだったから心配したよ」
「本当にごめんね。もう大丈夫だから」
今回の件ではいろいろな人に心配かけちゃたなあ。本当に申し訳ない気持ちでいっぱいだ。
「……これまでの疲れが出たんだろうな。おまえの大丈夫は信用ならないから、おまえはもう少し休んでいたほうがいい」
……信用ならないって、カディスひどい。
「そうだね、イルーシャは無理しないで、ゆっくりした方がいいよ」
「あ、庭園とか桜並木を散歩するくらいはいいよね」
「禁止」「駄目だ」
「なんで? もう元気だから大丈夫だよ」
思わずむぅっとしてわたしは聞き返す。
「念の為だよ。また君に倒れられたら困るからね」
それを言われると弱いけど、でも。
「……夜の庭園とか見てみたかったのに」
庭園や桜並木に設置されたあのライトもどき、いつまであるんだろう。
心配してくれるのは嬉しいけど、ここまで強堅に反対されると、夜の花見は諦めるしかないか。
「あの魔法球はしばらく設置しておく。あと二、三日は我慢しろ」
本当に仕方なさそうにカディスが言う。隣でキースも苦笑いしている。
「お花見できるの? カディスありがとう」
披露式典の準備中も結構楽しみにしてたから、嬉しくてわたしはにこにこしてしまった。
「おまえが楽しみにしていたからな。そのくらいはする」
「心配だから、花見には僕が付いていくよ」
キースがそう言うと、カディスが張り合うように言った。
「俺も付いていくぞ」
「カディスは執務があるだろう?」
「夜なら大丈夫だ。意地でも付いていくぞ」
「カディス、子供みたい」
一国の王らしくないことを言うカディスに、わたしは噴き出した。
思えばこの披露式典、準備期間からいろいろあったけれど、とても充実していたな。
ただ、舞踏会が最後まで参加できなかったことと、そのことでみんなに迷惑かけちゃったのがちょっと心残りだけど。
忙しかった一月もようやく終了して、これからは少しゆっくりできるかな。……あ、そういえば、わたしの能力の訓練があったっけ。うん、それはそれで、また頑張ろう。
「……この式典で、ガルディアの経済効果上がったかな?」
「ああ、景気は上々だぞ。おまえのおかげだ、イルーシャ」
「イルーシャ、頑張ったね」
二人が褒めてくれるのを、照れくさい気持ちと、誇らしい気持ちの両方でわたしは聞く。
──うん、それならよかった。
伝説の姫君としての初仕事が一応成功したことにわたしは安堵して、二人に微笑んだ。
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