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第一章:伝説の姫君と王と魔術師
第9話 新しい世界
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決意はしたものの、やっぱり二人に面と向かって言うのは恥ずかしい。
わたしはぐるぐると巡る思いと戦いながら、花々が咲き乱れる庭園をやっぱりぐるぐると歩いていた。
「……なにをやってるんだおまえは。変なやつだな」
問題の一人が現れたのに驚いて、わたしは飛び上がってしまった。
「カ、カディス、なんで……?」
「窓からおまえがここにいるのが見えたから来てみただけだ。さっきのおまえの行動は端から見たら奇行にしか見えんぞ」
「う」
まったくその通りなので、わたしはなにも言い返せない。
「……なにか悩んでるのか? 俺とキースのせいか」
「うわあぁ、カディスの馬鹿、どうしてくれるの、思い出しちゃったじゃないよ!」
──カディスに抱きしめられて告白されたこととか、キースにキスされて告白されたこととか。
真っ赤になった頬を隠すように覆い、その場を駆け出そうとして、わたしははた、と気がついた。
いや、ここで逃げたら駄目なんだ。
「そういえば、わたしカディスに言ってなかったことあるんだ」
「なんだ、昨日の大嫌いという言葉のことについてか」
「……ああ、そう言えばそんなこと言ったっけ」
「おまえ……」
わたしのその言葉にカディスの頬が引きつった。いや、すっかり忘れてたよ、ごめん。
「大嫌いって言ったのは、八つ当たりだった。ごめん、謝る」
「……八つ当たり?」
「カディス、あの時わたしがここに来てくれて良かったって言ったじゃない。わたしは元の世界にはどうやっても帰れないのが分かってたから、頭に来てつい言っちゃったんだよ」
「……帰れないのが分かってたとはどういうことだ」
カディスが不審そうに眉を寄せた。……そういえば、キースには言ったけど、カディスは知らないんだっけ。
「ああ、元の世界ではわたし、もう死んでるから」
「な……」
カディスが瞳を見開いて、言葉に詰まる。
「なぜ、それを早く言わない。分かっていたら、あんなことは……」
狼狽するカディスにわたしはちょっと笑った。
「分かったのはつい昨日のことだったから……。夢で見たの、わたしの遺体が焼かれるところ。それでわたしがもう死んでるって確信したの」
「だが、夢で見ただけなら、元の体がなくなっているとは限らないだろう」
「……ううん、それはないよ。うまく言えないけど、わたしには分かるんだ」
そう言って胸元に手を当てる。
あの時の喪失感を説明するのはたぶん難しいと思う。
今でも泣きたくなるような虚脱感と絶望感は忘れられない。
「だからね、たぶん、わたしこのままずっとイルーシャのままなんだ。わたしの元の体はもうないから」
「──ユーキ」
カディスの腕が私に伸びようとしたその時、目の間にキースが現れた。
本当にいつも唐突だね、キース。それで助けられていることも何度もあるけど。
「キース、おまえ……」
「ユーキが心配なのは、カディス、君だけじゃないんだよ。僕もだ」
まだ二人とも冷戦中なのかな。
わたしの元の体のことも話してなかったようだし。
……あ、そうだ。
二人の顔を見て、わたしは当初の決意を思い出した。
「わたし、二人に聞いてもらいたいことがあるんだけど」
「なんだ」「なに?」
ほとんど同時に返事が返ってくる。
──うん、大丈夫、ちゃんと言える。
私は深呼吸を一つして、覚悟を決めた。
「あのね、わたし決めたんだ。これからは原田由希じゃなくて、イルーシャとして生きるって」
「──」
二人がなにかを言いかけて沈黙する。
「どうせ、元の体には戻れないし、だったらこのままイルーシャとして過ごすのも悪くないかなと思って」
なんと返答しようか考えあぐねているらしい二人から視線を逸らすようにして、私は横を向く。
「……わたし、元の世界にいたときね」
まずい、また泣きたくなってきた。
わたしは溢れてきた涙をこぼさないように顔を上げた。
「本当に適当に生きてたの。適当に高校卒業して、適当にバイトして、適当に友達づきあいして。これからも、そんなふうにして適当に生きていくんだろうなとか漠然と思ってた」
こう言うと、本当につまんない人生だな。なんかもっとやりようがあったろうに。
「でも、そんな生き方しかしてこなかったこと、自分が死んでるって分かってから、すごく後悔した。今までのわたしが生きてきた意味ってなんだったんだろうって思ったの」
それに、泣いてたお父さんとお母さん。
結局、なにも親孝行できずに死んじゃったな。
そういえば、二人共わたしの小さい時の写真をケータイの待ち受けにしてたっけ。
愛されていることにも気づかずにいたなんて、本当にわたしは親不孝だ。
死んじゃった今でも、二人の待ち受けにわたしが表示されているのかな。……だったらいいな。
なにも残せなかった。
それが、今とても哀しい。
もし、なにかに打ち込んでたら。
もし、親友がいたら。
もし、両親の愛情に気づいていたら。
今のこの空虚な気持ちもなにか違っていただろうか。
「わたしがこの世界に来たのはなにか意味があるのかもしれないし、もしかしたらないのかもしれない。でも、今度はイルーシャとしてちゃんと生きるよ。今度は後悔しないように」
この体になってから、まだいろいろなことに慣れなくて大変だけど、少なくとも適当なだけの人生になるようなことはないだろうな。そう考えると、お姫様として生活するのも悪くない気がしてきた。
「……あのね、わたしのこと今度からユーキじゃなくてイルーシャって呼んで」
「……おまえは、それでいいのか?」
「うん、いいよ。それに、イルーシャってことになってるのに、ユーキって呼ばれてたら都合が悪いでしょ?」
「それはそうだが……」
「あ、あと、わたしががさつで口が悪いってもう周りの人にばれてるみたいだから、もう猫被らなくてもいいよね。公の場ではちゃんとお姫様やるつもりでいるけど」
「うん、それでいいと思うよ。君はそのままの方が魅力的だし」
「キース、どさくさに紛れて口説くな。……俺もそれには異論はないがな」
キースを牽制しつつ、カディスが偉そうに同意した。
「よかった……。ありがとう」
そのままの自分で振る舞うのを反対されるのが一番の心配だったから、正直ほっとした。
「別に礼を言われることでもない」
「それでも、ありがとう。嬉しい」
結構無茶な要求かなって思ってたから、認めてくれて本当によかった。そう思って微笑む。
落ち着いてくると、庭園に目をやる余裕がでてきた。
咲き乱れる花々。風に舞う花びら。
──なんて綺麗なんだろう。
この世界でわたしはもう一度生きるんだ。
そのために、今やらなければいけないことがある。
「ね、早速だけど、わたしの名前呼んでみて」
「ユ……イルーシャ」
「……イルーシャ」
うん、わたしはイルーシャ。
わたしは二人に向き合って微笑んだ。
これは原田由希に決別して、イルーシャとして生きていくための儀式だ。
消えゆくもう一人のわたしを思って、涙が自然と頬を伝っていく。
「……もう一度呼んで」
「イルーシャ」「イルーシャ」
二人の優しい声に涙を堪えられなくて、わたしは顔を覆う。
「……うん」
これでもう、わたしは原田由希じゃない。わたしはイルーシャだ。
けど、わたしの本質は変わらないから、それでいいよね。
そう思うのに、涙が止まらないのはなぜだろう。
風が優しく吹いてわたしの髪をそっと揺らしていく。
二人がまたわたしの名前を呼ぶ。
「──うん」
イルーシャはわたし、わたしはイルーシャ。
この世界でわたしは新しい生を刻む。
そして、今度こそ後悔しないように生きていくから──
わたしはぐるぐると巡る思いと戦いながら、花々が咲き乱れる庭園をやっぱりぐるぐると歩いていた。
「……なにをやってるんだおまえは。変なやつだな」
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「……なにか悩んでるのか? 俺とキースのせいか」
「うわあぁ、カディスの馬鹿、どうしてくれるの、思い出しちゃったじゃないよ!」
──カディスに抱きしめられて告白されたこととか、キースにキスされて告白されたこととか。
真っ赤になった頬を隠すように覆い、その場を駆け出そうとして、わたしははた、と気がついた。
いや、ここで逃げたら駄目なんだ。
「そういえば、わたしカディスに言ってなかったことあるんだ」
「なんだ、昨日の大嫌いという言葉のことについてか」
「……ああ、そう言えばそんなこと言ったっけ」
「おまえ……」
わたしのその言葉にカディスの頬が引きつった。いや、すっかり忘れてたよ、ごめん。
「大嫌いって言ったのは、八つ当たりだった。ごめん、謝る」
「……八つ当たり?」
「カディス、あの時わたしがここに来てくれて良かったって言ったじゃない。わたしは元の世界にはどうやっても帰れないのが分かってたから、頭に来てつい言っちゃったんだよ」
「……帰れないのが分かってたとはどういうことだ」
カディスが不審そうに眉を寄せた。……そういえば、キースには言ったけど、カディスは知らないんだっけ。
「ああ、元の世界ではわたし、もう死んでるから」
「な……」
カディスが瞳を見開いて、言葉に詰まる。
「なぜ、それを早く言わない。分かっていたら、あんなことは……」
狼狽するカディスにわたしはちょっと笑った。
「分かったのはつい昨日のことだったから……。夢で見たの、わたしの遺体が焼かれるところ。それでわたしがもう死んでるって確信したの」
「だが、夢で見ただけなら、元の体がなくなっているとは限らないだろう」
「……ううん、それはないよ。うまく言えないけど、わたしには分かるんだ」
そう言って胸元に手を当てる。
あの時の喪失感を説明するのはたぶん難しいと思う。
今でも泣きたくなるような虚脱感と絶望感は忘れられない。
「だからね、たぶん、わたしこのままずっとイルーシャのままなんだ。わたしの元の体はもうないから」
「──ユーキ」
カディスの腕が私に伸びようとしたその時、目の間にキースが現れた。
本当にいつも唐突だね、キース。それで助けられていることも何度もあるけど。
「キース、おまえ……」
「ユーキが心配なのは、カディス、君だけじゃないんだよ。僕もだ」
まだ二人とも冷戦中なのかな。
わたしの元の体のことも話してなかったようだし。
……あ、そうだ。
二人の顔を見て、わたしは当初の決意を思い出した。
「わたし、二人に聞いてもらいたいことがあるんだけど」
「なんだ」「なに?」
ほとんど同時に返事が返ってくる。
──うん、大丈夫、ちゃんと言える。
私は深呼吸を一つして、覚悟を決めた。
「あのね、わたし決めたんだ。これからは原田由希じゃなくて、イルーシャとして生きるって」
「──」
二人がなにかを言いかけて沈黙する。
「どうせ、元の体には戻れないし、だったらこのままイルーシャとして過ごすのも悪くないかなと思って」
なんと返答しようか考えあぐねているらしい二人から視線を逸らすようにして、私は横を向く。
「……わたし、元の世界にいたときね」
まずい、また泣きたくなってきた。
わたしは溢れてきた涙をこぼさないように顔を上げた。
「本当に適当に生きてたの。適当に高校卒業して、適当にバイトして、適当に友達づきあいして。これからも、そんなふうにして適当に生きていくんだろうなとか漠然と思ってた」
こう言うと、本当につまんない人生だな。なんかもっとやりようがあったろうに。
「でも、そんな生き方しかしてこなかったこと、自分が死んでるって分かってから、すごく後悔した。今までのわたしが生きてきた意味ってなんだったんだろうって思ったの」
それに、泣いてたお父さんとお母さん。
結局、なにも親孝行できずに死んじゃったな。
そういえば、二人共わたしの小さい時の写真をケータイの待ち受けにしてたっけ。
愛されていることにも気づかずにいたなんて、本当にわたしは親不孝だ。
死んじゃった今でも、二人の待ち受けにわたしが表示されているのかな。……だったらいいな。
なにも残せなかった。
それが、今とても哀しい。
もし、なにかに打ち込んでたら。
もし、親友がいたら。
もし、両親の愛情に気づいていたら。
今のこの空虚な気持ちもなにか違っていただろうか。
「わたしがこの世界に来たのはなにか意味があるのかもしれないし、もしかしたらないのかもしれない。でも、今度はイルーシャとしてちゃんと生きるよ。今度は後悔しないように」
この体になってから、まだいろいろなことに慣れなくて大変だけど、少なくとも適当なだけの人生になるようなことはないだろうな。そう考えると、お姫様として生活するのも悪くない気がしてきた。
「……あのね、わたしのこと今度からユーキじゃなくてイルーシャって呼んで」
「……おまえは、それでいいのか?」
「うん、いいよ。それに、イルーシャってことになってるのに、ユーキって呼ばれてたら都合が悪いでしょ?」
「それはそうだが……」
「あ、あと、わたしががさつで口が悪いってもう周りの人にばれてるみたいだから、もう猫被らなくてもいいよね。公の場ではちゃんとお姫様やるつもりでいるけど」
「うん、それでいいと思うよ。君はそのままの方が魅力的だし」
「キース、どさくさに紛れて口説くな。……俺もそれには異論はないがな」
キースを牽制しつつ、カディスが偉そうに同意した。
「よかった……。ありがとう」
そのままの自分で振る舞うのを反対されるのが一番の心配だったから、正直ほっとした。
「別に礼を言われることでもない」
「それでも、ありがとう。嬉しい」
結構無茶な要求かなって思ってたから、認めてくれて本当によかった。そう思って微笑む。
落ち着いてくると、庭園に目をやる余裕がでてきた。
咲き乱れる花々。風に舞う花びら。
──なんて綺麗なんだろう。
この世界でわたしはもう一度生きるんだ。
そのために、今やらなければいけないことがある。
「ね、早速だけど、わたしの名前呼んでみて」
「ユ……イルーシャ」
「……イルーシャ」
うん、わたしはイルーシャ。
わたしは二人に向き合って微笑んだ。
これは原田由希に決別して、イルーシャとして生きていくための儀式だ。
消えゆくもう一人のわたしを思って、涙が自然と頬を伝っていく。
「……もう一度呼んで」
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二人の優しい声に涙を堪えられなくて、わたしは顔を覆う。
「……うん」
これでもう、わたしは原田由希じゃない。わたしはイルーシャだ。
けど、わたしの本質は変わらないから、それでいいよね。
そう思うのに、涙が止まらないのはなぜだろう。
風が優しく吹いてわたしの髪をそっと揺らしていく。
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「──うん」
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