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第三章:魔術師見習いの少女と周囲の人々
第34話 日頃の成果
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「エドアルド殿下、本当に街へ降りられるんですか?」
本日何度目かの確認を千花は繰り返した。
「もちろん、そのつもりだよ」
しかし、その返事ははっきりと拒絶は許さないと言外に語っており、千花は困ってしまった。
髪の色を目立たない茶に変え、服装をシンプルな物にしたことで、王子様然としていた容姿はいくらか変わったが、それでも貴族、それも上の方の人物には見えてしまう。
「アルド兄さんが、街に出るのは無理があるんじゃないかなあ。それなりの階級の人間ってバレバレだよ」
エドアルドが街に出ることを反対していたレイナルドは、ここぞとばかりに言った。
「第三王子も見るものが見れば、同じようなものだぞ」
「あ、そういえば、ラヴィニアさんはレイド様のことそれなりの地位だって見抜いてましたよ」
「えっ、そうなんだ。それは困ったな」
レイナルドが驚いたように瞳を見開いてから片手で口元を覆う。
「でも、ラヴィニアさんはバラすようなことしませんよ。そんなことしたら野暮だからって言ってました」
千花がそう言うと、レイナルドは安心したようにほっと息をついた。
「なるほど、あの踊り子達は信用できそうだね」
「そうですね。ちょっと強引ですけど、いい人ですよ」
先週、無理矢理舞姫の格好をさせられた千花は少し苦笑しながら言った。
「成程、なら安心だね」
「……それで結局、第二王子は街まで付いてくるのか」
エドアルドが千花に微笑んだところで、カイルがつまらなそうに言った。
「もちろん、王族たる者、民の生活を知ることも大事だからね」
「アルド兄さんのそれは建前で、本当はティカと一緒にいたいんだろ」
「まあ、そうなのだけどね」
しれっと言うエドアルドに千花は頭痛を覚えた。
こんな見目良い三人を引き連れて街中を歩かなければならないのだろうか。
カイルとレイナルドといた先週ですら充分周囲の注目を集めていたというのに。
「出来れば、あまり注目を浴びない方向でお願いします。付いてこられるなら、隠匿魔法を使ってください。わたしは自転車に乗って街まで行きますから」
「あ、それならティカは僕と一緒に相乗り……」
「嫌です」
嬉々として言ってきたレイナルドを千花は一言で切り捨てる。すると、レイナルドは目に見えてがっくりした。
しかし、千花としてはなんとしてもこれ以上目立つのだけは避けたかった。
第一この自転車に乗っているだけでも相当目立つのだ。
「それにしても、わたしもう護衛いらないんじゃないですか? 移動魔法こそまだ使えませんけど、無詠唱でも初等魔法程度なら大丈夫ですし」
そう言いながら、千花は自分のこの主張がかなり正しいもののように思えてきた。
あまりに過剰な心配は逆に鬱陶しいだけだ。
「思い上がるな、ティカ。確かにおまえの魔力は強大だが、初等魔法ばかりでは、その道の玄人には赤子同然だぞ。自分から誘拐してくれと言っているようなものだ」
カイルに厳しい顔で言われて、千花はこれでもまだまだなのかとしゅんとする。
確かに今まで順調に魔法を覚えることが出来ていたので、少し調子に乗っていたかもしれない。
「……護衛の件は分かったよ。でも、なるべく目立たないようにしてほしい」
「ああ、そうする」
目立ちすぎることに関しては、三人とも同意見だったらしく、それはすんなり同意を受けられたので、千花はほっとした。
──それにしても、わたしまだまだなのかあ。
移動魔法くらいは使えるかどうかカイルにそのうち聞いてみよう。
これは帰ったらまた勉強だ、と千花が決意を新たにしていると、カイルの館の使用人のジョシュアが自転車を納屋から出してきた。
千花は彼から自転車を受け取ると、颯爽とまたがった。
「みなさま、いってらっしゃいませ」
ナサニエルとメリサが玄関の前で皆を見送る。
「ああ」
「いってきます」
千花はカイルの館の者達に手を振ると自転車を漕ぎだした。
千花は自転車を漕ぎながら爽やかな風を受け、久しぶりの休暇に気分を踊らせていた。
目立つ三人はカイルの隠匿魔法と飛行魔法とで後を付いてきているらしい。
今日はどうしようかな、と千花は自転車を走らせながら考える。
ラヴィニアさんとは先週会う約束をしたし、……あ、そうだ、アクセサリーを買ったアルフレッドさんの魔法道具も興味があったら見ていってくれって言われてたんだよね。
こっちの魔法道具は、千花の世界の電気で動く機械に近いものもあり、千花はかなり興味があった。
……よし、午前中はアルフレッドさんの店を訪ねて、午後はラヴィニアさんの舞台を見よう。
先週の反省を踏まえて、今日は早めにカイルの屋敷を出ているし、余裕があったら他の店も見たい。
千花は気づいていなかったが、美少女がにこにこしながら変わった乗り物に乗っている様子はかなり周囲の注目を集めていた。
「よお、嬢ちゃん」
もうすぐルディア市街中心部と言うところで千花は三人の男に通せんぼうを食らった。
男達の人相はあまりよろしくない。……街のごろつきだろうか。
仕方なく千花が自転車を止めると、男達は値踏みするかのように千花と自転車を見てきた。
その粘り付くような視線にぞっとしながらも千花は気丈に振る舞った。
なんといってもこちらには最上級の護衛が付いている。
千花としても、どう見てもその道のプロとは思えない男達に負けるつもりはなかった。
「なんでしょうか。道をふさがれると困るのですが、そこを通していただけませんか」
「それは聞けないなあ」
にやにやとして男達が千花を取り囲む。
「見たところいいところのお嬢ちゃんらしいが、一人で出歩くなんて物騒だぜえ」
……目の前のあんた達が物騒だと千花は口に出しかけたが黙っていた。
「おやおや、怖くて口もきけないのかい? お嬢ちゃん、よく見たら上玉じゃないか。これは高く売れそうだなあ。その変わった乗り物もな」
……要するに人身売買をしている輩か。
それなら反撃を遠慮することもないだろう。
千花はとっさに張った防御壁を膨張させて、手を延ばしてきた男達を吹き飛ばす。
ついでに軽い電撃を落として、ごろつき達を痺れさせ動けなくさせた。
千花は風魔法でごろつき達を邪魔にならない場所に一カ所にまとめた後、拘束魔法と防御魔法で逃げられなくさせた。
「……確かにこのくらいの輩なら問題はないようだな」
それまで千花の反撃を見守っていたらしいカイルが隠匿魔法を解除すると、ごろつき達はぎょっとしたように彼を見た。
「カ、カイル・イノーセン……ッ」
どうやらカイルはとても有名人らしい。
まあ、彼は当代一の魔術師だから、そうであってもまったく不思議ではないのだが。
それにしても、このごろつき達の怯えようが気にかかる。
「俺の弟子にちょっかいを出そうとしたのだから、それ相応の覚悟をして貰おうか。……生きたまま火で炙られるのと、手足の末端から腐るのとどちらがいい? それぞれ好きな方を選べ」
千花は、カイルの発言の不穏な内容に思わずぎょっとした。
対するごろつき達は泡を吹き出さんばかりに怯えている。
「いや、いくらなんでもそんなことしなくても。街の警護所に突き出せばいいじゃない」
人身売買なんてやっている連中はそれなりの罰を受けてしかるべきだが、そんなグロいことを目の前でやられるのはごめんだった。
「お、お嬢ちゃん……」
その発言をなんと誤解したものか、ごろつき達が感謝するように千花を見てきた。
だから、千花は彼らのその勘違いをしっかり訂正した。
「もちろん、人身売買はいけないことですから、しっかり罰を受けるようにさせてもらいます」
ちょうどよく、この場には王子であるエドアルドとレイナルドがいるし、警護所の人達もしっかりと仕事をしてくれるだろう。
……しかし、せっかくの休日だというのに、街に繰り出す前に荷物が増えてしまった。
こうなると、街の警護所に早いところごろつき達をカイルの移動魔法で送らなければならない。
──せっかく人が久しぶりのサイクリングを楽しんでいたっていうのに。
週一の楽しみを邪魔された千花は結構不機嫌だった。
なので、このごろつき達にささやかな嫌がらせをしてやることにした。
えーと、さっきよりも弱い電撃、出来るかな?
千花が拘束魔法で動けない男達に向かって指を指すと、パチパチと軽い電撃がはじけた。
「うおっ!?」
「ひいっ」
「うわああ!」
単なる静電気なのに大袈裟なやつらだ、と千花は冷めた目で見つめる。
「……おまえ、なかなか容赦ないな」
なぜかカイルが冷や汗を流して千花を見ている。
後ろにいた二人の王子もなぜか引き気味だ。
「ま、まあ、ティカが無事で良かったよ」
「あ、ああ、そうだな」
そう言う王子達の目が泳いでいて、千花は首を傾げた。
なにかまずいことでもやったのだろうか、と少し千花は不安になる。
しかし、彼らはどんなに千花が聞いても言葉を濁すだけだった。
それから、先程千花がやった防御魔法の中でのごく弱い電気を流す魔法は、拷問にも使われるものだということを千花はだいぶ後になってから知った。
そんなことはすぐに教えてほしいと千花は心の中で叫んだが、残念ながらそれはまだ先の話である。
本日何度目かの確認を千花は繰り返した。
「もちろん、そのつもりだよ」
しかし、その返事ははっきりと拒絶は許さないと言外に語っており、千花は困ってしまった。
髪の色を目立たない茶に変え、服装をシンプルな物にしたことで、王子様然としていた容姿はいくらか変わったが、それでも貴族、それも上の方の人物には見えてしまう。
「アルド兄さんが、街に出るのは無理があるんじゃないかなあ。それなりの階級の人間ってバレバレだよ」
エドアルドが街に出ることを反対していたレイナルドは、ここぞとばかりに言った。
「第三王子も見るものが見れば、同じようなものだぞ」
「あ、そういえば、ラヴィニアさんはレイド様のことそれなりの地位だって見抜いてましたよ」
「えっ、そうなんだ。それは困ったな」
レイナルドが驚いたように瞳を見開いてから片手で口元を覆う。
「でも、ラヴィニアさんはバラすようなことしませんよ。そんなことしたら野暮だからって言ってました」
千花がそう言うと、レイナルドは安心したようにほっと息をついた。
「なるほど、あの踊り子達は信用できそうだね」
「そうですね。ちょっと強引ですけど、いい人ですよ」
先週、無理矢理舞姫の格好をさせられた千花は少し苦笑しながら言った。
「成程、なら安心だね」
「……それで結局、第二王子は街まで付いてくるのか」
エドアルドが千花に微笑んだところで、カイルがつまらなそうに言った。
「もちろん、王族たる者、民の生活を知ることも大事だからね」
「アルド兄さんのそれは建前で、本当はティカと一緒にいたいんだろ」
「まあ、そうなのだけどね」
しれっと言うエドアルドに千花は頭痛を覚えた。
こんな見目良い三人を引き連れて街中を歩かなければならないのだろうか。
カイルとレイナルドといた先週ですら充分周囲の注目を集めていたというのに。
「出来れば、あまり注目を浴びない方向でお願いします。付いてこられるなら、隠匿魔法を使ってください。わたしは自転車に乗って街まで行きますから」
「あ、それならティカは僕と一緒に相乗り……」
「嫌です」
嬉々として言ってきたレイナルドを千花は一言で切り捨てる。すると、レイナルドは目に見えてがっくりした。
しかし、千花としてはなんとしてもこれ以上目立つのだけは避けたかった。
第一この自転車に乗っているだけでも相当目立つのだ。
「それにしても、わたしもう護衛いらないんじゃないですか? 移動魔法こそまだ使えませんけど、無詠唱でも初等魔法程度なら大丈夫ですし」
そう言いながら、千花は自分のこの主張がかなり正しいもののように思えてきた。
あまりに過剰な心配は逆に鬱陶しいだけだ。
「思い上がるな、ティカ。確かにおまえの魔力は強大だが、初等魔法ばかりでは、その道の玄人には赤子同然だぞ。自分から誘拐してくれと言っているようなものだ」
カイルに厳しい顔で言われて、千花はこれでもまだまだなのかとしゅんとする。
確かに今まで順調に魔法を覚えることが出来ていたので、少し調子に乗っていたかもしれない。
「……護衛の件は分かったよ。でも、なるべく目立たないようにしてほしい」
「ああ、そうする」
目立ちすぎることに関しては、三人とも同意見だったらしく、それはすんなり同意を受けられたので、千花はほっとした。
──それにしても、わたしまだまだなのかあ。
移動魔法くらいは使えるかどうかカイルにそのうち聞いてみよう。
これは帰ったらまた勉強だ、と千花が決意を新たにしていると、カイルの館の使用人のジョシュアが自転車を納屋から出してきた。
千花は彼から自転車を受け取ると、颯爽とまたがった。
「みなさま、いってらっしゃいませ」
ナサニエルとメリサが玄関の前で皆を見送る。
「ああ」
「いってきます」
千花はカイルの館の者達に手を振ると自転車を漕ぎだした。
千花は自転車を漕ぎながら爽やかな風を受け、久しぶりの休暇に気分を踊らせていた。
目立つ三人はカイルの隠匿魔法と飛行魔法とで後を付いてきているらしい。
今日はどうしようかな、と千花は自転車を走らせながら考える。
ラヴィニアさんとは先週会う約束をしたし、……あ、そうだ、アクセサリーを買ったアルフレッドさんの魔法道具も興味があったら見ていってくれって言われてたんだよね。
こっちの魔法道具は、千花の世界の電気で動く機械に近いものもあり、千花はかなり興味があった。
……よし、午前中はアルフレッドさんの店を訪ねて、午後はラヴィニアさんの舞台を見よう。
先週の反省を踏まえて、今日は早めにカイルの屋敷を出ているし、余裕があったら他の店も見たい。
千花は気づいていなかったが、美少女がにこにこしながら変わった乗り物に乗っている様子はかなり周囲の注目を集めていた。
「よお、嬢ちゃん」
もうすぐルディア市街中心部と言うところで千花は三人の男に通せんぼうを食らった。
男達の人相はあまりよろしくない。……街のごろつきだろうか。
仕方なく千花が自転車を止めると、男達は値踏みするかのように千花と自転車を見てきた。
その粘り付くような視線にぞっとしながらも千花は気丈に振る舞った。
なんといってもこちらには最上級の護衛が付いている。
千花としても、どう見てもその道のプロとは思えない男達に負けるつもりはなかった。
「なんでしょうか。道をふさがれると困るのですが、そこを通していただけませんか」
「それは聞けないなあ」
にやにやとして男達が千花を取り囲む。
「見たところいいところのお嬢ちゃんらしいが、一人で出歩くなんて物騒だぜえ」
……目の前のあんた達が物騒だと千花は口に出しかけたが黙っていた。
「おやおや、怖くて口もきけないのかい? お嬢ちゃん、よく見たら上玉じゃないか。これは高く売れそうだなあ。その変わった乗り物もな」
……要するに人身売買をしている輩か。
それなら反撃を遠慮することもないだろう。
千花はとっさに張った防御壁を膨張させて、手を延ばしてきた男達を吹き飛ばす。
ついでに軽い電撃を落として、ごろつき達を痺れさせ動けなくさせた。
千花は風魔法でごろつき達を邪魔にならない場所に一カ所にまとめた後、拘束魔法と防御魔法で逃げられなくさせた。
「……確かにこのくらいの輩なら問題はないようだな」
それまで千花の反撃を見守っていたらしいカイルが隠匿魔法を解除すると、ごろつき達はぎょっとしたように彼を見た。
「カ、カイル・イノーセン……ッ」
どうやらカイルはとても有名人らしい。
まあ、彼は当代一の魔術師だから、そうであってもまったく不思議ではないのだが。
それにしても、このごろつき達の怯えようが気にかかる。
「俺の弟子にちょっかいを出そうとしたのだから、それ相応の覚悟をして貰おうか。……生きたまま火で炙られるのと、手足の末端から腐るのとどちらがいい? それぞれ好きな方を選べ」
千花は、カイルの発言の不穏な内容に思わずぎょっとした。
対するごろつき達は泡を吹き出さんばかりに怯えている。
「いや、いくらなんでもそんなことしなくても。街の警護所に突き出せばいいじゃない」
人身売買なんてやっている連中はそれなりの罰を受けてしかるべきだが、そんなグロいことを目の前でやられるのはごめんだった。
「お、お嬢ちゃん……」
その発言をなんと誤解したものか、ごろつき達が感謝するように千花を見てきた。
だから、千花は彼らのその勘違いをしっかり訂正した。
「もちろん、人身売買はいけないことですから、しっかり罰を受けるようにさせてもらいます」
ちょうどよく、この場には王子であるエドアルドとレイナルドがいるし、警護所の人達もしっかりと仕事をしてくれるだろう。
……しかし、せっかくの休日だというのに、街に繰り出す前に荷物が増えてしまった。
こうなると、街の警護所に早いところごろつき達をカイルの移動魔法で送らなければならない。
──せっかく人が久しぶりのサイクリングを楽しんでいたっていうのに。
週一の楽しみを邪魔された千花は結構不機嫌だった。
なので、このごろつき達にささやかな嫌がらせをしてやることにした。
えーと、さっきよりも弱い電撃、出来るかな?
千花が拘束魔法で動けない男達に向かって指を指すと、パチパチと軽い電撃がはじけた。
「うおっ!?」
「ひいっ」
「うわああ!」
単なる静電気なのに大袈裟なやつらだ、と千花は冷めた目で見つめる。
「……おまえ、なかなか容赦ないな」
なぜかカイルが冷や汗を流して千花を見ている。
後ろにいた二人の王子もなぜか引き気味だ。
「ま、まあ、ティカが無事で良かったよ」
「あ、ああ、そうだな」
そう言う王子達の目が泳いでいて、千花は首を傾げた。
なにかまずいことでもやったのだろうか、と少し千花は不安になる。
しかし、彼らはどんなに千花が聞いても言葉を濁すだけだった。
それから、先程千花がやった防御魔法の中でのごく弱い電気を流す魔法は、拷問にも使われるものだということを千花はだいぶ後になってから知った。
そんなことはすぐに教えてほしいと千花は心の中で叫んだが、残念ながらそれはまだ先の話である。
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