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第二章:お姫様で庶民な二重生活
第30話 師弟のあり方
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「コーデリア様、おはようございます。本日はお招きありがとうございます」
コーデリアの朝食会に招かれた千花は略式の礼で挨拶をした。
本当は習いたての正式な礼を披露する絶好の機会でもあったのだが、それはさすがに大仰に取られそうなのでやめておいた。
「おはようございます、ティカ様。いらしていただけて嬉しいですわ」
コーデリアが優しく微笑んで千花を迎えた。
ああ、やっぱり綺麗な方だなあと千花はうっとりとコーデリアを見つめる。
「……ティカ、おまえは前もコーデリアに見とれていたが、もしかして妙な気でもあるのか?」
カイルのその突然の言葉に、コーデリアとルイスガルドが呆気に取られる。
千花はカイルがいきなり失礼なことを言い出したので、思わず叫んでしまった。
「あるわけないでしょ! 変なこと言わないでよね。綺麗な方に見とれることって、普通にあるでしょ」
「しかし、おまえは俺には見とれないじゃないか。男女の差はあるにしろ、俺とコーデリアはかなり顔立ちが似ているぞ」
またこいつはおかしなことを言い出したよ……と千花はカイルをちょっとうんざりしたような顔をして見つめた。
まあ、確かに顔立ちは似ている。……似ているが。
「わたしがカイルに見とれる訳ないじゃない。それに、コーデリア様とカイルじゃ性格が違いすぎるし」
……実は最初にカイルに会った時に千花は見とれてしまった訳だが、それは黒歴史なので封印しておく。
「……そうか」
カイルが幾分がっかりしたように呟くと、それまで二人のやりとりを静観していたコーデリアが口を開いた。
「……カイル、ひょっとしてティカ様に想いを告げたのですか?」
「ああ」
カイルが頷いたのを後目にしつつ、千花はちょっと引っかかったことをコーデリアに確認する。
「……コーデリア様、カイルの気持ちを知っていらしたのですか?」
「ええ、カイルがあれほど興味を持ったのはティカ様が初めてでしたから」
そう言うと、コーデリアはにっこりと綺麗に笑った。
……そうか、それで国王との謁見の後、カイルを嫌わないでくださいとおっしゃられたんだ。
あれが単に姉弟愛から出た言葉ではなく、コーデリアに確信があったからだと分かり、千花は納得した。
「……それで、想いを告げてどうなったんだ」
興味をひかれたらしいルイスガルドがカイルに尋ねた。
「大嫌いと拒絶された。その前に強引に口づけたせいもあるが」
「!!」
ばらすなよ!
そう叫びたいのを千花はかろうじてこらえる。
千花が怒りを抑えながらふるふる震えていると、コーデリアが宥めるようにその背中を撫でた。
「酷いですわ、カイル。それではティカ様がお気の毒すぎます」
「……まあ、やりすぎたのは認める。でもティカも悪いんだぞ」
「なんでよっ」
こっちは被害者だぞ、と千花は憤る。
「おまえが無防備に泣くからだ。あんなふうに泣かれたらつい手を出したくなるだろう」
それは、隙だらけってことだろうか、と千花は考える。
「勝手なこと言わないでよ。……まあ、この世界に喚び出した時点で勝手だけど」
千花が口を尖らせて抗議すると、カイルは肩を竦めてなんてことのないように言った。
「まあ、俺に見つかった時点で諦めるんだな」
「なに、そのなにかの事故みたいな言い方」
千花は思わず呆れるが、カイルはどこ吹く風だ。
「ティカ様、どうぞ席にお着きになってください。カイルも」
コーデリアに促されて見ると、既に他の人達は着席している。
それで千花は侍女に案内された席に座った。
「おはよう、ティカ。今日はよい朝だね」
エドアルドに挨拶されて、千花も笑顔でおはようございますと応える。確かに今朝は朝食会にぴったりの穏やかな気候だ。
「ティカ、おはよう。飲み物は何にする? コーヒーもあるけど」
レイナルドもにっこりと千花に笑いかけて尋ねてきた。
「おはようございます。……コーヒーあるんですか!? じゃあ、ぜひコーヒーで」
ここでは飲み物と言ったら、ミルクティーが主体だとばかり思っていたので、千花は喜んで注文する。
「コーヒー……そういえば、ティカのところではかなり多く飲まれている嗜好品だったな」
カイルが思い出すように顎に手を当てながら言った。
「そう。ここにはないと思っていたから嬉しくて」
千花が思わずにこにこすると、それを見た周囲の目も優しくなる。当の千花はそれには気づかないままだ。
侍女が千花のカップにコーヒーを注ごうとすると、千花はふと思いついたように言った。
「あ、コーヒーは半分の量で。あとの半分は温めたミルクにしてください」
「かしこまりました」
頷いた侍女はその通り千花のカップにコーヒーとミルクを半々で注いでいく。
「まあティカ様、それはよい飲み方ですわね。……わたくしもそれでお願いします」
コーデリアが感心したように言ってから、侍女にそう頼むと、彼女を熱愛するルイスガルドもそれに倣った。
結局、その場にいた五名全員が千花の頼んだ飲み物を注文した。
「……まあ、これは飲みやすくておいしいですわ。わたくし、コーヒーは苦くて少し苦手でしたけど、これなら大丈夫です」
コーデリアが驚いたように言うと、千花ににこにこと笑いかけた。
「それは、カフェオレって言うんです。わたしはそのままでも大丈夫ですけどね」
まあ、ブラックは胃に悪いのでそうは飲まないが。
「そうか。それなら、ザクトアリアからもう少し輸入するか。これなら女性でも飲めるようだしな」
ルイスガルドは少し考え込むようにして言った。
「そうですね。市井にもこれなら広がるでしょう。ティカ様よいことを教えていただいてありがとうございます」
「え、そんな。たまたま向こうの世界にある飲み物だっただけですし、わたしはなにも」
コーデリアに感謝するように頭を下げられて、千花は頬を染めながら慌てて手を振った。
「でも実際これおいしいよ」
「ああ、そうだな。これなら確かにコーヒーも広まるだろう」
レイナルドとエドアルドも頷きながらそう言う。
「……ティカの世界は嗜好品が多いな。そういえば、この間興味を引かれて、コーラというものを飲んだが」
「え……、コーラ飲んだの?」
思ってもいなかったカイルの言葉に千花はびっくりして聞いた。
いくら異世界慣れしているとはいえ、そんな刺激の強いものを。
カイルは結構好奇心が強いらしい。
「ああ。だが、炭酸というものが強くてむせた」
……さもありなん。
「……まあ、あれも慣れれば中毒になってやめられない人もいるけどね」
「……いるのか?」
信じられないというようにカイルが千花を見た。
「うん。ちなみにコーヒーも中毒になるよ。だからほどほどに飲むのがいいかもね」
「まあ……。ティカ様は本当に物知りですわ」
尊敬の目でコーデリアが見てきたので、千花は真っ赤になる。
こんな知識でそんなふうに見られたらどうしていいか分からない。
「そ、そんなことないです」
恥ずかしさから俯くと、カイルがまたおかしなことを言ってきた。
「……おまえ、やはりおかしな気が」
「あるわけないでしょ!」
思わず手近にあった銀の盆で千花はカイルの後頭部を殴りつつ、つっこみを入れる。
それを他の者達が唖然として見ていたが、しばらくしてこれがこの師弟のあり方だと気づき、仕方ないなというように苦笑いしていた。
コーデリアの朝食会に招かれた千花は略式の礼で挨拶をした。
本当は習いたての正式な礼を披露する絶好の機会でもあったのだが、それはさすがに大仰に取られそうなのでやめておいた。
「おはようございます、ティカ様。いらしていただけて嬉しいですわ」
コーデリアが優しく微笑んで千花を迎えた。
ああ、やっぱり綺麗な方だなあと千花はうっとりとコーデリアを見つめる。
「……ティカ、おまえは前もコーデリアに見とれていたが、もしかして妙な気でもあるのか?」
カイルのその突然の言葉に、コーデリアとルイスガルドが呆気に取られる。
千花はカイルがいきなり失礼なことを言い出したので、思わず叫んでしまった。
「あるわけないでしょ! 変なこと言わないでよね。綺麗な方に見とれることって、普通にあるでしょ」
「しかし、おまえは俺には見とれないじゃないか。男女の差はあるにしろ、俺とコーデリアはかなり顔立ちが似ているぞ」
またこいつはおかしなことを言い出したよ……と千花はカイルをちょっとうんざりしたような顔をして見つめた。
まあ、確かに顔立ちは似ている。……似ているが。
「わたしがカイルに見とれる訳ないじゃない。それに、コーデリア様とカイルじゃ性格が違いすぎるし」
……実は最初にカイルに会った時に千花は見とれてしまった訳だが、それは黒歴史なので封印しておく。
「……そうか」
カイルが幾分がっかりしたように呟くと、それまで二人のやりとりを静観していたコーデリアが口を開いた。
「……カイル、ひょっとしてティカ様に想いを告げたのですか?」
「ああ」
カイルが頷いたのを後目にしつつ、千花はちょっと引っかかったことをコーデリアに確認する。
「……コーデリア様、カイルの気持ちを知っていらしたのですか?」
「ええ、カイルがあれほど興味を持ったのはティカ様が初めてでしたから」
そう言うと、コーデリアはにっこりと綺麗に笑った。
……そうか、それで国王との謁見の後、カイルを嫌わないでくださいとおっしゃられたんだ。
あれが単に姉弟愛から出た言葉ではなく、コーデリアに確信があったからだと分かり、千花は納得した。
「……それで、想いを告げてどうなったんだ」
興味をひかれたらしいルイスガルドがカイルに尋ねた。
「大嫌いと拒絶された。その前に強引に口づけたせいもあるが」
「!!」
ばらすなよ!
そう叫びたいのを千花はかろうじてこらえる。
千花が怒りを抑えながらふるふる震えていると、コーデリアが宥めるようにその背中を撫でた。
「酷いですわ、カイル。それではティカ様がお気の毒すぎます」
「……まあ、やりすぎたのは認める。でもティカも悪いんだぞ」
「なんでよっ」
こっちは被害者だぞ、と千花は憤る。
「おまえが無防備に泣くからだ。あんなふうに泣かれたらつい手を出したくなるだろう」
それは、隙だらけってことだろうか、と千花は考える。
「勝手なこと言わないでよ。……まあ、この世界に喚び出した時点で勝手だけど」
千花が口を尖らせて抗議すると、カイルは肩を竦めてなんてことのないように言った。
「まあ、俺に見つかった時点で諦めるんだな」
「なに、そのなにかの事故みたいな言い方」
千花は思わず呆れるが、カイルはどこ吹く風だ。
「ティカ様、どうぞ席にお着きになってください。カイルも」
コーデリアに促されて見ると、既に他の人達は着席している。
それで千花は侍女に案内された席に座った。
「おはよう、ティカ。今日はよい朝だね」
エドアルドに挨拶されて、千花も笑顔でおはようございますと応える。確かに今朝は朝食会にぴったりの穏やかな気候だ。
「ティカ、おはよう。飲み物は何にする? コーヒーもあるけど」
レイナルドもにっこりと千花に笑いかけて尋ねてきた。
「おはようございます。……コーヒーあるんですか!? じゃあ、ぜひコーヒーで」
ここでは飲み物と言ったら、ミルクティーが主体だとばかり思っていたので、千花は喜んで注文する。
「コーヒー……そういえば、ティカのところではかなり多く飲まれている嗜好品だったな」
カイルが思い出すように顎に手を当てながら言った。
「そう。ここにはないと思っていたから嬉しくて」
千花が思わずにこにこすると、それを見た周囲の目も優しくなる。当の千花はそれには気づかないままだ。
侍女が千花のカップにコーヒーを注ごうとすると、千花はふと思いついたように言った。
「あ、コーヒーは半分の量で。あとの半分は温めたミルクにしてください」
「かしこまりました」
頷いた侍女はその通り千花のカップにコーヒーとミルクを半々で注いでいく。
「まあティカ様、それはよい飲み方ですわね。……わたくしもそれでお願いします」
コーデリアが感心したように言ってから、侍女にそう頼むと、彼女を熱愛するルイスガルドもそれに倣った。
結局、その場にいた五名全員が千花の頼んだ飲み物を注文した。
「……まあ、これは飲みやすくておいしいですわ。わたくし、コーヒーは苦くて少し苦手でしたけど、これなら大丈夫です」
コーデリアが驚いたように言うと、千花ににこにこと笑いかけた。
「それは、カフェオレって言うんです。わたしはそのままでも大丈夫ですけどね」
まあ、ブラックは胃に悪いのでそうは飲まないが。
「そうか。それなら、ザクトアリアからもう少し輸入するか。これなら女性でも飲めるようだしな」
ルイスガルドは少し考え込むようにして言った。
「そうですね。市井にもこれなら広がるでしょう。ティカ様よいことを教えていただいてありがとうございます」
「え、そんな。たまたま向こうの世界にある飲み物だっただけですし、わたしはなにも」
コーデリアに感謝するように頭を下げられて、千花は頬を染めながら慌てて手を振った。
「でも実際これおいしいよ」
「ああ、そうだな。これなら確かにコーヒーも広まるだろう」
レイナルドとエドアルドも頷きながらそう言う。
「……ティカの世界は嗜好品が多いな。そういえば、この間興味を引かれて、コーラというものを飲んだが」
「え……、コーラ飲んだの?」
思ってもいなかったカイルの言葉に千花はびっくりして聞いた。
いくら異世界慣れしているとはいえ、そんな刺激の強いものを。
カイルは結構好奇心が強いらしい。
「ああ。だが、炭酸というものが強くてむせた」
……さもありなん。
「……まあ、あれも慣れれば中毒になってやめられない人もいるけどね」
「……いるのか?」
信じられないというようにカイルが千花を見た。
「うん。ちなみにコーヒーも中毒になるよ。だからほどほどに飲むのがいいかもね」
「まあ……。ティカ様は本当に物知りですわ」
尊敬の目でコーデリアが見てきたので、千花は真っ赤になる。
こんな知識でそんなふうに見られたらどうしていいか分からない。
「そ、そんなことないです」
恥ずかしさから俯くと、カイルがまたおかしなことを言ってきた。
「……おまえ、やはりおかしな気が」
「あるわけないでしょ!」
思わず手近にあった銀の盆で千花はカイルの後頭部を殴りつつ、つっこみを入れる。
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