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第一章:魔術師の弟子
第11話 王太子、まさかの登場
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「ええ、そうですよ義姉上。彼女はティカ・サトー。十六歳です。いろいろありまして、彼女はわたしの客人としました」
呆然としているティカに変わって、エドアルドが如才なく返した。
「まあ、エドアルド様の客人なら妙な貴族に手を出されはしないでしょうから、安心ですね。……それにしても、こんなに美しい方を弟子になんて、カイル大丈夫かしら? きちんと魔術を教えられるのかしら?」
「その点は我々が目を光らせていますので大丈夫ですよ、義姉上」
レイナルドが笑顔で美しい貴婦人に言う。
「……まあ、そうですの? それはそれで、なにか寂しい気もするのですけれど。カイルは今まであまりそういうことに興味がないようでしたから。……それはそうと、ティカ様でしたかしら」
「あ、はい」
突然名を呼ばれて千花は緊張する。
それが伝わったのか、貴婦人はくすくす笑った。
「まあ、わたくしにそんなに緊張なさらなくても大丈夫ですわ。……わたくしはカイルの実姉のコーデリアと申しますの。今の身分は王太子様であるルイスガルド様の妃なのですけれど」
王太子の妃というのは王子達の前後の会話から分かってはいたが、カイルの実姉だったとは、千花は素直に驚いた。
王太子妃ということは、結構いいところの出だよね、と千花はちらりと考える。
カイルの王子達に対する不遜な態度は、彼の魔術の実力以外にもそういうところからも出ているのかもしれない。
「まあ……、よく似ておいでだったので、もしかしたらと思ってはいたのですが、本当にそうだとは思いもしませんでした」
千花はなんとかそう返すと、目の前の美しい王太子妃を観察した。……確かに色合いや顔立ちは似ているが、性格はカイルと違ってとてもよさそうだ。
「ティカ様、もしよろしかったら、この後、わたくしのお茶会に参りませんか?」
コーデリアがどこまでも無邪気に千花を誘ってくる。
「え……、けれどわたしが伺ってお邪魔ではないでしょうか。わたし礼儀作法も駄目ですし、王太子妃様に非礼を働かないとは言い切れません」
「まあ、そんなことお気になさらないで。わたくしはまったく気にしませんから。……それに、わたくし、あなたがカイルの弟子になったいきさつについて詳しく知りたいのですわ」
熱心に薦められるが、まともに敬語も扱えない千花としては少し荷が重い。
「あ、あの……」
どうやって断ろうかと千花が思案していると、見かねたらしい王子二人が助け船を出してくれた。
「義姉上、もしよろしかったら、我々も参加してよろしいでしょうか。ティカは病み上がりなので少々不安なのですよ」
「ティカはこの国のことに不慣れなのです。彼女もだいぶ不安のようですし」
エドアルドとレイナルドがそう言ったことで、コーデリアは瞳を見開いた。
「……まあ、そんな時にお誘いしてしまって申し訳なかったですわ。それにしてもティカ様、エドアルド様とレイナルド様にとても大事になさられているのですね」
「そ、そんなことは……」
「ええ、それはもう。僕は彼女を妃にと考えていますから」
「わたしも同じくです」
千花が否定しようとする側から、王子二人が問題発言をしてくる。それに対して、コーデリアは頬を紅潮させると両手で覆った。
「まあまあまあっ。ティカ様、凄いですわ。エドアルド様とレイナルド様のお心を同時に掴まれるなんて!」
アクアマリンのような瞳をきらきらと輝かせると、コーデリアがずい、と身を乗り出してくる。
「え、でも、お二人とも化粧に誤魔化されているだけかと。わたしの素顔はかなり幼いですし」
まさか見た目十二歳の顔の女に惚れる男はいないだろうと、この時の千花は本気で思っていた。
「わたし達二人とも、君の素顔は知っているし、対外的にも化粧でこれだけ美しく装えるんだからなんの問題もないだろう」
「うん、だから安心してティカは僕を選んでくれていいよ」
「レイド、どさくさに紛れてティカを口説くな」
エドアルドがむっとして顔をしかめると、コーデリアが一瞬瞠目して、次の瞬間にはくすくすと楽しそうに笑った。
「まあ、エドアルド様のそんなお顔初めて拝見しましたわ。余程、ティカ様に心を奪われていらっしゃるのですね」
「……そ、そんなこと……」
こうなると、千花は真っ赤になって俯くしかない。
第一、王子二人が自分のことを妃にしたいというのも未だ信じられないのだ。
「ふふ、ティカ様、とてもお可愛らしいのですね。なんとなく、殿下方が夢中になられるのが分かりますわ」
コーデリアがティカの手を取って微笑む。
……いや、普通夢中になるならこういう方だよなあ。とても綺麗だし、性格も良さそうだし。……王太子妃というのが一番の障害だけれども。
千花は両手を柔らかな手に包まれて考える。
この王子二人の美意識というか、好意を持つ基準というのが千花にはさっぱり分からない。
「──コーデリア、ここにいたのか」
少し低い男性の声がしたかと思ったら、王太子妃は王子二人を更に男性的にした感じの人物にいきなり抱きしめられていた。それだけでは終わらず、熱い口づけまで付いてくる。
「……ルイス、殿下方の御前ですわ」
コーデリアが頬を染めて男性に抗議する。
「かまわん。どうせ二人とも慣れているだろう」
どうやら彼が王太子らしい。
かなり予想外の登場の仕方だったので、千花は思わずぽかんとしてしまった。
対する王子二人は、仕方ないなとでも言うように苦笑している。
「起きたら、寝台におまえの姿が見えないので探したぞ。コーデリア、おまえは勝手に行動するな」
「まあ、侍女や近衛の者には伝えておいたはずですわ。ルイス、大袈裟すぎです」
ええと、それは察するに、お二人は朝までいちゃいちゃとベッドに一緒にいて、目覚めた時には妃の姿が見えなかった王太子が心配してお妃様を探しに来たってことだよね。ちょ、ちょっと刺激の強すぎる話かも。
千花は頬を染めながら思わず呟いた。
「らぶらぶなんですねえ……」
「……らぶらぶ?」
皆に一斉に注目されて、千花はそれにたじろぎながらも説明する。
「ええと、わたしの国の言葉で、夫婦や恋人同士が仲睦まじい様子を表した言葉です」
千花が言葉を発したことで、ようやく存在を認識したらしい王太子が彼女に向けて言葉を発する。
「……どうやら異国の者らしいが、何者だ?」
「彼女はカイルの弟子で、わたしの客人です」
エドアルドが千花がなにか言う前に受け答えしてくれたので助かった。きっと王太子の前ではしどろもどろになっていただろうから。
「……カイルの弟子? そうか、それでは士官の件は立ち消えか」
「なんでもカイル以上の魔力の持ち主らしいですよ。魔力を計る魔道具では測定不可能でした」
「それは純粋にすごいと思うけど、ガルド兄さん、僕はティカを妃にしたいんだ。できれば彼女を魔術師にしたくない」
「レイド」
エドアルドがレイナルドをたしなめるように名を呼んだ。
「……しかし、それだけの魔力の持ち主なら魔術師を目指すのが一番だろう。カイルをも上回る魔力の持ち主の才能をみすみす見逃すような真似は国家の損失だ」
先程までの暴走っぷりが嘘のように、王太子は厳しい口調で言った。
「ルイスガルド、ティカ様はエドアルド様からも求婚を受けておられるのですわ。あまり国家のことを持ち出すのはティカ様がおかわいそうですわ」
「そうか、それならば魔術師として修行をしつつ、二人の妃候補とするのもいいかもしれないな」
コーデリアが口を挟んだことで、ルイスガルドは考えをあっさり改めたらしい。
けれど、千花には二人の妃候補になるなんて気は毛頭なかった。
「あ、あのっ。お言葉ですが、わたしはエドアルド殿下とレイナルド殿下の妃候補になるつもりはありません」
「なぜだ」
千花の言葉が意外だったらしく、ルイスガルドが目を瞠る。
「わたしはカイルに召喚されてこの世界に来ました。……ですから、召喚魔法を覚えたらわたしは家に帰るんです」
ルイスガルドとコーデリアは千花の言葉に心底驚いたらしく、千花を凝視した後、お互いの顔を見合わせた。
呆然としているティカに変わって、エドアルドが如才なく返した。
「まあ、エドアルド様の客人なら妙な貴族に手を出されはしないでしょうから、安心ですね。……それにしても、こんなに美しい方を弟子になんて、カイル大丈夫かしら? きちんと魔術を教えられるのかしら?」
「その点は我々が目を光らせていますので大丈夫ですよ、義姉上」
レイナルドが笑顔で美しい貴婦人に言う。
「……まあ、そうですの? それはそれで、なにか寂しい気もするのですけれど。カイルは今まであまりそういうことに興味がないようでしたから。……それはそうと、ティカ様でしたかしら」
「あ、はい」
突然名を呼ばれて千花は緊張する。
それが伝わったのか、貴婦人はくすくす笑った。
「まあ、わたくしにそんなに緊張なさらなくても大丈夫ですわ。……わたくしはカイルの実姉のコーデリアと申しますの。今の身分は王太子様であるルイスガルド様の妃なのですけれど」
王太子の妃というのは王子達の前後の会話から分かってはいたが、カイルの実姉だったとは、千花は素直に驚いた。
王太子妃ということは、結構いいところの出だよね、と千花はちらりと考える。
カイルの王子達に対する不遜な態度は、彼の魔術の実力以外にもそういうところからも出ているのかもしれない。
「まあ……、よく似ておいでだったので、もしかしたらと思ってはいたのですが、本当にそうだとは思いもしませんでした」
千花はなんとかそう返すと、目の前の美しい王太子妃を観察した。……確かに色合いや顔立ちは似ているが、性格はカイルと違ってとてもよさそうだ。
「ティカ様、もしよろしかったら、この後、わたくしのお茶会に参りませんか?」
コーデリアがどこまでも無邪気に千花を誘ってくる。
「え……、けれどわたしが伺ってお邪魔ではないでしょうか。わたし礼儀作法も駄目ですし、王太子妃様に非礼を働かないとは言い切れません」
「まあ、そんなことお気になさらないで。わたくしはまったく気にしませんから。……それに、わたくし、あなたがカイルの弟子になったいきさつについて詳しく知りたいのですわ」
熱心に薦められるが、まともに敬語も扱えない千花としては少し荷が重い。
「あ、あの……」
どうやって断ろうかと千花が思案していると、見かねたらしい王子二人が助け船を出してくれた。
「義姉上、もしよろしかったら、我々も参加してよろしいでしょうか。ティカは病み上がりなので少々不安なのですよ」
「ティカはこの国のことに不慣れなのです。彼女もだいぶ不安のようですし」
エドアルドとレイナルドがそう言ったことで、コーデリアは瞳を見開いた。
「……まあ、そんな時にお誘いしてしまって申し訳なかったですわ。それにしてもティカ様、エドアルド様とレイナルド様にとても大事になさられているのですね」
「そ、そんなことは……」
「ええ、それはもう。僕は彼女を妃にと考えていますから」
「わたしも同じくです」
千花が否定しようとする側から、王子二人が問題発言をしてくる。それに対して、コーデリアは頬を紅潮させると両手で覆った。
「まあまあまあっ。ティカ様、凄いですわ。エドアルド様とレイナルド様のお心を同時に掴まれるなんて!」
アクアマリンのような瞳をきらきらと輝かせると、コーデリアがずい、と身を乗り出してくる。
「え、でも、お二人とも化粧に誤魔化されているだけかと。わたしの素顔はかなり幼いですし」
まさか見た目十二歳の顔の女に惚れる男はいないだろうと、この時の千花は本気で思っていた。
「わたし達二人とも、君の素顔は知っているし、対外的にも化粧でこれだけ美しく装えるんだからなんの問題もないだろう」
「うん、だから安心してティカは僕を選んでくれていいよ」
「レイド、どさくさに紛れてティカを口説くな」
エドアルドがむっとして顔をしかめると、コーデリアが一瞬瞠目して、次の瞬間にはくすくすと楽しそうに笑った。
「まあ、エドアルド様のそんなお顔初めて拝見しましたわ。余程、ティカ様に心を奪われていらっしゃるのですね」
「……そ、そんなこと……」
こうなると、千花は真っ赤になって俯くしかない。
第一、王子二人が自分のことを妃にしたいというのも未だ信じられないのだ。
「ふふ、ティカ様、とてもお可愛らしいのですね。なんとなく、殿下方が夢中になられるのが分かりますわ」
コーデリアがティカの手を取って微笑む。
……いや、普通夢中になるならこういう方だよなあ。とても綺麗だし、性格も良さそうだし。……王太子妃というのが一番の障害だけれども。
千花は両手を柔らかな手に包まれて考える。
この王子二人の美意識というか、好意を持つ基準というのが千花にはさっぱり分からない。
「──コーデリア、ここにいたのか」
少し低い男性の声がしたかと思ったら、王太子妃は王子二人を更に男性的にした感じの人物にいきなり抱きしめられていた。それだけでは終わらず、熱い口づけまで付いてくる。
「……ルイス、殿下方の御前ですわ」
コーデリアが頬を染めて男性に抗議する。
「かまわん。どうせ二人とも慣れているだろう」
どうやら彼が王太子らしい。
かなり予想外の登場の仕方だったので、千花は思わずぽかんとしてしまった。
対する王子二人は、仕方ないなとでも言うように苦笑している。
「起きたら、寝台におまえの姿が見えないので探したぞ。コーデリア、おまえは勝手に行動するな」
「まあ、侍女や近衛の者には伝えておいたはずですわ。ルイス、大袈裟すぎです」
ええと、それは察するに、お二人は朝までいちゃいちゃとベッドに一緒にいて、目覚めた時には妃の姿が見えなかった王太子が心配してお妃様を探しに来たってことだよね。ちょ、ちょっと刺激の強すぎる話かも。
千花は頬を染めながら思わず呟いた。
「らぶらぶなんですねえ……」
「……らぶらぶ?」
皆に一斉に注目されて、千花はそれにたじろぎながらも説明する。
「ええと、わたしの国の言葉で、夫婦や恋人同士が仲睦まじい様子を表した言葉です」
千花が言葉を発したことで、ようやく存在を認識したらしい王太子が彼女に向けて言葉を発する。
「……どうやら異国の者らしいが、何者だ?」
「彼女はカイルの弟子で、わたしの客人です」
エドアルドが千花がなにか言う前に受け答えしてくれたので助かった。きっと王太子の前ではしどろもどろになっていただろうから。
「……カイルの弟子? そうか、それでは士官の件は立ち消えか」
「なんでもカイル以上の魔力の持ち主らしいですよ。魔力を計る魔道具では測定不可能でした」
「それは純粋にすごいと思うけど、ガルド兄さん、僕はティカを妃にしたいんだ。できれば彼女を魔術師にしたくない」
「レイド」
エドアルドがレイナルドをたしなめるように名を呼んだ。
「……しかし、それだけの魔力の持ち主なら魔術師を目指すのが一番だろう。カイルをも上回る魔力の持ち主の才能をみすみす見逃すような真似は国家の損失だ」
先程までの暴走っぷりが嘘のように、王太子は厳しい口調で言った。
「ルイスガルド、ティカ様はエドアルド様からも求婚を受けておられるのですわ。あまり国家のことを持ち出すのはティカ様がおかわいそうですわ」
「そうか、それならば魔術師として修行をしつつ、二人の妃候補とするのもいいかもしれないな」
コーデリアが口を挟んだことで、ルイスガルドは考えをあっさり改めたらしい。
けれど、千花には二人の妃候補になるなんて気は毛頭なかった。
「あ、あのっ。お言葉ですが、わたしはエドアルド殿下とレイナルド殿下の妃候補になるつもりはありません」
「なぜだ」
千花の言葉が意外だったらしく、ルイスガルドが目を瞠る。
「わたしはカイルに召喚されてこの世界に来ました。……ですから、召喚魔法を覚えたらわたしは家に帰るんです」
ルイスガルドとコーデリアは千花の言葉に心底驚いたらしく、千花を凝視した後、お互いの顔を見合わせた。
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