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第一章:魔術師の弟子
第3話 ガルディア王宮へ
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少し冷えてきていた体もすっかりほかほかになって千花は上機嫌で風呂から上がった。
タオルで体を拭くと、たちまち水分が吸収されていって千花は驚いた。
試しに洗った髪の毛を拭いてみると、こちらもほとんど乾いてしまった。おまけに髪や肌に必要な水分までは吸収しないらしい。
「すごーい、ドライヤーいらないや」
異世界の高性能なタオルにすっかり感心しながら千花はメリサから受け取った着替えを広げてみた。
下着は千花の世界とそう変わらないようだがブラはないらしい。その代わりにキャミが長くなったようなものがあった。……つまりこれを着ろということらしい。ちょっと心細い感じだが、仕方なく千花は下着を身につける。
その上に桃色のドレスのような長いワンピースを着る。太腿までの長さのストッキングを履いた後、ふくらはぎまでの編み上げブーツを履く。
「うわあ、馬子にも衣装かもー」
脱衣所の鏡に全身を映して、千花は前や後ろを確認する。この格好だけで何割り増しか自分が可愛くなったような気がするから不思議だ。
普段あまり女の子らしい装いはしない千花だったが、それでも今の自分の格好にはうきうきした。
「まあ、ティカ様よくお似合いですわ」
ティカが風呂から出るのを待っていたらしいメリサが、千花の姿を見て褒めた。
「あ、どうも。メリサさん、お風呂ありがとうございました」
「いいえ、お入りになりたい時はいつでもお申し付けください。それはそうと、ティカ様がお出になったら、カイル様が部屋まで来るようにとおっしゃってましたわ」
「分かりました」
メリサに案内されてカイルの部屋に入った千花は、シモンがいるのを見て、そういえばいたんだっけと彼に失礼なことを思った。
「ああ、とてもよく似合っている。これならこのまま王宮に向かっても問題ないか」
「お、王宮ですか?」
いきなり大仰な話題になったので、千花はびっくりした。
「第二王子に俺が弟子を取ったことを報告しなければならないからな」
こともなげに言うカイルに千花は反論する。
「で、でも、わたし、王子様に会うのに必要な礼儀作法なんて全然知らないよ!? そんなんで大丈夫なの?」
それどころか、敬語自体できるかどうかも怪しいくらいだ。
「その点は全く気にしない人物だから大丈夫だ」
「……そうなの?」
「ああ」
第二王子様とやらはその身分によらず、随分気さくな人物らしい。そう心配することでもないと理解した千花は思わずほっと息をついた。
しかし、王子様に会うなんて大事なのに、簡単に会うと言うなんて、この二人は結構な重要人物なのかもしれない。
「それでは行くか」
カイルはちょっとそこまで、のような感じで言うと、三人は簡単に城の前まで移動した。
目の前にそびえる白い美麗な城に、千花が思わず口をあんぐり開けて見とれていると、カイルが彼女の額を指先で小突いた。痛みはなかったが、いきなりだったので思わず千花は仰け反ってしまう。
「なにすんのよっ」
「馬鹿みたいに口を開けて上を見るな」
「……! 馬鹿みたいで悪かったわね!」
確かに間抜け面だったろうと想像できるだけに、千花は真っ赤になって怒鳴った。
シモンが城の衛兵に目をやると、彼らは頭を下げて城の入り口から退いた。
──うわあ、顔パスかあ。
その様子を少々驚いて千花は見ていた。
シモンはカイルにはかなわなくて正直情けないと思っていたが、案外偉い人なのかもしれない。
「……あの、シモンさんてもしかして結構偉い人なんですか?」
恐る恐る千花が上目遣いで聞くと、とんでもない返答がこともなげに返ってきた。
「……ああ。一応、この国の魔術師団師団長をしている」
「そ、それって結構な重要人物ってことですか?」
「まあ、一応な。しかし、俺より強大な魔術師が身近にいるから代替わりさせようとしたんだが……、失敗だったようだな」
シモンは深い溜息を付くと、カイルを見た。
「……誰がそんな面倒な役目に付くか。それに俺は一人で行動している方が性に合っている」
カイルがうんざりとした様子でばっさりと切り捨てる。
「しかしだな……、稀代の魔術師であるキース・ルグランの再来と言われるおまえを放置しておくのは国家の損失だぞ。これは殿下も同じご意見だ」
「……ふん、無駄なことを」
千花には理解できない言葉もあったが、シモンは弟子であるカイルを後継者としたいようだ。
そうこうしているうちに一つの立派な部屋の前で二人が立ち止まったので、千花も慌てて止まった。ひょっとして、ここが第二王子の部屋だろうか。
「エドアルド殿下に目通りを」
第二王子の名はどうやらエドアルドというらしい。
シモンが近衛と思わしき人物に声をかけると、その彼は「少々お待ちください」と言って中に伺いに行った。
「今の人って、近衛の人?」
王族の人を守っているならきっとそうだろうと思って、千花は口にする。
「ああ、近衛騎士だ。おまえは初めて見るか」
カイルと小声で話していると、その近衛騎士が戻ってきた。
「殿下がお会いになるそうです。どうぞ中へお入りください」
促されて中に入ると、華美すぎない上品な部屋の中央に、二十代前半と思われる一人の人物が立っていた。
その人物は印象的な藍色の瞳をしていて、長い見事な金髪を緩く三つ編みにして前に垂らしている。美麗で、かつその上品な所作はまさに王子様というしかなかった。
「……まさか、本当に弟子を見つけてくるとはね」
王子はカイルを見て呆れたように溜息を付いた。
「ティカ、殿下に挨拶を」
シモンがそう言ってくるが、千花にはどう言っていいのか分からなかった。……ので、自然と無難そうな挨拶になる。
「ち、いえ、ティカ・サトー、十六歳です。よろしくお願いします」
ペコリと千花が頭を下げると、エドアルドが微笑んだ。
「十六歳か、若く見えるね。それに変わった顔立ちだ。どこの国の者だい?」
エドアルドは本当に気さくな性格らしく、得体の知れない千花にも簡単に声をかけてくる。
「え、えーと、日本です」
「ニッポン?」
エドアルドが聞きなれない言葉を聞いたというように、首を傾げる。
「ニッポン、もしくはニホン。またはジャパン」
「ニホン? ジャパン? 聞いたことないな」
「それはそうだろうな、この娘は異世界の者だからな」
カイルが王子に対して不遜な口を利くのを千花は他人事ながらも、ついハラハラしながら聞いてしまった。
「カイル、おまえ……。まさか異世界召喚をやったのか」
エドアルドが驚愕に瞳を見開いた。
「異世界探索をしていたら、たまたま俺より魔力の高い娘を見つけたからな。俺の弟子になることを了承させたし、これで文句はないだろう」
「いや、その娘にも家族がいるだろう。すぐ帰してやった方がいいんじゃないか。なんなら、あの話はなかったことにしてもいい」
エドアルドが士官の話を立ち消えにするとまで言ったことに、千花は感動した。
うわあ、なんていい方なんだろう。わたしを家に帰せって言ってくれたよ。鬼畜なカイルとは大違い。
「今更だな。俺はこいつに魔術を教えるつもりでいるし、帰す気は全くない。ティカが帰ることがあるすれば、自力で異世界へ戻る時だけだ」
カイルは感激しているティカの気分を地に墜とすようなことを言った。どこまでも勝手な男である。
「しかし、それでは帰るのに何年もかかるぞ」
「……それはティカの努力次第だな。魔力に関してだけは全く問題ないから、それほどかからないかもしれないが」
カイルが肩を竦めると、エドアルドは千花自身に興味が沸いてきたようだった。
「へえ、そんなに魔力があるのなら、ぜひ見てみたいな。確か魔力を計る魔道具があっただろう」
「ああ」
カイルは水晶を手元に召喚させると、それを千花の両手に乗せた。
「えっ? えっ?」
訳が分からず千花が慌てていると、カイルが説明した。
「魔力を計る魔道具だ。それに念を集中させろ」
「念を集中させろって言われても……」
そんなことをやったことのない千花はうろたえてただ周りを見渡す。三人の男達は千花の動向を見守ったままだ。
「やり方が分からないなら、その水晶をじっと見つめているだけでいい」
ああ、それなら大丈夫だ、と千花はほっと息をつくと、水晶に意識を集中させた。
その途端、水晶が虹色に輝きだして千花は思わずそれを取り落としそうになって慌てる。
「えええ、なにこれっ!?」
そしてとうとう虹色の輝きがエドアルドの部屋全体を眩しく照らしたかと思うと、いきなり千花の手元の水晶が跡形もなく消えた。
タオルで体を拭くと、たちまち水分が吸収されていって千花は驚いた。
試しに洗った髪の毛を拭いてみると、こちらもほとんど乾いてしまった。おまけに髪や肌に必要な水分までは吸収しないらしい。
「すごーい、ドライヤーいらないや」
異世界の高性能なタオルにすっかり感心しながら千花はメリサから受け取った着替えを広げてみた。
下着は千花の世界とそう変わらないようだがブラはないらしい。その代わりにキャミが長くなったようなものがあった。……つまりこれを着ろということらしい。ちょっと心細い感じだが、仕方なく千花は下着を身につける。
その上に桃色のドレスのような長いワンピースを着る。太腿までの長さのストッキングを履いた後、ふくらはぎまでの編み上げブーツを履く。
「うわあ、馬子にも衣装かもー」
脱衣所の鏡に全身を映して、千花は前や後ろを確認する。この格好だけで何割り増しか自分が可愛くなったような気がするから不思議だ。
普段あまり女の子らしい装いはしない千花だったが、それでも今の自分の格好にはうきうきした。
「まあ、ティカ様よくお似合いですわ」
ティカが風呂から出るのを待っていたらしいメリサが、千花の姿を見て褒めた。
「あ、どうも。メリサさん、お風呂ありがとうございました」
「いいえ、お入りになりたい時はいつでもお申し付けください。それはそうと、ティカ様がお出になったら、カイル様が部屋まで来るようにとおっしゃってましたわ」
「分かりました」
メリサに案内されてカイルの部屋に入った千花は、シモンがいるのを見て、そういえばいたんだっけと彼に失礼なことを思った。
「ああ、とてもよく似合っている。これならこのまま王宮に向かっても問題ないか」
「お、王宮ですか?」
いきなり大仰な話題になったので、千花はびっくりした。
「第二王子に俺が弟子を取ったことを報告しなければならないからな」
こともなげに言うカイルに千花は反論する。
「で、でも、わたし、王子様に会うのに必要な礼儀作法なんて全然知らないよ!? そんなんで大丈夫なの?」
それどころか、敬語自体できるかどうかも怪しいくらいだ。
「その点は全く気にしない人物だから大丈夫だ」
「……そうなの?」
「ああ」
第二王子様とやらはその身分によらず、随分気さくな人物らしい。そう心配することでもないと理解した千花は思わずほっと息をついた。
しかし、王子様に会うなんて大事なのに、簡単に会うと言うなんて、この二人は結構な重要人物なのかもしれない。
「それでは行くか」
カイルはちょっとそこまで、のような感じで言うと、三人は簡単に城の前まで移動した。
目の前にそびえる白い美麗な城に、千花が思わず口をあんぐり開けて見とれていると、カイルが彼女の額を指先で小突いた。痛みはなかったが、いきなりだったので思わず千花は仰け反ってしまう。
「なにすんのよっ」
「馬鹿みたいに口を開けて上を見るな」
「……! 馬鹿みたいで悪かったわね!」
確かに間抜け面だったろうと想像できるだけに、千花は真っ赤になって怒鳴った。
シモンが城の衛兵に目をやると、彼らは頭を下げて城の入り口から退いた。
──うわあ、顔パスかあ。
その様子を少々驚いて千花は見ていた。
シモンはカイルにはかなわなくて正直情けないと思っていたが、案外偉い人なのかもしれない。
「……あの、シモンさんてもしかして結構偉い人なんですか?」
恐る恐る千花が上目遣いで聞くと、とんでもない返答がこともなげに返ってきた。
「……ああ。一応、この国の魔術師団師団長をしている」
「そ、それって結構な重要人物ってことですか?」
「まあ、一応な。しかし、俺より強大な魔術師が身近にいるから代替わりさせようとしたんだが……、失敗だったようだな」
シモンは深い溜息を付くと、カイルを見た。
「……誰がそんな面倒な役目に付くか。それに俺は一人で行動している方が性に合っている」
カイルがうんざりとした様子でばっさりと切り捨てる。
「しかしだな……、稀代の魔術師であるキース・ルグランの再来と言われるおまえを放置しておくのは国家の損失だぞ。これは殿下も同じご意見だ」
「……ふん、無駄なことを」
千花には理解できない言葉もあったが、シモンは弟子であるカイルを後継者としたいようだ。
そうこうしているうちに一つの立派な部屋の前で二人が立ち止まったので、千花も慌てて止まった。ひょっとして、ここが第二王子の部屋だろうか。
「エドアルド殿下に目通りを」
第二王子の名はどうやらエドアルドというらしい。
シモンが近衛と思わしき人物に声をかけると、その彼は「少々お待ちください」と言って中に伺いに行った。
「今の人って、近衛の人?」
王族の人を守っているならきっとそうだろうと思って、千花は口にする。
「ああ、近衛騎士だ。おまえは初めて見るか」
カイルと小声で話していると、その近衛騎士が戻ってきた。
「殿下がお会いになるそうです。どうぞ中へお入りください」
促されて中に入ると、華美すぎない上品な部屋の中央に、二十代前半と思われる一人の人物が立っていた。
その人物は印象的な藍色の瞳をしていて、長い見事な金髪を緩く三つ編みにして前に垂らしている。美麗で、かつその上品な所作はまさに王子様というしかなかった。
「……まさか、本当に弟子を見つけてくるとはね」
王子はカイルを見て呆れたように溜息を付いた。
「ティカ、殿下に挨拶を」
シモンがそう言ってくるが、千花にはどう言っていいのか分からなかった。……ので、自然と無難そうな挨拶になる。
「ち、いえ、ティカ・サトー、十六歳です。よろしくお願いします」
ペコリと千花が頭を下げると、エドアルドが微笑んだ。
「十六歳か、若く見えるね。それに変わった顔立ちだ。どこの国の者だい?」
エドアルドは本当に気さくな性格らしく、得体の知れない千花にも簡単に声をかけてくる。
「え、えーと、日本です」
「ニッポン?」
エドアルドが聞きなれない言葉を聞いたというように、首を傾げる。
「ニッポン、もしくはニホン。またはジャパン」
「ニホン? ジャパン? 聞いたことないな」
「それはそうだろうな、この娘は異世界の者だからな」
カイルが王子に対して不遜な口を利くのを千花は他人事ながらも、ついハラハラしながら聞いてしまった。
「カイル、おまえ……。まさか異世界召喚をやったのか」
エドアルドが驚愕に瞳を見開いた。
「異世界探索をしていたら、たまたま俺より魔力の高い娘を見つけたからな。俺の弟子になることを了承させたし、これで文句はないだろう」
「いや、その娘にも家族がいるだろう。すぐ帰してやった方がいいんじゃないか。なんなら、あの話はなかったことにしてもいい」
エドアルドが士官の話を立ち消えにするとまで言ったことに、千花は感動した。
うわあ、なんていい方なんだろう。わたしを家に帰せって言ってくれたよ。鬼畜なカイルとは大違い。
「今更だな。俺はこいつに魔術を教えるつもりでいるし、帰す気は全くない。ティカが帰ることがあるすれば、自力で異世界へ戻る時だけだ」
カイルは感激しているティカの気分を地に墜とすようなことを言った。どこまでも勝手な男である。
「しかし、それでは帰るのに何年もかかるぞ」
「……それはティカの努力次第だな。魔力に関してだけは全く問題ないから、それほどかからないかもしれないが」
カイルが肩を竦めると、エドアルドは千花自身に興味が沸いてきたようだった。
「へえ、そんなに魔力があるのなら、ぜひ見てみたいな。確か魔力を計る魔道具があっただろう」
「ああ」
カイルは水晶を手元に召喚させると、それを千花の両手に乗せた。
「えっ? えっ?」
訳が分からず千花が慌てていると、カイルが説明した。
「魔力を計る魔道具だ。それに念を集中させろ」
「念を集中させろって言われても……」
そんなことをやったことのない千花はうろたえてただ周りを見渡す。三人の男達は千花の動向を見守ったままだ。
「やり方が分からないなら、その水晶をじっと見つめているだけでいい」
ああ、それなら大丈夫だ、と千花はほっと息をつくと、水晶に意識を集中させた。
その途端、水晶が虹色に輝きだして千花は思わずそれを取り落としそうになって慌てる。
「えええ、なにこれっ!?」
そしてとうとう虹色の輝きがエドアルドの部屋全体を眩しく照らしたかと思うと、いきなり千花の手元の水晶が跡形もなく消えた。
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