ショートショートのお茶漬け

rara33

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第17話 空想の刃

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※「知らなかった」では許されないという話です。


 『くうそうの やいば』

 あさおきたら そらが みたこともない いろを していました。
 そらぜんたいが ピンクいろになって ゆらゆらと ゆれていました。
 まちぜんたいが まっかにもえて ほのおの ひかりが はんしゃしているのでした。
 これは おにのパンツをはいた うちゅうじんの しわざでした。

 きのう うちゅうじんが ちきゅうにきて ツンとたかいはなで つめたくわらうと
 おおきな ばくだんを ちきゅうに おとしました。
 ばくだんが おちたとき ピカッと ひかりました。
 おちたところから おおきな おおきな キノコぐもが もくもくと たちあがりました。
 
 そして たくさんのひとが けがをしたり しんだりしました。
 ほのおが きえたあとも そらから くろいあめがふって もっと たくさんのひとが くるしみました。


 なんてひだ!


 おしまい♪

 みんな びっくりした!?
 きょうは エイプリルフールだから ありえない くうそうのおはなしを かいてみました。
 みんなの こころに じょうずに きりこめたかな?

 このものがたりは ぜんぶ うそだから あんしんしてね!
 コメント まってまーす(*^▽^*)

P.S. きょうから しょうがく いちねんせい!
ともだちひゃくにん できるかな♪ 未知子♪

 * * *

「ねえパパ! あした『小説家になろう』に出す、ものがたりをかいたの! よんでくれる?」
「もちろんさ! 未知子のストーリーはおもしろいから、たのしみだよ!」
 パパはそういうと、わたしがもってきたノートをよみはじめた。
 パパのかおが、みるみるうちに、くらくなっていった。


「未知子、これをだすのは、やめなさい」
「どうして? せっかくかいたのに!」
 わたしがおもわず、おおきなこえをあげると、パパはとてもかなしそうなめで、わたしをじいっとみた。
「これをだしたら、だれかが傷つくとおもうよ」
「だれが、なんで、傷つくの?」

「今からそれを、おしえてあげよう」
 パパはそういうと、ズボンのポケットからスマホをとりだした。
 ソファにすわると、わたしをだっこして、おひざのうえにのせてくれた。

 パパの太いひとさしゆびが、スマホの「けんさく」に、もじをうちこみはじめた。
 
 「けんさく」で、わたしがよめたもじは、「8月」だけだった。

 (了)

◎今年のエイプリルフールの前日(3月31日)に、別の小説投稿サイトに掲載した話です。
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