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2章 病院編
30話 <下>
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「ギャアギャア……!?」
「ヴォォォォ……」
「な、何が起きてるんだ……?」
目の前には有り得ない光景が広がっていた。それは俺が触手に犯される間一髪のところで、人間を襲うはずのゾンビが俺を救ってくれたこと……。
俺を助けようとしている意思は無いんだろうけど、実際に俺は目の前で救われていた。
そしてありえない光景がもう一つ。それはゾンビとゾンビが争っていること。基本的にゾンビは自分と同じ存在に興味を全く示さない。だからこそ恐らくゾンビと同じ体質と思われている俺はゾンビから襲われることは無い。
なのに目の前で何体ものゾンビが俺を襲った悪魔のようなゾンビの体中に噛みついていた。
(もしかしてこいつはゾンビとして認識されていない……?)
必然的にそういう考えになる。確かにこいつは他のゾンビとは明確に力の差があり、異常なほどに力があって言ってしまえばそこら辺のゾンビの上位互換だ。体の中から触手を出しては鎧のように体に巻き付けており、それは人間の筋肉と同じ働きをしていると言っていい。
体全体は元の大きさの2倍ほどに大きくなっており、身体能力も見た目通りに速くて強い。
そして多少だが感情表現もできる。よくよく観察して情報をつなげ合わせると、ゾンビのように見えて人間である部分も大きい。体の使い方や行動原理だったり……そう、まるでガキだ。生まれたてでまだ何もかもが新鮮で、好奇心旺盛。
人間を襲うのに殺意衝動を持っているわけではなく、ただ自分が楽しみために襲う。
そこがこいつとゾンビの根本的に異なる点。
その根本的に異なる点がゾンビが敵を襲う時の基準?ただ肉を貪る生物でないと敵として認識されるのか?
「ゴギャアアァアァ!」
「ヴォォッ……」
「!?」
何十体ものゾンビが体にしがみついていたのにも関わらず、勢いをつけて体を壁に衝突させたことで半分ほどのゾンビがふるい落される。そして衝突された壁はやはり崩れており大きな穴が空いていた。
「なんつー馬鹿力だよ本当に、……!?」
「グギャァァ……」
「うっ……!?」
もう余興は終わったと思わされるような顔をする。先程までの笑みはもう無く、俺というおもちゃと楽しむよりも早く俺を殺して終わらせたいらしい……。
その悪魔は背中に乗っている何匹ものゾンビを意に介すこともせず、俺の方にゆっくりと歩いて来た。
一瞬だけ奇跡は起きたが、その奇跡もこの悪魔の前では数秒の時間を作ることしかできないようだ……。
俺は再び危機的状況に追い込まれる。先程まで死を覚悟していたが、ゾンビがゾンビを襲う場面を見せられ今後に繋がる活路を多少は見出す事ができたのだ。
そのせいでまだここで死にたく無いと思ってしまった。まだもう少しだけ生き延びていたい……そう考えてしまう。
この状況をくぐり抜けるのは俺の力では無理だ。奇跡の上にまた奇跡を起こさないといけない。
そんなことが起きる確率なんて……1%もあるか分からないのに俺は心の底から願う。
(お願いだっ……誰か!俺はまだ死にたく無いんだよ!)
「グギャァァォ……!!」
「くっ……」
目の前の悪魔は腕を上げて俺を殺すためにそれを振り落とそうとする。
やはり駄目なのか……そう思った時だった。
「「「「ヴォォォォ……」」」」
「ゴォォォッ……!?」
振り落とそうした腕が止まる。その悪魔はゆっくり後ろを向き、背後のある一点を見つめていた。
俺もつられて同じ方向を見る。
「!?」
なんと崩れて穴が空いた壁からまた何十体ものゾンビが出現する。どうやら壁の向こうの部屋にまだゾンビが眠っていたらしく、その空いた穴から大量の水が溢れ出てくようにゾンビがこちらの方にやって来る。
そしてまだ終わらない……ふるい落されたゾンビが立ち上がり再び奴の方へ向かおうとする。
もはやそのゾンビの数は30を軽々と超える程であり、気が付けば4階からと2階からまだまだ多くのゾンビがこの3階のフロアに集まってきていた。
「多すぎるだろっ……」
こんなに密集しているゾンビを見たことがない。恐らく全員でかい音とこいつに引き付けられたのだろう。
そしてそのゾンビ達は悪魔の至る所にしがみついて噛みつき始める。それは首やアキレス腱、指や肘など……余す所なく噛みつく。
それにより出血がとんでもない量になり血が体中から噴き出し始める。
「ギャッ……ギャアァァァッ……!?」
悪魔はゾンビにしがみつかれながらも必死な形相で暴れ出す。それによって数人のゾンビが振るい落とされるが、それでは致命傷とはならないため再びしがみつく。
更にゾンビは別の階から3階に集まり出す。ぞろぞろと増えたゾンビは悪魔の方に引き寄せられる。
最初は簡単に体に乗っているゾンビを振るい落とすことができていたが、ゾンビの数が増えていくと徐々にそれは難しくなっていた。
ゾンビの数は恐らく50人を超えているだろう。
平均的に見て一人当たりの体重を約60kgとすると、60(kg)×50(人)で3000kgだ。
つまり3トン、小型トラックと同じくらいの重さだ。その小型トラックほどの重力を体中に感じているはずだ。
その上ゾンビはまだまだ増えている。出血も止むことを知らない。
よってしばらくして悪魔の動きはピタッと止まってしまった。
「ァァァァァァ……」
まだ悪魔は抵抗をしようと試みているような声は聞こえるが、特に大きな動きは見られなかった。
そして完全にゾンビの群衆に覆われてしまい姿が見えなくなってしまっている。
「こんな事があるなんて……」
1%にも満たない奇跡のような出来事が起きてしまった。あの悪魔を知性も力もないただのゾンビが唯一の強みである数の力で圧し潰してしまった。
自分にとっては全く危険性の無いゾンビの恐ろしさをたった今垣間見た。
「ヴォォォ……」
「ギャァァァァ……」
「……このままで死ぬのか?」
出血過多で死ぬ可能性は高い。しかし確実に頭を潰しておくことの方が安全な気がしたため、俺はゾンビの山の頂上まで登ろうとする。
ゾンビの山は意外にも地盤がしっかりしていて登りやすかった。この下に大量のゾンビがいるからこそのこの安定感なのだと思うと、少しあの悪魔には同情してしまうかもしれない。
そんなことを思いながら頂上に着き、頭の部分を見つけるべく砂を掘るようにゾンビの山の中を探る。
何層にも分かれているゾンビを掘り分けて、やっとの思いであの悪魔の顔を見つけ出す。
その悪魔の顔は最初の嬉々とした顔とは違い、どこか哀しげで苦しそうであった。まだ死にたく無いのだと痛い程に伝わってくる。
しかし俺が生きていくためにはこいつをここで殺さなければならないため、ポケットにある拳銃を出して顔のおでこの方に向ける。
「ギャァ……ギャアッ……!!」
銃を向けたことで自分の命が危ないと感じたのか必死に叫び始める。この様を見ると見た目を除けば本当に生まれたての赤ちゃんにしか見えない。
「ギャァッ……ァァァッ……」
「!?」
大きく口を空けて触手がゆっくりと喉の奥から出てくる。
先ほども見たため、驚きは最初よりも小さかったが、やはりこの見た目の気持ち悪さは慣れない。
そしてその触手の形は最初と同じようにみるみる変化していき、ミジンコのような微生物へとなった。
「ヒギャォァッ……!!」
「すまんな……もうお前とは遊んでやれねぇんだ……」
「ヒ……ヒギャァ……」
俺の言葉が通じたのか、諦めたように大人しくなる。初めて俺はゾンビと心が通じ合えた気がした。たまたまなのだろうけど、それが何故か少しだけ嬉しかった。
ゾンビは人間と違って嘘をつかない。自分の欲望の赴くままに行動する。だからこそ俺はゾンビは嫌いじゃない。
「じゃあな……」
「ヒギャァ……」
パァンッ
一発の銃弾が銃声を奏でながらそのミジンコの触手の脳天を貫いた。
「ヴォォォォ……」
「な、何が起きてるんだ……?」
目の前には有り得ない光景が広がっていた。それは俺が触手に犯される間一髪のところで、人間を襲うはずのゾンビが俺を救ってくれたこと……。
俺を助けようとしている意思は無いんだろうけど、実際に俺は目の前で救われていた。
そしてありえない光景がもう一つ。それはゾンビとゾンビが争っていること。基本的にゾンビは自分と同じ存在に興味を全く示さない。だからこそ恐らくゾンビと同じ体質と思われている俺はゾンビから襲われることは無い。
なのに目の前で何体ものゾンビが俺を襲った悪魔のようなゾンビの体中に噛みついていた。
(もしかしてこいつはゾンビとして認識されていない……?)
必然的にそういう考えになる。確かにこいつは他のゾンビとは明確に力の差があり、異常なほどに力があって言ってしまえばそこら辺のゾンビの上位互換だ。体の中から触手を出しては鎧のように体に巻き付けており、それは人間の筋肉と同じ働きをしていると言っていい。
体全体は元の大きさの2倍ほどに大きくなっており、身体能力も見た目通りに速くて強い。
そして多少だが感情表現もできる。よくよく観察して情報をつなげ合わせると、ゾンビのように見えて人間である部分も大きい。体の使い方や行動原理だったり……そう、まるでガキだ。生まれたてでまだ何もかもが新鮮で、好奇心旺盛。
人間を襲うのに殺意衝動を持っているわけではなく、ただ自分が楽しみために襲う。
そこがこいつとゾンビの根本的に異なる点。
その根本的に異なる点がゾンビが敵を襲う時の基準?ただ肉を貪る生物でないと敵として認識されるのか?
「ゴギャアアァアァ!」
「ヴォォッ……」
「!?」
何十体ものゾンビが体にしがみついていたのにも関わらず、勢いをつけて体を壁に衝突させたことで半分ほどのゾンビがふるい落される。そして衝突された壁はやはり崩れており大きな穴が空いていた。
「なんつー馬鹿力だよ本当に、……!?」
「グギャァァ……」
「うっ……!?」
もう余興は終わったと思わされるような顔をする。先程までの笑みはもう無く、俺というおもちゃと楽しむよりも早く俺を殺して終わらせたいらしい……。
その悪魔は背中に乗っている何匹ものゾンビを意に介すこともせず、俺の方にゆっくりと歩いて来た。
一瞬だけ奇跡は起きたが、その奇跡もこの悪魔の前では数秒の時間を作ることしかできないようだ……。
俺は再び危機的状況に追い込まれる。先程まで死を覚悟していたが、ゾンビがゾンビを襲う場面を見せられ今後に繋がる活路を多少は見出す事ができたのだ。
そのせいでまだここで死にたく無いと思ってしまった。まだもう少しだけ生き延びていたい……そう考えてしまう。
この状況をくぐり抜けるのは俺の力では無理だ。奇跡の上にまた奇跡を起こさないといけない。
そんなことが起きる確率なんて……1%もあるか分からないのに俺は心の底から願う。
(お願いだっ……誰か!俺はまだ死にたく無いんだよ!)
「グギャァァォ……!!」
「くっ……」
目の前の悪魔は腕を上げて俺を殺すためにそれを振り落とそうとする。
やはり駄目なのか……そう思った時だった。
「「「「ヴォォォォ……」」」」
「ゴォォォッ……!?」
振り落とそうした腕が止まる。その悪魔はゆっくり後ろを向き、背後のある一点を見つめていた。
俺もつられて同じ方向を見る。
「!?」
なんと崩れて穴が空いた壁からまた何十体ものゾンビが出現する。どうやら壁の向こうの部屋にまだゾンビが眠っていたらしく、その空いた穴から大量の水が溢れ出てくようにゾンビがこちらの方にやって来る。
そしてまだ終わらない……ふるい落されたゾンビが立ち上がり再び奴の方へ向かおうとする。
もはやそのゾンビの数は30を軽々と超える程であり、気が付けば4階からと2階からまだまだ多くのゾンビがこの3階のフロアに集まってきていた。
「多すぎるだろっ……」
こんなに密集しているゾンビを見たことがない。恐らく全員でかい音とこいつに引き付けられたのだろう。
そしてそのゾンビ達は悪魔の至る所にしがみついて噛みつき始める。それは首やアキレス腱、指や肘など……余す所なく噛みつく。
それにより出血がとんでもない量になり血が体中から噴き出し始める。
「ギャッ……ギャアァァァッ……!?」
悪魔はゾンビにしがみつかれながらも必死な形相で暴れ出す。それによって数人のゾンビが振るい落とされるが、それでは致命傷とはならないため再びしがみつく。
更にゾンビは別の階から3階に集まり出す。ぞろぞろと増えたゾンビは悪魔の方に引き寄せられる。
最初は簡単に体に乗っているゾンビを振るい落とすことができていたが、ゾンビの数が増えていくと徐々にそれは難しくなっていた。
ゾンビの数は恐らく50人を超えているだろう。
平均的に見て一人当たりの体重を約60kgとすると、60(kg)×50(人)で3000kgだ。
つまり3トン、小型トラックと同じくらいの重さだ。その小型トラックほどの重力を体中に感じているはずだ。
その上ゾンビはまだまだ増えている。出血も止むことを知らない。
よってしばらくして悪魔の動きはピタッと止まってしまった。
「ァァァァァァ……」
まだ悪魔は抵抗をしようと試みているような声は聞こえるが、特に大きな動きは見られなかった。
そして完全にゾンビの群衆に覆われてしまい姿が見えなくなってしまっている。
「こんな事があるなんて……」
1%にも満たない奇跡のような出来事が起きてしまった。あの悪魔を知性も力もないただのゾンビが唯一の強みである数の力で圧し潰してしまった。
自分にとっては全く危険性の無いゾンビの恐ろしさをたった今垣間見た。
「ヴォォォ……」
「ギャァァァァ……」
「……このままで死ぬのか?」
出血過多で死ぬ可能性は高い。しかし確実に頭を潰しておくことの方が安全な気がしたため、俺はゾンビの山の頂上まで登ろうとする。
ゾンビの山は意外にも地盤がしっかりしていて登りやすかった。この下に大量のゾンビがいるからこそのこの安定感なのだと思うと、少しあの悪魔には同情してしまうかもしれない。
そんなことを思いながら頂上に着き、頭の部分を見つけるべく砂を掘るようにゾンビの山の中を探る。
何層にも分かれているゾンビを掘り分けて、やっとの思いであの悪魔の顔を見つけ出す。
その悪魔の顔は最初の嬉々とした顔とは違い、どこか哀しげで苦しそうであった。まだ死にたく無いのだと痛い程に伝わってくる。
しかし俺が生きていくためにはこいつをここで殺さなければならないため、ポケットにある拳銃を出して顔のおでこの方に向ける。
「ギャァ……ギャアッ……!!」
銃を向けたことで自分の命が危ないと感じたのか必死に叫び始める。この様を見ると見た目を除けば本当に生まれたての赤ちゃんにしか見えない。
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「!?」
大きく口を空けて触手がゆっくりと喉の奥から出てくる。
先ほども見たため、驚きは最初よりも小さかったが、やはりこの見た目の気持ち悪さは慣れない。
そしてその触手の形は最初と同じようにみるみる変化していき、ミジンコのような微生物へとなった。
「ヒギャォァッ……!!」
「すまんな……もうお前とは遊んでやれねぇんだ……」
「ヒ……ヒギャァ……」
俺の言葉が通じたのか、諦めたように大人しくなる。初めて俺はゾンビと心が通じ合えた気がした。たまたまなのだろうけど、それが何故か少しだけ嬉しかった。
ゾンビは人間と違って嘘をつかない。自分の欲望の赴くままに行動する。だからこそ俺はゾンビは嫌いじゃない。
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