31 / 53
2章 病院編
25話
しおりを挟む
「お前これ自殺行為だろう……」
「ご、ごめんなさい……」
この女は涙を浮かべたまま謝罪をしているが、俺の腕に依然しがみついたまま。
置いていかれたく無いからと言って俺の腕にしがみつくのは全く持って理解ができない。
俺が狙われないからと言って俺にしがみついたら狙われないという訳ではないのだ。
それに片腕にしがみつかれるということは、俺の片腕は使用不可能となる。必然的にそれ以外の三肢で俺は襲ってくるゾンビからこの女を守ってやらなければならない。
(奏の時はゾンビが一箇所に集中していたから逃げ出せたのだ。それもギリギリであり、あと一歩遅ければ奏は噛まれていた。あの都合のいい状況でさえも奇跡的だったのだ……)
今回はどうか?このドアの向こうにはゾンビが四方八方に群がっている。
ここからエレベーターまで行くには一体何匹のゾンビを対処しなければならない?
エレベーターの待ち時間もある。それも込みするとエレベーターを背にして囲まれて逃げ場がなくなるリスクもある。
勿論俺だけならそんな事にはならない。問題はこの女……。
(俺が目の前で人が死んでも何とも思わない非情な人間だったらこんなに困ってないんだろうな……)
友達でも恋人でも無い人間をわざわざ守ろうとするなんて……本当に馬鹿らしい。俺じゃなくて他のやつがゾンビに襲われない体質だったとしたらもっと有効的に活用できるんだような。
まぁ今はそんな事を考えても仕方ない。この状況をどうやって潜り抜けるかに思考を凝らすべき。
そこで俺はたとえ自分の正体がバレるリスクを抱えたとしても、警察署の時みたいにゾンビを掃ける作戦をとるしか方法は無いと考える。
「置いてかないから離してくんねーか?」
俺にしがみついている女にそう提案をする。
「嘘。絶対置いて行くもん!」
しかし俺らはまだ会って間もない。当然俺の性格や体質を知らないため疑われても仕方ない。
「置いて行かない。信じてくれ」
俺は真剣な顔を取り繕って真っ直ぐ女の目を見る。感情で訴えることで信用してもらえるか試してみる。
「やだやだっ!私何も信じられないっ!」
(こ、コイツっ……!)
完全に考える事を放棄している。一人になりたくない一心で駄々をこねているのだ。
「置いて行かないで……置いて行かないで……」
腕にしがみつく力が更に強くなる。
(あ、腕の感覚が……血止まってるだろこれ)
どうやら俺にも時間がないようだ。こんな事で俺の腕を犠牲にするわけには行かない。
そう思い俺は考えをシフトする。強行突破だ。エレベーターまでの距離はそこまで遠くない。
俺はゾンビ映画で身につけた知識をここで頭をフル回転させて思い出す。この状況と似ているシーンを記憶の中から引っ張り出す。
ゾンビに囲まれている状況で抜け出すにはゾンビをエレベーターと逆方向に寄せる必要がある。
ゾンビは目が見えない。しかし鼻と耳の感覚が異常に鋭い。それを逆に利用する。
「なぁ、何か音が響きやすそうな物はこの部屋に無いか?」
「え……急に何ですか?」
「いいから。無いかって聞いてんだよ」
「え、えと……薬が入っている小瓶なら……」
小瓶か……一発の音の大きさは低いが何個もあればだいぶ引きつけられるだろう。
「じゃあそれを五個ほど使いたい。場所を教えてくれ」
「は、はぁ……いいですけど」
俺がこれから何をしようとしているのかが分からずに、ただ俺の指示に従ってその小瓶の方へ俺を連れて行こうとする。
腕を組みながら目の前の女の後をついて行くこの光景を見て俺は……
(彼女と腕を組みながらお出かけデートをする……そんなのを昔は夢見ていたがまさか今こんな状況で叶えられるとはな……)
まぁデートと呼ぶにはあまりに物騒すぎる状況ではあるが。
「これです……」
「おう」
俺は片腕しか使えないため、薬が入った小瓶一つをまず受け取ることにした。残りはこの女に持ってもらう事にして、俺は向こう側にゾンビがいるドアを開けようとする。
「な、何を……?」
「こうやって使うんだよ」
未だピンときて無さそうであった。
俺は少し開けたドアの隙間からエレベーターとは反対側でなるべく遠くに小瓶を投げた。その小瓶は空中で数回転して離れた所で地面に落ちて高い音を鳴らして割れる。
「ヴォォォ……」
「ぞ、ゾンビが割れた小瓶に引き寄せられてる?」
「音に敏感だからな奴等は」
「凄い……」
ゾンビ映画の知識はしっかりと俺の人生で要所要所で役に立っているな。改めてゾンビ映画を何本も観ていて良かったと思う。
そう考えるとゾンビ映画というのは、フィクションであっても中々に完成度が高い。現に映画内の出来事と現実の出来事で似ていることは多い。
俺はゾンビという架空のモノを創り出してくれた誰かも分からない人間に心の中で感謝する。
「ヴォォォ……」
「五匹くらいは引き付けられたか?」
「エレベーター側に後どれだけいるかですね……」
「そうだな」
俺がここまで来る時は十匹以上は恐らくいたため、まだ安心できるほどの数ではない。まだ何個も投げる必要があるな。
「全部投げる寄越せ」
「はい」
俺は一つずつ小瓶を受け取り、今度は放るのではなく強い音を響かせるように地面に残りの全てを投げ付ける。
「ヴォォォ……!」
(三匹か……これが限界っぽいな)
もうこれ以上鳴らしても聞こえないくらいの距離にゾンビがいると判断する。
「走るぞ、一発勝負だ」
「は、はい……」
俺達はドアを開けて全力で走り出す。
「お、重いっ!」
「そ、そんな事言わないでくださいっ!」
重いと言われた事で女は顔を赤らめる。
バランスを崩さずにギリギリで走れているが、今この態勢はまるで二人三脚だ。人が一人で走るよりも当然遅くなる。
「あっ!ゾンビが!」
「まだ気付かれてはいないが……通り過ぎれば勘付かれるだろうな」
「ど、どうしますか?」
「お前先行け、狙われない俺がゾンビ共を抑える。あの数なら俺一人でもいける」
ここまで来たらこの二人三脚の状態で逃げ切るのは難しい。そう考えて俺はこの女を引き離す事を考える。
置いていかれたく無いから俺にしがみついていた女だが、さすがにこの不利な状態で生き延びられるとは考えていないのかここで俺を信じて離れる事を決心する。
「絶対置いてかないで下さいね!」
「分かってるよ」
そして俺を置いてエレベーターの方に走ってボタンを押しに行く。
「ヴォォォ……!」
「ここは通行止め」
「ヴォッ!」
襲い掛かってくるゾンビ共を両腕を広げて抑える。
「開きました!早く来てください!」
「おう!……よっこらせい!」
俺は前から追加で襲ってくるゾンビ共に、腕で抑えていたゾンビを強く押してまたドミノ倒しのように倒して行く。
そして俺はゾンビが立ち上がる前にエレベーターの方へ走って無事に中へ入ることができた。
「ふぅ……取り敢えずは助かったな」
「……あ、ありがとうございます。まさかこんな簡単にエレベーターに乗れるなんて……」
「目一杯感謝しろよ。こんな事をしてやるのは最後だからな」
「はい……本当にありがとうございます」
またしても涙を流し始める。しかしこの涙は今までと違い、喜びから来る涙だということは俺でも分かった。
俺はどうやらまた一人の女を心から救い出せたらしい。
「ご、ごめんなさい……」
この女は涙を浮かべたまま謝罪をしているが、俺の腕に依然しがみついたまま。
置いていかれたく無いからと言って俺の腕にしがみつくのは全く持って理解ができない。
俺が狙われないからと言って俺にしがみついたら狙われないという訳ではないのだ。
それに片腕にしがみつかれるということは、俺の片腕は使用不可能となる。必然的にそれ以外の三肢で俺は襲ってくるゾンビからこの女を守ってやらなければならない。
(奏の時はゾンビが一箇所に集中していたから逃げ出せたのだ。それもギリギリであり、あと一歩遅ければ奏は噛まれていた。あの都合のいい状況でさえも奇跡的だったのだ……)
今回はどうか?このドアの向こうにはゾンビが四方八方に群がっている。
ここからエレベーターまで行くには一体何匹のゾンビを対処しなければならない?
エレベーターの待ち時間もある。それも込みするとエレベーターを背にして囲まれて逃げ場がなくなるリスクもある。
勿論俺だけならそんな事にはならない。問題はこの女……。
(俺が目の前で人が死んでも何とも思わない非情な人間だったらこんなに困ってないんだろうな……)
友達でも恋人でも無い人間をわざわざ守ろうとするなんて……本当に馬鹿らしい。俺じゃなくて他のやつがゾンビに襲われない体質だったとしたらもっと有効的に活用できるんだような。
まぁ今はそんな事を考えても仕方ない。この状況をどうやって潜り抜けるかに思考を凝らすべき。
そこで俺はたとえ自分の正体がバレるリスクを抱えたとしても、警察署の時みたいにゾンビを掃ける作戦をとるしか方法は無いと考える。
「置いてかないから離してくんねーか?」
俺にしがみついている女にそう提案をする。
「嘘。絶対置いて行くもん!」
しかし俺らはまだ会って間もない。当然俺の性格や体質を知らないため疑われても仕方ない。
「置いて行かない。信じてくれ」
俺は真剣な顔を取り繕って真っ直ぐ女の目を見る。感情で訴えることで信用してもらえるか試してみる。
「やだやだっ!私何も信じられないっ!」
(こ、コイツっ……!)
完全に考える事を放棄している。一人になりたくない一心で駄々をこねているのだ。
「置いて行かないで……置いて行かないで……」
腕にしがみつく力が更に強くなる。
(あ、腕の感覚が……血止まってるだろこれ)
どうやら俺にも時間がないようだ。こんな事で俺の腕を犠牲にするわけには行かない。
そう思い俺は考えをシフトする。強行突破だ。エレベーターまでの距離はそこまで遠くない。
俺はゾンビ映画で身につけた知識をここで頭をフル回転させて思い出す。この状況と似ているシーンを記憶の中から引っ張り出す。
ゾンビに囲まれている状況で抜け出すにはゾンビをエレベーターと逆方向に寄せる必要がある。
ゾンビは目が見えない。しかし鼻と耳の感覚が異常に鋭い。それを逆に利用する。
「なぁ、何か音が響きやすそうな物はこの部屋に無いか?」
「え……急に何ですか?」
「いいから。無いかって聞いてんだよ」
「え、えと……薬が入っている小瓶なら……」
小瓶か……一発の音の大きさは低いが何個もあればだいぶ引きつけられるだろう。
「じゃあそれを五個ほど使いたい。場所を教えてくれ」
「は、はぁ……いいですけど」
俺がこれから何をしようとしているのかが分からずに、ただ俺の指示に従ってその小瓶の方へ俺を連れて行こうとする。
腕を組みながら目の前の女の後をついて行くこの光景を見て俺は……
(彼女と腕を組みながらお出かけデートをする……そんなのを昔は夢見ていたがまさか今こんな状況で叶えられるとはな……)
まぁデートと呼ぶにはあまりに物騒すぎる状況ではあるが。
「これです……」
「おう」
俺は片腕しか使えないため、薬が入った小瓶一つをまず受け取ることにした。残りはこの女に持ってもらう事にして、俺は向こう側にゾンビがいるドアを開けようとする。
「な、何を……?」
「こうやって使うんだよ」
未だピンときて無さそうであった。
俺は少し開けたドアの隙間からエレベーターとは反対側でなるべく遠くに小瓶を投げた。その小瓶は空中で数回転して離れた所で地面に落ちて高い音を鳴らして割れる。
「ヴォォォ……」
「ぞ、ゾンビが割れた小瓶に引き寄せられてる?」
「音に敏感だからな奴等は」
「凄い……」
ゾンビ映画の知識はしっかりと俺の人生で要所要所で役に立っているな。改めてゾンビ映画を何本も観ていて良かったと思う。
そう考えるとゾンビ映画というのは、フィクションであっても中々に完成度が高い。現に映画内の出来事と現実の出来事で似ていることは多い。
俺はゾンビという架空のモノを創り出してくれた誰かも分からない人間に心の中で感謝する。
「ヴォォォ……」
「五匹くらいは引き付けられたか?」
「エレベーター側に後どれだけいるかですね……」
「そうだな」
俺がここまで来る時は十匹以上は恐らくいたため、まだ安心できるほどの数ではない。まだ何個も投げる必要があるな。
「全部投げる寄越せ」
「はい」
俺は一つずつ小瓶を受け取り、今度は放るのではなく強い音を響かせるように地面に残りの全てを投げ付ける。
「ヴォォォ……!」
(三匹か……これが限界っぽいな)
もうこれ以上鳴らしても聞こえないくらいの距離にゾンビがいると判断する。
「走るぞ、一発勝負だ」
「は、はい……」
俺達はドアを開けて全力で走り出す。
「お、重いっ!」
「そ、そんな事言わないでくださいっ!」
重いと言われた事で女は顔を赤らめる。
バランスを崩さずにギリギリで走れているが、今この態勢はまるで二人三脚だ。人が一人で走るよりも当然遅くなる。
「あっ!ゾンビが!」
「まだ気付かれてはいないが……通り過ぎれば勘付かれるだろうな」
「ど、どうしますか?」
「お前先行け、狙われない俺がゾンビ共を抑える。あの数なら俺一人でもいける」
ここまで来たらこの二人三脚の状態で逃げ切るのは難しい。そう考えて俺はこの女を引き離す事を考える。
置いていかれたく無いから俺にしがみついていた女だが、さすがにこの不利な状態で生き延びられるとは考えていないのかここで俺を信じて離れる事を決心する。
「絶対置いてかないで下さいね!」
「分かってるよ」
そして俺を置いてエレベーターの方に走ってボタンを押しに行く。
「ヴォォォ……!」
「ここは通行止め」
「ヴォッ!」
襲い掛かってくるゾンビ共を両腕を広げて抑える。
「開きました!早く来てください!」
「おう!……よっこらせい!」
俺は前から追加で襲ってくるゾンビ共に、腕で抑えていたゾンビを強く押してまたドミノ倒しのように倒して行く。
そして俺はゾンビが立ち上がる前にエレベーターの方へ走って無事に中へ入ることができた。
「ふぅ……取り敢えずは助かったな」
「……あ、ありがとうございます。まさかこんな簡単にエレベーターに乗れるなんて……」
「目一杯感謝しろよ。こんな事をしてやるのは最後だからな」
「はい……本当にありがとうございます」
またしても涙を流し始める。しかしこの涙は今までと違い、喜びから来る涙だということは俺でも分かった。
俺はどうやらまた一人の女を心から救い出せたらしい。
0
お気に入りに追加
199
あなたにおすすめの小説
小さなことから〜露出〜えみ〜
サイコロ
恋愛
私の露出…
毎日更新していこうと思います
よろしくおねがいします
感想等お待ちしております
取り入れて欲しい内容なども
書いてくださいね
よりみなさんにお近く
考えやすく
病気になって芸能界から消えたアイドル。退院し、復学先の高校には昔の仕事仲間が居たけれど、彼女は俺だと気付かない
月島日向
ライト文芸
俺、日生遼、本名、竹中祐は2年前に病に倒れた。
人気絶頂だった『Cherry’s』のリーダーをやめた。
2年間の闘病生活に一区切りし、久しぶりに高校に通うことになった。けど、誰も俺の事を元アイドルだとは思わない。薬で細くなった手足。そんな細身の体にアンバランスなムーンフェイス(薬の副作用で顔だけが大きくなる事)
。
誰も俺に気付いてはくれない。そう。
2年間、連絡をくれ続け、俺が無視してきた彼女さえも。
もう、全部どうでもよく感じた。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
実力を隠し「例え長男でも無能に家は継がせん。他家に養子に出す」と親父殿に言われたところまでは計算通りだったが、まさかハーレム生活になるとは
竹井ゴールド
ライト文芸
日本国内トップ5に入る異能力者の名家、東条院。
その宗家本流の嫡子に生まれた東条院青夜は子供の頃に実母に「16歳までに東条院の家を出ないと命を落とす事になる」と予言され、無能を演じ続け、父親や後妻、異母弟や異母妹、親族や許嫁に馬鹿にされながらも、念願適って中学卒業の春休みに東条院家から田中家に養子に出された。
青夜は4月が誕生日なのでギリギリ16歳までに家を出た訳だが。
その後がよろしくない。
青夜を引き取った田中家の義父、一狼は53歳ながら若い妻を持ち、4人の娘の父親でもあったからだ。
妻、21歳、一狼の8人目の妻、愛。
長女、25歳、皇宮警察の異能力部隊所属、弥生。
次女、22歳、田中流空手道場の師範代、葉月。
三女、19歳、離婚したフランス系アメリカ人の3人目の妻が産んだハーフ、アンジェリカ。
四女、17歳、死別した4人目の妻が産んだ中国系ハーフ、シャンリー。
この5人とも青夜は家族となり、
・・・何これ? 少し想定外なんだけど。
【2023/3/23、24hポイント26万4600pt突破】
【2023/7/11、累計ポイント550万pt突破】
【2023/6/5、お気に入り数2130突破】
【アルファポリスのみの投稿です】
【第6回ライト文芸大賞、22万7046pt、2位】
【2023/6/30、メールが来て出版申請、8/1、慰めメール】
【未完】
【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。
三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎
長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!?
しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。
ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない!
フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!
特殊部隊の俺が転生すると、目の前で絶世の美人母娘が犯されそうで助けたら、とんでもないヤンデレ貴族だった
なるとし
ファンタジー
鷹取晴翔(たかとりはると)は陸上自衛隊のとある特殊部隊に所属している。だが、ある日、訓練の途中、不慮の事故に遭い、異世界に転生することとなる。
特殊部隊で使っていた武器や防具などを召喚できる特殊能力を謎の存在から授かり、目を開けたら、絶世の美女とも呼ばれる母娘が男たちによって犯されそうになっていた。
武装状態の鷹取晴翔は、持ち前の優秀な身体能力と武器を使い、その母娘と敷地にいる使用人たちを救う。
だけど、その母と娘二人は、
とおおおおんでもないヤンデレだった……
第3回次世代ファンタジーカップに出すために一部を修正して投稿したものです。
【⁉】意味がわかると怖い話【解説あり】
絢郷水沙
ホラー
普通に読めばそうでもないけど、よく考えてみたらゾクッとする、そんな怖い話です。基本1ページ完結。
下にスクロールするとヒントと解説があります。何が怖いのか、ぜひ推理しながら読み進めてみてください。
※全話オリジナル作品です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる