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第91話 先へと進む
しおりを挟む〈破砕〉
とても簡単に掘れる。
この力で掘りまくってやるぜ!
「一応言っておくけど……」
……なに?
セーレが割って入る。
「ちゃんと考えて掘りなよ?ただ掘ってるだけだと崩れるよ?」
なるほど。
勉強になる!
「……大丈夫かねぇ」
大丈夫!大丈夫!
「まっ崩れても〈服従〉があれば何とかなるからね。……それにだいぶ戻って来たね」
戻って来た?
「ああ、皇帝になってから戦争も始めて……。口調とかも無理してたんだろ?前みたいに年相応の口調が良かったんだよ。
……アンタは自分の目的の為に素直になればいいのにさ!らしさを求めて無理してしまって……。心配だったんだよ」
……そうか。
ありがとう。
今思えば冒険者をやってた時が1番充実してた気がするなぁ。
もうあの時に戻る事は出来ないけど……。
まあこの戦争が終われば皇帝としての仕事は終わりだからな。
でも皇帝を辞めるなんで簡単には出来ないだろうから、レオノーラに国を任せて休暇でもとりたい所だ。
その先なんて考えてもいない。
魔界に行こうか、新しい国に行こうか。
その辺も考えたいものだ。
前々から言ってはいるけどなんだかんだで後回しになっていた。
そんな事を考えていると到着したみたいだ。
土ばかりだった感触が一気に金属に変化した。
バチンッ!!
「いっつ……」
「カイアス様!ご無事ですか?!」
「あ、ああ……」
なんだ?
〈破砕〉が弾かれた。
なんか電気の様な物が張り巡らされてる。
でも地面から見える金属の壁は少し崩れている。
なんでだ?
「カイアス。あんたの〈破砕〉は物体を壊すんだ。つまりそこにあるものなら壊れる。でも今のは電撃だ。
〈破砕〉が届く前に感電してしまうからね?これが〈破砕〉弱点みたいなもんさ」
じゃあ電撃はどうしようか……。
いや別に〈服従〉でなんとかなるよな。
やはり万能だ。
〈服従〉
「電撃よ、曲がれ」
〈破砕〉
さっきは弾かれたが今回は無事に破壊できた。
内部は通路になっていて中途半端な所だった。
これだとどっちに進んだらいいか分からない。
唯一分かる奴はあんな状態だし……。
「おーい!降りて来てもいいぞ!」
「かしこまりました!」
「ちょっと!デュラン。僕も連れて行って!」
上からデュランとデュランに抱えられたドルミーレが降りてくる。
「グラヴィカスは起きそうか?」
「駄目ですね。完全に沈黙しています」
「駄目か……」
「よっと……」
カリグラがグラヴィカスを連れて降りて来た。
「そいつ連れてくるのか?戦闘できないなら足手まといだろ?」
「そんな事、言わないであげてよ。とりあえずこっちに進もう。敵が来てもカイアスが守って僕とデュランが戦えば問題ないさ。さあ!行こう!」
カリグラは奥の方へ進む。
「なんでそっちなんだ?」
「方角的に……かな?あっちは僕たちが来た方向だ。そっちに進むのが正解ならグラヴィカスがずっと前に反応してたはずだかね。それに……」
それに?
通路の奥の暗闇から何か光った。
奥から2本の矢がドルミーレ目掛けて飛んできた。
「あああーー!!」
ドルミーレは物凄く叫ぶ。
これで俺たちの侵入がバレたんじゃないかってくらい叫ぶ。
しかしその矢はドルミーレに当たる前にカリグラが素手で掴んでへし折った。
「……それにこっちで正解みたいだ」
やっぱりカリグラのこうした時のセンスは凄いものがある。
「分かった。じゃあそっちに行こうか。グラヴィカスは俺が運ぶよ。カリグラが先頭でデュランが後ろを守ってくれ」
「分かったよ」
「かしこまりました。必ずお守り致します」
「よろしく。俺も〈探知〉は使っておくよ」
とりあえずは50%でいいか……。
その出力でも〈探知〉はかなりの範囲を索敵できる。
しかし反応は……ないな。
無い……というよりか、生命を確認出来ない。
〈探知〉は範囲内の生物を探知するものだからなぁ。
罠とかの無機物には反応しない。
グラヴィカスを起こそうにも〈服従〉は相手がその声を認識しないといけないから、起きろ!とか命令も出来ない。
今は起きるまで運ぶか……。
重い。
そこから矢が飛んで来た方向へ向けて全員で歩く。
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