67 / 95
第63話 決着の時
しおりを挟む
「ぐっ!があ!」
前と同じだ。身体が焼きつくようだ。
でも前と違うのは俺の意識がまだあるという事だ!
あの時は即座に意識を失ってしまった。
それにセーレは頑なに止めていたが、今は止めなかった。
それは俺が100%をほんの僅かな時間だけど使用可能になっている事を知っていたのだろうか………。
でもそれを言わなかったのは何か理由があったのか?
また俺の事を心配しての事だろうか。
セーレは言っていた。
アンタはこんなところでは死なないと。
それはやはり知っていて、尚且つ俺が100%を使うということも分かっていたのだろうか。
それはセーレのみぞ知る………だ。
しかし100%の使用、それも長くはもたない!
記憶が流れ込んでくる。
魔神の生きた記憶が。
数万年?数十万年?いやもっとそれ以上の長い長い記憶だ。
そして俺の身体も変化していく。
手や身体だけを見ると女性のような身体つきになっていく。
セーレと身体を入れ替える。それが100%なのか?
そう言えば前にセーレがそんな事を言っていた気がする。
駄目だ!頭が痛い。動けない。
「何が起こってるんだ?君のその姿が本当の姿なのかい?」
カリグラが狼狽えるような声を出している。
……………そうだ。
今はカリグラを倒す事だけを考えろ。
もう1分も意識を保っていられない。
完全に意識が飛ぶ前にこいつを敷地外へ押し出す!
「君が何をしようと無駄だ!これで終わりだ!」
カリグラが蹲る俺の顔に向けて蹴りを放つ。
でもこの蹴りはよく見えた。
とてもゆっくりに感じた。
もし今、動けるなら簡単に回避できるだろう。
スキル
〈真の服従〉
「…………動くな」
「な、何?なんで?動けないんだ」
カリグラの動きが止まった。
でも次は何を命じれば?
あああ!!駄目だ。考えがまとまらない。
もう意識が………。
「…カイアス。落ち着いて。次は相手を敷地の外へ吹き飛ばすんだ。さあどんなスキルを使えばいいかもう分かるだろう?」
この声はセーレの声か………。
いや自分が話しているのか?
それすらもよく分からない。
でもなんだろうとても安心する声だ。
少しだけ落ち着いた。
………分かったよ。俺が今、何をすべきなのか
スキル
〈真の浮遊〉
「カリグラよ。さらばだ」
「や、やめろ!お、俺は皇帝に……」
カリグラが叫んだ。こいつが叫ぶのを初めて見た。
だが止めるつもりなど無い。
それにカリグラの話を聞く余裕もない。
選定戦のルールの1つにはこんなのがあったはずだ。
視認できない程、空中へ移動すれば失格となる。
俺はカリグラを浮遊させ、上空へ吹っ飛ばした。
身体能力がどれだけ強化されていようと動けないなら意味はない。
「や、やめろーーー!!」
カリグラの身体は宙に浮き、そしてすごい速度で空へと飛び上がった。
瞬く間にカリグラは見えなくなった。
それと同時に鐘の音が聞こえた。
ゴーンゴーンゴーン
この鐘の音が意味するのは明確だった。
選定戦の決着。
そして俺も同じくして意識を失った。
前と同じだ。身体が焼きつくようだ。
でも前と違うのは俺の意識がまだあるという事だ!
あの時は即座に意識を失ってしまった。
それにセーレは頑なに止めていたが、今は止めなかった。
それは俺が100%をほんの僅かな時間だけど使用可能になっている事を知っていたのだろうか………。
でもそれを言わなかったのは何か理由があったのか?
また俺の事を心配しての事だろうか。
セーレは言っていた。
アンタはこんなところでは死なないと。
それはやはり知っていて、尚且つ俺が100%を使うということも分かっていたのだろうか。
それはセーレのみぞ知る………だ。
しかし100%の使用、それも長くはもたない!
記憶が流れ込んでくる。
魔神の生きた記憶が。
数万年?数十万年?いやもっとそれ以上の長い長い記憶だ。
そして俺の身体も変化していく。
手や身体だけを見ると女性のような身体つきになっていく。
セーレと身体を入れ替える。それが100%なのか?
そう言えば前にセーレがそんな事を言っていた気がする。
駄目だ!頭が痛い。動けない。
「何が起こってるんだ?君のその姿が本当の姿なのかい?」
カリグラが狼狽えるような声を出している。
……………そうだ。
今はカリグラを倒す事だけを考えろ。
もう1分も意識を保っていられない。
完全に意識が飛ぶ前にこいつを敷地外へ押し出す!
「君が何をしようと無駄だ!これで終わりだ!」
カリグラが蹲る俺の顔に向けて蹴りを放つ。
でもこの蹴りはよく見えた。
とてもゆっくりに感じた。
もし今、動けるなら簡単に回避できるだろう。
スキル
〈真の服従〉
「…………動くな」
「な、何?なんで?動けないんだ」
カリグラの動きが止まった。
でも次は何を命じれば?
あああ!!駄目だ。考えがまとまらない。
もう意識が………。
「…カイアス。落ち着いて。次は相手を敷地の外へ吹き飛ばすんだ。さあどんなスキルを使えばいいかもう分かるだろう?」
この声はセーレの声か………。
いや自分が話しているのか?
それすらもよく分からない。
でもなんだろうとても安心する声だ。
少しだけ落ち着いた。
………分かったよ。俺が今、何をすべきなのか
スキル
〈真の浮遊〉
「カリグラよ。さらばだ」
「や、やめろ!お、俺は皇帝に……」
カリグラが叫んだ。こいつが叫ぶのを初めて見た。
だが止めるつもりなど無い。
それにカリグラの話を聞く余裕もない。
選定戦のルールの1つにはこんなのがあったはずだ。
視認できない程、空中へ移動すれば失格となる。
俺はカリグラを浮遊させ、上空へ吹っ飛ばした。
身体能力がどれだけ強化されていようと動けないなら意味はない。
「や、やめろーーー!!」
カリグラの身体は宙に浮き、そしてすごい速度で空へと飛び上がった。
瞬く間にカリグラは見えなくなった。
それと同時に鐘の音が聞こえた。
ゴーンゴーンゴーン
この鐘の音が意味するのは明確だった。
選定戦の決着。
そして俺も同じくして意識を失った。
0
お気に入りに追加
729
あなたにおすすめの小説
転生貴族のハーレムチート生活 【400万ポイント突破】
ゼクト
ファンタジー
ファンタジー大賞に応募中です。 ぜひ投票お願いします
ある日、神崎優斗は川でおぼれているおばあちゃんを助けようとして川の中にある岩にあたりおばあちゃんは助けられたが死んでしまったそれをたまたま地球を見ていた創造神が転生をさせてくれることになりいろいろな神の加護をもらい今貴族の子として転生するのであった
【不定期になると思います まだはじめたばかりなのでアドバイスなどどんどんコメントしてください。ノベルバ、小説家になろう、カクヨムにも同じ作品を投稿しているので、気が向いたら、そちらもお願いします。
累計400万ポイント突破しました。
応援ありがとうございます。】
ツイッター始めました→ゼクト @VEUu26CiB0OpjtL
王宮で汚職を告発したら逆に指名手配されて殺されかけたけど、たまたま出会ったメイドロボに転生者の技術力を借りて反撃します
有賀冬馬
ファンタジー
王国貴族ヘンリー・レンは大臣と宰相の汚職を告発したが、逆に濡れ衣を着せられてしまい、追われる身になってしまう。
妻は宰相側に寝返り、ヘンリーは女性不信になってしまう。
さらに差し向けられた追手によって左腕切断、毒、呪い状態という満身創痍で、命からがら雪山に逃げ込む。
そこで力尽き、倒れたヘンリーを助けたのは、奇妙なメイド型アンドロイドだった。
そのアンドロイドは、かつて大賢者と呼ばれた転生者の技術で作られたメイドロボだったのだ。
現代知識チートと魔法の融合技術で作られた義手を与えられたヘンリーが、独立勢力となって王国の悪を蹴散らしていく!
転生した体のスペックがチート
モカ・ナト
ファンタジー
とある高校生が不注意でトラックに轢かれ死んでしまう。
目覚めたら自称神様がいてどうやら異世界に転生させてくれるらしい
このサイトでは10話まで投稿しています。
続きは小説投稿サイト「小説家になろう」で連載していますので、是非見に来てください!
全校転移!異能で異世界を巡る!?
小説愛好家
ファンタジー
全校集会中に地震に襲われ、魔法陣が出現し、眩い光が体育館全体を呑み込み俺は気絶した。
目覚めるとそこは大聖堂みたいな場所。
周りを見渡すとほとんどの人がまだ気絶をしていてる。
取り敢えず異世界転移だと仮定してステータスを開こうと試みる。
「ステータスオープン」と唱えるとステータスが表示された。「『異能』?なにこれ?まぁいいか」
取り敢えず異世界に転移したってことで間違いなさそうだな、テンプレ通り行くなら魔王討伐やらなんやらでめんどくさそうだし早々にここを出たいけどまぁ成り行きでなんとかなるだろ。
そんな感じで異世界転移を果たした主人公が圧倒的力『異能』を使いながら世界を旅する物語。
ハズレスキル【収納】のせいで実家を追放されたが、全てを収納できるチートスキルでした。今更土下座してももう遅い
平山和人
ファンタジー
侯爵家の三男であるカイトが成人の儀で授けられたスキルは【収納】であった。アイテムボックスの下位互換だと、家族からも見放され、カイトは家を追放されることになった。
ダンジョンをさまよい、魔物に襲われ死ぬと思われた時、カイトは【収納】の真の力に気づく。【収納】は魔物や魔法を吸収し、さらには異世界の飲食物を取り寄せることができるチートスキルであったのだ。
かくして自由になったカイトは世界中を自由気ままに旅することになった。一方、カイトの家族は彼の活躍を耳にしてカイトに戻ってくるように土下座してくるがもう遅い。
[鑑定]スキルしかない俺を追放したのはいいが、貴様らにはもう関わるのはイヤだから、さがさないでくれ!
どら焼き
ファンタジー
ついに!第5章突入!
舐めた奴らに、真実が牙を剥く!
何も説明無く、いきなり異世界転移!らしいのだが、この王冠つけたオッサン何を言っているのだ?
しかも、ステータスが文字化けしていて、スキルも「鑑定??」だけって酷くない?
訳のわからない言葉?を発声している王女?と、勇者らしい同級生達がオレを城から捨てやがったので、
なんとか、苦労して宿代とパン代を稼ぐ主人公カザト!
そして…わかってくる、この異世界の異常性。
出会いを重ねて、なんとか元の世界に戻る方法を切り開いて行く物語。
主人公の直接復讐する要素は、あまりありません。
相手方の、あまりにも酷い自堕落さから出てくる、ざまぁ要素は、少しづつ出てくる予定です。
ハーレム要素は、不明とします。
復讐での強制ハーレム要素は、無しの予定です。
追記
2023/07/21 表紙絵を戦闘モードになったあるヤツの参考絵にしました。
8月近くでなにが、変形するのかわかる予定です。
2024/02/23
アルファポリスオンリーを解除しました。
転移した場所が【ふしぎな果実】で溢れていた件
月風レイ
ファンタジー
普通の高校2年生の竹中春人は突如、異世界転移を果たした。
そして、異世界転移をした先は、入ることが禁断とされている場所、神の園というところだった。
そんな慣習も知りもしない、春人は神の園を生活圏として、必死に生きていく。
そこでしか成らない『ふしぎな果実』を空腹のあまり口にしてしまう。
そして、それは世界では幻と言われている祝福の果実であった。
食料がない春人はそんなことは知らず、ふしぎな果実を米のように常食として喰らう。
不思議な果実の恩恵によって、規格外に強くなっていくハルトの、異世界冒険大ファンタジー。
大修正中!今週中に修正終え更新していきます!
創造眼〜異世界転移で神の目を授かり無双する。勇者は神眼、魔王は魔眼だと?強くなる為に努力は必須のようだ〜
雅
ファンタジー
【HOTランキング入り!】【ファンタジーランキング入り!】
【次世代ファンタジーカップ参加】応援よろしくお願いします。
異世界転移し創造神様から【創造眼】の力を授かる主人公あさひ!
そして、あさひの精神世界には女神のような謎の美女ユヅキが現れる!
転移した先には絶世の美女ステラ!
ステラとの共同生活が始まり、ステラに惹かれながらも、強くなる為に努力するあさひ!
勇者は神眼、魔王は魔眼を持っているだと?
いずれあさひが無双するお話です。
二章後半からちょっとエッチな展開が増えます。
あさひはこれから少しずつ強くなっていきます!お楽しみください。
ざまぁはかなり後半になります。
小説家になろう様、カクヨム様にも投稿しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる