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第53話 選定戦の説明
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老人風の執事が話す
「今回の選定戦についてですが、参加は合計8名です 場所はここから東へ数キロ程、進んだ先にある森林地帯になります
勝敗の決め方は最後まで立っていた人物が次の皇帝となります 森林地帯は柵で囲われていますので、その柵を超えると失格になります
上空に関しては規定はありませんが見えなくなった時点で失格になります 周辺には審査官が複数配置されており絶対公平の元、判断が下されますのでご安心下さい 」
審査官は公平か
ここが1番の不安要素だ
戦う前から敗北していたのでは意味がない
「あなたは審査官なのか?」
「お答えできません」
「審査官は公平だと証明できるか? それに今回の選定戦の内容は誰が決めたんだ?」
「公平、中立だとお約束しましょう 選定戦の内容や審査官を誰が決めているのかは誰も分かりません お互いも誰が審査官なのか知りません」
一応、確認しておこう
ベリス、ベリト行くぞ?
「「はーい!任されたー」」
〈秘密を暴く〉〈秘密を隠す〉
ベリス……なんだこれ?
普通なら記憶を覗いて相手に話させるか相手が見た物を自分が見たように認知できるものなのだが、この人は真っ黒だ
「カイアスさん!この人の記憶が読めないよ!なんでなんでー?」
ベリスに分からないなら俺にも分からないだろう
ベリトは分かるか
「た、多分… この人の記憶に誰かが鍵をかけたんだと思う」
どういう事だ?
俺にも分かるように言ってくれ
「えっと……えっとね あのね 僕と同じスキルで記憶を他人が覗けないようになってるんだと思う でもお姉ちゃんのスキルでも覗けないなんて……」
つまりベリスたち上位の悪魔を凌駕するスキルを持った者がこの選定戦に潜んでいるという事か
「これはただの皇帝を決める勝負ってだけではなさそうだね この国には何かありそうだ」
セーレも疑いを持っている
ベリト
俺がスキルを使った事は隠せるか?
「うん!それは大丈夫です 記憶を隠す事はできます」
よし!
とりあえず俺がスキルを使った事実は隠した
そして、やはりこの選定戦には裏がある
悪魔や天使、もしかすると魔神や神が関わっているかもしれない
そいつらが見ている前でセーレのスキルを使い過ぎるのも駄目だろう
選定戦が始まれば短期決戦で行こうか
でもルールって何があるのだろう
「聞いてもいいか?」
「お答えできる内容であれば可能です」
「ルールで禁止されている事はあるか?」
「先程、説明した敷地を出る 認識出来ないほど空中にいくなど勝負を放棄したとみなされる行為は失格となります 戦闘に関しては特にルールはありません」
ベリスが話し出す
「はい!私、分かっちゃった!」
何が?どうした?
「カ、カイアスさん お姉ちゃんはルールの穴とかを見つけるの好きなんです 言葉に隠された秘密を暴くんです」
なるほど
そういうスキル持ちだしな
で、何が分かったの?
「えーとね!失格とかはそのままだから気をつけないといけないけど 戦闘に関してはルールがないなら徒党を組んだり、相手が死んじゃってもいいって事だね! それに最後まで立っている人が皇帝ならお姉様のスキルで跪かせたら戦闘しなくても勝ちだね!」
なるほど!
相手を無理に戦闘不能にしなくてもいいって事か
でもそれはつまらないな
ラシードだけでも絶対苦しめてから殺してやるよ
カリグラも倒さないと俺が皇帝になって後も面倒なことになるだろうから始末しておきたい
「他に何かご質問はありますか」
「いや大丈夫だ ありがとう 何かあったらまた聞くよ」
「では行きましょう 選定戦会場に案内致します 観戦出来る場所も用意しておりますので、レオノーラ様とお付きの方もこちらへ」
俺はデュランに近づくと小声で話す
「デュラン 観戦している時もレオノーラを守れ ルールでは柵の外から攻撃してはいけないと言っていない
人質を取られたり、外から遠距離の攻撃をしてくる可能性もある 俺は柵の外に出られない もしそんな事があったらお前が何とかしてくれ」
「かしこまりました この命に変えても」
そして俺たち3人は会場へ向かう為、馬車に乗り込む
馬車の中で思いついた質問をする
「敷地内に入ったら即座に開始なのか?武器とかも使っていいのか? あと合図とかはあるのか?」
執事が答える
「選定戦参加者は全員が一定の距離を置いた状態で敷地内に案内されます 制限時間もありません 武器の使用も可能です 参加者全員が入った時点で開始されます
鐘の音が開始の合図になりそれまでは動かないで下さい
スキルは使用していただいても問題ありませんが、攻撃は禁止です」
「分かった」
「今のうちに疑問を解決して下さい それにカイアス様は選定戦についてあまりご理解が進んでいない様に見受けられますので
選定戦のルールに関しては可能な限り他の方との溝を埋めておいていただきたいのです」
「いや もう大丈夫だ」
「かしこまりました もう間も無く到着です あそこに見えるのが会場です 周辺には人も住んでいないのでご安心下さい 魔獣などはいるかもしれませんが」
窓から外を見ると森が見えた
少し懐かしい感じもする
俺がスキルを開花する前に1人で住んでいたルーヴェルの森に似ているから
あそこから随分と遠くに来たもんだ
そして馬車が停まる
俺は1人ここで降りる
目の前には石で出来た柵というか壁があった
そして扉も
ここに入った時点でもう外には出られない
決意が固まったら入ってくれとの事だ
レオノーラには激励を受けた
デュランは何も話さなかった
決意?
そんな物、カリグラを相手にした時から決まっている
この世界を変える事もセーレと出会った時から決まっているさ
そして俺は扉を開け、中に入った
「今回の選定戦についてですが、参加は合計8名です 場所はここから東へ数キロ程、進んだ先にある森林地帯になります
勝敗の決め方は最後まで立っていた人物が次の皇帝となります 森林地帯は柵で囲われていますので、その柵を超えると失格になります
上空に関しては規定はありませんが見えなくなった時点で失格になります 周辺には審査官が複数配置されており絶対公平の元、判断が下されますのでご安心下さい 」
審査官は公平か
ここが1番の不安要素だ
戦う前から敗北していたのでは意味がない
「あなたは審査官なのか?」
「お答えできません」
「審査官は公平だと証明できるか? それに今回の選定戦の内容は誰が決めたんだ?」
「公平、中立だとお約束しましょう 選定戦の内容や審査官を誰が決めているのかは誰も分かりません お互いも誰が審査官なのか知りません」
一応、確認しておこう
ベリス、ベリト行くぞ?
「「はーい!任されたー」」
〈秘密を暴く〉〈秘密を隠す〉
ベリス……なんだこれ?
普通なら記憶を覗いて相手に話させるか相手が見た物を自分が見たように認知できるものなのだが、この人は真っ黒だ
「カイアスさん!この人の記憶が読めないよ!なんでなんでー?」
ベリスに分からないなら俺にも分からないだろう
ベリトは分かるか
「た、多分… この人の記憶に誰かが鍵をかけたんだと思う」
どういう事だ?
俺にも分かるように言ってくれ
「えっと……えっとね あのね 僕と同じスキルで記憶を他人が覗けないようになってるんだと思う でもお姉ちゃんのスキルでも覗けないなんて……」
つまりベリスたち上位の悪魔を凌駕するスキルを持った者がこの選定戦に潜んでいるという事か
「これはただの皇帝を決める勝負ってだけではなさそうだね この国には何かありそうだ」
セーレも疑いを持っている
ベリト
俺がスキルを使った事は隠せるか?
「うん!それは大丈夫です 記憶を隠す事はできます」
よし!
とりあえず俺がスキルを使った事実は隠した
そして、やはりこの選定戦には裏がある
悪魔や天使、もしかすると魔神や神が関わっているかもしれない
そいつらが見ている前でセーレのスキルを使い過ぎるのも駄目だろう
選定戦が始まれば短期決戦で行こうか
でもルールって何があるのだろう
「聞いてもいいか?」
「お答えできる内容であれば可能です」
「ルールで禁止されている事はあるか?」
「先程、説明した敷地を出る 認識出来ないほど空中にいくなど勝負を放棄したとみなされる行為は失格となります 戦闘に関しては特にルールはありません」
ベリスが話し出す
「はい!私、分かっちゃった!」
何が?どうした?
「カ、カイアスさん お姉ちゃんはルールの穴とかを見つけるの好きなんです 言葉に隠された秘密を暴くんです」
なるほど
そういうスキル持ちだしな
で、何が分かったの?
「えーとね!失格とかはそのままだから気をつけないといけないけど 戦闘に関してはルールがないなら徒党を組んだり、相手が死んじゃってもいいって事だね! それに最後まで立っている人が皇帝ならお姉様のスキルで跪かせたら戦闘しなくても勝ちだね!」
なるほど!
相手を無理に戦闘不能にしなくてもいいって事か
でもそれはつまらないな
ラシードだけでも絶対苦しめてから殺してやるよ
カリグラも倒さないと俺が皇帝になって後も面倒なことになるだろうから始末しておきたい
「他に何かご質問はありますか」
「いや大丈夫だ ありがとう 何かあったらまた聞くよ」
「では行きましょう 選定戦会場に案内致します 観戦出来る場所も用意しておりますので、レオノーラ様とお付きの方もこちらへ」
俺はデュランに近づくと小声で話す
「デュラン 観戦している時もレオノーラを守れ ルールでは柵の外から攻撃してはいけないと言っていない
人質を取られたり、外から遠距離の攻撃をしてくる可能性もある 俺は柵の外に出られない もしそんな事があったらお前が何とかしてくれ」
「かしこまりました この命に変えても」
そして俺たち3人は会場へ向かう為、馬車に乗り込む
馬車の中で思いついた質問をする
「敷地内に入ったら即座に開始なのか?武器とかも使っていいのか? あと合図とかはあるのか?」
執事が答える
「選定戦参加者は全員が一定の距離を置いた状態で敷地内に案内されます 制限時間もありません 武器の使用も可能です 参加者全員が入った時点で開始されます
鐘の音が開始の合図になりそれまでは動かないで下さい
スキルは使用していただいても問題ありませんが、攻撃は禁止です」
「分かった」
「今のうちに疑問を解決して下さい それにカイアス様は選定戦についてあまりご理解が進んでいない様に見受けられますので
選定戦のルールに関しては可能な限り他の方との溝を埋めておいていただきたいのです」
「いや もう大丈夫だ」
「かしこまりました もう間も無く到着です あそこに見えるのが会場です 周辺には人も住んでいないのでご安心下さい 魔獣などはいるかもしれませんが」
窓から外を見ると森が見えた
少し懐かしい感じもする
俺がスキルを開花する前に1人で住んでいたルーヴェルの森に似ているから
あそこから随分と遠くに来たもんだ
そして馬車が停まる
俺は1人ここで降りる
目の前には石で出来た柵というか壁があった
そして扉も
ここに入った時点でもう外には出られない
決意が固まったら入ってくれとの事だ
レオノーラには激励を受けた
デュランは何も話さなかった
決意?
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